2016/10/10 のログ
ご案内:「図書館」に東雲七生さんが現れました。
東雲七生 > 休日の昼下がり。学生通りで昼食を済ませた七生は、利用者の少ない図書館の片隅で溜息を溢した。
利用許可を得て学生情報を検索し、自分の事を調べてみたものの、そこに書かれているのは身に覚えのない経歴ばかり。
住所も、卒業した学校も、名前を見れば「ああ、そうだったな」とは思うものの、そこの思い出があるかと言えばさっぱり無い。

「……はぁ~」

知識としての記憶はあるのに思い出は無い、
そんな気持ちの悪い感覚を胸に残したまま、七生は調べ物を終えた。

東雲七生 > 途方もなく落ち込んだ気分を紛らわそうと、書架の合間をうろついてみる。
本来読書家ではない七生には背表紙を眺めているだけでも充分暇は潰せる。
というよりは色んな本の背表紙を眺めて回る方が七生にとっては面白いと思えるほどだった。

「んー……」

変に訝しまれないよう、あからさまに『本を探してます』といった態度を取りつつも本を手に取る様な事はしない。
時折、興味を引かれるタイトルの本を見つけるも、そういう時に限って棚の上の方に置かれて手が届かないのだ。

……手が 届かないのだった。


「……簡単に身長が伸ばせる本とか置いてないかなあー」

思わず声に出してしまってバツが悪くなり慌てて別の初夏の前へと移動する。