2015/10/19 のログ
新田冬幾 > 帰ってきた反応は寝ぼけ半分、といったような感じだった。
逆に余計なお世話だったかもしれない、と反省したが、あまり謝っても立場が弱くなりそうなのでやめた。
そして、続く言葉に少し驚く。

「助かった?そんなに寝てたんですか……?」

反応と声色から、どうやら突然殴りかかってくるような人物じゃないと判断する。
冷静になってから、ようやくその耳が視界に入った。耳……犬のような、猫のような……ああ、狐か。
スカートから覗く尻尾を見て。

枢木 柩 > 「そうだなぁ…放課後すぐここに来たから…。」

時計を見て苦笑し、課題、あんまり出来なかったなぁ、と伸びをして

「帰って晩ごはんが食べたい感じだ。」

尻尾と耳を揺らす。

新田冬幾 > 「放課後すぐ。」

つい、繰り返す。それから壁に張り付いた時計の針を見て。

「ああ……なるほど。それはお腹、すきますね」

(そういえば、俺も腹減ったな……)


(……、攻撃的じゃない人物なら、)

「あの。僕、ニッタフユキ、って言います。1年生です。人間で。
 最近この学校に来たばかりで、誰も知り合いがいないんです。
 よかったら、貴方の名前とか聞いてもいいですか?」

なるべく自然に笑うようにして。
友達になってください、は流石に恥ずかしくて言えなかった。

枢木 柩 > 「うん、なにか買って帰りたいところだ。」

そう微笑んで

「新田、ね、私は枢木 柩(くるるぎ ひつぎ)。二年だ。
見ての通り妖怪だけど、地球生まれだよ。よろしくな。」

帰り支度を進めつつ自己紹介を行う。

新田冬幾 > (別に知り合いなんて欲しいわけじゃないけれど……
 孤立するよりは遥かに動きやすいはずだ)

「くる…… ひつぎさん。それじゃ、先輩ですね。
 地球生まれ?じゃあ、狐の妖怪なんだ」

進まなかったという課題がしまわれていくのを見守りながら、
油揚げでも買って帰るのかな、と思ったが口にしなかった。

「あの、柩、先輩。
 帰り際に変なことを聞くんですけど……」

枢木 柩 > 「そうそう、ここじゃあんまり珍しくないからなぁ。
あんまり驚かれないんだ。」

驚いてもらってもちょっと困るが。

「ん、なんだ?」

椅子から腰を浮かせたところで顔を向ける。

新田冬幾 > 「いや……僕は正直ちょっと驚きましたよ。失礼かと思って。
 素直に驚いたようがよかったかなあ」

そう言って微笑みを作り、肩を少しすくめた。

彼女が立ち上がる邪魔にならないよう、一歩引いてから質問を投げた。

「僕、相談相手を探してるんです。
 柩先輩が、一番信用できる、と思える先生って、誰か教えてくれませんか?」

じっとりと濡れた黒髪、横髪から、ぽた、としずくが落ちた。

枢木 柩 > 「…ふむ。」

真面目な表情を作る。

滴る雫に目を眇めて

「…そういうことなら、司書のコゼット先生とかどうだ?
かなりいろいろ知ってるし、力になってくれると思うけど。」

小首を傾げそう応える。

新田冬幾 > 目の前の妖狐の、美しいオッドアイをじっと見る。
こんな輝きは見たことがなかった。そもそも妖狐を見るのは初めてだし、人外の類にも慣れていない。
その瞳の片方が細まり、自分に助言を与える。
十数年前だったら、すごい体験なのだろう、と想像もつかないのにふと思った。

「司書の、コゼット先生。」

また、繰り返す。今度は脳に刻むためだ。

「それは、やっぱりココに居た方が会いやすい?」

枢木 柩 > 「ん。そだな、休憩室よりはちゃんとした図書室の方にいると思う。」

大抵は受付にいるはずだけど…と耳をかく。

「帽子をかぶった、女の先生だ。たぶんそう遠くないうちに
会えるんじゃないかな?」

…たぶん。と言葉を濁しておく。

新田冬幾 > 「受付……そうか、時間外だったから」

「コゼット先生」の特徴も頷きながら頭に入れる。
名前だけでもわかっていれば、授業の単位をとることもできるかもしれない。

「……詳しく有難う。突然こんなこと聞いてすみません。
 ありがとうございました」

今度は会釈程度のお辞儀に留めて、

「僕も……この本を借りたら、そろそろ帰ります。
 えっと……柩先輩、……またお話してもらってもいいですか?
 今度は、ゆっくり」

そう言って笑ってみせた。

新田冬幾 > しばらくすれば、彼は数冊の本を抱えて図書室を出て行くだろう。
ご案内:「休憩室」から新田冬幾さんが去りました。
枢木 柩 > 「いやいや、起こしてくれてありがとな。」
返すように会釈をして

「ああ、じゃあ、また今度な。」

いたずらっぽく笑い返して、そのまま図書室をあとにするだろう。

ご案内:「休憩室」から枢木 柩さんが去りました。