2015/06/22 のログ
ご案内:「図書館」に和泉 兼次さんが現れました。
■和泉 兼次 > 備え付けの机と椅子。
4人掛けの一つを占拠し、ノートや教科書を数冊広げている。
無言でただ、カリカリカリとシャーペンの音だけが走っている。
典型的なガリ勉男子高校生の姿。…のように見えてプレーヤーはしっかり耳にささっている。
うるさくするのはご法度だが、これくらいはいいだろう。
時折、んー、と手を止め少し悩む。
窓の外は日が落ちかけ、そろそろ薄暗くなろうとしていた。
■和泉 兼次 > 手元にある教科書を開き、んー、とまた悩む。
次に図書館の蔵書らしき書物を開いて、索引を調べる。
表紙には『魔術の体系と歴史』とタイトルが書かれていた。
ちょっと悩むような、胡散臭いなぁという顔をしながらノートをまとめていく。
筆記試験はまぁ、順当にまとめておけばどうにかなるだろう。そんな雰囲気。
■和泉 兼次 > えーっと、と呟きまた調べる。
本土での主要課目とはまた勝手が違う。
随分やりづらいなぁ、と多少苦戦している様子。
解りやすくまとめる、というだけでそれなりに苦労をするものだ。
ただそれをやる事で頭に入るのだからやらざるを得ない。
「えーっと…次は…。」
細かい言葉の意味も調べて書き込んでいく。
■和泉 兼次 > 「…ん?」
…本を片手にしばし固まる。
パラパラとページをめくること少し。
…どこだこれ。
とちょっと疲れた感じで呟いた。
参った。新しい本探さないとダメかなー、とため息をついた。
■和泉 兼次 > しょうがない。
ぱたん、とノートを閉じると一度鞄に纏める。
出していた本を返却棚に戻すと、一度休憩するために出て行った。
ご案内:「図書館」から和泉 兼次さんが去りました。
ご案内:「図書館」に朱堂 緑さんが現れました。
■朱堂 緑 > 図書館の一角。
隅のテーブルを大量の教科書、資料、書類、端書、ノートで占拠した男が、目の下にくまをこさえて書き物を続けている。
黒のザンバラ髪の隙間から覗く虚ろな黒瞳はふらふらと書類の上を漂い、時折つく溜息を質量を感じさせるほどに重い。
■朱堂 緑 > 右手をポケットに突っこんだまま、左手だけで作業を続けるその男。
雰囲気は決して明るいとはいえず、林立する書類の山を遅々たる速度で崩している。
しかし、調子が良いとは決して言えないようで、細かく休んでは瞼を指の腹で抑え、何度か揉み解してから作業に戻るというのを繰り返している。
■朱堂 緑 > 少し、『使い込み過ぎた』か。
胸中でそう一人ごち、軽く頭を振る。
高純度の魔導具……平たく言うと『あまりよろしくないハーブ』の連続使用は魔力の回復を十全に促し、質の高い瞑想の時間も約束してはくれたが、その代償がこの耐えがたい倦怠感と疲労である。
二日酔いよろしくオーバードースの反動を強いられる羽目となったが、それだって課題が待ってくれるはずもない。
最低でも今日のノルマは終わらせなければ。
■朱堂 緑 > この強い使命感と焦燥感も、もしかしたら薬の作用なのではないか。
その判別すら、今はつきそうにない。
普段よりいくらか雑にノートにペンを奔らせながら、ただ作業的に課題をこなしていく。
今日は頭を使う類のものは無理だ。
完全に手を動かすだけでいいだけのものだけ片付けよう。
のウリのそれすら最早ロレツがあやウい。
■朱堂 緑 > ぐるりと世界が横転する。
あ、これはまずい。落ちる。
遥か昔の武道の鍛錬の時間、こんなことがあった。
あれはたしか、喉を完全に極められて意識が、
■朱堂 緑 > ごとりと、テーブルに突っ伏し、眠りこける男が1人。
寝息は静かだが、それは呼吸が浅いともいえる。
男は若干険しい表情を浮かべたまま、そのままノートを枕に意識を手放す。
ご案内:「図書館」に遠峯 生有子さんが現れました。
■遠峯 生有子 > 書棚の脇に付された分類記号を見上げながら、
テーブルとの間を進む。
ふと鈍い音を聞いてそちらをみると、今まさに眠りに落ちた人の姿が。
(邪魔しないようにしなくちゃ…。)
足音を立てないように、そっとその側を通り過ぎる。
■朱堂 緑 > 呻き声を上げながら、僅かに歯軋りをする眠り男。
すっかり眠りこけているので当然隣を誰かが通り過ぎたことなど気付かない。
気付けようはずもない。
■遠峯 生有子 > (わ、悪い夢見てるのかな?
