2016/09/12 のログ
ご案内:「禁書庫」に谷蜂 檻葉さんが現れました。
谷蜂 檻葉 > 図書館、禁書庫。

幾つかの条件毎に分けられた重要・危険な書物が収められたその書架の中、
檻葉は持ち込んできたパイプ椅子に座って、薄い手帳のような本を読み込んでいた。


勿論、一見ノートにさえ見えるそれも禁書に指定された重要な書物である。
ただ危険性を感じるようなものではなく、檻葉もどこかリラックスした様子で読み進む。


呼吸も薄く、無音の世界にぺらり。ぺらり。とページが進む音だけが響く。

ご案内:「禁書庫」に比良坂 冥さんが現れました。
比良坂 冥 > 「図書館にこんなところ、あったんだ」

その声は突然後ろから、唐突に檻葉へと振りかかる

谷蜂 檻葉 > 「―――ぅえっ!?」


突然の声に、ガタンと音を立てて振り向く。
……振り向こうとして、バランスを崩しそうになってその声の主の腰を掴む。


「っ、び……ビックリしたぁ。 冥、此処でそういうのやめてよ?本当に洒落にならないから。」

よほど動転したのか、その顔は赤く染まりかける声には棘が見える。
そういった状況でも読んでいた本は綺麗に閉じて膝の上にあるのは、彼女の意識の高さだろうか。


「それで、なんの用―――っていうんじゃないわよね。
 構ってあげるのはいいんだけど、少し調べ物してるから待っててもらえる?」

それから少し呼吸を落ち着けて改めて冥に向き合うが、
自分の言葉に意味が無いと気づくと、率直に自分の状況を話した。

比良坂 冥 > 「…?」

何やら驚いたらしい
此処は何か特別な場所なのだろうか
普段から図書室に縁のなかった冥にはどういう場所かしるよしもなく

「…お仕事?一人で、大変だね」

小さく首を傾げながらそう問いかける

谷蜂 檻葉 > 「……ん、ちょっと待って。
 もしかして冥、此処が何処とか。 何の場所、とか知らずに入ってきたの……?」

ヒク、と頬の筋肉が引きつる。

この子は本当の、本当に『興味に一直線』過ぎる。
薄々解っていたけど、自分の生活環境ぐらいには興味を持ってくれないのだろうか?

とはいえ禁書庫は生活環境に含まれないだろうし……。

取り敢えず、後でしっかり説明しておこう。覚えてくれるかどうかは兎も角、とりあえず自分で言うのも変な気持ちだが興味の対象から伝えておけば、むしろ永遠に覚えているかもしれない。


「まぁ、この場所については後でしっっっかり、教えるとして……。

 私の用事は自分の異能について……んー、魔術について?ともかく私用だから気にしないで。」

そう言って、また禁書を改めて開こうとして


「……座る所ないなら、膝にでも座る?」


多分、ずっと立ちん坊で居そうな冥に声をかけた。

比良坂 冥 > 「知らないよ。檻葉の後をつけてきただけだもの」

こくん、と首を垂直に振る
図書委員っていうのは知ってたけれど、その事実だけであって場所にまでは興味はない

「……そう」

気にしないでと言われれば深くは追求せずに、
膝にでも座るかと言われて、じぃっとその足を見つめる

「忙しいなら後でもいいけど、聞きたいことがあって」

立ったまま、声をかける

谷蜂 檻葉 > 「?」

(聞きたいこと?)

意外。
そうありありと顔に出した表情で首を傾げる。


「忙しいわけじゃないから、いいよ。答えられることなら答えてあげる。」


きっとこの子に嘘はつけないから、言えないならはっきりとNOという他ない。

比良坂 冥 > 本棚に寄りかかって

「屋上で男の人と話してたよね」

いつもなら遅い喋り出しがスムーズに変わって

「誰?」

ぎょろ、と蛇のような視線がそちらへ向く

谷蜂 檻葉 > 「屋上で男の人?」

はて、そんな彼女が気に障るほどに親しく話した相手は――――


「あぁ、加賀智君……かな?

