2015/07/03 のログ
ご案内:「図書館」に美澄 蘭さんが現れました。
■美澄 蘭 > 少し前に、法学概論の資料として借りた立憲主義に関する本の返却期限が近い。
だが、それならせめて図書館の自習スペースで復習をしてから返そうと思い、いそいそとやってきたのであった。
今のところ、試験の手応えはさほど悪くない。古典基礎の発展に少し自信がないくらいだろう。
それゆえ、試験期間の学生が漂わせる悲壮感はこの少女には希薄だった。
■美澄 蘭 > 自習スペースに腰掛けると、法学概論の講義ノートと、色んな教科の自習を詰め込んでいるノート、そして講義の教科書と借りていたハードカバーを一気に展開し、そして照合させていく。
幸い、ハードカバーの本の内容も、講義の内容と照らし合わせるにはどの章を参照すれば良いかざっくり把握している程度には覚えている。
スムーズに照合させながら…必要があれば、自習用ノートに補足を書き加えていく。
基本的に、講義で取ったノートはそれはそれで完成している、という考え方なのだ。参照範囲がノート2冊で済むならまだ楽な方だと蘭は認識している。
■美澄 蘭 > 「………よし」
どのくらいそうしていたであろうか。
加えられるだけの修正補足を自習ノートに加えて、満足そうに頷くと、席を一旦そのままにしてハードカバーを返却しにカウンターへ向かった。
ご案内:「図書館」にサリナさんが現れました。
■サリナ > カウンターで本を返して振り向いた時、見た事のある人を発見した。
訓練所に居た、確か名前は…そういえば聞いてなかったのを今になって思い出す。
彼女は髪が長いので私はそれで覚えていた。…が相手が私の事を覚えてるとも限らないなと思った。
「…」
とりあえずは軽く会釈してカウンターの前を譲った。
■美澄 蘭 > カウンターの方に向かうと、軽い会釈とともに列を譲ろうとしてくれる人がいる。
さほどの手間では無いのに、気を遣われてしまった…と一瞬戸惑うが、その顔を見れば
「…あら…この前、訓練所で会った?」
首を軽く傾げつつ、そう尋ねる。
こちらはこちらで、魔術について詳しい話を出来た事が嬉しくて、相手の顔をよく覚えていたのだった。
■サリナ > 「…ええ、そうです、覚えてくれてたんですね。その後の調子はいかがですか?」
覚えていてくれた。ならばと、あの時の事を思い出して調子を尋ねてみる。
修練はあの後も続いているのだろうか。
もしかしたら試験が近くてあまりできなかったかもしれないが…
■美澄 蘭 > 「だって、あんな風に本格的に魔術の話をしたの、講義以外では初めてだったし」
楽しかったから…と、はにかむような笑みを浮かべる。
…が、その後の調子を聞かれると少々笑みが曇り。
「…そうね…ただ撃つだけの練習なら同じ頻度で続けてはいるんだけど、新しい事の勉強は、なかなか…私、実技の講義はまだ取ってないから」
あなたに教えてもらった事を活かすのはもうちょっと先ね、と、苦笑い。
■サリナ > 魔術の話をする仲が居なかったりするんだろうか?私でも先生方や他の生徒とする事は多いけれど…
なんにせよそう覚えられていたのは私としても嬉しかった。
「なるほど…そこは他に取っている授業との折り合いもありますからね」
練習も一人で黙々とやっているようだし、実技を取っていないなら本格的な魔術の話をする人が少ないも頷ける。
…もしかしたらこの前、訓練所で披露したものは彼女にはまだ難しかったかもしれない。
「あ、本を返すのでしょう?なら先に用事を済ませてくださいね」
よく見れば本を持ってカウンターに並んでたので返すのだろう。こちらはもう用事は済ませたのだし、待つ事にしよう。
■美澄 蘭 > 「それもあるんだけど…魔術理論に関しては素人みたいなものだったから、理論をある程度おさえてから実技を発展させようと思ってたの」
「魔術理論に関しては素人」という発言は、訓練所でサリナが目にした雷の魔術の威力を考えるとやや異様に映るかもしれない。
しかし、事実には違いなかった。
「…と、そうね…まずは本を返さなきゃ」
どうやら、目の前の人物は既に用事を済ませていたらしい。
カウンターに少し急ぐ感じで並び、返却手続きを行う。
■サリナ > 「ふむ…私としては実技での実践もおすすめしたいですが……」
やはり、実技もあった方がよりよく学べる。何せ先生からの指導もその場で受けられるのだ。
机の前だけではそうは行かないし、理論に関しては素人と言っても…素人?
