2015/08/22 のログ
ご案内:「図書館」にアルワルドさんが現れました。
■アルワルド > (林立する書架の群の中に人の姿は無く、時折頁を捲る静かな音が僅かに聞こえるのみ。すっかりと日が落ちて薄暗い室内はともすれば
棚に収まりきらず床に積まれた本に足を取られ転倒する危険をはらんでいる。
通常ならば明りが欠かせないのだだけど、生憎と僕にはそれは無縁で、しかし無縁であるが故にこの場所に縁が生まれていた。)
…………困ったな。こればっかりは地道に覚えるしかなさそうだ。
(図書館の机上にノートと教本を広げ、その上で頬杖をつく。何をしているのかと言うと、文字の書き取りで、早い話課題として提出しなければならない代物だ。
ただ、僕の嘆きはその本質とは別な所にあって、事実ノートには我ながら満足の行く文字が整然と書き綴られている。
では何が問題なのか、と云うと"書けても読めないのが問題"なのだ。)
如何に精霊と云えど、よもやこんな事態は想定しないだろうし……。
(カエルーンでは精霊の寵愛を受けて生まれた者に宿る。とされている異能力がある。
その名をギフトと称し、その内容は様々であるのだけど、僕が持つギフトは現況においてはギフトとして余り、機能していない。
端的にどのような性質かと言うと"視界内の情報を十全に獲得する"と言った代物であり、これの御陰で明り一つ無い
闇夜の中や、閃光砲弾の飛び交う空であろうとも雲一つ無い青空を行くように出来る。
ひいてはまやかしや幻術の類も、相性こそあれ基本的には影響を受けない。
――だからこそ、この島を覆う翻訳術式は"僕の眼には作用してくれない"。)
■アルワルド > ……そもそもなんでこんなに文字の形式が入り混じっているんだ?
暗号なのか?どう考えても理に適っていないし効率的ではないぞ……
(幸いにして会話に不便は無く、口頭で訳して貰えれば理解は出来る。
後は大まかにその形式をノートに記し、規則性を理解すれば殊更に理解が出来る。
……筈だったのだけど、この世界の文字様式は何故か多岐に渡り過ぎて僕の理解を超えていた。
無論カエルーンにも魔術形式の違いと言った意味での言語の差異はあったけれど、それを遥かに超えている。
故にこうして書き取りが終わった後も、こうして図書館で頭を捻っている。
ちなみに何故自宅でやらないのかと言うと、今の僕は居候の身であったから
家でノートを渋面で長時間見詰めている……なんて事はしたくないのだった。)
■アルワルド > ……いっそ絵として憶えるか?記号的に……いや、でもそれだと困るな。
やはり憶えるならきちんと憶えなければ……。
(脳裏を過るは今日の授業風景。それは僕よりも遥かに幼い子供達に混ざっての授業風景だ。
致し方が無い事として認めもするけれど、やはり、少し、そういうのは辛い。
そもそも僕は小さな子供が余り得意では無い。故郷アルクスの地では子供にも似た妖精のおふざけで
砂の中に引きずり込まれそうになった事もある。決して嫌いでは無いが苦手なのだ。)
……アーヴィングさんなら子供のあしらい方も心得ているのだろうか?
(ふと、過る授業風景に大戦の英雄が重なり、今日僕がされたのと同じように髪の毛を引っ張られる姿が浮かんだ。
……浮かんだが、その先は想像できなかった。)
■アルワルド > ………思考を篭らせていてもダメ、か。今日の所は帰って……ああ、そうだ。住まいも選定しないといけないな。
(それからどれ程の時間が過ぎただろうか?時計を視るともう随分と遅い時間となっていて、僕は一つの諦念を得て席を立つ。
悩み事は文字だけに留まらず、立ち止まった分だけ後が苦労をする。課題等と云う代物は片づけられる状況であるなら
先に片づけるに越した事等無いのだ。
住まいの問題も課題の一つ。何時までも居候をする訳にもいかないし、此処は一つ無難に男子寮辺りを頼るべきかもしれない。
そう、独りごちながら図書館を後にした。)
ご案内:「図書館」からアルワルドさんが去りました。
ご案内:「図書館」に雪谷 憂乃さんが現れました。
■雪谷 憂乃 > 土曜日の御昼。
昼と言えば、私にとっては最も憂鬱な時間。燦々たる太陽が憎い。
この時間帯の委員のシフトは遠慮願いたいのだが、今日に限って大勢図書委員が出てこれないのだとか。
何でも、図書委員の仲の良い連中が集まって海に遊びに行ったらしい。
