2015/07/16 のログ
ご案内:「図書館」に谷蜂 檻葉さんが現れました。
谷蜂 檻葉 > 「はい、では夏季休業前に一度返却か長期貸出の手続きに来てくださいねー。」

ヒラヒラと軽く手を振り、この時間帯で一人だけ雑多に本を読みあさっていた青年の貸出手続きを終えて見送る。


「海水浴もそうだけど、どうしよっかなぁ……」

遠い秋までの期間をどう過ごすか。
そんなことを思いながら、『ダイエットのすゝめ』なる雑誌をぱらりと捲る。

当たり前なことが多く書かれているが、それをできていないのが自分。
後でコピーでもして部屋に張るべきか……。

谷蜂 檻葉 > 早めに整理も終え、タグのチェックと掃除も終えて。

クーラーの効いた、緩やかで涼し気な夕暮れを過ごす。
まだ日は見えているが、少しすればそれも水平線の先に落ちていくだろう。



【のんびりと、カウンターで雑誌を読み耽っている……。】

ご案内:「図書館」に浦見靜さんが現れました。
浦見靜 > 特別講義を終え、委員会の活動が始まるきっちり五分前。
夕暮れに長く伸びる影の様に、本棚の間から黒衣の女がゆらりと姿を現し

「どーも、センパイ。お疲れ様です。」

低い声。会釈と共ににこり、と口元が愛想良く弧を描く。
お互い図書委員として、多少の面識はあるのかもしれない。
相手の読んでいる雑誌の上に躍る、程よく女子の危機感と美意識を煽るポップ体は
カウンター越しにも読み取る事ができ。

「…ダイエットっすか?センパイじゅーぶん痩せてるのに?」

首かしげながら、そろそろと相手の座るカウンターへと近づいていくだろう。

谷蜂 檻葉 > 「はいはい、お疲れ様。
―――って、もう大体の所を引き継ぎ前に終わらされちゃって今日は仕事殆ど無いわよ。」

ぱさ、と丁度読み終わった雑誌を脇に放る。

「お世辞は嬉しいけど現実は非常に、非常に厳しいのよ。
見ないふりしてたけど女子寮の浴場で見渡しても私以上にウエストある子見たことないもの……同じもの食べてるはずなんだけどねぇ……。」

はぁ。と、改めてため息をついて天井を仰ぐ。


「そういえば、今度禁書庫の掃除あるらしいから今週土曜の活動なくなったの、聞いた?」

浦見靜 > 「あらあら、そーだったんですか。流石、我らが図書委員会は優秀っすねえ。」

仕事が無いとの言葉に少々残念そうに肩竦めて言い

「…それなら、センパイの邪魔でもしちゃおうかな。」

そのまま椅子でなく、カウンター席に腰を下ろして足を組む。
身体と顔は相手へと向けながら

「お世辞じゃねーですよ。逆に潔く出しちまえば良いって聞きますよ。
隠すから気になるし、隠せるから減らないって。」

等と分かったような分からないような屁理屈捏ねながら相手の横腹を指先で突こうと手を伸ばす。
とはいえ、身をひねるか椅子を引くなりすれば避けるのは容易いだろうが。
禁書庫、の言葉には僅かに笑みが消えるが、直ぐに何事も無かったかのように笑みを浮かべれば

「降って湧いた休暇っすか…ね、センパイ、それなら俺と海行きません?」

ちゃっかりお誘いをかける。
と、言っても断られればごくあっさりと身を引くだろう、そんな軽い調子で。

谷蜂 檻葉 > 「昼番じゃなくて良かったわ。 涼みついでに借りに来るし、この時期は返却数ちょっと減るのよね。 あー、そういえば新しいの裏にあるから後でコード張りしなきゃ。」