そういえば訓練所で見たあの雷の威力は素晴らしいものだったと記憶している。
…その事に関して少し言及してみようか、とりあえずは彼女の本の返却を待つ事にしよう。
■美澄 蘭 > 返却手続きを滞り無く終えると、蘭は再びサリナのところに戻ってくる。
「…ちょっと待たせちゃったかしら………?」
何か思案思案している様子なので、首を傾げる。
■サリナ > 「ああ、いいえ…ちょっと考え事を……あなたの事で」
そう切り出して、先程感じていた事を話す。
「この前、雷の魔術を見せて頂きましたが、属性によっても得手不得手があるにせよ…その、素人という感じはしませんでしたね」
なんだか彼女の事を絶賛してるみたいで変に思われないだろうか。
私が言葉足らずなのが悪いが、言ってる途中でなんだか妙な気分になってきた。
■美澄 蘭 > 「…ああ、そうなの?
褒めてくれてるなら嬉しいけど、その…」
少し説明しづらそうにもどかしそうな表情を浮かべるが、
「………私、属性魔術については「ああ使うものらしい」ってお母さんから聞いただけなのよ。
…お母さんのお母さんが異世界出身の魔術師で…お母さんが、初歩的な魔術の使い方をいくつか教わってたから。
雷以外に使ってた魔術も、そういう経緯で覚えたの。
…だから、具体的な実践についてはほとんど知らないのよ。
自分の魔術がどのくらいのレベルなのかも含めて」
そう言って、複雑ながらも、恥ずかしさが滲んでいるような表情を浮かべる。
■サリナ > お母さんのお母さん…つまり母方の祖母という事だろう。
その人が異世界出身…となるとなんだか親近感を感じるような…
経緯はわかったけれども、彼女が今のままで納まるのはもったいない気がする。
彼女はどうすればそういう授業に興味を持ってくれるか考えつつ、言葉を紡ぎだす。
「では、私から申し上げさせて頂きますが…あなたは限定的な分野であれば素人とは言えない錬度だと思います。
先程も言いましたが、魔術の方向性や属性に得手不得手は大きく関係します。現に私の出ている元素魔術の授業でも、
あれはできるけどそれはできない…と言う人が多くて…なので、やはり実践的な授業にも出る事をおすすめしたいですね」
■美澄 蘭 > 「………そう、なの………」
サリナから説明を受け、実践講義への参加を勧められれば、神妙な顔で少し下を向き。
…が、やがて決心したように顔を上げ。
「そうね…今学期で終わる講義もあるし、そこで空いた分、あんまり重くなさそうな魔術の実技講義を入れようかしら。
…元素魔術って、どんな感じ?」
そう、サリナに尋ねた。
■サリナ > 手ごたえアリ、と感じた。彼女のその顔を見て確信する。
…そういえば両の目の色が違うのに気付いた。不思議な感じだ。今度、時間があったらその目について聞いてみようか。
「元素魔術は四大元素、火や水、地、風の力を利用した魔術ですね。今上げた属性には限りませんし、あなたの得意である雷の魔術も使ってる人は見ます。
講師の方はコゼット・アルゼラーテ先生と言いまして、個別に指導してくれて、それがとてもわかりやすいんです。
生徒一人ひとりにどこがいいとか悪いとかちゃんと言ってくれる方で、とても優しい方なんですよ」
そういえば今、元素魔術の試験もやっている。まだ期限もあるし、もしかしたら彼女もその土台に立てるかもしれないなと思い始めた。
■美澄 蘭 > 「あ、コゼット先生の講義を取ってるのね。
私も来年取ろうと思ってたんだけど…丁寧に指導が入るなら、夏休み明けから取ってみようかしら?
系統は違うけど、属性魔術を使う事自体は出来てるし」
自分の扱う魔術との近さは認識していたのか、履修自体は考えていたらしい。
更に押されれば、結構乗り気に。
■サリナ > 「コゼット先生はご存知なんですね…それなら話は早いです。自分の得意な魔術を別の領域の魔術の知識で高める事もできますし…」
そろそろ切り出してみよう、流石に難しい事かもしれないから、無理だと言ったらそこまでにするという事で…
「…今、元素魔術は実技試験をやっているのですが…使う魔術は初歩的な魔球魔術だけなので、もしよければやってみてはいかがですか?
実技試験は一回しか受けられませんが、期限までなら自由な時間に出れますし、魔球魔術の事なら私からも教えられます」
下手に属性を組み合わせたりしなければそう難しくはないはず…それは私が実証済みだった。
■美澄 蘭 > 「………試験?
