2015/09/30 のログ
ご案内:「図書館」にサリナさんが現れました。
サリナ > 今日も私は調べ物の為に図書館に来ていた。
犯罪やそういう類を扱っている書架から一つの本を抜き出して適当な席に座る。

"各国の再征服運動"

この本はレコンキスタという組織の格国の動向を書いた本だ。
私自身、この島から出る事は難しいので他の国のレコンキスタとは接点を持たないだろうが…
世界中で活動していた組織なのだから、それで何か新しい事がわかるかもしれない。

サリナ > …この国のレコンキスタは極東支部という。
破壊活動よりは研究開発が盛んらしい……国民性というのもあるのだろうが、
獅南先生との研究でレコンキスタが支援を申し出たのはこういう側面もあったからなのかと納得した。

しかしこのレコンキスタという組織を調べていくうちに研究を明け渡さなくてよかったと実感する。
今している研究はエネルギー関連だ。きっと悪事にも使える。
だから私のあの選択は、きっと正しかったのだろうと感じられた。

サリナ > 読み進めていくうちにヨーロッパの各支部についての記述に当たる。
極東支部と比べ、過激な破壊活動が多いようで、それらについての言及がなされていた。

私は異世界人なので初めはよくはわかってなかったがヨーロッパというのは地域名のようだった。
その地域に国があり、そして支部がある。イギリス支部,ドイツ支部,イタリア支部,フランス支部……

「フランス…?」

フランスといえば、クローデットさんが居た国だ。
この前フランス料理の店を紹介されて行ってみたが、とても美味しかったのを覚えている。
フランスという国もヨーロッパというものの括りにされているようだが、
クローデットさんは『自由、平等、人権を讃える国』と言っていたし、他の支部よりそういう活動が少ないんじゃないかなと思いながらその部分を読み始めた。

サリナ > 「………」

フランス支部の記述を読んでいくにつれて私の想像を超えた活動をしていた事がわかってきた。
レコンキスタは異能者の排斥を目論む組織だと思っていたが、ことフランス支部は最も過激で、
異能者の他、異邦人、ひいてはそれらに友好的な一般人にも目をつける事が書いてある。

異邦人、異能者との融和、共存の為の会合等への脅迫、襲撃、殺戮。
異邦人、異能者に融和的な政治家の暗殺。
特に問題行動もない異邦人、異能者の殺害など…危険な組織だと自ら喧伝しているかのような活動ばかりだ。

もはや悪逆に等しいと思う。恨みでもなければこんな事をしない。むしろ恨みがあるからこそこんな事をするのか…

サリナ > これらの活動のほとんどはフランス支部の派閥の一つ、"ルナン派"というのが関わっている。
特に政治家の暗殺、会合に対しての破壊活動にその名前が見受けられた。

「ルナン…?」

ふと、その名前をどこかで聞いた事がある気がした。それも誰かの口から直接だ。
どこだったか…そういえば図書館で聞いた。図書館で、しかもつい最近と言えば…

「クローデット…ルナン……」

口に出してみてしっくり来た。彼女がそう自己紹介していた事を思い出す。
ルナンというのは、フランスには多い姓なのだろうか…それにしては一致する事が多い。
国の一致、姓の一致、そしてレコンキスタという魔術師の組織、つまり魔術師としての一致。

…クローデットさんはこの組織となんらかの関係があるのかもしれない。

サリナ > しばらく読んでいたが、フランス支部について書いてある部分が終わると本を閉じた。

「………」

彼女は、クローデットさんは何の為にこの島にやってきたのだろう。
授業で見ている分には優れた魔術師だと思う。私にもきさくに話しかけてくれる人だとも思う。
その彼女が、過激な活動をする組織の一員、もしくはその親族なのだろうか…。

それとも、本当に偶然に姓が一緒で、国と魔術師である事もたまたま同じなだけの、全く関係のない人なのか。
…私としてはそう望みたい。

ご案内:「図書館」からサリナさんが去りました。