2015/09/13 のログ
ご案内:「図書館」に東雲七生さんが現れました。
■東雲七生 > ──穏やかな日曜の午後
東雲七生は珍しく、読書に勤しんでいた。
昼前に起きて、シャワーを浴びて昼食を摂ってから家を出て。
昨夜、洗脳され暴徒と化した集団と交戦した場所を確認しに行ってみれば、魔術によって泥沼と化していた地面も元通りになっていた。
どうやらあの魔術師は自分で宣言した通り、ちゃんと地面を元に戻したらしい。
「……何かニュースにでもなってるかと思ったけど。」
図書館に来て最初に新聞を確認したのだが。
昨日の集団暴徒化事件の顛末は特に記載されていなかった。明日の新聞だろうか。
「まあ、別に良いけど。」
数冊の本を机に積んで、窓際で秋の風に当たりながら手の中の文字に目を落とす。
最近は活字を目にしてもあまり眠くならなくなった。
■東雲七生 > 多分、眠くならないのは夜しっかり眠れているからだと思う。
本当に深雪には幾ら感謝してもし足りない思いだった。
……まあ、その感謝してる気持ちの分だけ玩具にされるのを甘んじて受け入れているので御相子だろう。
──だから、面と向かって感謝は伝えたりしない。
「……なんて。それっぽい理由付けてみたりとか。」
我ながら子供っぽいなあ、って苦笑する。
実際のところ単に気恥ずかしいだけなのだから。
■東雲七生 > 半分ほど開けた窓から、少し強い風が吹き込んで来て本のページを捲ろうとするのを手で押さえる。
図書館の中には日曜日という事もあってか人の気配は少なく、図書委員も居るのか居ないのかよく分からない。
そもそも七生が図書館まで来たのは実に久し振りの事なのだ。
知り合い以外で誰が図書委員なのかなんて知る由も無い。
「──むぅ。」
今の風で他に誰か迷惑を被った利用者が居ないかだけ確認をして。
再び本の内容を頭に入れていくことにした。
ご案内:「図書館」に焔誼玖杜さんが現れました。
■焔誼玖杜 >
「……あれ、東雲さん?」
【日曜日と言うこともあり、部屋の掃除と洗濯物と片付けと、家の事を終わらせれば。
最近はゲームばかりしていたし、久し振りに図書館にでも行こうかと思い立ち――やってきたら知人が読書をしていた。
それもなんというか、イメージに合わない人が】
「――こんにちは、東雲さん。
なにを、読んでるんですか?」
【声を掛けるか迷ったが。
玖杜にとっては貴重な、緊張せずに喋れる大切な友人である。
そんな友人が珍しい事をしていれば、やはり気になってしまった】
■東雲七生 > 「んぁ?」
名前を呼ばれた気がして、顔を上げる。
視線の先に居たのは、久し振りに見かける友人だった。
「あー、焔誼じゃん。ちーっす。
えーとね、昔話の本。何つったっけ、ケルト神話……?」
片手で今読んでるページを押さえて、もう片方の手をひらひら振る。
そして一度自分の読んでいる本のタイトルを確認して、告げた。
■焔誼玖杜 >
「ケルト神話、ですか?」
【さて、聞き覚えはあるが、どんな話だっただろうか。
そう記憶を探るように首をかしげながら、隣に座る】
「ケルト神話って、どんな話でしたっけ。
名前は聞き覚えあるんですけど……」
【そして隣に座れば、訊ねながら横から本を覗き込んだ】
■東雲七生 > 「そー……って書いてある。」
七生自身特に意味があっての選択では無かったので、何ともいい加減な返答になってしまうのだが。
たまたま目に付いたから手に取っただけなので、こればかりはどうしようもない。
読書感想文の課題が出されたわけでも無いのである。
「えーと、何か大昔の伝奇みたいな?
