2015/11/27 のログ
ご案内:「図書館」に美澄 蘭さんが現れました。
■美澄 蘭 > 常世祭が終わり、学園は日常の姿をすっかり取り戻した。
蘭も常世祭前の生活サイクルにほぼ完全に戻している。
…違うのは、読書と魔術の練習の時間を少し削って、ピアノの練習時間を増やしたことくらいだ。
一応、勉強時間は維持している。…というか、そうしないと回らない課題や授業の予習・復習がいくつかあるのだ。
今日はその1つ、数学基礎の課題をこなすために、ピアノの練習をこなした帰りに少し、のつもりで図書館の自習スペースに立ち寄ったのである。
■美澄 蘭 > 数学基礎の講義は対数関数の範囲に入ったところだ。
数Ⅱ・Bの範囲に入ってから授業の進度は幾分ゆったりになったが、それでも初学で学ぶには少々辛い速さだ。
実際、蘭は珍しく考え方の理解に苦労していた。
自習スペースの机に、課題のプリントとテキスト、そして講義の板書を移したノートを広げる。
■美澄 蘭 > (えぇっと、対数関数って、いわゆる累乗の右上の小さい文字のところを関数にしたもののこと、よね…)
むむむ、という感じで軽く唇を尖らせ、課題のプリントの上でシャープペンシルを走らせる。
今解いているのは、対数関数の定義を理解するための、ごくごく基礎的な問題だ。
■美澄 蘭 > (………うん、少し分かってきたかも)
問題を解くスペースが少し上がる。
その種の問題が終わる頃には、すらすら解けるようになっていた。
「…よし」
満足そうにシャープペンシルを下ろし、一つ息をつく。
「えぇっと、次は…」
プリントの次の問題を確認した後、再度テキストとノートに目を向けた。
■美澄 蘭 > 「…対数の、性質…」
まだ覚えきれていないのだろう、ややつたない調子でぽつりと口に出しながら、シャープペンシルの先でノートの内容をなぞっていく。
「………うーん、まずは問題を解いてみて、かしら」
いまいち掴みきれなかったらしい。ノートを見ながら、課題に取りかかる。
■美澄 蘭 > 例題を見ながら、対数の性質の公式の使い方を確認し、おっかなびっくり問題を解いていく。
「………うぅん………」
手の動きは止まることこそほとんどないが、その速度はお世辞にもスムーズとは言えない。
数式の変形に、まだ手間取っている様子だ。
■美澄 蘭 > 一応同じタイプの問題は一通り解き終わったようだが、まだしっくりこないらしく首が傾いている。
「………急がば回れ、ね。復習しておきましょ」
そう呟くと、ブリーフケースから別のノートを取り出す。
表紙には「自習用」と書かれていた。
一回解いた問題を解き直すことで問題演習の量を増やして慣れる作戦のようである。
■美澄 蘭 > 同じ問題を解き直すのだからある意味当然だが、問題を解くスピードは先ほどよりは早い。
そして、解き直しの中で理解が深まるのか、慣れていくのか…更に解くスピードが上がっていく。
その中で…
「………あっ」
理解度が足りなかったがゆえにプリントの方では解き間違えていた問題があったのに気付き、小さいが鋭さを持った声を漏らした。
「………あっ、やっちゃった…」
我に返ると、周囲に迷惑をかけていないかと周囲を見回す。
■美澄 蘭 > 周囲の学生が特に気にした様子がないのを見て、ほっと胸を撫で下ろす。
そして、間違えていた問題に消しゴムをかけ、正しい答えに直した。
(…他の問題も間違いがないか確認しておきましょ)
そして、解き直しをやめて、課題の回答の見直しに入った。
■美澄 蘭 > 案の定、同じような間違いや、不慣れであるが故に数字の取り扱いを間違えている問題がいくつか見つかった。
(危ない危ない…正答率はそんなに評点に関わらないとはいえ、正確に理解しておきたいものね)
そんなことを考えながら再度見直しを行う。
…今度こそ間違いがなさそうなのを確認して、次の問題に移った。
■美澄 蘭 > 次の問題は、対数の性質を利用した計算問題だ。
最初は数式の字面にうっとなったものの、先ほど対数の性質を確認するための問題を丁寧に確認したので、注意深く解いていけば意外と詰まることはなかった。
