2015/08/29 のログ
雪谷 憂乃 > 「むぅ…余計なお世話、と、言いたいところですが。
…気を付けておきましょうか。それとも、その言葉を宛ら返しても良いでしょうか。」

腕組み。露骨に嫌な顔をして見せる。少し調子に乗ったのが仇となったか。

「数百年…ですか。長寿族なのですね。」

長寿族というか、そもそも年を取らない種族なのかもしれない。
赤ずきんは永劫赤ずきんの姿のままなのだろう。少なくとも、本の中では。

「いや…怪異でしょう。」

どのレベルをどう怪異と呼ぶかは分からないが、
本から出てきたと言う時点で既に怪異現象である。

「…。
さて、どうだか。ここは変な奴ばっかりですからね。
0秒…いや、-2秒で封印されても知りませんよ。この島は、意外にそういう奴がそこかしこに居る場所ですし。
…止めはしませんけど。」

着丈に振る舞うが。やっぱり怪異は怪異である。警戒心の強さも相俟ってぞくっと来たがあくまで無表情で迎撃。
述べることは別に嘘ではないけれど、この状況では虚勢に見えざるを得ない。吸血鬼が童話に負けた。
横をすれ違うなら、それを追うでもなく、止めるでもなく、見送る。
外へと歩いて行くのをそのまま見送ろう。

「あ、もしもし?はい、こんばんは。雪谷です。
えぇ、えぇ。はい、禁書庫から。…はい、生活委員会に取次して下さい。
はい、修繕の御願いです。そうですね、穴1です。
はい、5分くらいで終わるんじゃないでしょうか。御願いします。はい、失礼します。」

端末で連絡が終わるころには、赤ずきんを名乗る少女は見えなくなっているか。或いは。
顧問に禁書庫の損傷について連絡を入れておく。
幾等開放的と言えど、流石に穴ぼこ開けておくわけにはいかないから。
さて、私はどうしようか。
柄にもなく、禁書庫の方へと、彼女とは逆方向にでも入ってみようか。それとも―――。

アカズキン > 「アハハ、常世島の第一村人の雪谷の助言覚えておくよ
 …ま、封印されるまでの日々を存分に楽しむ事にするよ。それが例え、10分後にでも封印されるような未来だと分かっていても、ね。」

それはもう顔を見る事もなく、振り返る事もない。ただ、一つお礼をする為にピタリと足を止める

一つ占いがてら花を気分で一つ造る事にしよう。

左手を複雑に動かしたかと思えばその左手にはいつの間にか花が存在していた。
そこにある花は――花びらがない、葉と茎だけの薔薇。

「花言葉というより、葉言葉だけど、この場合『幸運を祈る』だっけ?
 フフッ、頑張ろっと」

その薔薇の葉を放り投げ、アカズキンは外の空気を存分に味わうだろう。
その足取りは今までの呪縛が解放されたかのように、軽く、そしてスキップしていた

ご案内:「禁書庫」からアカズキンさんが去りました。
雪谷 憂乃 > 端末での連絡を終える。

「…幸運を祈る。ですか。」

しゃがんで、飛んできたものを見遣る。
茎と、葉。緑色だけのソレを拾い上げる。

「それこそ、余計なお世話です。」

これをどうしろというのか。
分からない。分からないが…まぁ、一応取っておこうか。

ご案内:「禁書庫」から雪谷 憂乃さんが去りました。
ご案内:「図書館」に谷蜂 檻葉さんが現れました。
谷蜂 檻葉 > 「はーい、またご利用くださーい。


 ……あれで最後かな。」



―――先の休日の終わり。

少しばかり足早に明日の休暇を満喫しようと考える人々が家路につくのをカウンターから見送る。
もう、自分ぐらいしか図書館には残っていない。


直に、閉館時間になり片付けをすることにはなるけれどそれでも勤務推奨時間はまだある。


「……最後にこれだけ読もっと。」


そしてこの一日の中で最も静かなこの時間が、読書には最適なのだ。

ご案内:「図書館」に牧瀬 莉那さんが現れました。
谷蜂 檻葉 > 取り出したのは、マイナーなラブ・ロマンスの小説。

異世界での実話から生まれたもので、なかなか良く出来てる、とは現地の人の評価だけれど
それらを知らぬ地球の人にはどうにも解釈が難しい表現・展開が多く、佳作程度に収まった。

ソレの、4週目。

「んー………。」

ゆっくりと息をつきながら、『何故こうしたのか?』を読み取る。

物語の中盤。
互いに愛を感じ合った上で、相手の地雷といってもいい悪口を言うシーン。


試している、という解釈が適切だろうけれどどうにも文脈には合わない。
必要以上には傷つけない言い回しをしているが、それでも芯を打つ罵倒は
読んでいて没入した読者の胸を悪い意味で打つ。


……さて、やはりこの解釈は支えるという自分の意志を強く示すという解釈が……



なんて、前後のページを行ったり来たりして。

唸りながら、集中して本に集中している……。

牧瀬 莉那 > 「わぁぁ・・・!あともうちょっとで閉館するー!急げ・・・、急げー!」

返却期限今日までの一冊の小説を右手に持って図書館へ向かって猛ダッシュ!
人の合間を縫うようにトタバタと忙しい。
ずざざざー!!っと言う地面と足を滑らせる音と共に立ち止まったその場所は図書室の入り口まん前。

