2015/07/01 のログ
■緋群ハバキ > ああ、特雑ってのは……公安委員会特別……なんとか、雑務班ってトコの略称だね。
狛江先輩は資料室に住んで日々美味いコーヒーを淹れる為に頑張っている。
あとなんか、他の部署の使いっ走りしてる所もよく見るなぁ。
【説明しながら己のメッセンジャーバッグを開き、一応勉強しようと持ってきた科目の教科書を広げる】
【基本的に苦手が文系科目と魔術学に寄っているので、それらの書籍が多い】
おぉぅ。狛江先輩のお知り合いかな。
そう、偶然集った同志故に助けあう。アツい展開じゃないか……!!
【角の生えた童女に対しても臆面なくガッツポーズ。マフラーが逆立ち気合の程を物語る】
あ、俺は狛江先輩の後輩の緋群ハバキ一年16歳彼女なしです。彼女ほしい。
いや今はむしろ単位が欲しい……!
■久喜棗 > 「儂はお主らと違ってペーパーテストではないからなぁ
余裕というわけではないが、実技試験を直前になって焦っても意味はさほどあるまい
ところでお主は今どんなものをやっておるのじゃ?」
髪を邪魔にならないように横にかき上げ、テーブルに身を乗り出して蒼狗のノートを覗いてみる
「ふむ……これは儂にはわからぬな
しかしお主の方は随分と余裕が無い様子じゃのう
そんなに今度のテストは難しいのか?」
と首を傾けて訊いてみる
いつもは冷静な蒼狗の余裕の無さに少し心配そうに見つめた
ハバキの元気のよすぎる挨拶に思わずクスリと笑いながら
「なるほど、蒼狗の後輩じゃったか…ということは儂の後輩でもあるな
儂は二年の久喜棗、年齢は…まぁお主より上とだけ言っておこう
彼女作りは試験の後にでも頑張ることじゃな、今は勉強のほうが大事じゃろうて」
と言いながらもコーヒーを飲みつつ修羅場を物見気分の棗は大分余裕そうに見える
■加賀背 雄 > あ、こんにちは。 加賀背 雄と言います。 ええと…ナツメさんですね、よろしくお願いします。
(自分よりも背の低い…割には年上を名乗る少女の言葉に嘘はないのだろう。
額から生えている角が、彼女を人ならざるものだと示している。 勉強の方が大事という言葉に、何度も頷いて。)
そうですよ、ハバキさん。 ちゃんとやらないと留年しちゃうかもしれませんよ。
そのうちボクが先輩になっちゃうかもしれないんですからね?
(ハバキさんにハッパをかける。 教科書を開いたのを見て、よかったと胸をなでおろして。)
なるほど…おいしいコーヒーをいれるために頑張ってるん、ですね…?
(それって公安委員会の仕事なんだろうか。雑務はわかるけど。
ハバキさんの言葉にううん…?ってちょっぴり首をひねって。)
■狛江 蒼狗 > 「うん」
緋群の説明に頷きを入れる。一言一句間違いない。そういう部署だ。
窓際族とか、日陰者とか、明るさが正反対の言葉を両方使われる存在である。
他の部署の使いっ走りのせいで、時たま公安らしい仕事もするのだが。
基本的にはコーヒー淹れたり消耗品を買い集めたり資料整理をしたりである。
「特に気にしなくとも良い」
なぜなら現在の狛江蒼狗はテスト前の一般生徒以外の何者でもないからだ。
「成る程……」
確かにそれなら焦る必要もない。
久喜の覗いたノートの中で、蒼狗は“数学的帰納法”という日本語の意味を理解するのに四苦八苦していた。
他にも“次元性魔術理論基礎法則第二”という日本語の意味もよくわからないでいる。
入りも抜きも秀逸な達筆の鉛筆文字が虚しく踊る。
「………………」
実は、テスト自体は言うほど難しくもない。
ただ、1年間の休学が響いて蓄積された知識が蒸発してしまい頭を抱えているだけのことである。
テストが難しいのではなく、自分にとって難しい。
「うん、難しい」
だがそう言った。見栄である。
蒼狗の浮かべた表情は引き攣っていた。
それを眺める久喜が少々恨めしくも思えるが身から出た錆である。
■緋群ハバキ > よろしくー……僕は年上の女性が好きです。
【どうでもいいカミングアウトをかました後開いた魔法学基礎のノートにはなんだかよく分からない落書きが沢山】
【その中から恐らくこれは関係在るだろうというところをピックアップし、教科書に載った例題と付き合わせる】
【魔術という己と異なる常識を体系的に触れる機会の無かったハバキにとって、入学してから学ぶことは最早異世界言語に等しい】
取り残されるのはやだなぁ。ちゃんとやります……っつーか雄くんはマジメだねぇ。
【首を傾げる加賀背に対しては捕捉を加えるべくシャーペンをくるくると回し】
資料整理課みたいな……? うちもそうだけど、組織って意外と表に現れないお仕事多いんだよねえ。
地味な仕事こそ組織を支える要石って所。
しっかしペーパーテスト免除かー。羨ましいなー。
