2015/07/21 のログ
遠峯 生有子 >  立ち歩くついでにその一冊も取って来ると、
 机の右上隅に重ねて置いて、
 貸し出して続きを終えたものだけをカバンにしまう。

 それは物理に関する読み物だったが、
 実はあと2冊、今日は返却をしていないものがある。
 一週間前に借りた魔術関連の書籍で、
 先ほど手続きをするときにそのことは念押しされてしまった。
 魔術の練習のために借りたものだったので、
 とりあえず今借りたものは後回しにして、そちらにかかってしまわなくてはならないだろう。
「夏休みって、けっこう時間ないなー。」

 溜息をついて椅子を引く。

遠峯 生有子 > 借りた本をしまうついでにカバンから出したノートとペンケースを机に並べ、
まず、最後に借りた図鑑を手元に寄せると、
さっそく索引を開き、調べ物にかかる。

これを探すために図書委員に出してもらったメモが、
つるりと天板を滑って床に落ちたがそれには気づかなかった。

事前にそれなりに書き込まれたノートに、必要事項を追記していく。

遠峯 生有子 > 「ああ、この花、ないー。」
 図書館では静かにするようにとは、
 どんな館であっても言われることだが、
 不意に出る独り言を止めることはなかなか難しい。

(名前からしたら絶対こっちなんだけど…)と、次の言葉は心の内に留めて、
 二冊目の書物に手を伸ばす。
 列挙された植物の名前と原産地、それに主な生育地域をメモしているらしかった。
 そちらには目的の記述があったと見えて、
 またシャープペンシルを動かし始める。

遠峯 生有子 > やがてそんな風にしてノートを概ね埋め終わる。
いくつか空いている場所があるが、次の機会にすべきだと、
いつの間にかスピーカーを通じて聞こえてくる閉館の音楽がささやいていた。

調査に使用した三冊を、貸し出し手続きをしていない本の返却棚へ預けて、
生有子はその場所をあとにした。

ご案内:「図書館」から遠峯 生有子さんが去りました。
ご案内:「図書館」に嶋野陽子さんが現れました。
嶋野陽子 > 終業式の日、
流石の陽子も、この日ばかりは特注の制服姿で登校。
終業式を終えると、人影疎らな図書館の電子書籍閲覧
コーナーに向かい、一番奥の席に陣取ると、スマート
フォン状の端末機から、光コネクターを情報ポートに
差し込む。

デスクのカードリーダーに学生証を読み込ませると、
端末機の画面に「認証成功。アクセス開始」の文字が
点灯する。

(ステラ、準備できたわよ。目録のスキャンを終えて
所要時間が判ったら教えてね)
(了解。魔術に関する公開図書の全スキャンだから、
それなりに時間がかかるわよ。)と答えるステラ。
(大丈夫。今日は手付かずの問題集持ってきてるから
6時間までなら潰せるわ)陽子も今日は時間がかかる
事を覚悟している。

嶋野陽子 > およそ10分後、
(思ったより少ないわ。動画や画像を入れても、5
時間はかからないみたい。やはり強力な魔術に関する
資料は禁書か機密の指定がかかっているわ)と報告
するステラ。
(判ったわ。まずは公開資料を解析して、魔力ゼロの
私達が、科学的に対抗できる手段を考えましょう。)

こんして、陽子の「魔法防御力ゼロ」問題を解決するプ
ロジェクトが始動する。
夕方、無事スキャンを完了した陽子は、昨日買った骨
付き子羊肉のカレーを仕上げるべく、寮に向かう。

ご案内:「図書館」から嶋野陽子さんが去りました。