講義を取ってない人でも受けられる、の?」
慎重に歩を進める性質の蘭にとっては、唐突に思える申し出だった。
戸惑いがちに視線を動かし、目を瞬かせる。
■サリナ > 「講義取ってなくても受けられる…とは思います。試験は試験会場の端末の操作で開始するので先生が介する事はないんです。
私も受けた時は自分で端末の操作をして一人で受けましたし…」
そういえば思ったが講義取ってなくても試験で結果だけ出せば単位は貰えるのだろうか…そこだけ自信がない。
「…もしかしたら講義取ってない人は単位が入らないかもしれません。念のために言っておきますが…」
ちょっと熱くなりすぎただろうか、そこまで気が回らなかった。
単位は誰だって欲しい。彼女もそうだろう。だから今の言葉は落胆させるには十分かもしれない。
試験の事に関しては言わなければよかったと、後悔した。
■美澄 蘭 > 「流石に、講義取ってない学生の単位まで管理するのは先生が大変だと思うわ…」
仕方ないわよ、と、少し笑ってみせた。「気にしてない」ことを上手く伝えられれば良いのだが。
「…でも、魔球魔術を使うところは、見てみたいかも」
予習のつもりで、ね?と、人懐っこい笑みを浮かべてみせた。
■サリナ > 彼女が見せた笑みに申し訳なさそうに頷いた。気を使わせてしまったな、と反省する。
「…わかりました。私ができうる限りお教えしますね。今日は無理なのでまた今度にでも…」
後日、しっかりと教える事にしよう。その為に待ち合わせ…の前にそういえば目の前の彼女の名前を知らない事にようやく思い至る。
「……すいません、今まで名乗ってませんでしたね。私はサリナ・イバルラ・アマビスカと申します」
ようやくというか、彼女とは言葉をいくらか交わしたのに、自己紹介がようやく済んだ。
■美澄 蘭 > 「そうね…まだ試験期間まっただ中だし。
…私は後半戦がメインの日程だから、寧ろこれからが本番なのよね」
そう言って、少し悪戯っぽい笑みとともに肩をすくめてみせる。
…「これからが本番」の割には悲壮感が無い。勉学には自信があるのかもしれない。
「美澄 蘭。1年生よ。美澄がファミリーネームで蘭がファーストネーム。
…えぇっと、サリナさん、で良いのかしら…?…これからよろしくね」
そう言って、はにかみがちの笑みを浮かべた。
■サリナ > 悪戯っぽく笑う彼女はなんとなく楽しそうに見えて、自信があるように見受けられた。
きっと私よりも頭がいいのだろう。そういう顔ができるのを少し羨ましいな、と思った。
「美澄、蘭……美澄さんですね。私も同じく一年です。よろしくお願いしますね」
彼女の笑顔に倣って私も笑顔で返す。表情が硬いと言われるのでもしかしたらわからなかったかもしれないが…
さて、時計を見れば次の試験の時間が近づいてきた。行かないと…
「さて、私はそろそろ次の試験に行きますね。もしよければ後で詳しい日取りを決めましょう」
■美澄 蘭 > 「1年生なの…?
大人っぽいから、全然そう思えなかった…」
同学年と知れば愕然とした様子で。
実年齢では、蘭の方が2歳ほど年下ではある。
「あ、次の時間もあったの?頑張ってね…
………えっと、連絡先は」
そして、制服のポケットからスマホ的な携帯端末を取り出す。
■サリナ > 「…フッ」
不意打ちを喰らって噴出しそうになって口を塞ぐ。
その『一年生なの?』という台詞は本当によく言われる。この前も言われた記憶がある…
私はそんなに大人びて見えるのだろうか、自分としてはまだまだ若輩者だと思っているのに…
とりあえずは持ち直していると、彼女がスマートフォンのようなものを出すので慌てて言った。
「すみません、私、そういうのは持っていないので……もし後で時間ありましたらまたここでお会いしましょう。…それで構いませんか?」
■美澄 蘭 > 「………?」
急に相手が口を塞ぐので、きょとんと首を傾げる。
そして、スマホを見て相手が慌て出し、持っていない旨の発言を聞けば
「あ、そうなの…便利だけど、まあそれぞれだものね」
真顔である。
相手がこういうのに不慣れな可能性を、あんまり考慮していなかった。
「そうね…それじゃあ私、夕方くらいまではここで勉強してるから。
また、後でね」
そう言って、柔らかい笑みを浮かべた。
■サリナ > 「申し訳ないです…」
この世界の住人が言う所の異世界人である私にはスマートフォンというのは未だ未知数なのだ。
近所のパソコン教室に通ってパソコンを使えるぐらいにはこの世界には慣れたのだけれども…
「はい、では美澄さんまたあとで」
振り向き様に軽く手を振って去っていった。
さて、どう教えるか、今から考えないといけない事が増えた。
ご案内:「図書館」からサリナさんが去りました。
■美澄 蘭 > 「良いのよ…ほんと、人それぞれだと思うし」
あくまで真顔の「人それぞれ」押しであった。
「ええ、それじゃあまた…試験頑張ってね」
図書館なので、声は張りすぎず。手を軽く振って見送った。
■美澄 蘭 > 「…さて、ここで勉強する用事が「出来ちゃった」わね…
気合入れなくちゃ」
嫌々やる勉強とは別種の充実感が、左右で色の違う瞳に溢れている。
「念のため、明日試験がある科目を一通り準備しといて良かったわ」
まずは化学基礎から…などと呟きながら、自習スペースの机に向かっていった。
ご案内:「図書館」から美澄 蘭さんが去りました。