■加賀背 雄 > そうですか? ちゃんとすべきことをしないとって思ってるだけで、
そんな真面目とかではないと思うんですけど……。
実働部隊だけが仕事してるわけじゃないですもんね。
(ソウクさんの首肯と、ハバキさんの言葉になるほど、と手を打った。
軽い調子で答えながら、タブレットの内容を読み、チェックしていく。
試験対策というほど厳しいものではないが、授業で学んだ部分の復習である。)
ナツメさんはペーパーがないんですか…なるほど。
(人間より寿命が長いということは、それだけ学習できる時間も長いということだ。
ある程度の確証が取れれば、学校側も免除するのだろうか。)
ふむ…うーん… あとは実技かなあ…
(小さな声を上げながら、タブレットをなぞり、つつく。 より念入りに学習が必要な部分は、
反復を繰り返す。 といっても、それだけで試験で良い結果が出せるわけではないのだが。)
■久喜棗 > 「ああこちらこそよろしく頼むぞ
まぁ見ての通り人ではないが、鬼じゃが、あまり気にせんでくれ」
丁寧に挨拶をしてくれた雄に軽く会釈しハバキの方へ向く
「年上が好みのう…せっかく学生なのだから同年代に出会いを求めるほうが易しいと思うがな」
ハバキのカミングアウトにマジレスを返しながらハバキのノートも覗いてみる
恐らくそれは魔法学に関する書き取りなのだろうが…
本人には意味がわかるのだろうが棗にはどうにも落書きに見えてしまった
「これは…これでちゃんと理解できるのかお主は?
なんというか独特なノートの取り方じゃのう」
蒼狗の説明に疑問を交えずうんうんと頷く
そもそも蒼狗が嘘をつく性格とも思っていないようだ
「そうか…やはり試験も大変なのじゃな、三年生ともなると
しかしお主ならきっと出来るよ」
乗り出した身を引っ込め椅子へ座り直す
足をぷらぷらと前後に動かしながら三人が教科書とにらめっこしているのをただ眺める
だが流石にこの修羅場に自分一人だけ遊んでるだけというのは気分が落ち着かない
「あー…そうじゃ、三人共、何か儂が奢ってやろうか?
勉強しておったら小腹も減るじゃろう?」
■狛江 蒼狗 > 「留年するとな……」
蒼狗は緋群によく響く低い声で語りかける。
「知り合いと友達の中間点に居る、授業でノートの貸し借りをする程度の親しさの存在が……。
スッと上の学年にシフトしていくと……自然に…………」
怪談話をするかのように、怨嗟の篭った穏やかな脅しつけ。
言葉は途中で止まる。カッターで削られた鉛筆がノートに走り始める。
続きを語らずとも類推は容易だ。ただ、『そういうふうになるな』と……。
経験者として語ったのだ。
(残り930分ぐらいか……時間なんか過ぎるの早くないか??)
蒼狗は席を立ち、休憩室脇の自販機コーナーへ。
STICA(スーパー・トコヨ・インテリジェント・カード。時には定期になり、時には電子マネーをチャージしたプリペイドになり、時には簡単な身分証明や会員カードにもなる)を料金パネルへ触れさせ、鬼のようにコーヒーを受け取り口へガコンガコンと転がさせる。
空き缶もついでに捨て、元の席へ半ダース抱えて戻ってきて、プルタブを起こした。
コーヒーは飲み過ぎるとかえって集中力が散漫になる気がする。解りながらも、飲まずにはいられない。
「…………久喜よ。きみは実家のおばあ様に似ている」
望郷の視線である。
本土に居た頃、居間で勉強等していると決まって何か甘いものと旨い煎茶を呉れたものだ。
「甘えさせて頂く。……腹にたまる類のものを……たのむ」
昼休みも担当教諭に試験範囲の質問責めを行っていたため、碌なものを口にできていない。
よくよく考えてみれば腹が空っぽの状態でなぜコーヒーをひたすらに飲んでいるのか。
冷静さを失っていることをひしひしと感じさせられた。
■緋群ハバキ > すべき事を、ねー。いやいや、偉いと思うよ俺は。
俺ら位の年頃ってさ、「何がしたいのか分からない」って事も多いし……とりあえずそれが勉強って方向に向いてるのは立派なんじゃねーかな、と。
いや違うんですよ。理解が追っつかないんでひたすらノートを取ったり授業の合間に浮かんだよしなしごとを書付けていたらこんな事に。
あと同年代の出会いも常に募集中です。
【混沌に支配されたノートを見る棗に苦しい言い訳をしつつ、別紙に広げたルーズリーフに要点を纏めて行く。手際自体は悪くない】
【書類整理の研修の賜物であった、が内容理解が追っついているかどうかはかなり怪しい】
……勘弁して下さい先輩。
【張りのあるバリトンで語られる一段温度の下がった内容に嫌そうな表情をする】
【経験者の言葉は含蓄があるが、それはそれとして今は縁起がワルすぎる】
ああ、確かに、なんかおばーちゃんみたいな……
なんか甘えるのも悪いな―とは思うけど……遠慮してる暇は俺らには無い……!