カウンター席に座る少しばかり行儀の悪い後輩に、目線だけ向けて。

「邪魔される事もちょうど終わったわよ?」

その後、放った雑誌に少しだけ視線を向ける。
むしろ新規の本の張り作業を手伝ってもらわなくてはいけない。


「……うっさいわね、いーじゃない見せて減るなら見せるわよ。見せられるほど綺麗じゃないから見せないのに……」

ぺしん。と伸ばした手を叩いて頬杖をつく。


「お誘い嬉しいけど私も禁書庫担当の方に借りだし要請よ。 海の方も、先約済み。」


だから困ってるんだけどねー……と、もやもやした表情を見せた。

浦見靜 > 「あは、何だかんだやる事あるんじゃないですか…手伝いますよ。コキ使われてこその後輩だし。」

等と殊勝な事を口先でのたまうが相手が動くまでは自発的にラベル張り作業はやりたくないのか
カウンターに腰かけたまま足をぶらぶらさせて様子見の体。
一喝されればあっさりと手伝いだすだろうが。

「俺、センパイ位の体型が好きですけどね…俺以外にも需要ありますよ。自信持って。」

放り投げられた雑誌がぱさり、と乾いた音を立てる。
いてて、と大げさに零し、払われた指先をを摩りつつ冗談を一つ。
体型が好み、なんてのは女子であれば誰にでも同じ事を言うのだが。
女性には自信を持ってほしいという彼女なりの不器用でいい加減な励まし、なのかもしれない。

「それはそれは。雑用なら俺ら後輩に押し付けてくれれば良いのに、図書委員会ってそこんとこフェアっすよね。
…あらら、そっちも残念。彼氏とですか?」

目を細め、色めいた質問。
とはいえ他人の色恋沙汰など本気で知りたい訳でもない。
いうなれば女子の社交辞令的なアレである。

谷蜂 檻葉 > 「そりゃどうも……って、言うなら立ちなさいよ。」

まったく、と溜息をつきながら席を立ってダンボール置き場に向かう。
幾つか詰まれた箱の内、最も手前の箱に貼られたラベルをチェックして一息に持ち上げる。

「っと、結構見た目よりあるわね……置く時気を付けてね。」

少しばかりフラつきそうになるが直ぐに持ち直すと、4つあるし一人2往復ね。と、浦見に告げてカウンター横に移動させていく。 軽く持ってみれば、一度に二つは年頃の一般男子生徒でも確かにきつい重さがある。


「……同姓の”好き”ほど期待できそうにないものはないと思わない?」

冗談には肩をすくめるリアクションだけ返した。
結局のところ、自分の心の持ちようなのだから。 逆に意思を挫いても良くない。


「フェア、っていうよりも管理体質がしっかりしてるって事じゃないかしら?」

禁書庫の整理を行うのは、また別の担当区分けだ。
映画やファンタジーのような「危険な本」が現実にあるかぎり、フリーで任せるわけにはイカないのだろう。 ……それ以上の意味も、何処かしらにはあるのだろうが。


「彼氏ねぇ……。」

海水浴の誘われ相手を思い浮かべる。
恋愛小説などであれば、ここでポンと頬を染めるところなのだろうけど。

「―――そうなるといいわね。」

シシッ。と、奔放な笑みを見せる彼はそういう柄ではないだろう、と。クスリと笑みを浮かべた。

浦見靜 > ごめんなさぁい、と、悪びれない返事で椅子替わりにしていたカウンターから降り、静々と相手の後へと続くだろう。
段ボールを持ち上げる時は力む声も上げず、文句の一つも言わないが、流石に一つを腕に抱えるのが精一杯。

「…こういう時にベンリ魔法の一つでも使えりゃあな、って思いますね。それか腕っぷし鍛えるか。」

苦笑交じりに言うのは魔法に関しては少々苦手としているからであり
それでもそうして無駄口が叩けるだけの余裕は残されているのだろうが。

「そーいう事なら俺は性別”靜ちゃん”なんで、信用してくれても良いですよ。
…けど、更に可愛くなったセンパイも見てみたいし。頑張って下さいな。油モンは食べちゃダメっすよ。」