解いても解いても白紙のテストとか…。)
呻き声に、すこしびくっとしてから
その安らかならざる様子を思いやる。
(起こしてあげたほうがいいのかな?)とか考えながらも英文学の棚へ。
背表紙を流し読みしながら目的の本を探す。
■朱堂 緑 > 変わらず、男は難しい顔をしたまま眠りこけている。
うなされているようだが、起きる様子はやはり欠片もない。
歯軋りと寝息と呻きのよくわからない三重奏が続く。
■遠峯 生有子 > 程なく、2冊の本を手に、書棚の間から戻ってきた。
終ることのない苦悩の三重奏に、
テーブルの脇で立ち止まり様子を伺う。
周りを見回して羽織るものでもないかと考えるが見つけることが出来なかった。
再度その顔を覗き込む。
彼女は彼女でまるで不審者だ。
意を決してその人の肩に手を伸ばす。
「…あのう。」
ご案内:「図書館」に橘 臨助さんが現れました。
■橘 臨助 > 「…あいつは」
いつものように図書館へ足を運ぶと既に先客2人。
片方ーー遠峯は知ってる顔だが、もう片方ーー眠りこけた男の方は…あまり知り合っていい場所でないところで顔を合わせた。
「………」
あの場所で何の動揺もなく不敵に笑っていたような人間だ、善人悪人どちらかは知らないが警戒するに越した事はない…意識は巡らせつつ本棚へ向かう。
■朱堂 緑 > その刹那。
その肩に少女の手がのばされるよりも早く、男は反応した。
反射的に少女の首に左手を伸ばし、その左手が、まさに少女の細首を握りつぶさんとした直後。
目を見開いた男が……荒い息をつきながら、その手を止める。
触れる、直前だった。
震える指先と、脂汗でびっしりの額。
男は状況を確認するように周囲を一瞥で見まわしてから、大きく息をついて、左手を下ろす。
そして、少女に、頭を下げた。
「悪い……えと、なんだ、図書館で眠るのはマナー違反だったな」
■遠峯 生有子 > 目を見開く。
悲鳴を上げることも出来なかった。
手にしていた2冊の本とその本のためのメモが床に落ち、
男の左手が離れたと同時に床に座り込む。
見上げる。
「わ、わるい夢みてるのかと思ったから…。」
呆然とした声で呟いた。
見知った人物が入ってきていたのには気がついていない。
■橘 臨助 > 「っ!てめぇっ……………!!!」
寝ていたからと少し離れたのが迂闊だった。あんなところで出会った男なのだ、マトモなはずがないのにーーッ!!