ということでクリームパンをお願いします。あまいものたべたい。
■加賀背 雄 > ほらっ、ソウクさんもこう言ってます。 ハバキさんもちゃんと勉強です!
(タブレットを机に置いてから、がんばれがんばれ!ってハバキさんを応援してあげたい。
すべきことと言われると頬を染めて、照れくささに手をもにょもにょ動かす。)
そう言ってもらえると、照れくさいっていうか、恥ずかしいっていうか…
やることがないから勉強してるだけ、とかそんな感じです。
(SNS運営とかもあるけど、そこはそれ。 今は内緒の話だし。)
あ、ナツメさん、ありがとうございます。 それじゃぼくは、プリンが食べた…
(言いかけたところで、むいーむいーとポケットで端末が唸る。
慌てて取り出してから画面を確認すると、タブレットを持って立ち上がった。)
…かったんですけど、ちょっと出かけないといけないみたいで…
またごちそうしてください。 ハバキさん、ソウクさんも、失礼します。
(頭を下げてご挨拶。 少しだけ小走りになって、図書館の外へと向かう。)
ご案内:「休憩室」から加賀背 雄さんが去りました。
■久喜棗 > 「なるほどのう…言われてみればとりあえず言われたことや浮かんだことを走り書きしたようなノートじゃな
しかしこれだと後から見たら何が何やらわからぬのではないか?
もうちとノートは綺麗にまとめぬといけんぞ
それこそ他人に見せて理解してもらえるぐらいを目指さんとな」
言いながらノートの再整理に急ぐハバキを眺める
どうやら彼は彼なりに一応これで十分に理解しているようだ
さっきは言い過ぎだったかもしれない
「そ、それは怖い話じゃな……まるで実体験のように聞こえよるよ」
リアリティある留年譚に思わず身震いする
そういえば蒼狗のことについてあまり知らないが、もしかしてこれは実体験なのではないだろうか
そんな疑念がふと頭に浮かんだが事実だとするとあまり追求しないほうがいいだろう
椅子を立ち、休憩所近くの売店へと歩く
電子マネー全盛のこの時代にがま口を開け小銭を売店の店員に渡し
試験必勝の願もついでに込めてカツサンドを購入し、テーブルに運んでくる
「と、お主にはこれじゃったな
あとそこの…雄といったか、お主は何が良い?」
クリームパンをハバキへと手渡し椅子へと戻り、雄にそう尋ねる
その時突然雄のポケットの端末が震え、忙しそうに帰っていった
「む、この時期に急用とはなんじゃろうな…?
