2016/06/27 のログ
ご案内:「図書館」に美澄 蘭さんが現れました。
美澄 蘭 > 晴れた休日の午後。
蘭は午前中にピアノの練習に打ち込んだ後、図書館を訪れていた。
魔術の制御について気になることもあるし、獅南先生の指摘を受けて冷却魔術の改良もしてみたい。

しかし…7月上旬には、テストがたっぷり控えているのだ。

美澄 蘭 > 少し後ろ髪を引かれるように本棚の列に目をやりながらも、まっすぐ自習スペースへ。

蘭は履修講義・科目の多くが高校卒業を想定しているか魔術の実技なので、6月下旬は多少余裕があった。
その上、日頃から予習復習をきちんとし、提出課題もきちんと出しているので成績という点で心配要素は薄い。
基本的には、改めてざっと総復習をした後、発展的な問題に軽く取り組んでみれば、それなりにいい成績をつけてもらえている。

ただ、今年問題なのは、魔術習得のための前提知識を得ようとして、相当無理のある背伸びをしていることだ。

具体的には、括流先生の魔方陣学の履修に必要な、確率物理学である。

美澄 蘭 > 通路側の、適当な机に陣取ると、確率物理学の教材を広げる。

楽ではないだろう、ということ自体は分かりきっていたので、親切であることに定評のある教師を選んで履修した。
おまけに、試験前の講義で、わざわざ定期テストの過去問の「問題」まで配布された。

…ただし、「問題用紙」だけであり、解答はない。
『普段講義をきちんと聞いてノートとかメモを取っていれば、埋められるよね?』と、言外に言われているようだった。
おまけに、同じ分野を聞く設問でも、年によって出題形式やら、ポイントが違ったりしている。

(………まあ、復習出来るから良いけどね)

蘭はシャープペンシルを取って、問題演習に取り組み始めた。

美澄 蘭 > 穴埋め形式の問題なら、大体苦労はない。
統計学も個人的に問題演習を行って理解を深めたので、統計論からの問題も、まあ何とかなった。

「………」

が、それなりのボリュームの記述を要求する問題で、どの年度の過去問も大体手が止まってしまった。

美澄 蘭 > (えーっと、粒子の性質の話と確率論がこうなってて…)

過去問の端に、記述内容の下書きのようなメモを書き始める。
記述に必要と思われる前提をいくつか書き出し…

(…言葉の論理として、どうつなげていったら意味が通るかしら…?)

複数の知識を要求するような記述問題で、全体を整理するのに苦労しているようだった。

美澄 蘭 > (うーんと、順番としてはこう、かな…?)

試しに、解答の文章を作ってみる。
順序立てて考えてみると、意外と書けた。
…が、時間は少しかかってしまった。

(…本番は、これをすらすら書けるくらいじゃないと、ちょっと時間足りないわね…
埋められるところを先に埋めるのが前提だけど、時間配分は考えなくちゃ)

テストは、自分の知識はもちろんのこと、時間配分との戦いでもある。
後で復習するためのマークもつけつつ、次の記述問題の確認へ進む。

美澄 蘭 > そうして、陽の傾きが見えてくる頃合いまで、みっちり確率物理学の過去問問題演習と復習をして。
蘭は図書室を後にしたのだった。

…最後に、やはりもう一度本棚の海に未練がましく目をやりながら。

ご案内:「図書館」から美澄 蘭さんが去りました。
ご案内:「休憩室」に尋輪海月さんが現れました。
尋輪海月 > 「……あああ……」

【休憩室の隅っこ。座れるスペースの一角にその女子は盛大なため息を付きながら、片手に持った缶珈琲をちびちびと飲んでいた。座って、テーブルの上に缶珈琲の缶をかこんと置いた。
姿こそ制服であれ、何故か、所々焦げたように黒ずみ、あからさまに何かあったというのが簡単に察する事ができる。
そして、ややその表情はため息と共に、何か、盛大に、とんでもない事をやらかしてしまいさてそれをどうしてくれよう、という焦燥が浮かんでいるように見える。】

