2016/09/19 のログ
ご案内:「図書館」に不知火 械徒さんが現れました。
不知火 械徒 > 「お、おじゃま…しまぁーっすっとぉ…」

夏も過ぎ、すっかり秋めいてきた日の夜。
人も居ないだろう時間帯を狙って図書館へとやってきた男は、
入口の扉を音を立てないように静かに開ける。

「誰もいねぇー…よな?寧ろ、居ないで欲しいんだけど…」

大事そうに胸に抱きかかえているのは、以前に禁書庫から無題拝借した禁書。
結局、自分には扱えないと分かったので返しにきたのだった。
が、当然普通に返せば問題になるので、受付の内側にでも置いておこうという算段である

不知火 械徒 > 「よーしよし、やっぱ夜は人が居なくて助かるぜ。」

これが昼間や夕方なら話は違ってくるのだろう。
周りを見回した限りで人の姿は見えないのを良いことに、
上手くいきそうだと笑みを浮かべながら受付へと向かう。

「さぁて…裏側に回り込みましてぇーの…」

どうやら、受付も今は無人の様子。
それは好都合と裏側へと回り込んでは、何処かに突っ込んでおけそうな
スペースがないかと探し始める。

不知火 械徒 > 「…あー、此処で良さそうだな。丁度、良い感じに突っ込めるし。よいせっと…」

良い具合のスペースを見つけると、其処に抱えている禁書を突っ込む。
漸く、手に負えない物から解放されたと安堵の表情をしながら額を拭う。

「ふぃー、これで万事解決、オールオッケーってなもんだ。さて、さっさと逃げっかね…」

こんな所を誰かに見られでもしたら一発でアウトである。
そそくさと裏側から出て、いかにも一般生徒ですと言いたそうな雰囲気を装って歩き始める。

ご案内:「図書館」に水月エニィさんが現れました。
水月エニィ >   
「二冊借りたけど、もう1冊位欲しいわね……」

 手ぶらで図書館に足を踏み入れる少女。
 受付付近で歩いている生徒は利用客だろうか。

「ん……」
 
 何気はなしに、その生徒へと視線を向けた。
 

不知火 械徒 > 「ふー…運が良かったぜぇ………て。」

何も問題は無く終えられたと、大きく深呼吸をする。
後は、適当に本を眺めてから出て行けば良いだけと思っていると、
視界に人影が映り込んだ。

「お、っ…」

予想外のことに、身体が小さく跳ねる。
見られたのだろうかと動揺し、複雑な表情になる。

水月エニィ >  
「……?」

 跳ねる様な反応が見えた。

(そんなに眼つきが悪かったかしら。)

 生まれつきと言えば生まれつきだけれど。されど跳ねさせる程だったのだろうかとも思ったのだろう。
 複雑な表情に疑問を覚え、首を傾げつつ微妙な表情を返した。

不知火 械徒 > (おおお、落ち付け俺。ここで焦ってボロ出しちゃ全部パァだぞ…!)

不意の出来事に心臓の鼓動が強く早くなる。
それを胸の上から押さえ付けるようにしながら、
一度少女から顔を逸らして気持ちを落ち着ける。

「………何か、俺に用…かい?」

此処は友好的に接するべきと判断し、へらっと笑いながら言葉をかけてみた。

水月エニィ >  
 
「あ、いえ、特に用はないのだけれど……
 ……眼つきが悪かったかしら。生まれつきなの。ごめんなさいね。」

 特に疑ってはいないのだろう。
 へらりとした笑みと気さくな言葉には素直に応じる。
 やらないよりは、睨んでしまったと受け取られたのならと軽く詫びの言葉も加えている。
 
「借りた本でも返しに来たのかしら? 
 図書委員さんはいないみたいだし……」
 

不知火 械徒 > 「…あ、そうなの?いや、ちょっと誰も居ないと思ってたからさ。
 はは、わりぃわりぃ、びびっちまった。」

どうやら特に疑われてはいないと分かると、更にへらへらとした笑いを浮かべる。
内心では、今にも漏れだしそうな大きな安堵のため息をしながら言葉を返して。

「………え?あ、あー、そうそう。でも、ちょっと居なかったみてぇでな?
 まぁー…適当に待つか、置いてくか、今度にしようかとか思ってたってぇわけよ、これが。」

癖の強い自分の髪を掻き乱しながら、少女の言葉に頷く。
無論、9割程度嘘っぱちのデタラメだったが。

水月エニィ >  
「全く、お化けじゃないわよ。」

 軽口と共に苦笑を浮かべる。
 そもそもお化けと見紛うには時間が時間かもしれないが、適当な冗句のつもりなのだろう。

「そう。間が悪かったのね。
 延滞でもしている訳じゃなければ置いて行っても大丈夫かもしれないわね。
 長時間席を外す事はあまりないと思うけれど、何時帰ってくるのかしら。」