まぁ仕方あるまい、また今度としよう」
■狛江 蒼狗 > さて。
数学系科目でヤマを張る際に公式を記憶するのは愚策である。
公式さえ憶えていれば、基礎的な問題も発展的な問題も一挙に解決できる可能性が生まれる。
だがその公式が頭から完全に抜け落ちてしまってはお手上げだし、応用をその場で閃くのは半ば不可能と言ってよい。
ヤマは例題だ。内容を理解せずとも例題を一言一句逃さず記憶する。
気合の入った教諭等はどこぞの有名大学入試問題の過去問から引用してくることもあるが、大抵の試験問題は例題の数値を少々改変した程度のものだ。
だからノートにひたすら書き写している。
小学生の漢字の書き取りを思わせる単純作業で運動記憶に染み付かせている。
かりかり。かりかり。意味なく達筆である。
「うむ、偉いな」
加賀背に微笑み頷く。
(…………やるべきことを見つけた、からといって学業が疎かになるとそれは問題なのだが)
自分のことだ。項垂れる。
「……急用か? とにかく明日のテスト、健闘を祈る。ではな、加賀背」
(確かに、教師から呼び出される事もあるまいし部活も休みの所が殆どだ。……何かは知らんが大変だな)
久喜の発言を追ってそう考えつつも、背を見送った。
「実体験だ。…………色々あったのだ、色々」
そう言ったきり口を噤んだ。決まりが悪そうに。
まぁ、常世で留年する者等珍しくもない。理由はぼかして、そこでこの話は終えておく。
「……ありがとう」
久喜からカツサンドを受け取る。少々妙な気分だ。人に奢って貰う、というのがここ最近なかったからか。
厚意は厚意と素直に受け取れば良いと解ってはいても妙に萎縮してしまう。
ともあれ齧り付いた。薄手のパン越しにカツの噛みごたえが伝わってくる。
肉にパン粉をつけて揚げたものをさらにパンで挟んでいるのになぜ美味くなってしまうのだろうか。
試験から意識が離れてカツサンドに持っていかれつつある。
■緋群ハバキ > ま……すべき事を出来ずに居るのが俺の現状なので偉そうな事は言えんけど。
っと、おーまたねー。試験頑張ってー
【ひらひらと手を振って、急いだ様子で外へと向かう加賀背を見送る】
【彼のあの調子であればきっとテストも問題ないであろう。よしんば自身の努力だけでは難しくても、SNSで協力を募るという手段も彼にはある】
ハイー、今痛感シテマスー
ちゃんと授業中にまとめてたら今こんな事しなくても良かったんですぅー……
【最早涙目でノートの書き取りの要点のまとめを終え、試験対策用に配布された例題プリントにとりかかる】
【基礎的な知識問題は流石に今しがたの短期記憶に入っているが故、すらすらと解けるものだが】
【しかし、後半に連れてシャーペンを動かす速度は落ちる】
論述筆記って苦手なんスよね……。
先輩は魔術とか、そういうのはどうなんスか? 入学したばっかの時期。
【視線を上げてペン回しなどをしつつ、狛江へと問いかける】
【魔術が世に敷衍されて既に数十年。それに対する理解は、地域や生活によってかなり格差がある】
【故に、スタート時点で大きな差が開いているという事もままあるのが魔術教育の現状であった】
あ、棗ちゃんさんさんきゅー。
【受け取ったクリームパンを早速頬張る。その手は完全に止まっていた】
■久喜棗 > 「まぁ過ぎたことを嘆いても仕方あるまい、今やれることをするだけじゃな
しかし意外とちゃんと整理できるものじゃのう…このノートで
授業中はそんなに忙しかったのか?
座学をメインにとっておるものは大変そうじゃな…」
クリームパンを頬張るハバキを見ながらふと、思ってたことを口に出す
「ところでお主……その格好はあれか、こすぷれというやつか?」
表現に困り、そう尋ねる
格好はどう見ても忍者だったが本物の忍者ならばこんな「あからさまに忍者なのだ!」といった格好はしないだろう
実体験という蒼狗の答えにちょっと困ったような顔で
「……そうか、いや何気にすることでもあるまい
この学園は留年者など山ほどおるからな
それにお主多分学校よりも大切な用事があったのじゃろう?
勉強をサボって落第するタイプにも見えぬからな」
本人があえてボカして終わらせようとしている話をフォローするために掘り下げようとする
不要なフォローを言った後に自覚して思わず苦笑いした
「ま、まぁこの話はどうでもいいことじゃな
今は過去よりも目の前の事のほうが重要じゃろうて」
テーブルの上に両肘を突き、顎の下で手を重ね、手の甲で顎を支える
その姿勢のまま蒼狗がカツサンドを頬張る姿をまるで孫の姿を愛おしむように満足そうに眺めた
■狛江 蒼狗 > 「入学当時は、暇な時勉強ばかりしていたから、苦労した記憶はないな……。
魔術の基礎論も、時間をかけて反復して解けばスンナリ頭に入った。
家が神社だから、多少魔術的な素養があったのも大きかったのだろう。
歴史と理科の中間じみた感覚がある。難しく考えずとも、勉強は勉強だ。解けるように、学べるように作られている……そう捉えるべきだ」
丸3年前ともなると懐かしい話である。
入学式の記憶は鮮明だ。
小学校、中学校ともに一学年先に居た兄が、常世では同学年になるというのがなんだか不思議な感覚だったのを憶えている。
嬉しいような、気後れするような、やっぱり、嬉しいような。
東第三棟クラスで友人も沢山できたし、一番楽しかったのはあの頃だったように思える。
(懐かしい思い出だ)
「……ん。ともかく、後悔はしていない」
入学時には『学校よりも大切な用事』が自分にできるとも、思っていなかった。
親元から離れて、心配をさせまいと少なくとも成績は申し分ないようにしようとも考えていた。
それでも、できてしまったものはしょうがない。
蒼狗は微笑んだ、自嘲混じりで、けれども自信を込めた複雑な表情で。
(そうだな……目の前の事が最重要だ)
二口目。
最重要は試験勉強からエネルギー補給へとシフトしていた。
『腹が減っては戦はできぬ』と誰が言ったのか知らないが、それは真理である。
公式よりも重要な要素を噛み締めるのであった。
合間に缶コーヒーを飲みつつ。サンドイッチにはコーヒーである。
なお、狛江蒼狗は神道の家の出身なので、食事中はあまり喋らない習慣がある。
よって久喜に慈しまれるような視線を浴びつつ黙々と食べる。
■緋群ハバキ > ごもっともで……
いや、なんかあんま頭に入って来なかったんでせめて板書ぐらいはと……はい……
【なんだか恐縮しつつペン回しが加速する。五指の間を自在に回るペンは見る者に感嘆をもたらすが、悲しいかな魔術学の例題の解答には何の役にも立たない】
【そして、コスプレと問われたペンの動きが、止まる】
【錆びついたシャフトを動かすかのようなぎこちない動きで、棗へと顔が向けられ】
……え、そ、ソウ見エマスカ?