等と、聞きかじりの多分誤ってるいい加減なアドバイスと共に
そろりと本の詰まった段ボール箱を先輩に倣って横に並べる。
がさつに見えて本に関しては意外と慎重らしい。

「…俺の権限じゃ、未だ任せられねーって事ですか。
けど確かにヤバい本多いって言いますからねぇ。」

読んだら死ぬとか。なんて、夏場の怪談にはしゃぐ様に手をだらりと下げてお化けのまねをしてから
再び積まれた本の方へと足を向けつつ、相手のはぐらかすような言葉には

「あー、意味深!くっそー見た事ないオトコが羨ましー」

さほど湿っぽさの無い口調で、此処にはいない誰かに嫉妬する、マネをしてみせる。
最初から全くの部外者たる己の立場は弁えているつもり。

谷蜂 檻葉 > 「―――よい、しょっ! っと。 どっちかって言うと超能力っぽいけどね、そういうの。」

荷物を動かす、というと魔術よりも「念力」といったイメージが浮かぶ。
はて、超能力関係は魔術科で専攻出来たか……?

2つ目を置いて、汗を拭う代わりに 『風を』と小さく呟く。
同時に、かすかな花の香と共にクーラーによる保冷の為に閉めきった室内に風がそよいだ。


「油物以外にも節制ドコロばかりで嫌になるわ。まず運動量が足りないみたいだし」

図書室でのんびりしてるだけじゃだめよねー、
と言いながらテキパキとバーコード張りの準備を進める。

パソコンの新規本の設定ページを開くと、ダンボールの中身を検分してタイトル毎に分けていく。


「ま、時期が来たら顧問か誰かからお声がかかるでしょ。 ……まぁ、仕事が増えるだけだけどね。」

代わる? と、すこし戯けたように問いかけられる。


嫉妬をするような声を上げた事には、それ以上触れなかった。
唯の一友人に、懸念するような事もあるまい。

浦見靜 > 「俺的に異能とか超能力ってのはあくまで当たり外れの激しい才能ってカンジなんですけど
魔法って才能ありゃ勉強して覚えられる何でもできる便利ツールってカンジですよ
…まあ、バケモノじみてるって意味じゃあ、どれも同じ、ですけど。
そういう意味じゃ、俺の異能はハズレで。」

ざっくりとした理解は、あくまで普通の常世学園の教育を普通に受けてきた学生の見解に過ぎないだろう。
己の才能に対する自虐めいた言葉は、反面それほど悲観的な様子は伺えない。
出来ないことは出来ないんだから仕方ない、なんて一種開き直りさえ感じさせる。

「…今の、魔法ですか?それとも異能?」

相手の言葉と同時にふわりと鼻を掠めた香りと風に、思わず問いかける。
冷房の風とはどこか違う柔らかさの様な物を察知したらしい。

「確かにセンパイがそこら辺走ったりしてるトコは見た事ないですね。逆に新鮮。
…そうっすね。地道にキャリア積んで、地道に信頼得るしかねえって事で。」

何を基準に逆に、なのかは分からない乱れた若者言葉である。
禁書に関しては強いて食い下がる事も無く、今は興味が無くなったようにそれだけを言う。
無駄口を叩きながら手際良く仕事を熟す相手の真似をして、手早くかつ確実にバーコードを貼りながら
PCを操作している姿にふと手を止める。この手の操作は好きなので、相手の提案には遠慮なく乗っかる。

