2015/09/02 のログ
ご案内:「図書館」に四十万 静歌さんが現れました。
■四十万 静歌 > ――借りた本を読み始めたはいいけれど、
流石に辞書がないと読みづらいというか、
読めないので、
辞書を開き翻訳しながら本を読み進めていく。
本の内容はというと――
「お伽話……の類でしょうか。」
古い古い話が纏められている。
なんというか――原典、なのだろうか。
聞いた事もない話ばかりだけど。
■四十万 静歌 > 面白い事は面白い。
「――」
とはいえも翻訳しながら本を読むというのは、
凄く疲れる。
目頭を押さえて、立ち上がり、
大きく伸びをする。
「んー……っ……!」
やっぱり翻訳しなくても読める本がいいな、
なんて漠然と想いながらもやめれないのは、
宿命だろうか
■四十万 静歌 > 暫くそうしたのち、席に座って再び翻訳を始める。
「うー……ん……」
読み解いていくうちに分かったことは、
面白い事は面白いけれど、
何か――物語が途中で終わっている感じがする。
もう少し先があるはずなのに、
その先が書かれずに終わっている。
「――だから見たこともない話ばかりなのでしょうか……」
なんて呟きながら、読み進めてゆく
■四十万 静歌 > 「――」
だが、どうにも、一朝一夕で読み解けないというか、
翻訳しながら読むと頭に入ってこない。
「翻訳文かくべきでしょうか……」
等といいつつ、とりあえず、辞書も借りる為に、
貸し出しスペースへ……
■四十万 静歌 > 本を借りて、
とりあえず気晴らしに何かよもうと、
適当な本を探しに本棚を見て回る。
やっぱりここは――恋愛物かな?
なんておもいながら。
ご案内:「図書館」にウェインライトさんが現れました。
■ウェインライト > 図書館の片隅。ささやかな閲覧スペース。
木造の座椅子に腰掛けながら読む本は【美の罪と罰】。
燃え盛るような金の髪/融かし尽くすような赤い瞳/蕩けさせるような美貌
しなやかな足を組みながら、物憂げな表情で本に見入る吸血鬼。
■四十万 静歌 > 「――」
ふ、と、片隅に眼がいく。
そこにいたのは想像を絶する美、そのものがあった。
「わ……あ……!」
まるで絵画や物語から出てきたようなその美貌は、
思わず声をあげるほどに美しく、
物憂げな表情がさらにその美を増長させているかのように感じる。
思わず魅入りながら――
近づいても大丈夫かな?なんて、ゆっくりした足取りでウェインライトへと近づくだろう。
■ウェインライト > ウェインライトは目の端から涙を流していた。
あまりに美しすぎる美女がその美故に破滅していく物語。
アマゾノレビュー平均評価2.1点。書籍区分はライトノベル。
ポップな字体で1Pに亘り大きく踊る【だってアタシは美しいから……!】という言葉が印象的。
しかしそれでもウェインライトの美は揺るがない。
まさにお伽話のような美貌を湛えながらページを捲り、そして止めた。
「ん?」
近づく気配。気づいて、目にかかる髪をかき上げ君を見る。
■四十万 静歌 > 「あっ。」
思わず目と眼があう。
思わずくらっとしてしまう。
すみません、その美眩しすぎます。
思わず、真っ赤になって視線を逸らしながら、
「あ、いえ、その……そのですね……!」
慌てた風に違うんですよというかのように、
両手を開いてあわあわとふりながら、
「なんていうか、その――
あまりにも綺麗な人が物凄くサマになって本を読んでいて、
思わず気が引かれてしまって――
す、すみません、お邪魔しましたでしょうか……!」
と、図書館なのでちょっと小声になりながらいうだろう。
■ウェインライト > 一瞬交錯する黒と赤。
戸惑う彼女に笑顔を向けるウェインライト。
慌てた素振りに合わせるように手を動かす。
「安心し給え、ミス。この僕の美はいつ誰であろうと開かれているとも」
悠然/泰然
自然な仕草で立ち上がって正面から向き合う長駆。
「あまりに美しいからと騒ぎ立ててはいけないよ」
嘯き人差し指を己の赤い唇に添える。
片目を閉じて、静かに、のジェスチャー。