ソウダヨー コスプレダヨー
忍者チガウヨー……?
【残念ながら、その不自然過ぎる反応はあからさまに忍者であることを自ら主張しているようなものである】
【……果たしてこんなに嘘の下手くそな忍者が居るのかどうかというのはさて置き】
……成程。時間を掛けて反復して。今時間ねーっすけどね!!
でも歴史と理科の中間って感覚は……あー、成程。背景と論理、あぁ、なんとなく分かるッス。
やっぱ経験者の言葉は含蓄があるなぁ……
【狛江の言葉にカクカクと首を縦に振り、自分なりの理解を得る為の糸口を模索する】
【クリームパンの最後の一欠片を口に放り込み、手慰みのペン回しも止めてしまった】
【であるなら、目の前の課題に取り組むべきであろう】
【シャーペンを動かす手に精彩が戻ってきた】
■久喜棗 > 「なるほど…それなら仕方ないな
儂も興味のないことはどうにも右から左へ耳を通り抜けていくからのう…」
ペン回しの妙技を見ながら格好について突っ込むと図星といったふうにハバキの動きが止まる
まさかと思いつつも顔を上げハバキの目をじっと見る
「な、なんじゃその反応…まさか本当に忍者であったりするのか?
違うにしてもなぜそんなコスプレをしておるのだ…?」
疑惑の眼差しをハバキへと向ける
蒼狗のしっかりとした返答にほっとひと安心する
何があったにせよ本人が後悔していないのなら大丈夫だろう
留年という遠回りも本人の気持ち次第では有意義な経験になりうる
「……うむ、そうじゃな」
短く同意の言葉と頷きだけを返した
ふと何かを思い出したかのように懐をまさぐり、目的の物がないことを確認してから口を開く
「あ……そうじゃ、このような場所でお主と会うとは思わんだから忘れておったよ
お主がコーヒーが好きだと言っておったから豆を買ったのだがな、あいにくと今は持ってきておらんのだ
お主、何処に住んでおる?
何じゃったら今度家にまで持って行くが」
スマホを懐から取り出してメモの準備をする
■狛江 蒼狗 > 「俺の場合には時間があったからな」
緋群に向けて薄っすら微笑む。魔術の術理は一朝一夕に理解できるものでもなく。
ただひとつ助言できることがあるとするのならば。
「歴史にも理科にも似通っている。……今、やることは解るな?
内容は置いといて、全記憶しろ」
年号の語呂合わせや水兵リーベと似たような塩梅である。
今から脳裏に焼き付ければ、明日一日ぐらいは保つだろう。
「……ところで、ネオ・ナガシマスパーランドは楽しい所だと聞いたな」
ぼそりと。
三重県を代表するテーマパークには、忍びの者の息がかかっているとの噂がある。
その前身であるナガシマスパーランドの超大型フライングコースター『アクロバット』は忍者修行のために作られたとか。
あやしすぎるので、横からカマをかけてみた。
さておき。
「……豆を?」
そういえば先日、礼が云々という話をした気が。
(律儀だ……)
掃除も手伝って貰ったし、カツサンドも奢って貰ったからもう、こっちから何か返したい気分なのだが。
「あまり、手を煩わせるのもなんだが。……常世寮男子棟246号室だ。
同居人は昔居たが、今はいない。一人部屋だからもしも訪ねるなら気兼ねしなくていい」
あえて教えない意味もなく。
かといって、こちらから久喜の住居を訊くのもどうかと思うし。
結局そうして伝えた。何時の間にかカツサンドは食べ終わっており、包み紙は畳まれている。
■緋群ハバキ > コスプレ、コスプレー……なんーですーけどー……
【わぁ。この状況、どういう言い訳にしようかな】
【だらだらと脂汗と冷や汗が同時に溢れだした所に懐かしの郷里のテーマパークの名】
【思わず口が動いていた】
地元ですけど、あそこネオ名乗ってる割に設備投資ケチり過ぎなんですよね。
まぁ運営母体が割と赤字なんでしゃーないんですけd――ハッ!?