強い自責を覚えながら、首に掴みかかろうした男の元へ駆け寄る。
「どういうつもりだ、アンタ……」
貴方がどういう経歴の男でどういう思惑、或いは反応でああしたか知りもしない彼は問い詰める。
ーー以前会った時とは打って変わって、つれなくて空虚な感じがひどく薄い。
■朱堂 緑 > 荒い息を落ち着かせて、一度、左手で顔を覆うように拭ってから、男は近寄ってきた2人の男女の顔をそれぞれ見る。
その目は……真っ黒な、伽藍洞の瞳だった。
底の見えない、常闇の暗がりのような瞳だった。
男はその目を一度細めてから、口端を歪め、曖昧に微笑みながら……いや……なんとかそれを『象り』ながら、二人に頭を下げた。
「脅かして悪かった。御察しの通り……ちょっと、悪い夢を見ててな。
起こしてくれてありがとな。
そっちの兄ちゃんも、騒がせて悪いな」
先日の路地裏での事はすっかり忘れているのか、そう改めて頭を下げる。
■橘 臨助 > 「……寝るにしたって場所があんだろ。それともわざわざ人目につくところに居ないとおちおち安眠もできないのか?」
そっとため息をついて問いかける。
熱がすっと引いてまた冷えた陶器のように空っぽの目になる。
「…遠峯、なんともないのか」
座り込んだ遠峯に声をかける。未遂で終わったとはいえ、一応だ。
■遠峯 生有子 > 崩れるや否や、耳に入る怒鳴り声を、見上げる。
ああ、
「臨助くんだぁ。」
視界に入った少年を見上げ、
目の前に下げられた青年(?)の顔をに目を戻し、
それからやっと我に返った様子を見せて、
「あわわわわ、大丈夫。なんともないよう。」
再度臨助を見上げた。
■橘 臨助 > 「………そか。」
さっきまでの熱は何処へやら、貴女へそっけない態度で返す。
ーーちょっとだけ、本当に安堵したような表情が、空っぽの面の皮から滲んだか。
■朱堂 緑 > 「書類の山を枕に寝るのは生憎趣味じゃねぇな」
言外に好きで寝てるわけねぇだろと返しつつ、嘆息。
また顔を左手で覆い、拭う。
そのまま2,3度目頭を解してから手を離し、既知らしき二人の男女のやりとりを後目に……自分の左手を睨む。
その中指に嵌められた、銀の指輪を。
■橘 臨助 > 「ん、…おお。」
寝てる事くらいしか把握してなかったが成る程、男の周りの様子を見て作業中に睡魔に意識を刈り取られた事がわかった。
「……仮眠を取る余裕も無いみたいだな。それ、一般人も手を出していい仕事はあんのか」
■遠峯 生有子 > 「ちょっと、びっくりしただけ…。」
相変わらず、ふわふわと呟いて、
「あ、でも心配してくれてありがとう。」
ぎこちなく笑う。
そしてもう一人のほうへ目を向ける。
「あの、忙しいのかもしれないけど、
一度ちゃんと休んだほうがいいよう。
すっごい寝顔とかだったから。」
■朱堂 緑 > 「一般人? 仕事?」
そう問われれば、男はまた曖昧に微笑んで、首をゆっくりと左右に振った。
「ただの課題の山さ。俺は成績が悪いだけのただの一般生徒なんでね。
急ぎのモンばっかりだったから多少無理してでも片付けたかったんだが……今日のところは、そっちの子の忠告に従って、一度帰って休んだほうがいいみたいだな」
自嘲気味に嗤って、適当に片づけを始める。
こりゃあダメだ。今日は手がつかん。
あんなに近寄られるまで全く気付かなかった。
恐らく、あれは眠ってなんていたんじゃない。
昏倒に近い何かだろう。
流石に危険だ。
■橘 臨助 > 「…おう」
淡白に、感謝の言葉に返事を返す
■橘 臨助 > 「…そうか。」
取り敢えずは、手出しはしないのだし、それを本人の言う通り課題という形で認識して。
「……まぁ、あんなところにいれば変な勘ぐりもしたくなる。」
■朱堂 緑 > 「あんなところ?」
首を傾げる。
身に覚えがない話だ。
「何の話だ?」
■遠峯 生有子 > 座り込んだまま、
男二人のやりとりに、首をかしげる。
何か生有子にはわからない話をしている。
「たぶん、一度休んだら勉強の効率も上がるんじゃないかな。
なんかすごい量だから寝たくないのも分かるけど。」
■橘 臨助 > 「…治安の悪い路地裏に居ただろうが。グエンと話してただろ。そこに俺もいた。」
思い出したか?と言うように見る。
■朱堂 緑 > 「途中で眠こけるよりは確かにいいな」
そう、少女に苦笑と共に返し、少年にそう問い返されれば、虚空に視線を投げる。
路地裏……?
「グエン……? 路地裏?
