2015/07/27 のログ
ご案内:「禁書庫」にコゼットさんが現れました。
■コゼット > 禁書庫───。
その名の通り、普段は表に出る事の無い様々な理由の付いた本達を納める場所。
その本のジャンルは多岐に渡るが、比較的一般的な本よりも大事に、そして容易に持ち出されないよう厳しく保管されている。
…と言ってもそれは図書委員が居ればの話で、そこまで厳しく監視がされている訳ではないのだが。
コゼットは、図書委員会の顧問である。
今日はそんな禁書庫の見回りに来ていた。
しかしただ見回るだけではつまらない。何せ回りには難解で複雑な本がずらりと並んでいる。
勿論魔術書だってある。読まずに居るのは勿体無い。
最初こそ真面目に見回っていたが次第に禁書の誘惑に惹かれ、気が付けば脚立に腰掛けて魔術書を読み漁っていた。
■コゼット > 確かに難しいが、読める。それに面白い。
一般的な学生からしたら何が書かれているのかなんてさっぱり判らないだろう。
しかしそれを普通の魔術書となんら変わらない速度で読み進めている。
決して判らないから読み飛ばしているのではない。
通常、教師で留めるなら禁書に書かれているような技術は教える事は無い。
知っていたとしても、その危険性を説くに留める程度だろう。だから、さして知識は必要はない。
そんなあまり縁の無い禁書に指定されている魔術書が読める。ただ読めるから、そこに一切の疑問には感じなかった。
ただ目と手を動かして、それに没頭していた。
ご案内:「禁書庫」にアリストロメリアさんが現れました。
■アリストロメリア > 特徴的な、トレードマークの魔女帽
アース・カラーの、艶やかな絹糸を連想させる長髪
年上にもかかわらず、ほんの少しだけ幼気を残したかのような可愛らしい容貌のその女性は
四大元素魔術のコゼット先生である
……熱心に読むのは、何の禁書であろうか?
――……そう、思いながら本の虫になる彼女に声をかけた
「読書中、恐れ入りますわ先生
どのような本を読んでいらっしゃるのでしょうか?
良書でしたら、お勧めして頂けるととても嬉しく思いますわ」
と、柔和な微笑みと同じくらい柔らかな口調で
■コゼット > 読み進めていくと次に、試してみたい…と思う。
が、流石にこんな所でそんな事をしたら出禁所か処分モノである。
探究心と好奇心はあるが、その辺はしっかりと弁えている。
分厚く埃の被った魔術書を膝に乗せ、飽きもせずに読み耽る。
読書も魔術も好きな彼女にとってはこの上ない一時である。
そんな見回りもそっちのけなコゼットの名前を呼ぶ声がして、ようやくそれから目を離す。
ここは図書館でも特に静かな場所だ。その声は、はっきりと耳に届いた。
「うん?…ああ、これは空間魔術に関する本みたいね。固有結界…というか。
実を言うと見回りが少し退屈だったから、つい本に手を伸ばしてしまってね。
…そうゆう貴女は?」
声の主に質問をされればそう返した。
しかし、ここに居るという事は禁書に用があるか、それとも迷い込んだのか。
度々ではあるが、生徒が意図せずにここに入り込んでしまう事もある。
落ち着いた様子からして、その線は薄そうではあるが…。
■アリストロメリア > 人の出入りが少ないせいか、黴臭い、少し埃の香りの漂う禁書の図書館の中は
何処か時が止まったかのような、或いは進みが遅いかの様な
少し、独特の空間を醸し出す
それは、本棚にずっしりと並べられた禁書の、折々の時の交差から漂う物なのだろうか?
熱心に読み進め、ぱらり、ぱらりとやや規則的にページを捲る手を動かす彼女は
精巧に創られた人形の様にも見てとれた
熱を帯びる様子が、彼女の本好きを見るだけで知る事が出来る
「空間魔術、固定結界のものですか……」
こちらは、様々な文化や魔術が交差しており、同じ言葉の魔術でも異国の文化であれば
内容の差が多少なりとも少なくない
「どのようなものでしょうか……そうでしたか、お仕事お疲れ様ですわ
私は、禁書を少し拝見しようと、どんなタイトルの本が並べられているかと目を通しておりましたの」
冷静に返しながら。悪びれた様子も無くにこやかに
『間違いなく意図して入った』のであった
魔術を使用する者にとっては、少なからずとも魅力的な空間なのだ
■コゼット > 「私の教える事にはあまり関係は無いけれど、他の魔術にも興味はあるのよ。
そうゆうのを組み合わせたら面白そうだし。」
習得する事が出来れば今よりも強くなれそうだ──とは、言わなかった。
もう一つの目標として、自身が使える魔術を模索する為でもあった。
確かに魔術書が好きなのは事実だ。だが、最近のコゼットは今以上に力が欲しいと思うようになった。
それゆえに取った最初の本がこれだった。勿論、読破したら他のものにも手を付ける予定ではあったが。
「要するに、一定の範囲内であれば何処からでも魔術の起点とする事が出来る…と言うものらしいわ。
確かにこれが扱えるなら凄く便利そうではあるけれど。…そこは流石に難易度が高いわね。
面白いけれど、ちょっと読んだだけでは簡単には理解出来ない。
──それじゃあ…私と同じかしらね。
禁書庫と言うだけあって、難しい本は勿論、変わった本も多いわね。それも、かなり極端に偏ってる。」
生徒が禁書を読みたい…というのも少し引っかかるが。