【ネオ・ナガシマスパーランドは大手テーマパークであれば当然の決算公開を行っている】
【故にこのような情報を余人が知り得たとしてもおかしい所はないのであるが――一介の学生が知り得ているのはやはり不自然だ】
え、えぇーと……
はっ、時間、時間と言えば今何時スか!?
【いやこんな事をしている場合じゃない、今俺は勉強をしなければならないんだ】
【全記憶しろ、という先輩の有り難い箴言に従い視線をプリントに移す】
【脳裏に一字一句を刻み込みつつ、頼むから話題よ逸れてくれと願う】
■久喜棗 > 「コスプレならコスプレで良いのだが……
しかしそれならそれで、コスプレするほど忍者衣装を好んでおるなら
むしろ率先して忍者を自称しそうなものじゃがな
これがおくゆかしさというやつか…?
ううむ…」
実際ハバキが忍者だろうが忍者でなかろうがどちらでもいいのだが
汗を流しながらごまかそうとする態度が異常に見えてつい詮索しようとしてしまう
「うむ、豆じゃ
マンデリンという豆でな、儂には豆の良し悪しはわからんのだが…
店員がいうにはストレートで飲むのに向いておるらしい
儂も一杯試飲してみたが苦くてようわからんかったわ…まぁお主の口に合えばよいのだが
やはり苦すぎるコーヒーは儂の舌には厳しいのう
ふむ、男子寮に住んでおるのか
女子寮の方はガードマンがおったが男子寮は部外者でも素通りできるのかのう…
まぁ今度お主の居そうな時にでも寄らせてもらうとするか」
スマホに男子寮246号室、と入力し、自分のプロフィール画面を蒼狗へと見せる
そこには棗の電話番号と
蒼狗が異邦人街についての知識を持っていればそこの一角の古い長屋に住んでいることがわかるだろう
「儂の連絡先はここだから何かあったら連絡するといい」
と付け足して
■狛江 蒼狗 > 「………………」
(やはり……)
緋群に射抜くような視線を向ける。
正体見抜いたり、という程ではないが、やはり“向こう”の関係者なのだろうと。
狛江神社にも薄いが繋がりがある。
……まぁ、解ったからどうこうしようというのでもないし。
そもそも表面上はテーマパークについて話しただけで、会話に“に”の字も出ていない。
(出自を隠したいなら何故その格好を……?)
結局は、そういう疑問だけが蒼狗の心中に残った。
「なに。俺も大まかにしか解らない。
……詳細は実際に渡された時にでも」
(試飲まで……)人に贈るのならそれは味見ぐらいするだろうが。
普段自分が買う時はかなり大雑把なので、頭の下がる思いがする。
そう、色々と考えていると差し出される掌サイズの画面。
「異邦人街か」
今更ながら、久喜の片角を意識する。
(……そういえば、異邦人なのだな)
無防備に連絡先を教え過ぎではないかと、女子との距離のはかりかたが不得意な蒼狗は心中煩悶した。
「とにかく、憶えておく」
自分もスマートフォンをスラックスの後部ポケットから取り出して、簡単に入力を済ませた。
時計を見て数秒思考したあと、鋭く瞳を尖らせて緋群に告げる。
「時間は……残り859分だ」
斟酌し辛い指標で時間を答える。
だが緋群には理解できるだろう。それは明日一時限目が始まるまでのカウントダウンである。
「……そういえば、この休憩室ももうすぐ閉まる時間か」
他の勉強室や図書館自体はまだ開いているが、周囲の生徒は帰り支度を始めている。
■緋群ハバキ > ……~~~♪
【口笛を吹くが音は出ていない。完全にテンパっている者特有のアレである】
【……とは言え、棗にしても狛江にしても感じている「格好と態度がちぐはぐ」という感情は限りなく正しい】
【大体普段のパシリでその異常な身体能力を隠すこと無く披露しているのだからむしろ隠す意味が無い】
【そして忍者など、最早この世界では珍しくもなんとも無いのだ。相変わらず海外と異邦人の人気は妙に高いが】
棗ちゃんさんはマメだねぇ……豆だけに。
男子寮はユルいもんだよ。たまーに女子も入って来てるし。
……連れ込んでるやつはしらない。敵だと思った。
【淡々と過ぎゆく時間。実りのある時間ではあったが、タイムリミットは近く――】
【そして、この場の利用時間もまた残り少ない】
【ほぼ埋まりきった課題プリントから顔を上げれば、課題を持ち帰る生徒もちらほら】
さて、キリもいいし、先輩のお使いもあるんで俺はそろそろ。
棗ちゃんさんはクリームパンさんきゅ、今度なんか俺が奢るよ。
あと狛江先輩、コーヒー俺も飲みたい……
【メッセンジャーバッグに広げていた教材を仕舞いながらそう声を掛け、休憩室を後にする】
お互い頑張りましょう……残り時間が少ないが故に有意義に使えるはず……
んじゃしっつれいしましたー!