 なんかこう、ひょろくて背が高いけど弱っちそうな不健康そうな髪が長めの。

 なんか、アレ見られたって恥ずかしいな……どこから見てたの?」

何処から、というのは
タイミングもそうだが、場所そのものも謎だ。
あれだけ開放的かつ閉鎖的な空間でどこから見れば私が他人と話しているのを確認できるのか。

比良坂 冥 > 「加賀智君って言うんだ」

かがちくん、かがちくん
反芻するように繰り返して

「私はいつでもどこでも、ずっと檻葉のことを見てるよ」

くすっと、唇の端が歪む
光を宿さない、暗い井戸の底のような瞳に吸い込まれそうになる

谷蜂 檻葉 > 「(ん、マズったかな)」

静かに、自分の判断ミスを確認し。

「(まぁ、いいか。 むしろ冥ぐらい見てくれるなら丁度いいでしょ)」

判断を肯定した。


「いつでもどこでも、ねぇ。
 比喩表現……でいいのかな? それとも何かタネがあるのかしら。」

少し前であれば、間違いなく怯むような『闇』。
けれど、檻葉は身を任すままに笑って尋ねる。 畏れではなく、興味の疑問で。

比良坂 冥 > 「比喩表現、でもあるし…本当のこと、でもあるよ」

豊満な胸に押し付けるように自身の掌を当てて、言葉を続ける

「タネがあったら、知りたい?
 私の異能のことまで知ってしまうと、"本当に逃げられなく"なっちゃうよ…?」

くすくす、表情が哂う

谷蜂 檻葉 > 「知りたい、けど束縛は好きじゃないから聞かない。」

沼のように暗い笑みに、風のように軽い笑みで返す。


「取り敢えず見られてるっていうのは心に留めておこうかな。
 ……ふふ、駄目って思えば思うほど面白いことが出来そうで楽しみかも。」


―――そして、同じように暗く。しかし、どこか淫靡に微笑う。

普段見せないその笑みは、何を思い描いているのか彼女の心を覗かなくては解らない。


「……それで、聞きたいことは終わり?」

比良坂 冥 > 「嫌いか…そっか」

つぶやきながら天井を仰ぐように

「首輪でもなんでもいいんだけど縛り付けておかないと、
 ふとした時にどこかにいっちゃいそうな感じがして、こわくって」

静かに歩み寄って、檻葉の首筋を撫でるように触れる

「……うん、おしまい。
 檻葉につく変な虫だったら、潰しておかないといけないし…」

谷蜂 檻葉 > 「首輪は嫌だなぁ、私は犬より猫派なの。

 ―――そうね、付けるなら指輪かな。

 契約の指輪、妖精と人を繋ぐ印の指輪。……あれ、冥ちゃんって人間でいいのよね?」


首に寄り添う手をとって、マフラーのように腕ごと引き寄せて結ぶ。

比良坂 冥 > 「……私も犬より猫のほうがいいかな…吠えないし」

するりと腕をまわす形になったので、なんんとなくそのまま抱き込むようにして

「……ん?うん、多分、人間だと思うよ。ふつうの。
 指輪、かぁ………」

すっかり元の遅いしゃべりだしに戻った冥がそう言葉を紡ぐ
指輪とかは考えたこともなかった
今までの他人との繋がりはほとんど身体だけだった故

「……いいかも」

谷蜂 檻葉 > 「でしょ。」

抱き込まれた手をそのまま脇に軽く挟むようにして、ようやく改めて禁書を開く。
そこから、まるで冥が居ないかのように集中して残り少ないページ数を喰んでいく。


書かれている言語は日本語でもなければ英語でもなく、
読解術を習得していなければ冥には実に退屈な時間になるのかもしれないが。

ただ、檻葉は気ままに振る舞うだけだった。

――――禁書庫に、静かにページが捲られる音が響く。

比良坂 冥 > ただ何をするでもなく、くっついて時間を過ごすだけ
それでも、檻葉の時間を占有している気分になれる

彼女の用事が終わり、この場所がどういう場所であるかを教わってから出るまでは、
いましばらくの時の話

ご案内:「禁書庫」から比良坂 冥さんが去りました。
ご案内:「禁書庫」から谷蜂 檻葉さんが去りました。