2015/06/29 のログ
ご案内:「軽音部部室」に雪城氷架さんが現れました。
雪城氷架 > 生徒に管理を任された部室にしては広めの軽音部の部室
防音まわりや、楽器が場所をとるせいでもあるだろう

その部室のドアがギィ…と音を立てて開く

ひょっこり顔を覗かせて、誰もいない部室へと入っていく

「(なんだよ、いないじゃん)」

ドアには鍵がかかっていたので、いないのはわかっていたが

雪城氷架 > 「(……ま、来るわけないよな)」

昨日の今日だ
放課後にギターを教えてもらう曜日だといっても、来るわけがない

むしろ来たらすごいなお前と褒めてやりたいところだ

少し傷んだ、先輩たちが利用していたであろうソファに腰をかけて、
はぁ、とため息を一つついた

雪城氷架 > 正直、浮かれていたと思う

朝から、柄にもなく早起きをして
いつもよりも念入りに髪型や顔のチェックをして学校に行き
1限目から真面目に講義を受けてしまった

友達から 何かいいことあった? と聞かれるくらいには
自分は浮かれていたのだと思う

九郎に、あんなコトをさせておいて

「(……けど、何も出来ないよな)」

九郎は友達だ
大事な軽音部の仲間で、まだ本格的な始動ができていない練習段階とはいえ、バンドのリーダーだ

……向こうはもうそう思っていないかもしれないけど

雪城氷架 > じっと手を見る
細く白い指は、指先だけ、触るとほんの少し硬い

「(やっと少し演奏できるようになってきたトコだったんだけどな)」

ソファから立ち上がって、何の気もなく、ドラムセットに座る

ドラムは全く練習していないのでタン、タタン…と適当なリズムで叩くしか出来ないが

ご案内:「軽音部部室」に倉来 灯さんが現れました。
雪城氷架 > 「………」

しばらく叩いていたが、そのうち虚しくなったのか、スティックを置いた

……なんだか嫌な考えが頭を過ぎる
もしかして、軽音部は自分のせいでバラバラになるんじゃないか、と

バンドが解散する原因としては、メンバー同士の色恋沙汰というのはポピュラーなものらしい

倉来 灯 > ギィー と 暢気に扉が開く。
何も知らずに人気の少ない部室に入ってくれば。

「あれ、今日は氷架ちゃんだけ?」

知らぬが仏。
珍しーと感想をもらして、定位置にカバンを置き ドラムセットに近づいていく。

雪城氷架 > 「よ …ん、そうみたいだ」

溜息をつきつつソファへと戻る
自分のギターを持っていない氷架には練習するためのモノすらない
お小遣いを貯めてはいるものの、なかなか良いタイミングでできるバイトも見つからず、自分の楽器はまだ買えていない

………もしかしたら、それももう要らなくなるかもしれないけれど

倉来 灯 > 「そっかー」
返事をしながら、椅子に座る。
スティックを手に取ると、それをくるりと一回転。

簡単にリズムをとってから、一定のリズムを刻み始める。

「なんか悩み事ー?」

雪城氷架 > 「悩みっていうか……」

ソファの上で三角座りに姿勢を変えて

放課後になるまでは、夢見心地とても良い日だったのに
現実的にならざるを得ない
昨晩、女子寮の前であった出来事は、重いことなのだ

でもきっと、九郎はずっとそういう思いを抱いている

「……バンド、なくなっちゃうかも……」

考えうる最悪の未来は、それだ

倉来 灯 > 「うぇ!?」
ドシャーン! 爆弾発言に思いっきりトチった。

「ななななんで!?
 最近物騒だから、なんかこう反社会的なモノは禁止します的なムーブ!?」

雪城氷架 > なんで?