ご案内:「休憩室」から緋群ハバキさんが去りました。
■久喜棗 > 頑なに忍者を否定するハバキに詰問するのを止める
どうやらこの話題には触れられたくないようだ
「そうか、やはり男子寮だとガードも緩くなるのじゃな…
なに、お主も連れ込めばよいではないか女子の一人や二人ぐらい
今は居なくともその内できるじゃろう…多分」
曖昧に言葉を濁し目を逸らす
「うむ、さらばだ。お主も試験を頑張れよ
なにおごりのことは気にするな」
元気に去っていくハバキを見送り、蒼狗の方を見る
「ああ、異邦人街に住んでおる
ただ別に儂が異邦人ということではないがな
人でこそ無いが地球生まれの地球育ち、立派な地球っ子じゃ
ただやはりこのナリだと異邦人街のほうが住みやすくてな
ツノありもあそこならばむしろ人に近い方だからな」
何が面白いのか、嬉しそうにそんな話をカラカラと笑いながらする
蒼狗に言われふとスマホを点け、時刻を確認する
「おお、確かに。もうこのような時間であったか
儂もそろそろ帰って明日に備えるとするかのう…お主はどうする?
まだここに残って一夜漬けを頑張るつもりか?」
ふぁあっと欠伸をし腕を伸ばしそう尋ねる
「まぁ無理に帰れとは言わぬが…少しは体を労るのだぞ
ではまたな、儂は邪魔にならぬようもう帰るとしよう」
立ち上がり、カップをくしゃりとつぶしゴミ箱へ投げ捨て休憩室を去っていった
ご案内:「休憩室」から久喜棗さんが去りました。
■狛江 蒼狗 > 「久喜、緋群を焚き付けないでやってくれ……。あと、それは一応学則違反で点数を引かれる危険がある」
確かに男子寮は緩い。
廊下でふと目にする人々についての感想なのだが。
なんか普通に女っぽいやつが偶然では済まされない量居るというか……。
それでいて別に誰かの連れという感じでもないというか……。
詳しく触れると男子寮の暗部に踏み込むことになるため、これ以上は語らずにおく。
「そういえば随分引き留めてしまったな」
その先輩とやらも、この時期に図書室から資料を引っ張ってくるのだから、課題か試験対策かのどちらかだろう。
緋群をパシッたがために数時間の遅れというわけだ。
恐らく、取りに行って戻る20分を惜しんだのだろうが、まぁ自業自得である。
「飲みたいなら特別資料室に来るといい。きみは公安だから、合間にでも来れるだろう。……上の者にいい顔はされんかも知れないがな。
またな。……健闘を祈るぞ、緋群」
日陰者には日陰者なりの理由があり、それを嫌う者も居るというわけだ。だがコーヒーを飲んで咎められることもあるまい。
「?」
(異邦人ではないのか?)
地球生まれの地球育ち、とはいうが、風貌からして日本だろうか。
日本だとすると、妖怪か何かだろうか。
(………………………座敷わらし?)
