2016/07/01 のログ
ご案内:「禁書庫」に獅南蒼二さんが現れました。
■獅南蒼二 > 禁書庫。
この世のありとあらゆる“隠された事実”が記録され,封じられた部屋。
並ぶのは本来であれば人の手には余るような,おぞましく,そして神々しいものばかり。
魔術に関する本ばかりではない,この世の真実の全てがここにある。
「……いや,それは少々言い過ぎだろうな。」
この部屋でさえ,人間が真実と信じているもの…もしくは,そう信じたいものがここに集められているに過ぎないのかも知れない。
魔術学にこの身を捧げた当時…いや,魔術学に憑りつかれた当時,この部屋に足を踏み入れることが夢だった。
やがてそれは現実となり,この部屋の全ての魔導書を狂ったように読み漁って…全てを“理解”した。
だが探究心も,魔術学者としての好奇心も満足することはなかった。
全ての不可能を可能とする“最高の魔術”への渇望はより深まり,
異界から齎される術式,魔獣や怪異の齎す術式,どんな些細なものでも,その全てを学び取った。
■獅南蒼二 > 自らの身体に魔力が宿らぬと知れば,魔力を作り出す術式を生み出した。
魔力をその身体に蓄えられぬと知れば,魔力を蓄える指輪を作りだした。
そして今や,条件さえ整えれば時間をも自由自在に操ることが出来る。
嘗て,幼い自分が思い描いた“最高の魔術師”の地平などはるかな過去に過ぎ去った通過点に過ぎず,
かつての己の想像の域を遥かに凌駕してなお,その歩みを止める理由は見当たらない。
……知識も,魔力も,経験も,全てが足りない。
“最高の魔術”を完成させるためには,この世の全てを学び,理解しなければならない。
そして,いつか,それが完成した時。
全てを破壊することも,全てを創造することも,全てを変容させることも,
魔術学という絶対的な力の前に不可能は存在しない。
誰もがその力を求めて努力と研鑽を重ね,魔術学によってのみ,人は真に“強者”となり得る。
生まれ持っての才能や,それこそ,無作為に与えられる異能などといった,
理不尽な力によって規定されることは…決してありえない。
■獅南蒼二 > だが,この獅南蒼二が“最高の魔術”を生み出した時。
■獅南蒼二 > いったい誰が,その力と価値を認め,
この理不尽な世界を変えていくというのだろう。
■獅南蒼二 > かつて異能者が世界の秩序を乱す悪と考えられ,
【レコンキスタ】は正義の騎士として受け入れられた。
やがて,異能者の数は膨れ上がり,世界の流れは変わってしまった。
この島が,常世学園が唱える共存と融和こそが,世界の秩序となった。
そんな新たな秩序の中において,【レコンキスタ】はもとより,
“最高の魔術”も同様にして,その秩序を乱す悪でしかない。
いったい誰が“最高の魔術”を賞賛するというのだろう。
今や哀れなテロリストでしかない【レコンキスタ】の純血主義者たちも…
黴の生えた教えに従う,古き魔術師や生き延びた魔女たちも…
“努力と研鑽によってのみ得られる力”を尊びそれを学ぶ道よりも,
古くからの風習や己の信じる力,そして権益を守り,異端者を火あぶりにする道を選ぶだろう。