 嘘っぱちをそのまま呑み込んで言葉を続ける。
 疑わざるを得ないような理由も特にはない。
 

不知火 械徒 > 「わーるかったって。許してくれよ、な?」

笑みのままで顔のまで両手を合わせて謝罪の仕草を見せる。
おばけだったら、それはそれで困っていたのだろうけれど。

「…あー、そうだな。うん、延滞とかしてるわけでもねぇし、置いて帰ろっかなぁ…
 え?…んー、何時戻ってくるのかは流石にわかんねぇわ。来たときは居なかったし?」

少女の言葉に頷きながら、少し焦り始める。

(やっべ、肝心のアレもう突っ込んだ後なんだけど…)

水月エニィ >  
「もう、仕方ないわね。って、そもそも怒ってもないわよ。」

 大袈裟に肩を竦めて手をひらつかせる。
 軽いノリの会話になるか。

「それが良いわね。
 机の上にでもカードか何かに名前を記入しておけばすぐにわかるでしょう。」

 自然な調子で言葉を続ける。
 不知火から焦る素振りなどを察し取った様子は無いし、実際気付いていない。

「……ああ、差し支えなければ名前を聞いておいても良いかしら。
 その方が話もし易いわ。……ああ、私は水月エニィよ。6月ごろに編入してきた1年生。」
 

不知火 械徒 > 「あ、そお?へへ、そりゃ良かったぜ。」

怒ってないと聞くと、合わせていた両手をパッと離して軽い調子のままで言葉を返した。

「…あー、カードなんてあるんだ、此処ってぇ…
 そー…だなぁ、名前書いといた方が親切だよなぁ…」
(やべぇぞ、禁書返しますとか言って名前書けるわけねぇだろ!)

当たり障りの無い相槌を打っているが、既に目は本気でマズイという感情を滲ませていた。

「名前…!?
 あ…名前。水月か、よろしくー…俺は…し、シライ、か…かー…カイ?シライ、カイです。」

名前を聞かれ、ぎょっとした表情で少女へ顔を向けた後で、悩んだ挙句に偽名を使った。

水月エニィ > 「シライ・カイさんね。
 ええ、覚えたわ。」

 頷いて名前を覚えた事を示しつつ、
 はた、と、何かに気付いた口を開く。

「……あ、いえ、私はいつも委員に任せているからあったかは分からないけれど
 書置きめいたものを残しておけばきっと分かるでしょうから。」

 割とその辺りは任せている。
 ので、あまり確かな意識はない。
 

不知火 械徒 > (よし、セェーフ!)

少し態度で疑われるかと心配したが、杞憂に終わってくれたと
内心で強くガッツポーズをする。

「…あ、そうなんか。まー、適当に返しますーとか書いておけば良いだろな、うん。」

書置きを残すことは良いのだが、問題は返すものを既に受付の裏側で突っ込んだ後ということ。
つまり、物が無い状態であることだった。

「…ま、まー、返すならちゃちゃっと返そうぜ?…水月、先どーぞ?」

少女を促したのは、書置きを書いている間に適当な本を取って来て、でっちあげるためだ。

水月エニィ >  
「いえ、私は追加で借りに来ただけなのだけど……だから大丈夫よ。」

 シライ(不知火)を疑っている素振りはなく、疑ってもいない。
 とは言え、返しに"来た"と誤解を受ければ、"ううん"と困った風に唸る。

「とは云え、そろそろ探さなきゃいけないわね。
 天気も安定しないし、寛ぐのは止めておいて借りて帰るつもり。」
  

不知火 械徒 > (返しにきたんじぇねぇのかよっ!!)
「あ、そうだったか。水月は結構、本とか読むの好きなんか?」

全力で地面に両拳を叩きつけたい衝動を抑えながら、
少女の言葉に頷く仕草をしつつ質問してみる。

「そうだな。ちょっと天気もわりぃし、ささっと用事済ませて帰ろうぜ?」

だが、予定は変わらない。
少女が次の本を探している隙に、適当な本を取ってくればいいだけと少女に言葉をかける。

水月エニィ >  
「嫌いじゃないけど、今は必要性ね。
 異能学周りについてちょっと洗っておきたかったの。ええ、行ってくるわ。」

 一つ頷き、本棚群へと足を運ぶ。
 不知火を気にする事なく、本を吟味しているだろう。
 
「んー……古すぎず新しすぎずだと良いのだけど……」

 独り言を零しながら見繕っている。
 程なくすれば、本の一冊を手に取るか。 
 

不知火 械徒 > 「必要性…?
 おぉう、何か小難しいこと、お勉強されてる感じ…?あ、あぁ、いってらっしゃい。」

少女の言葉を聞いて、眉を顰める。
異能関係は全くの未知の分野なので、男の中では小難しいことで纏められていた。
そして、本棚へと向かうのを見れば反対方向に早歩きで向かい