「はぁい、やりますやります…バーコード貼るより面白いから。」

相変わらず、一言多い。

谷蜂 檻葉 > 「まぁ、確かに生まれによるのかもしれないけれど……そこはそれ、男女のどっちに生まれるかみたいな所なんじゃないのかしら。」

それぞれに強みはある。やるべきこと、為すべきことでその価値は幾らでも代わるのじゃないかと、一般論的な問いかけでお茶を濁す。

なにせ自分こそがそれを強く理解して、いっそ恨んでも居たのだから。
私は、誰かにどうこう言える立場ではない。


「どっちも。 ―――ほら、作業するわよ。」
目を瞬いて問いかけられると、そっけなくそう答えた。


「何事も地道が一番よね、仕事もダイエットも……」

などと『地道に』などと嘯きながら、素早く並べては指に横着するようにバーコードシールを貼っつけて効率的に進めていく。 強いて言うことはないが無駄なことは嫌いだ。面倒事も、わざわざ首を突っ込まない程度には嫌いだ。

ダイエットを面倒ととるか否かは、彼女の心がけ次第だ。

「ん、PC操作やるならどんどんいくわよー。 タイトル入れたらバーコード通してね。」

浦見靜 > 「好きに選べない所は、確かに…でも、俺はまあまあ、俺の能力気に入ってますけどね。
やたらと目立つよりは、誰かの人生のモブでいたい系人間なんで。
…下手に身体弄り回されたり兵器扱いされたりなんてのは…俺はゴメンです。」

それなりに強い力を持つ者がこの学園で受けると言う扱い。
実験動物にされるだの、戦争に行かされるだの、それは出所の分からない噂話に過ぎないのかもしれない。
完全に信じ切っている訳ではないが、この学園なら何が起こっても不思議ではないと思っての事。
笑い飛ばされても、それはそれで構わない。

「へぇ、合わせ技、ですか…センパイって器用ですよね。あとツンデレ。」

異能に関して、相手は何か思うところがあるのだろう事は何となく読み取れて
けれどそれを深く追及する事は、きっと良くない事なのだ。
種明かしを受ければ指の先を合わせながら、、感心しきりに言うだろう。
器用はともかく、また一言多いのは置いておいて。
PCを受け取れば、やっぱりカウンターの上に腰を下ろして膝の上にPCを乗せる。
カウンターは椅子じゃない。のに。

「はいはい、任せといて下さいな…これ終わったらアイス食いに行きましょ。食堂まだやってますかね?」

軽い調子で笑みを浮かべながら、言われるままにキーボードの上を躍る指先は軽やかで、
先ほどのバーコード貼りとは違って自発的なやる気を感じさせるだろう。
そうしてしばらくは学生らしい他愛のない話をしながら作業を進める。

相手が今度こそ、誘いに乗ってくれたかどうかは別の話である。

谷蜂 檻葉 > 「あら、自分自身をしっかり客観視出来るだなんて随分と尊大で謙虚なのね?……兎も角、貴方が自分をどう思おうと、互いに向きあえばmob(群衆)なんていないものよ。」


常世学園で出会う人々のキャラの濃さは類を見ないものだが、なればこそ。色の濃淡そのものがそれぞれの個性として見えてくるものがある。

……まぁ、男性騙りの女の子というのも十分な濃さだとは思うけれど。

「―――意外と、その辺気になったりするのね?」

仮面ライダーの興が過ぎたような噂を信じる、というのはちょっと意外に思う。
まぁ、それ以上にこの学園の胡散臭さが酷いというのも理解しているけれど。


「き、器用はともかくツンデレって何よ。 普通でしょ、ふ・つ・う」

手元が狂いそうになってワタワタしつつも、頬を少し膨らませる。
人に高説するわりには彼女も大衆的に『一般』を求めるタイプである。

そのまま改めて手際よく作業を進めていくが、どっかりとカウンターに座ったまま作業を進めようとする浦見に、少し注意しようかと逡巡して、別に見ているのも自分だけだし今はいいかとスルーする。 帰りがけにだけ注意をしておこう。 単に、行儀が悪い。


「だーかーらー、ダイエット中だってのよー。……ピノみたいな小さいのいっぱい入ってるのにしてね?」


そんな戯言を掛け合いながらドンドン作業を進めて 1箱2箱と終わらせていく。


―――ひと通り終わる頃には丁度閉館の時刻まで来ていた。