…まぁ、図書委員である私が目を光らせていれば大丈夫だろう。
流石に彼女を無視して読書を再開する訳にもいかない。
本は抱えたまま、脚立から降りて彼女の近くに寄る。
図書館のルールに則り、おかしな事をしないか見張るのだ。
■アリストロメリア > 「その気持ちはわかりますわ。まだ知らぬ魔術を追求し、学び、知る喜びの他にも
様々な魔術を組み合わせるのは面白いですものね、同感ですわ」
彼女が強さを欲している事も、目標も予定もわからない
先生の話を頷きながら、聞けば口を開いて
「……成程、それは便利ですが――……強力なものである程
学びとるのは大変ですものね
……分かりますわ。禁書として在りながらも、こうして警備が緩いのも
所詮、禁書は禁書であり深い叡智を持つ者、その文に隠された暗号や解読を読み解ける頭脳と機智
それから、大切なのは素質――……その教えを継承できるか否か、という資格もございますわ
だから、結局禁書は所詮、誰にでも分かるものではありませんし
ましてや常人には、狂人の詩人の真似ごとに過ぎない文章の羅列にしか見えない事もあるでしょう
今の言葉で例えるのでしたら、正しく『中二病の根本』の様にも見えるものですわ
ええ、ですから私も片っぱしから我武者羅に本を開いて読むだけでは、理解しがたい物も多いですし
いつか私が分かる資格、その教えを継承する資格があればこそ――……読みとれるものですから
特にこの学園は幾多にある、様々な異国や文化の本も多く
自身の常識や解読では、難題も多いですわ
だから、本当にこの禁書庫は、夢とロマン、無限の可能性を秘めながらも
殆どが『狂人めいた詩人のなりそこない』の描いたような本にしか見えませんわね、残念な事に。
この禁書庫にある本のなるべく多くの教えを在学中に乞い、理解し、吸収したいものですけれど」
そんな事を言いながら、読みたいと言う理由と
結局、今の自分では難しく無理な物も多いと言う事を同時に述べつつ……
本を閉じて、禁書庫の番人へと化した先生へ
「……ごめんなさい、先生がどんな本を読んでいらっしゃるか興味があったのと同時に
出来れば生徒としても教えて頂きたかったのですけれど――……
結果的にお邪魔してしまいましたわね……失礼致しますわ」
そう言うと、ドレスの裾を持ち丁寧に一礼して
禁書庫を去っていく
■コゼット > 「魔術師とは、知識こそ力である…とは、よく教えている事なのだけどね。」
その力をどう使うかはそれを得た者次第。ただ、間違った方向に使わないよう、常に気を使っている。
それは、同僚の教師にも言われた事。
「そうね。禁書たる所以はそれぞれ違うけれど、だけどそれ相応の理由がある。
だからこうして厳しく管理しているのだし…悪用でもされたら困るものね。…って、私はそのつもりは一切無いから安心して頂戴ね。
これは只の暇つぶし。あと……単純に、本を読むのが好きだから。」
その言葉にはきっと、嘘は含まれていない。
目を真っ直ぐ見てそう言ったから。
「継承する資格…か。ふふっ、昔の私は貴女が言うように、只管魔術書を読み耽る日々だったわ。
殆ど勉強詰め。そのお陰で、今こうして教師が出来ているのだけど。
ただ、教師が生徒にこうゆう事は教えないでしょう?
だから私も読む機会が全然無くて。
──これが狂人の書いた本だとするなら、これを読む私は……やっぱり変な人かしらね?」
微笑みながら言った所を見ると別に怒ったという訳では無く、あえて冗談で返している様子だった。
彼女の禁書に対する考え方が、ただ言葉を並べただけのソレには見えなかったから。
魔術に真剣である、という風にも見えた。ただ、それが生徒が禁書に手を出していい理由になるかと言われれば、どうなのだろうか。
「あら、気にしなくても良かったのに。だって、私はただ暇を潰していただけなのだから。
でも…そうね。熱心な生徒には私もそれに応えてあげないと。
また、時間がある時にいつでもいらっしゃい。私の魔術で良ければ教えてあげるわ。」
追い払うつもりは無かったが、気を使わせてしまっただろうか。
それとも自分が居たから手に取らなかったのか。…でもまぁ、それなら態々本の虫になっている自分に声を掛けたりなんかはしないか。
教えて欲しいともなればまた会う機会もあるだろう。彼女の姿を記憶に留めつつ、私はその後姿を見えなくなるまで見送った。
ご案内:「禁書庫」からアリストロメリアさんが去りました。
■コゼット > …しかし。
生徒に向かって堂々と「暇つぶしをしていた」…なんて言ってしまって些か問題だっただろうか?
本が面白くてつい読んでしまったが、後になって少し反省しつつ。
本の表紙をじっとと見つめた後、元の納まっていた場所に戻す。
読んで見た感じ、この魔術書にはやはり少し惹かれるものがあった。
理解と実際にこれを会得するのは時間を要するだろう。しかし、読み解けるのであればそれも些細な事だ。
「……。」
静かな時間の流れる禁書庫で少し考える。
その本を借りて行こうとしたが、様々な問題を考慮してその行為をやめた。
ここに来れば見回りのついでに読めるのだ。元々図書委員の顧問としてそれなりに仕事はしていた方だが、ここに来る口実も出来る。
その替わりに表の図書館で何冊か、寮で読む為の魔術書を借りてその場を後にした。
ご案内:「禁書庫」からコゼットさんが去りました。