「………えー、と…これ、で、いいや…っ!
 よし、後は受け付けで……のわぁったぁ!?」

何も考えずに本を抜き取る。後は少女が此方を振りむく前に受付に行けば良い。
が、やはりというべきか、戻る途中で思い切り転びかけ、大きな声を出してしまい。

水月エニィ >  
「あとh、って……!」

 大きな叫び声が聞こえれば反射的に身体が動く。
 声の元まで駆け付けるだろう。
 

不知火 械徒 > 「あぁ、しくった!やっべぇな、聞こえてねぇだろうな…って。」

向こうは受付で書置きをしているだろうと思っているだろう。
それが受付におらず、本棚から別の本の取り出しているというのは、
今までの会話に矛盾が生じることになり、非常に良くない。

転ばなかったのは幸いなので、ささっと戻ろうと思ったのだが

「………アラー、水月サン。モウ選ビオワッタノー?ハヤーイ…」

此方へ駆けつけてくる少女の姿に、思わず妙な口調になりながら話しかける

水月エニィ >  
「……? 何で片言なのよ。
 新しい本でも探していたの? って。」

 書置きを済ませたのだろう。
 違和感は覚えれど好意的したのか、疑る素振りはない。が、

「……今更気づいたのだけど、
 受付の人がいなければ借りれないわよね……。」

 シライ(不知火)を見て漸く気付く。
 返却は兎も角、借りるのは受付が居ないと出来ない。
 今の今まで失念していたのか、頭を抱える。
 
「まぁ良いわ……シライさん、怪我はない?」

不知火 械徒 > 「…………え。」

どうやら、少女は既に書置きを終えたものと思っているらしい。
手元に持っている本は、新しく借りるつもりと推測したのだろう。
このチャンスを無駄にするわけにはいらないと、間の抜けた呟きをした後で無言で数回頷いて

「そーそー!ちょっとまた新しい本でも借りよっかなぁーってなー!
 …あ、それもそうだったわ。流石にパクるのは駄目だよなー…」

既に前科持ちである立場だが、確かにと頭を抱える少女に言葉を返す。

「あ?あー、転びかけただけだし、平気平気。あんがとな。」
(優しさが地味に良心をつついてくるぜ…)

気遣ってくれる優しさが、今は辛いと胸を軽く抑えながら答えた。

水月エニィ > 「ええ。どうにも間が抜けているのは天気のせいにしておきましょう。」

 大きく息を吐き、本棚に戻しに向かう。
 天気も悪ければ間も悪い。ここで読んでいく気分にはなれなかった。

「仕方が無いから読んでいく、ってやって雨に濡れても厭だもの。
 天光が乱れる前にさっさと行きましょ。」
 

不知火 械徒 > 「そうしてくれると助かるわー。
 ちょっと最近天気いまいちだから調子出ないんだわー」

全てを悪天候の責任ということにしてしまえば、何とか乗り切ったと溜息を吐く。
そして、本棚へ戻しに行くのを見遣りながら、手元の本を持って受付に向かう。
ささっと適当な書置きを書けば、手に持った本の上に乗せて受付に置いておく。

(…ま、直ぐばれんだろーけど。偽名だし。)

無論、図書委員が調べれば直ぐに虚偽のものだと分かるだろうが、今この瞬間を凌げれば問題は無い。
そんな事を考えながら、少女が戻ってくるのを、白衣のポケットに両手を突っ込んで待っていた。

水月エニィ >  
「お待たせ。行きましょうか。」

 受付に置かれた本を数秒程見遣った後シライ(不知火)の瞳に視線を併せ、少ししてからこくんと頷く。
 それ以降、特に何かを見る素振りもない。

「……傘、はまだ平気よね。ええ。」
 
 窓の外を見ればその様に口にする。
 傘や折り畳みの傘を用意していない故に気に掛けたのだろう。
  

不知火 械徒 > やがて、少女が戻ってくれば受付に置いた本を見遣るのに
少々焦ったけれど、何事もなく流してくれれば小さく息を吐いて

「おう、さっさとしねぇと雨降ってくるかもしれねぇしな。」

少女に釣られて窓の外を見遣る。
傘の類を持ってきてないのは同じなので、急かすような言葉を返す。
先導するように少し前をゆっくりとした足取りで歩いていき、図書館の扉を開けて出ていこう。

水月エニィ >  
「ええ、さっさと行ってしまいましょう。」

 同感と言わんばかりに頷けば、
 先導する彼に付いていくような足取りで図書館を後にした。
  
 

ご案内:「図書館」から水月エニィさんが去りました。