第一印象で。当然と言うのも馬鹿らしいことだが、座敷わらしに角はない。
(鬼の血統……いや)
あれこれと根拠のない考えを巡らすのも失礼な話だ。聞けばよい、本人に。
自分だって、純粋な人間かというとそう言い切ることができないのだし。人それぞれだ、こういうのは。
「俺はしばらく勉強室に篭る事にする。身体は丈夫に出来ているから心配は要らない。
……カツサンド、ありがとう。それじゃあ、久喜も明日は頑張れ」
肩の凝りをほぐして、久喜を見送る。
ノートや電子ペーパーのファイルを閉じると、鞄に入れてその場を立つ。
勉強室はすぐ隣にある。
残り時間、840分────。
問題を一つ解くのに何分、一教科に何分、と、恐らく達成されないであろう目標を立てながら勉強室へ向かうのだった。
ご案内:「休憩室」から狛江 蒼狗さんが去りました。
ご案内:「図書館」に雪城 氷架さんが現れました。
■雪城 氷架 > さぁ、いよいよ自分の履修している講義の試験は明日からだ、最後の追い込みといこう
基本教育の勉強は寮の友達と勉強会という形でなんとか捗っている
ただし自分の異脳に関する分野で、必修に組み込まれた異脳物理学と熱力学だけはそうはいかない
何より専門的すぎる
結局ここばかりは自分の努力がモノを言うのだ
ねむい
■雪城 氷架 > 自分の異脳の講義に関しては実技も組まれているのが問題だ
まぁ、そちらは足繁く実習区に通ったおかげで、
実力さえ発揮できればまるで問題なく通れる予感はしている
…多分
とりあえず専門書を開いて要点部分をノートにとり、
予想問題集を進めて行く
ねむい
■雪城 氷架 > テスト期間ということで人は大勢いるが、さすがに静かだ
みんな真面目にお勉強、というところである
逆に言えば、余裕が無いヤツか、完璧主義者のどっちかだ、おそらく
「………むぅ」
ねむい
此処のところ夜更かし…というほどでもないものの、
毎晩のように霜月零と電話で話しているせいか、若干睡眠時間が足りていない
さすがにテスト期間くらい控えるべきだろうか、と思いつつもやめられない
お互いのことを知ることが、他愛のない話がこんなにも楽しいこととは思わなかった
……思い出して顔がにやけそうになる、あぶない
それよりも今は勉強だ
ご案内:「図書館」にアリスさんが現れました。
■雪城 氷架 > マークシート形式の予想問題集をチェックしていく
正解率は悪くない、良いとも言えないが
一応勉強の成果はわずかには出ていると言えよう
これなら一夜漬けも含めればなんとか良いところまでいけそうではないか
■アリス > 案子ちゃんに教えてもらった学園にスネーク中。
先生に見つかったら危ないらしいからこそこそ匍匐前進。本の山の中ならきっと住み着いてもばれない!と言う浅知恵の元、毛布を持って図書館内で寝られそうな所を探している。毛布をひきずる音は、どう考えてもお勉強の邪魔である。
試験期間なんて知らないからしょうがないね!
■雪城 氷架 > さて異脳の試験はまだ良い
問題は難関の熱力学だ
方程式や法則の暗記に始まり、
細かい代入を主とした計算までもついてくる
(氷架にとって)最悪の学問である
「……?」
はて、なんか変な音が聞こえるような
■アリス > ずずず、ずずず、と引きずる音。おっと、そうだ見つかったら危ないからここでもダンボール被らないとね。
折りたたんで毛布の中に入れていたダンボールを組み立てて。
みしみし、かぽん。ダンボールを被った。穴は開いてない。更に毛布がダンボールの端からはみ出ている。
ずず、ずず。前が見えないなんて些細な事です。でもそのせいで、誰かの椅子にぶつかるかも知んない。
■雪城 氷架 > 「………」
音へ怪訝な目を向ける
自分だけではない、その場にいるみんなが注目しているかもしれない
ダンボール箱へとトランスフォームした毛布は近づいてきて…ゴン、と氷架の座る椅子に激突した
■アリス > そりゃ見られているだろう。普通に迷惑だから。
それに気付いていないだけで。
ゴン。
「あっ」
なんかにぶつかった。
何にぶつかったんだろう。ダンボールを頭が上から見えない程度に上げて、ちらっ。
見えたのは椅子と、靴を履いた足。
「……にゃー。」
とりあえず猫の振りをした。明らかにダメな例である。
■雪城 氷架 > 「………」
にゃーって聞こえたけど、その前にあって言ってるし
とかそういう問題でもない猫はダンボールに入ってもこんな動きしない
「………」
無言で、ダンボールを持ち上げてみる
■アリス > ダンボールが剥がされました。毛布に軽く包まった捨て猫スタイル、ちょっと悲しそうな上目遣いでダンボールを持ち上げた人を見上げてみます。
「……」
手、ぱたぱた。
「先生さんですか?」
教師と生徒の区別すら聞いてなかった。
■雪城 氷架 > 「……や、生徒だけど」
なんだろう、子供?
なんでこんなところに
いやこの学園は小さい子もいるけど…試験期間中の図書館にはあまりこない
なんとなく、生徒ではないのかなと思った
「……センセに用があるなら職員室に行けよ」
小声でそう声を向ける
■アリス > 「そっかぁ、助かった。」
先生には用事はないですよ、と首をふりふり。
良かった、見つかったらきっとアンナコトやソンナコトされるんだろうから。
先生と言う物の会わず印象が酷い事に。
「それが、初めて来た所で、どれがどこやらー。」
小声で目を逸らしました。図書館だけ目指せばいいやレベルでした。
■雪城 氷架 > 「…此処は図書館。
みんな本読むか勉強するかしてて静かだろ」
だから声は小さくな、と付け加えて
「まぁ、勉強するトコだよ。
試験期間中だし、みんな一所懸命だ」