■美澄 蘭 > そうして、計算問題も解き終える。
先ほどの件があったので軽く見直しを済ませると、
「…今はこのくらいでいいかしら。
この単元、時間がかかりそうだわ…」
と呟いて、勉強道具を片付ける。
熱が再燃したピアノ、難易度を増していく講義、そしてまだ見ぬ未知の魔術。
優先順位に悩みながら、蘭は図書館を後にしたのだった。
ご案内:「図書館」から美澄 蘭さんが去りました。
ご案内:「図書館」に谷蜂 檻葉さんが現れました。
■谷蜂 檻葉 > 12月を前に、学園祭を終えた島内はひどく緩やかに時間が流れていた。
けれど、その中でも図書館は一等緩やかな―――止まったような時間が流れていた。
人はまばらで、元々利用するような人々が”何時も通り”に使う。
委員としてカウンターに座る檻葉にとっては、全く代わり映えのなくなった光景だけが見える。
強いて違いをあげるとすれば、各々の読む本ぐらい。だろう。
あれから――――唆されるようにして地下闘技場へ向かい、そして、気づけば部屋に戻って以来。
あの『不思議な感覚』は嘘のようになくなっていた。
■谷蜂 檻葉 > スゥっと貧血で意識がなくなる時のように朦朧とし、気づけば夢遊病のように記憶に無い移動―――あの時で言えば、服の一部に擦過が残っていた。―――を起こすような現象。
覚えがない、ということはない。
なにせ、この血は元より
(元より?)
……混ざりモノ、だから。
■谷蜂 檻葉 > 「――――あ、はい。ありがとうございます。」
ふとカウンター越しにかけられた声に意識を戻して返却本を受け取る。
(でも、夢うつつに動く妖精だなんているのかしら?)
ザントマンという夢を見せる妖精がいる。
砂をかけ、あっという間に”目を瞑らせて”眠らせるのだ。
獏……も、大きく纏めれば妖精と言えなくはない。夢を喰い、吉事の兆しとなる人に親しい妖。
けれど、夢遊病にかかる妖精というのは聞いたことがない。
それに私は妖精混じり、であって『妖精憑き』(狐憑きとかも仲間だ)ではない。
■谷蜂 檻葉 > 「…………あ。アンケート出してない。」
月末の来月取り寄せ書籍の委員会内部アンケートのページを生徒証をかざした事務用PCで開きながら、ふと湧いた考えをぐるぐるとこねくり回す。
――――これも、もういつもの事。
「わからない」という結論が出ていることを、暇つぶしに考え直すだけのこと。
毎回違うようで同じような、どうしようもない結論を出して終わるこの回想を取り出しては時間を潰すのだ。
■谷蜂 檻葉 > 思索の滑車を回しながら、見も知らぬ待ち人を待つ。
結局は、この『何もない期間』を飽いているだけのこと。
飽きを避ける諸々の手段に、調度よく「自分について回る謎」だなんておあつらえ向きのテーマがあるから向き合っているだけの事。忙しければそれでいい。
心のどこかで、『心配は要らない』と。
不思議と納得できるだけの声が聞こえてくるのだから。
■谷蜂 檻葉 > 「んー、『イマジナリ・アニマル』か『学園遊泳』かな。」
はた、と手を止めて液晶に映し出される最後のアンケート。
「Q.イチオシの本は?」の項目で完全に高尚そうな自己啓発を放り投げて、
趣味の内容に先程よりもよほど難しそうな顔で悩み始める。
どちらも少し硬めの文体だけれど、だからこそ感じられる『シリアスさ』が魅力だった。
SFか、社会派か。
甲乙つけがたい選択肢に、パソコンの前でしばし固まる。
■谷蜂 檻葉 > 「よし。」
やがて、『学園遊泳』と入力して時計を見上げる。
委員の友人が一人か二人はイマジナリ・アニマルに票を投げるだろう、と。
他人任せに自分の趣味に票を投げた。
それと同時に、カウンターの『要許可貸出終了』の立て札を終えて『バーコード貸出』の項目を倒し、パソコンを切る。 今日は、静歌と鍋をするのだ。 早上がりについては9時を過ぎた時点で許可が降りている。
本を読んでいる人達に、一声魔術書を始めとした委員の許可を要する物を借りる者がいないか尋ね、反応がないことをいいことにスタスタと図書館を後にした。
―――もうじき、期末試験だ。
ご案内:「図書館」から谷蜂 檻葉さんが去りました。