「ハァ・・・っ、ハァ・・・っ、ま、間に合った?間に合ったのか・・・?」

扉は閉まってる、鍵は恐らく開いてるだろうが・・・。
携帯をカバンから取り出して時間を確認、
よし、まだあとホント少し時間があるはずだ。
時間の確認が終わればカバンの中に携帯をぶん投げ入れ。
図書室入り口へ向かって一直線、ぴたっと立ち止まり。
閉じた扉をちょこっと開いて、その隙間から眼をのぞかせる。

・・・しーんとしてる図書室の中、人気がない。こりゃ終わったか?と思いつつ。

「すいませーん・・・?も、もう今日終わっちゃいましたかぁー?・・・。あ。」

貸出返却カウンターへその視線が飛べば、
一人まだ本を読んでる人発見!っていうかたぶんあれは委員会の人。

「みつけたァ!・・・返却!まだ間に合いますか!?」

テンションあがったのかドアをバァァン!と開けて歓喜に満ちたちょっとおっきな声、
しかしすぐに(っは)、っと気づく図書室という場所のこと・・・。

「あ、あはは、すいません。」

謝っておいた、(図書館では静かに)の張り紙がみえたから。

谷蜂 檻葉 > 「……あ、でもここで推論が―――ぁ?」

4度目の解釈の決定をして改めて読み進め、途中で矛盾に気付いてまた戻ろうと考えたその時。

バァン!と勢い良くドアを開けて走りこんでくる生徒に、口をぽかんと開けて出迎える。


「あぁー……えっと、返却はいいんだけど……。」

彼女が手に持った本を受け取り、手早く返却手続きを終える。


「そうそう、『図書館ではお静かに』。

 それに、一般図書の返却なら入り口のところの返却ポストでも大丈夫だから、
 今度からはゆっくりと、ね? 一日くらい遅れてもそうとやかく言いませから。

 ともあれ、ご返却ありがとうございました。まだ少し時間はあるけど、なにか借りていきますか?」

落ち着かせるようにゆっくりと。
注意と、アドバイスと、感謝を伝える。

牧瀬 莉那 > 「よかったぁ~・・・。」

はぁぁ~・・・、と大きく息を吐いてホッと一安心。
肩の力が抜け切ってなでおろした。

「あはは、えっと、ほんとにごめんなさい。

はーい、じゃあ、次からはポストに入れますっ。
でもやっぱり、図書委員の人に迷惑かけちゃうから、返す日忘れないようにしなくちゃ、えへへ。」

照れたように後頭部をかきながら照れ笑い。

「ほんとですか?でも選ぶ時間まではなさそうだし・・・。」

確かに時間ありそうだが、選ぶのに時間かかっちゃう自分としては足りない。
口元に右手を沿えて(うーん)と唸りながら考える。
そのとき、あ、っといいこと思いついたと両手を(ぱんっ!)と叩いて表情が明るくなると同時にきずく(静かに)と。
えへへ、っと謝りの意味をこめてちょっと笑ってみせて。

「そーだ、えっと、いまおすすめの小説って何かいいのありますか?あ、ジャンルはとわないですっ。気になったのなんでもよんでますからっ。」

図書委員の人がお勧めする本、
自分で選ぶと何時も似たり寄ったりになっちゃうから
ちょっと他の人の意見を参考にしようという算段。

谷蜂 檻葉 > 「急いで怪我でもしたら大変ですからね。

 ああ、でも余裕が有る時はカウンターでお願いしますね。
 どうしてもポストに入れる形ですとちょっとずつ傷がついてしまうから。」

素直な子だな、とゆるく笑って相槌を打つ。


なにか考えている少女を横目に、改めて時計を確認する。
……うん、閉館にするにはまだ時間はありそうだ。

そっと荷物を纏めながら少女を待つ。

と、『名案』といった顔で考えがまとまった回答に耳を傾ける。


「――――オススメの本、ですか。」


さて、どう答えるべきだろうか。

普通なら、委員会で纏めている「推奨図書」から選定して薦めるのが常だけど……。


(まぁ、いいよね。)


谷蜂檻葉はマイノリティである。

広く一般に目が届いた本よりも、そこから更に発掘したような本を探し、
小さな世界を、そして掘り出し物の巨大な世界を眺めることに悦楽を感じるタイプである。


ので、”彼女のオススメ”は明らかに推薦図書とは別の本になるのが常である。
場合によっては逆を突き進む。


「それじゃあ、コレとかどうかな。」

言いながら取り出したるは『Goblin's Joke』と書かれた手帳のようなサイズの本。
表紙には緑色のブサイクな炭鉱夫姿の小人が二人、向かい合うようにしてゲタゲタと笑っている。


「『ゴブリン達の掛け合い話』。 表紙は原本と同じだけど、中身は訳されてるの。
 ある異世界での光景を実録で纏めた本よ。
 さらっと読めるし、結構思い出してもクスってくるから、いいんじゃないかしら。」

楽しげな表情で、ソレを手渡す。

中をちらと流し読みすれば、コミカルなイラストを挟みながら章ごとに
間抜けな「ゴブリン」達が、大真面目にドジを踏んでいる様子が描かれ、記されている。

部族でまとまっている彼らを、下っ端、職人、親子、軍人、部族長……と、
色々な「ゴブリン」達の様子が楽しげに、しかしドキュメンタリー風に纏めてある。