2016/10/17 のログ
滝川 浩一 > 「独り言…?」

先生が真剣な表情に一変すると、その言葉を聞いて眉を顰める。
『それはどういう事ですか』と問おうとした時に嵐のような独り言がやってくる。

それを聞いて、最後の言葉を聞くと固唾を飲み込む。
教師などという以前に人生の先輩、そして魔術に人生を掛けた先生の言葉をしっかりと頭に叩き込む。

最後の言葉を聞けば、こちらから口を開いた。

「…いえ、ありがとうございます。
 原因の特定だとか、排除する魔術だとか…それを探し出す手段は全く、検討もつきませんが…
 
 諦めずに頑張ります」

真っすぐと力の籠った眼で先生にそう言い放つ。
先ほどのおどおどとした態度が嘘だったかのような表情を彼に向けるとハッとして我に返る。

「って、すいません!なんか暗い話題にしちゃったみたいで…ごめんなさい!」

真剣な表情が崩れ、話題を暗い物にしてしまったことに対し謝罪をする。
何度も何度も、椅子に座ったまま先生へ頭を下げる。

獅南蒼二 > まさに,嵐のような独り言,という表現が全てを表しているだろう。
その言葉は貴方を思って述べられたというよりも,彼自身の探求心が表出しているようだった。

全てを言い終えた後の獅南は,貴方の瞳と,その態度を見て小さく頷く。
だが,一方で,貴方の言葉と,謝罪に対しては……僅かに目を細めて立ち上がった。

「検討もつかないか…その通りだが,そう言っている間に,お前は死ぬぞ?」

……その鋭く,冷たい一言を発する姿は,正しく貴方が想像していた“獅南蒼二”そのものだった。

「時間的余裕が無いというのなら,手段を選んでいる暇は無い。
 私でも,他の教師でも,利用できるものはすべて利用するべきだ。
 “努力と研鑽”とは己の手の届く範囲で走り回る事を指す言葉ではない。」

もしかすると,この白衣の男は貴方の身を案じていたのかもしれない。
だとすればもう少し器用に言葉を選ぶべきだっただろうが…
…こういった面において,この男は不器用であることこの上ない。

だがそんな内面をうかがい知れない貴方からすれば,その姿は噂通りの冷たく辛辣な教師そのものだっただろう。

「…お前の頭で検討がつかないのなら,検討をつけるためにどうするのか。
 何をすべきか,同時に,何ができるのか。
 それを考え,そして実行しろ…怨念に飲み込まれて死にたくなければ,な。」

そう言い残し,獅南は貴方に背を向けた。もう振り返ることもなく,歩き去っていく。
貴方がこの男をどう思うのか,そしてこの男の言葉をどう捉えるのか。
そんなことには興味が無い。獅南はただ,学ぶ意欲のある者に,いつも通り助言をしただけなのだから。

ご案内:「図書館」から獅南蒼二さんが去りました。
滝川 浩一 > 何度も頭を下げていると、先生の言葉が飛んできて礼を止める。
顔だけを挙げ、先生の言葉を聞く。

「………!」

突如豹変した先生の表情と態度に動揺をして体が固まる。
先ほどまで友好的な言葉で接されたこともあり、完全に油断していた。

「えっと…それは…その…」

先生の正論にただただ困惑するしかなく、返す言葉が見つからない。
対人経験が希薄な少年にとっては先生の言葉が身を案じる言葉ではなく、ただ単に辛辣な正論にしか聞こえなかった。
何かを言い返そうとするも、言葉が見つかれば相手の迫力と正論に恐怖し口を紡ぐ。

「…はい」

下を俯き、先生の言葉の嵐が止めばその背を見る。
噂は本当だったのかと、仲良くなれそうだったのにと少しばかり落ち込む。
しかし、先生が自分に独り言として助言をくれたのは単なる気まぐれではないはず。

もう一度物事を俯瞰し、多様な立場から観察して問題解決に挑まなければいけない。
この問題は、自分が思ってた以上にハードだ。

そんなことを考え、テキストを読む進めるも内容は頭に入ってこず…
仕方なく、そのテキストを借りれば勉強のために家へと帰っていった―――

―――――――家に着いた時に同居人の作ったホワイトシチューは美味しく頂きました。

ご案内:「図書館」から滝川 浩一さんが去りました。