「僕は最も優美で最も華麗なウェインライト。良い声の君はいったい何と言うのかな」
■四十万 静歌 > 「お、おお……」
あまりの美と長身に圧倒されて、
真っ赤になりつつも、深呼吸して息を整え、
「す、すみません」
と、騒ぎ立ててはいけないの処でまず謝ってから――
「ウェインライト様、ですね。
確かに私が今まで見てきた中で
最も美しい人だと想います。
それで――
私は二年の四十万 静歌(しじま しずか)と申します。
えっと、その――」
綺麗に一礼して自己紹介をしてからもじもじと、しながら、
「良い声だなんてそんな――
ありがとうございます。」
三度頭をさげるのである。
そして、おずおずと本を指差し――
「その本、どのあたりが面白いですか?」
なお、私が読んだ時はそこまで感動はしなかったのだが……
どこが面白かったのかちょっと興味あってきいてみたり。
■ウェインライト > 「静歌。美しい名前だ。静けく染みる君の声によく似合う」
顎に指を添えて艶やかに細める瞼。
謝罪の言葉を受けてもそれ以上は咎めない。
「よいよい。僕の美を目の当たりにして心乱してしまうのはやむをえないことだからね。
しかし二年ということは僕の先輩だね、ミス四十万」
相手が目上でも変わらぬ態度。
面白そうに喉を鳴らし、表紙を見せるように掲げ持つ。
明らかにナルシスト入った感じの美女が鏡の前で踊る姿。
この物語の分類はコメディである。
「これのどこが面白いか」
かすかに残った煌めく雫を拭う。
「これは熱量に満ちたものだよ。
数多の文学に比べれば稚拙かもしれないが、作者なりの美に対する情熱が込められている。
主人公の美を貶めるキャラクターは数多く出てくるが、その美は決して最後まで曇らなかった。
彼女を嗤う作劇でありながら、決して彼女の美はないがしろにされなかった……。
その構造が興味深くてね」
■四十万 静歌 > 「えへへ」
さらに褒められて、
まっかにしたまま頬をかいて喜びつつ、
「お、おお、ウェインライト様は後輩だったのですね、
そうですよね。
これだけ美しいのですから、
やっぱり心乱れちゃいますよね。」
と、ほっと息をはくだろう。
許してもらえてよかったなんて想いつつ。
そして――
「熱量と情熱、ですか。
何があっても美はかすまないなんて――」
確かにそういう見方もある。
そして、それに対してそこまで共感できる、
至上の美はきっと――
「なるほど、
ウェインライト様の美に通じるものをみつけたのでしょうか?」
なんて、上目遣いに見上げて微笑むだろう
■ウェインライト > 「ふふふ、そうだ……もっと讃えたまえ……」
かつて常世島を混乱の渦にたたき落としたウェインライト。
そのシンパを見かけることもほとんどなくなった。
様付け。甘美な響き。
陶酔した様子で己の身体を抱きすくめた。
……確かに通じるものがあるかもしれない。
ナルシストなところとか。
「美とはそれぞれの裡に眠るもの。作者のそれは屈折したものかもしれないが、
最後まで美を駆け抜けた姿には思わず感動を覚えてしまったよ」
共感。理解。
瞬きと同時に繊細な睫毛を震わせた。
「しかし……」
しなを作ったままで本を仕舞う。
「久々にウェインライト様と呼ばれると少しこそばゆい気持ちになるね」
■四十万 静歌 > 「称えられるのがすきなんですね。」
でも、称えられても仕方ない美しさだと想ってクスリ。
なんとなく心が落ち着いてきた気がする。
「どんな形であれ美は美、
そして美を貫く姿は美しい、ですね。
うん。なんていうかそう考えると、
私はその本はあまり好きではなかったのですが。」
にっこり笑って
「好きになれそうな気がします。」
といった後、こそばゆいといわれて、
「でも、なんていうか様づけされるのがサマになってると想いますよ?」
と首を傾げるだろう
■ウェインライト > 「讃えられようと思ってこうして美しくあるわけではない。
が、だからといって己の美を愛でられ平静でいるほど達観もしていないのさ」
彼女の言葉への返答。
自信と陶酔の交じり合った柔らかな声。
そのままに身体を解いて肩をすくめる。