土曜日だし、皆楽しく遊んでいるのだろうなと、そんな事を思う一方。
「ふわ…はぁ。」
私は、カウンターで欠伸と溜息を吐きだす。
シフトが終わるまで、あとどれくらいの時間だろうか、退屈だし、憂鬱だ。
ご案内:「図書館」にリビドーさんが現れました。
■リビドー > (ふむ……図書委員が居るな。なら、聞くとしよう。)
図書館へと足を踏み入れる。
周囲を一瞥した後、真っ直ぐに受付或いは憂乃の付近まで歩み寄る。
「すまない。少々探している本があるんだが、聞いてもいいかい。
買う程でも無いが、読みたくなってしまった本があってね。」
■雪谷 憂乃 > 「…ん、えっと。」
一つ伸びをしたくらいで、カウンターへとやってきた人が。
この人もあの勉強しに来た人の仲間か、さて、誰だったろうか。
まぁいい、知らない人だし気にしない。
「えぇ、どうぞ。
お探しの本のタイトルを教えてください。」
そちらへと向き直りながら。
これだけ広大な図書館だし、探される本があっても無理はないだろう。
便利なもので、本のタイトルで検索を掛ければ置いてあるエリアが大体表示されるシステムがあるんだとか。
■リビドー > 「ああ、ありがとう。
"自然に見られる幾何学"と言う本なんだが、置いているかい。
学問としての解説でなく図や写真による紹介が主だからか、
学術書では無く趣味の本のジャンルに分けられていた気がするな……」
タイトルを告げ、関連付けられた記憶が引張り出されているような素振りで一つ呟く。
ともあれ、目の前の図書委員――雪谷 憂乃の反応を待つだろう。
■雪谷 憂乃 > 「自然に見られる幾何学、ですね。
趣味のエリアに…少々お待ち下さい。」
カウンターの横に置き据えられている御大層な機械をいじる。
機械音痴だろうが、嫌でも使い方が分かるのが良い所。
カタカタとタイトルを入れれば、クリックの音が複数。
そうすればすぐにでも何処に何があるか出てくるのだ。
これだけ広い図書館、まぁきっと出てくるだろう。
稀にないかもしれないが、売られているくらいの本、当然ながら取り揃えていよう。
「…こちら、あの角を曲がって3つ目、左側の本棚の上から3段目ですね。
そこをお探しください。こちら、お持ちください。」
印刷機から、紙が1枚、プリントされる。
求められた本があるだろう場所が赤く塗りつぶされている。
それをシャッと切れば、彼に手渡す。そこそこ手慣れた図書委員の仕事。
■リビドー > 「ふむ。」
待ち時間、視線と意識を憂乃と遣る。
迷いのないタイピング音やクリック音など耳にすれば、
(慣れたものだな。)
そう内心で呟いている内に、印刷機から出力された紙を取る憂乃に気づき、差し出された紙を受け取る。
にしても、大分ご大層な機械だ。流石は常世学園か。
「ああ、ありがとう。……大分慣れているみたいだね。図書委員に務めて長いのかな?」
■雪谷 憂乃 > 「…?」
何故こんな事を聞かれたのかと暫しはてな。
「そうですね、もう4か月くらいになりますでしょうか。
…どうかしました?」
手渡すために乗り出した体をカウンターにひっこめながら、
疑問も収まらぬ様に不思議そうな顔。
■リビドー > 「そんなものか。いや、特に意味は無いよ。
此れでも復職したばかりとは言え教師でね。知らない生徒の事はついつい気にかけてしまうんだよ。
……変に思わせてしまったら、悪いね」
はてな。疑問に思った様子を見せ、言葉を発した憂乃へと口元を緩め目尻を落とす
――どこか罰が悪そうな、苦笑気味な表情を以って答えてみせた。
「ともあれ、紙は受け取ったよ。
曜の昼などに仕事をさせてしまってすまないね。働き者だな、キミは。」
■雪谷 憂乃 > 「ああ、教師の御方だったのですね。」
生徒だと思った、とは口にしない。
成程、確かに教師であるのであれば知らない生徒を気にかけるのも納得は行く。
「1年、図書委員の雪谷です…何卒。」
ふるり、首を横に振り長い髪をどけながら、改めて眼前の教師を見遣って、自己紹介。
「…お気遣いなく。
本当は今日、お休みだった筈なのですが…ね。
働き者では…ありませんよ。」
じろりと、少し憎憎し気に窓外の海を一瞥。
今頃はあの連中、海でバカバカンスでもしているのだろうか。
けれど、それ以外に不満に思っている様子は露とも示さない。