ああぁー……そういえば」
ああ、そうだそうだ、思い出した思い出した。
確かこの前、落第街のハーブ屋に用があったときた。
確かにあの時、あの時……いやえーと……あの時……。
■朱堂 緑 >
【それはもう、お前のモノじゃない】
■朱堂 緑 > 「……!」
左手を握りしめる。中指に力を込める。
ダメだ、聞くな、見るな、意識するな。
消えろ、失せろ、引っ込んでろ。
心中で悪態をつき、大きく深呼吸を一度だけして、向き直る。
「……まぁ、そんなこともあったかな」
曖昧に、頷きながら。
■遠峯 生有子 > とりあえず、落ちていた本を拾い上げ、
テーブルのふちに手をかけて…。
「え?」
何かを感じて男を見上げた。
■橘 臨助 > 「………」
「……まぁ、そういう事だ。」
ため息をついたり脂汗をかいたり…妙な様子に気をかける。
どうも返事が曖昧だ。つい昨日の事を何をとぼける必要があるのか?それもそこに居合わせた奴が目の前にいてとぼけ通せるわけも無いのに。
後ろめたい事があるのか?昨日の事を忘れてる…例えば酒に酔っていた?確かにそれなら問題だが、ある意味そっちなら問題ない。ーー推測でしかないが、問題はーー
「………はぁ…」
いや、あそこで会ったからと、悪い勘ぐりばかりするのは危険だ。
ーー取り敢えず思考を一巡し一旦停止させる。
「………まぁ、程々に、な。」
ーー幾つかの意味を込めてそう言った。
■朱堂 緑 > 「ああ……そうするよ」
返事も曖昧なまま、荷物をさっさと片付け、鞄に押し込み、男が立ち上がる。
そのまま、二人の顔を見もせずに、踵を返した。
「邪魔したな。それじゃ、御二人ともごゆっくり」
去り際、背中越しにそれだけ言葉を残して、その場を辞す。
これ以上『囁かれる』前に。
ご案内:「図書館」から朱堂 緑さんが去りました。
■遠峯 生有子 > 眉がぎゅうっと八の字に寄る。
「あの、ほんとに寝て下さい。
ほんとにほんとにちゃんと休んで下さいね!」
去り行く背中にそう声をかけた。
あ、しまった大きい声出しちゃった。
周りを見回し、その様子を気にしてから、
やっと立ち上がる。
「あ、臨助くん、なんかへんなことに巻き込んでごめんね。
私も借りたいのは見つけたから、もう帰るけど。」
■橘 臨助 > 「………」
その背中が見えなくなるまで視線を向けて。
「……医者をすすめときゃ良かったか」
と独り言を零す。まぁ、意図的にアルコールの摂取、あるいはーーを、隠してるのならば、素直に医者に行くとは思え無いが。
■橘 臨助 > 「そうか。…それとな、だからそんなに気を使ってビクビクしなくてもいいと思うぜ」
ところで何を借りるんだろうか、と。ちらっと本を見る。
■遠峯 生有子 > 「なんか、へんな人だったね。
あれ、どうしちゃってたのかな。
限界まで勉強するとああなっちゃうのかな」
小首をかしげ。
「ええ?別にびくびくはしてないよう。」
本の背表紙を揃えながら、驚いたように見上げる。
手にしているのは英文だった。
詩の分析が中間考査の課題になっているのだ。
■橘 臨助 > 「勉強のしすぎね。そうかもな。」
曖昧に返して
「…巻き込まれたんじゃねえよ、自分から飛び込んだんだ。謝る筋合いも責任もない。」
俺はこういう風にするだけだからと。
「…英文か。これはーー」
そういうと、上から英文のタイトルを流暢な英語で語り上げる。
■遠峯 生有子 > 「あはは、またそんなこと言う。でもなんかありがとう。」
話しながらカウンターにたどり着き、
貸し出しの手続きを終える。
2冊の本を手提げカバンにしまいこみ、
「発音いいなあ。」と笑った。
■橘 臨助 > 「…昔見た事がある。」
それからはたわいもない会話をする。つっけんどんで愛想のない対応しかしないが…つまらないわけではなさそうだった。