2016/01/19 のログ
ご案内:「図書館」にフィアドラさんが現れました。
■フィアドラ > ここは図書館です。
天井のくらいの高さまである本棚には難しそうな本が沢山つまっています。
でも、私が読むのはもう少し低い本棚の本。小さな子供の人間が読むような絵がついている簡単な本です。
私はまだ、文字というものに慣れてないのですがこれが文字を読む練習になるらしいです。
前が見えないくらいにいっぱいの本を持って机にむかいます。(私は人間よりも力が強いのでこれぐらいなら簡単に持てるのです。)
「よいしょっ」
それにしても文字というのは便利なものです。教えてくれる人がいない時でも色んな事が勉強できちゃいます。
人間は便利な物を色々とつくっていて本当に賢い生き物だと思います。
この世界に来てからは驚きの連続です。
■フィアドラ > 今までお父さんと話すときに言葉は普通に使っていましたが文字はこの世界に来て初めて知りました。
文字、言葉を絵に描いたもの。初めは意味が分かりませんでしたが最近では少しずつ分かってきてひらがなとカタカナはだいたい読めます。
口に出して読めば知らない言葉以外なら分かるので(翻訳魔法の影響だそうです。)多分これぐらいなら読めると先生も言っていました!
「空いてる席は……ありました!」
丁度いい場所に机が空いています。
私はそこに本を置いて椅子に座ると一番初めに取っていた一番気になる本を重ねた本から取ろうとしました。
…一番下にあります。でも一気に引き抜けばもしかしたら本も崩れずにしかも楽にとれるかもしれません。
私は一番下にある本を両手で持つと一気に引き抜こうとします!
■フィアドラ > 「あっ…。」
崩れました。バタバタと音を立てて見事に本は崩れて床に落ちてしまいました。
なんて事をしてしまったのでしょう…。
いくら大変でも少しずつ上の本からどかしていけばこんな事にはならなかったのに。
すぐに床に散らばった本を拾います。ここの本は皆のものだから大切に使うように先生に言われていたのに。
一冊、一冊、傷が入ってないか確認しながら拾っていきます。
「これは大丈夫、これも壊れてない…。」
■フィアドラ > 「これは…。」
一冊の本に大きな傷が入ってるのを見つけてしましました。
落ちた時に傷がついたのでしょうか?きっとそうに違いありません。
「謝らなくちゃ…。」
この図書館を治めているのは<トショイイン>という存在だそうです。
それは本を貸してくれたり、本の場所を教えてくれるらしいのですが
図書館で騒いだり、本を傷つけたりする相手を絶対に許さないと聞いています。
凄く怖くて震えて泣きそうになります。でも、やってしまった事は謝らなくては!
ご案内:「図書館」にヨキさんが現れました。
■ヨキ > 「こんにちは」
傷ついた本を手に立ち尽くすフィアドラの後方、高い位置から降ってくる男の声。
いやに背の高い男が、にこやかに笑い掛ける。犬のような耳。大きな口に白い牙。
「新しい図書委員の人かね?
仕事の練習中かな」
相手が拾い上げた大量の本を、図書委員が作業をしているものと思ったらしい。
フィアドラの困った様子を見て、声を掛けたのだった。
■フィアドラ > 覚悟を決めて謝ろうとしていると後ろのほうから声をかけられて慌てて本を後ろに隠しました。
もしかしたら<トショイイン>かもしれません。ゆっくり振り返ると大きな人間いや、獣人です。
<トショイイン>だと怖いので少し、おっかなびっくりしながら返しました。
「こ、こんにちは獣人さん。」
あれ、この人はもしかして<トショイイン>じゃない?
私を<トショイイン>と間違えている事からそれに気が付いて少し落ち着きます。
<トショイイン>じゃないなら怖くないです。お父さんの方がおっきいです。
「えーと、私は<トショイイン>じゃなくて、フィアドラっていいます。えーと、獣人さんは<トショイイン>の知り合いの人ですか?」
■ヨキ > 丁寧な物腰に笑って、どうも、と挨拶を返す。
「フィアドラ君か。初めまして、ヨキと言うよ。
この学園で先生をやっている」
図書委員と知り合いか、と尋ねられて、顔触れを思い起こしながら答える。
「そうだな……知り合いも何人かは。
ヨキは図書館の人ではないが、困っている生徒に声を掛けるのが仕事なんだ」
後ろ手に何かを隠した仕草を見る。
が、ヨキと名乗った男の方から覗き込む様子はない。
「何か困りごとでも?」
■フィアドラ > 「先生なんですか!?先生以外の先生の人に初めて見ました!
まだ、私は先生の授業しか受けたことないので。あっ先生っていうのはヨキ先生のことじゃなくて私の先生のことですよ!」
先生は先生です私たちにこの世界の常識を教えてくれる先生。ヨキ先生はヨキ先生。
少し紛らわしいですが私にとっての先生は先生なんです。
「図書館の人ではないんですか…困った生徒に声を掛けるのが仕事。」
<トショイイン>の知り合いの人でもないみたいです。
そこまで、困った様子だったのでしょうか私は。
「実は、あの、本を落としちゃって…。それで他の本は大丈夫だったんだけど一冊だけ傷がついちゃって…。」
隠していた本を見せますその本には深いキズがついたままです。
話していくうちにどんどん気持ちが落ち込んできます。
「<トショイイン>に謝ろうと思ってたんだけどもし許してくれなくて<ブタバコ>に入れられて一生<クサイメシ>を食べることになったらと思うと…。」
さっきまで行こうと決めていたのに話しているうちにまた怖い気持ちが心の奥の方から登ってきます。
「…ヨキ先生。<トショイイン>は許してくれるでしょうか?」
■ヨキ > 「やあ、先生の中ではじめての知り合いになれたかな?嬉しいよ。
君の尻尾も、鱗がとても綺麗だよ。尻尾の生えた生徒はたくさん居るけど、みんな初めて見る綺麗さだ」
フィアドラの様子に、ゆったりと目を細める。
彼女が示した本の様子を見遣って、ふむ、とひとつ頷く。
豚箱の臭い飯、という表現に、どこで覚えてきたのやら、とでも言いたげにふっと笑う。
「図書委員は本に詳しい人たちだ。
だけど、それと同じくらい、本を直して、修理することにも詳しいのさ。
素直に謝って、許してもらえるか訊いてみよう。
それに……委員たちは本が傷付けられたって、君を『豚箱』になんか入れやしないよ。
そうしたら君は、図書館に来るのがイヤになってしまうだろう?
図書館に来る人たちに『何度でも来たい』って思ってもらうことが、彼らのいちばんの仕事なのだから」
通路を見渡す。
仕事中らしい図書委員の少女が、本をてきぱきと整理しているのが見えた。
フィアドラへ目配せする。
「ほら、あすこに丁度図書委員の人が居るよ。
声を掛けてみては如何かね」