「……絶っっっっ対……怒られる……」

【 ごっ。テーブルに額を付いた。こぁん、と、缶珈琲の缶が、間抜けな音を立てて揺れた。】

尋輪海月 > 「……この前は生徒手帳をロッカーに突っ込んだまま鍵をまたなくして、しかもロッカー開けようとしたら扉がぶっ壊れて慌てて直す羽目になったし、今月買うはずだった定期券を買う為の通学証明証を発行しようとしたら機械が詰まるし……挙句に……」

【さながら呪詛のような低い声でぼそぼそと呟き、最終的に、口からぼそっと。】

「……図書館の本を無くすとか無いわぁ……」

尋輪海月 > 「……っしかも、なんかまた能力暴走したし、なんでこんな慌ててるって時でも能力暴発するかなぁ!!」

【だしんっ。テーブルを叩く。勢い良く。そりゃもう。

くらっと揺れた缶珈琲が、盛大に倒れて半分程中身をぶちまけた】

「あああああーーーっ!!」

【慌ててハンカチでこぼれた珈琲を拭いた。】

ご案内:「休憩室」に不凋花ひぐれさんが現れました。
尋輪海月 > 【……綺麗になった、とまではいかない。
こびりついた微糖珈琲の臭いと微かなべたべたの残ったテーブルに、いよいよ頭を抱えた。】

「……落ち着け、落ち着けよ尋輪海月……大丈夫……これ以上どうにかなる前にきっとどうにかなる。どうにかなるから落ち着けあたし……!」

【最早神様にでも祈るような様であった。】

不凋花ひぐれ > しゃらん、からん。あるいはりん、と。多様な音を揺らしながら、何やらあわただしいご様子の女性の傍に歩み寄った。
刀の鞘だけを片手に、眼を閉じながら歩いているせいか、目じりがやや下がっているよに見える。

「もし、大丈夫でしょうか。痛いところがあれば、保健医になら心当たりはございますが」

そしてぶつぶつと呟かれていらっしゃる。手前の耳には仮令小さな呟きとしてもよく聞こえてしまう性質ではあるが。
そうして「……何か大事な栄養摂取の供給元でも零しましたか」と的外れな疑問を投げかけた。

尋輪海月 > 「……え、え……?」
【いや、別に痛いとかそういうのではない。いや痛いといえば痛い。何処って。胃が。
今のこんな醜態晒してる自分の心配をしてくれるのは何処ぞの誰ぞと顔を上げ、】

「……」

【硬直した。そして若干白っぽくなってた顔はさあっとその手に持ってる刀の鞘を見た瞬間に青ざめて、咄嗟に出た一言が、】

「ッごっめんなさいいぃぃぃッ!!」

【なんで謝ったかは兎も角、後ろに飛び退くような格好で座ってた席から転げ落ちると、そのまま両手を地面について土下座。】

「な、無くした本は講義休んででも必ず探します!探しますから命だけはぁッ!?」

【……刀を持っている貴女になんか色々と勘違いをしている様子だ】

不凋花ひぐれ > 「は………?」

狼狽が眼に見えなくても看得たことは良かろう。何か思い悩んで慟哭したいことがあったのかもしれない。
いや、図書館でやることでもないだろうが。つまるところ図書館で何か悩む理由等等があったわけで。
待て、待つがいい。なぜ手前はここまで怯えられているのか?
薄目を開くと自分よりいくらか長身の物体が丸まっていた。土下座していた。それはそれは綺麗な土下座で惚れ惚れするほどのジャパニーズ土下座。

「……あの?」

刀のせいか、これのせいか。自分を全体的に見て懲罰しにきた何かと思ったのか、刀という表面上の武器で判断したのか。
困ったように肩を竦めてから腰に下げなおし、机に手をやりながら腰を落とした。

「図書委員も鬼ではありませんから、事情を説明すれば許してくれるでしょうから顔を上げてください。
 私は風紀委員なので謝られても困ります。あとすみません?」

なぜか謝っておかねばならない気がしたので、謝罪も添えて相手の肩に触れようとした。