2016/08/21 のログ
ご案内:「図書館」に癒斗さんが現れました。
癒斗 > 癒斗は図書委員会からのお知らせ――
本の持ち出しについての注意文を学園中の掲示板に貼り出して、図書館へと戻ってきた。
他の図書委員と手分けした作業だったが、この学園は広い。
こんなところあったっけ?というような場所にまで、張り出しを行った。

「交代しまーすよー」

カウンター内で暇そうにしていた図書委員に声をかけ、癒斗は貸出・返却作業の業務につく。
図書委員の腕章をつけ直し、受け継ぎの際の作業が無いか確認する。

一般の図書委員であるならば、身体をはることはまず無い。なんとも平和なものだ。

癒斗 > 「え?」

返却された本の確認をしようとしていたが、交代した者からの話で顔をあげる。

「……谷蜂さんと、加賀智さんが?」

又聞きした話だけどねと、交代した者が困った顔で肩をすくめた。
二人とも、ほんのつい最近会ったばかりだ。
安否など細かく問いたかったものの、聞く相手はこの人ではないなと口を閉じる。
教えてくれた図書委員をその場で見送り、手元の本に視線を落して溜め息をついた。

癒斗 > (心配だなぁ。でも、連絡先知らないんだよね、私……)

図書委員会の連絡網を見直したら分かるだろうか。
それとも後日に改めて、本人らが元気にしているか、そっと確かめるべきか。
携帯を取り出し、うーんうーんと悩んでいるところに人影がさす。

「あっ、貸出しですね。はい、では…こちらに記入をお願いします」

カードとペンをカウンター上に出して、本のバーコードを読み取る。
ささっと手続きを済ませると、返却日を復唱して相手へ渡した。
そういえばあのミステリーシリーズの新刊、出てたんだなぁ。

癒斗はくるっと周りを見渡して、今は委員会の仕事を優先しようと携帯をポケットへしまいこんだ。

癒斗 > バーコードがはがれかけていたりする貸出本の修繕をしながら、時折顔をあげる。
癒斗が何かアクションを起こすたびに、ぶどうの匂いがふっと周りに撒かれていく。
香りのもとである本人はあまり気にしてはいないが、それを嗅いで顔をあげるものは少なくない。

あそこのカーテンはそろそろ閉めないと、本が日焼けしてしまいそうだ。

もう2・3冊ほど返却があったら、元の棚へ納めにいこうか。

あの机で突っ伏している人は、いつからああなっているのだろう。

他の施設にくらべて静かな図書館であるが、細かく視点をあてていけば退屈はしない。
なにより、大量の本があるのだ。暇になれば、癒斗もカウンター内で紙面の文字を追う。

癒斗 > (あれ、返却日が2日過ぎてる…。私もこの本読みたいんですけども。
他も借りられちゃってるし、出来れば早めに返してもらえないかな~…。楽しみなんだけどなー…)

早めに気づいてください!と念を送る。
ただし、癒斗にテレパシー能力はいっさいない。
いつもより難しい顔をしていたのか、本の整頓から戻ってきた図書委員にどうかしたのかと突かれた。

大したことではないですよと、笑って返す。
本当に大したことでは無いのである。本の返却を願っているだけなのだから。

「立っているついでなので、この本も元の棚へお願いします」

ニコニコしながら本を差出し、それぞれのジャンルと棚の番号を告げる。
さては狙ってたかという声にはわざとらしく首を傾げ、自分はカーテンを閉めに立つ。

ご案内:「図書館」から癒斗さんが去りました。