2016/06/19 のログ
鈴音 春 > この後、静歌さんと一緒にデート

思うだけで勉強が捗ったのは言うまでもない。

真っ赤になった彼女をまたからかったり、
宥めたりしながら歴史と心理学の勉強をして。
二人の心も少しは……近くなったのかな――?

四十万 静歌 > ――なお、終わらせた後、
デートの最中、せっかくですから、と。
黒猫と白猫のボールペンをかって黒猫の方をプレゼントしたらしいが、

無自覚であるのは言うまでもない。

ご案内:「図書館」から鈴音 春さんが去りました。
ご案内:「図書館」から四十万 静歌さんが去りました。
ご案内:「図書館」に久藤 嵯督さんが現れました。
久藤 嵯督 > 逢魔が時。天より注ぐ日緋色をカーテンで遮り、電気によって照らされた本棚の峡谷。
その場に似つかわしくない赤い背中が独《ヒト》つ。

いつもと変わらぬ強面は俯いて、分厚い本に目を落とす。

久藤 嵯督 > 読んでいるのは、ありふれた神話。
人々の悪意によって作られた一人の人造人間が、悪さを働く神々をその身一つで滅ぼしていく。
創造神にして破壊神である神々の魔王さえも、一度は滅ぼしたそうな。
最後は自らの存在を”人”と”神”に分ち、”神”は”人”に討ち滅ぼされるという内容だ。


溜め息をついて、ぱたんと本を閉じる。

顔も知らぬ。名も知らぬ。ただ、遺伝子的な繋がりがあるというだけの存在。
何の感慨もない。遠い昔、自分が生まれる前の話。
”それ”が望んで、自分を生んだわけではない。自分は、誰かに望まれて生まれた訳ではない。
大量生産品のうちの、ただ一つ。それも出来損ないの。

そんなことはわかっていた。わかっているはずだ。わからなければならない。

久藤 嵯督 > 苛立ち。失望。自嘲。

本棚の間を進む足取りは、自然と早くなっていく。
寄るべきではなかった。こんな時間は、無意味だった。
早急にここを出るべきだ。もっと有意義なことしろ。

さあ、仕事はあるか。 任務はあるか。

  異常はあるか。 弱さはあるか。

消えろ。消えろ。克服しろ。
俺は強い。強くなった。これからももっと強くなる。

久藤 嵯督 > 一歩進むたびに、心がすっと冷えていくことを感じる。

余計なものを削ぎ落としていけば、心が落ち着きを取り戻していく。

本棚の棚を越えて机と椅子の並ぶ広場に出れば、読書に勤しむ生徒や教師の意識をすり抜けていく。

そして研がれた刃が出入り口の扉を潜る頃には、全ての迷いが振り切られていた。

ご案内:「図書館」から久藤 嵯督さんが去りました。