「美を見いだし、愛でるのが僕のライフワークでね。
君もその素直に共感する姿勢、実にエクセレントだ。
美を愛でる才能があると思うよ」
二つの言葉。
それはウェインライトにとってここちの良い言葉。
怯えず/惑わず/落ち着いて
最終的に紡いだ彼女の言葉だ。
■四十万 静歌 > 「自分の生き方を貫いて、
それを理解し、共感し、
その先に讃えがあるといった感じでしょうか。」
ほへぇ、と人さし指を口元に運び考えながら、
自分なりに噛み砕いて理解する。
「――また褒められてしまいました。」
そして、顔を赤らめながらやわらかく微笑んで、
「美をめでる才能があるなら、
もっと一杯伸ばしていきたいですね。
やっぱり、美を理解して愛でると心が豊かになりますし。」
うん、と一つ頷く。
「ウェインライト様は、これまでに数多の美を見つけて、
めでてきたのでしょうね?」
と微笑みながら首をかしげるのだ。
■ウェインライト > 「ミス四十万のその願いは叶うだろう。
美しいものを美しいと素直に受け入れるのは難しいことだが
どうやら君にはそれができるようだ」
紛れも無い才能。
他の美の理解は、まず相手を受け入れることから始まる。
自分の美/相手の美
(自分自身を除いて)美とはたやすく比べられるものではない。
首を傾げる相手。それに合わせて動く首。
「その通りだ。今この瞬間、君を賛美するようにね。
君のそのあり方は美しいものだよ、ミス」
■四十万 静歌 > 「よかった。」
えへへとにっこり笑う。
「精進して、もっと受け入れれるよう頑張っていきますね。」
そしてぐっと握り拳を作って頑張りますアピールである。
そして、美しいとか賛美するとかいわれて、
硬直して真っ赤になり……
「そ、そそそそそんな事ないですよ。」
とんでもないと首を振って、
「私は、まだまだです。
まだ、自分の道も定まってませんから。」
と頬をかくのである。
「だから、ウェインライト様みたいに、
自分の道をどこまでも真っ直ぐ歩む人は眩しくて――
憧れますけど。」
と、じっと見上げて目を覗き込むようにみていうだろう。
■ウェインライト > 欠け月のように細め見つめ返す赤い光。
優美に身体を曲げ踊るように踵を鳴らす。
「迷って歩くそこも道だよ、ミス。
君も、僕も、歩む場所は変わらない。
だからきっと君の道は良いものとなるだろう」
憧れの目線。慣れたものだ。
受け止め/受け入れ/ただ笑んだ
「だが迷っていられない時は僕を見給え。
僕の美は世界の真理。君の言う眩しき僕は、君の足元を照らすだろう!」
■四十万 静歌 > 「確かに、そこに道はみえないけど、
私は確かにそこを歩んでいます。
なら――」
憧れの目線から――
頑張ります、という決意のような目線へと変わるだろうか。
「ちゃんと、ウェインライト様が美を見出したその歩みを、
とめることなきようがんばるとしましょう。」
そういって、クスリと柔らかく微笑んで、
「ウェインライト様が照らしてくれるのであれば、
それはきっと明るくて、
ひょっとしたら私の道の先すらも照らしてしまいそうですね。」
そして――
「一挙手一投足、全てが――
美しく輝いているのですから。」
最高の笑顔を。
■ウェインライト > 「ブリリアント! 君の道中が明るきものであることを保証させてもらおう」
初めて会う相手。
しかしそこにある美を確かに見出した。
あらゆる美を礼賛する瞳を一度閉じ興奮のままに
背を伸ばす/背を向ける
「君の美、確かに見届けさせてもらったよ。
次に会った時はゆっくりとお茶でも飲もう……」
口の端を弧にしてしなやかな足を前へ送る。
限界だ。
「僕はそろそろ逝かせてもらおう。アデュー!」
颯爽とした風を残して本棚の奥へと消えていく。
【ごふっ】
#死因・褒められて伸びすぎた
ご案内:「図書館」からウェインライトさんが去りました。
■四十万 静歌 > 「はい、またゆっくりと――」
と手を振ると、すぐにその姿は消えて――
「――本当に素敵な人でした。」
また、会えるでしょうか、
なんて想いながら。
そっと思い出に刻む。
死んだことには残念ながら気づいていない。