なんでって

「九郎は、もう私と一緒には歌ってくれないかもしれないから。
 あっ…私が抜ければ済む話なら、それはそれで、いいんだけどさ…」

三角座りのまま、自分の膝に顔を埋める

昨晩、走り去っていく九郎を追いかけることはしなかった
それは自分なりの答えで、多分追いかけても何も出来なかった

「(私も私で、九郎にどんな顔して会えばいいかわかんないよな…)」

それでも部室に足を向けた
軽音部の仲間としての答えは、出さなければいけなかったから

倉来 灯 > 喧嘩でもしたんだろうか。
でも原因がわからなければ助言もできやしない。
かといって踏み込んで聞けるような空気でもないし……。
思考だけが目まぐるしく回っていく。
空回りしてる気もするんだけど。

「……何があったのかなんて、わかんないんだけどさ。
 アタイって元々は人数合わせの部員でさ。
 マジック研究会なんてアタイ一人で、こっちに纏められて籍入れてるようなモンだったんだんけど。
 ドラムも……その、人気ないじゃん?ギターとかベースに比べたら。
 もう覚えるのに必死でさ、そしたら烏丸君があれよあれよと色んな人連れてきてさ。
 気がついたら素人ばっかりだけどメンバーだけはきちんと居てさ」
あれ、何言ってるんだろう。
「あー、こういうのいいなぁ なんて 最近思い始めてきたんだけど」
おかしいな、なんか視界が歪んできた気がする。
異能を使ってないんだけどなぁ。
「……あはは……そっかぁ……」

雪城氷架 > 「そ、それは違うって!
 バンドの、音楽の中心はドラムなんだ。目立つとか目立たないとかじゃなくて…
 ドラムがリズムをとって、それにベースが乗っかって、
 それに合わせてギターを鳴らして、一番最後に歌が入ってそれで完成なんだって、だから…」

灯の言葉に思わず顔をあげて力説してしまう
……なんだこんなこと?
あぁ…全部九郎が言ってたことそのままじゃないか、これ

「……ごめん、灯が言いたいの、そういうことじゃないよな…。
 でも………あっ、け、喧嘩したとかじゃないからなっ、一応…」

でも、確かなことはあるんだ
九郎がああなったのは、自分のせいだということ

ご案内:「軽音部部室」に烏丸 九郎さんが現れました。
烏丸 九郎 > おう、わりぃ、おくれた

(少年はドアをあけると、一瞬ホッとしたような表情を浮かべ
室内に入ってくる。
目の下にはクマがあり、昨日はねていないであろうことを伺わせるも
その表情に暗いものはなく、いつもどおりの少年の姿であった。)

倉来 灯 > 「喧嘩じゃないなら、いったいなん―――」
そこで当の本人が入ってきたので言葉を飲み込む。

「遅いじゃん、何テスト勉強でもやってた?
 どうせ今からやっても無駄だよ?」
せめて舞台の上にいる時のような軽口を叩こう。
涙目だけど。

……そして自分の気持ちを自覚する。
ああ、悔しいんだなぁ。

雪城氷架 > 「あっ……」
なんということはない
ただ、遅れただけだったのだ

…が、少年の表情とは裏腹に、氷架の表情は、眉を顰めた、いたたまれない顔

「……く、クロウっ、あ、あのさっ、昨日のこと……っ」

どうするというのだろう、謝ろうとしているのだろうか、自分は
謝ってもどうしようもないじゃないか、じゃあ何て声をかければ?

言いかけたままに、言葉が続かない───

烏丸 九郎 > ちょっと寝不足でよ。
まぁ、いいじゃねぇか。
氷架も来てるみてーだし、早速練習始めるか。

(ずかずかとソファに向かい、ギターの入ったバッグを氷架の隣に立てかける。
自身のベースは部室においてある物を使う。
ベースを手に取れば、いつもの様に氷架の座っているソファに座って、いつもの様に氷架に視線を送る。)

ばーか、忘れろよ。恥ずかしいだろ?

(ニヤッと笑って氷架のおでこを人差し指でツンと小突く)