■リビドー > 教師の御方。
言葉から察するに、それ以外――概ね生徒と察されたのだろうか。
何時もの事である故、特に気にする事はない。
「そうとも。若く見られて困ってこしまうよ。……と、雪谷だね。覚えたよ。」
気にはしていないが、何でもない様な調子で軽い冗句を一つ叩く。
気にはしていないからこそ、挟んだのだろう。
「綺麗な肌に見合った、……ああ、ボクはリビドーと名乗っている。ま、適当に宜しくな。」
自己紹介を受ければ、大人しめの笑みと自己紹介を返す。
働き者を否定する言葉と窓を見遣る仕草を見れば、概ねを察する。
軽く片手を自分の頭に遣り、雑に掻いて見せた。
「ふむ。ハズレくじを引いた方だったか。
軽率に働き者だなど、押し付けるような悪い事を言ってしまったな。すまないね。
そうだな。キミがサボらす此処に居てくれたおかげで労を減らして本を借りる事が出来そうだ。感謝するよ。」
■雪谷 憂乃 > 「…ふふ、若くて良いではないですか。
えぇ、リビドー先生、こちらも覚えておきましょう。」
察せられてしまっていたか。
無理もない、そう見えてしまうのだから、これが初めての事でもないのだろう。
「…そうですね。良くお分かりで。
この頃夏でしょう?…皆さん海水浴何かにいってらっしゃるんですって。
私はあまり水泳が得意ではないので…けれど、土曜日なのに…困ったものですよね。
…ありがとうございます。いえ、この場合はどういたしまして、でしょうか。
ともあれ、こうして働くからこそお給料も貰えるわけですし、文句も言えませんけれど、ね。」
しかし、昼頃に仕事をさせられると言うのは…実際、文句の一つも言いたかった。
それに、こんなに血肉溢れる場所に吸血鬼を放り込むなど、拷問だろう。
顧問や他の委員が多少なりとも憎い。
■リビドー > 「好き好んで働いている訳でないなら、概ねそれだろう。
恋人を人質に取られとか、莫大な借金があるとか、そう言う突拍子のないものでもあるまい。」
そうだったら驚いてしまうぜ、と、冗句を一つ加えて肩を竦めた。
「ま、そうだな。委員会業務で給料が出る所など、滅多に無いからな。
此処ぐらいなものかもしれないぜ。……ふむ、海水浴が苦手なキミに白羽の矢が立った訳か。」
腕を組んで、なぞるように言葉を継ぐ。
少し言葉を交わしただけでは心情こそ読み取れないが、少しばかりの同情を覚えた。
■雪谷 憂乃 > 「そういう事ですね。
いやはや。といっても、財団なら人質とか闇金とかもやりかねなさそうですけれど、なんて。
あら、どの委員会もお給料、貰えるんじゃありませんでしたっけ。
えぇ…そういう事ですね。残念な事ですが。」
やれやれと、薄く笑いながら首を左右に振る。
それと時を同じくして、携帯電話が震えた。
「失礼します。」
そう断って、携帯電話と思しき薄い直方体の物体をポケットから取った。雪の結晶の模様付き。
キャスターの付いた椅子の音を立てて後退、彼に背を向けた。
「あ、はい、雪谷です。…あら、先生。どうかしましたか?
ふふ…そんな所です。え?…本当?お、お気遣いありがとうございます。
了解しました。いえ、大丈夫ですよ、また人手が足りなかったら御呼びくださいね。
えぇ、分かりました。失礼します。えぇ、いえ、大丈夫ですから。はい、失礼しますね。」
そう言って、電話を切ってポケットにしまった。
「ふぅ。…ですが、この残念な時間もおしまいみたいですね。
私、これから帰れるみたいなので。
思わないうちに早いこと代理が立ったみたいですから。…失礼しますね。」
カウンターから席を立つ。それから2分もしないうちに、別の図書委員がやってくるだろう。
顧問は顧問で割と吸血鬼の身を案じてくれているらしい。
ともあれ、昼間の憂鬱な職業は終わりだ。小さく頭を下げて、去って行った。
ご案内:「図書館」から雪谷 憂乃さんが去りました。
■リビドー > 「勿論。他の学園では、って意味だな。
頭の中で完結して、言葉が足りなくなりがちなのはボクの悪い癖でもあるな。……と。」
雪谷が通話を始めれば、言葉を止める。
代理が見つかって彼女が帰れる様になったと聞けば、緩く笑みを浮かべて見送っただろう。
「……それは良い事だ。またな、雪谷。
さて、ボクも本を借りて、帰るとしよう。」
ご案内:「図書館」からリビドーさんが去りました。