伝奇っていうと何か怒られそうな気もするけど。
神様とか英雄とかいっぱい出てる」
凄まじくアバウトな説明をしながら、覗き込んでくる少女へと横に積んでいたうちの一冊を差し出した。
読む?と短く訊ねて。
■焔誼玖杜 >
「ふふ、それはどの神話も、同じだと思いますよ」
【そんなアバウトすぎる説明に、少し笑いながら。
本を差し出されれば受け取って、これもケルト神話の本なのだろうかと表紙を眺めつつ】
「それにしても、東雲さんも、図書館に来るんですね。
ちょっと、意外でした」
【そして最初に感じたことを、そのまま口にした】
■東雲七生 > 「そりゃあ、そうだけど……」
一々細かい事までは覚えていないのだ。
何故なら七生の目当ては登場人物の戦闘描写。
何を使い何を考え戦闘をするのか。その思考の模倣。
七生が神話や伝奇を読む時は、大体そこに意識が集中される。
「まあな。
前までは本読んでも眠くなるから、避けてたんだけど。」
差し出した本もケルト神話らしく。
表紙にもそう書いてあった。
■焔誼玖杜 >
「そうなんですか?
私は……眠くなったことってないかも」
【本を読んでると眠くなる。
そういう話は、良く聞くけれども】
「……そういえば、神話って日本神話と、北欧神話くらいしかしらないかも。
東雲さんは、他の神話も読んだことってありますか?」
【本の表紙をめくって、前書きや目次に目を通しながらふと思いついて訊ねてみた】
■東雲七生 > 「なんかねー、睡眠不足だったみてえでさあ。」
授業中も寝てばっかりだったのが、今期からは一睡もしていない。
お陰で成績も中の上は維持できている……気がする。
これ
「いや?ケルトだけ。
そもそも本自体あんまり読まなかったからさ、漫画は結構読んだけど。」
苦笑しながら答える。
焔誼が今日ここに来て抱いた印象通り、滅多に読書なんてしない性質だったのだから、ましてや神話なんて。である。
■焔誼玖杜 >
「ああ、漫画は読みやすいですしね。
私も漫画は、よく読みますよ」
【部屋には少年少女問わず漫画はそれなりにある。
実を言えば小説よりも多いのは、漫画だからか】
「それにしても、睡眠不足だったんですか。
昼間にあれだけ動いてたら、たくさん寝れちゃいそうですけど……」
【少年が毎日のようにランニングしているのは良く知っている。
適度な運動は、睡眠の質に大きく影響しているはずなのだが、と首を傾げた】
■東雲七生 > 「もっぱら立ち読みなんだけどさ。
昔の漫画って結構面白いんだよなあ。」
読むのは大体少年漫画。
時折青年漫画に手を出しては、ちょっとした性描写に慌てて読むのを止めたりもする。
「んー、俺もそう思ってたんだけど。
寝れるには寝れるんだけど、休まっては居なかった感じっていうか……」
どう説明したものか、と思案気に視線を宙を彷徨わせて。
まさか居候する様になったら、なんて言える筈も無く。
■焔誼玖杜 >
「そうですね、私も最初に読んだ漫画は、お父さんが持ってた古いバトル漫画でしたし」
【たしか超能力ものだったはずだ。
絵にクセがあって最初はためらった覚えがある】
「寝れるのに休まらない……眠りが浅かったのかな。
何か心配事とかあったんですか?
緊張してたり、不安があったりすると眠りが浅くなりやすいんですよ」
【自分も以前は、睡眠障害で苦しんだ事を思い出しながら】
■東雲七生 > 「へー、焔誼の親父さんの。」
どんな人なんだろう、と思ったが。
同時に自分の父親の事を考えてしまって、少し気分が落ち込んだ。
慌てて思考を切り替えて、笑みを浮かべ
「んー、よく分かんないんだけどさ。
まあ今はちゃんと寝れてるみたいだし、気にしなくて良いかなって。」
暢気にそんな事を言いながら、ああ、そういえば。と。
「前に話したさあ、お前に似てる奴の話なんだけど。」
おもむろに迦具楽の事について切り出した。
■焔誼玖杜 >
「はい、お父さんのです。
お父さんも本が好きで、特に漫画はたくさん持ってたんですよ」
【今は別の世界……元の世界で帰りを待ってるだろう両親を思い出し。
ほんの少し、寂しげな表情を見せただろうか】
「そうですね、今が寝れてるなら。
……なにかきっかけでもあったんでしょうか」
【と、質問と言うよりは独り言のような調子で呟き――】
「――はい」
【迦具楽について、切り出されれば。
途端緊張したように、表情が硬くなった】