2016/12/20 のログ
■経堂 弦一 > はい、今年も一年ご苦労さんです、と。
…しっかし、禁書っていってもどんだけのもんがあるのかね。
こんな危ないとこなんだからちゃんと管理した方がいいと思うんだけどなあ。
(ぼやきながら立っているのは禁書庫の入り口だ。
禁書庫とはいうものの、一般的に出すのには良くない書物が
収められているわけで、存在してはいけない書物というわけではない。
つまりは”影響が大きい”ものが収められているわけで、常世島と学校を護る
”寂光の魔女”としてはきちんとなんかしないといけないのだ。)
えーっと、あー。 ……あーあ。
(禁書庫の入り口の様子を確認する。 中に収められたものの強力なパワーで、
物理的にも魔術的にも封印が綻んでいることがわかる。
これは随分と手間がかかりそうだ。年の瀬で忙しいというのに。
ため息をひとつつくと、持ってきていた鞄を床に置いて、中身をゴソゴソと取り出しはじめた。)
■経堂 弦一 > これだろー、これだろー。 あとこれだろー。
(束縛の魔力を秘めた御札を大量に。それにペンキと刷毛だ。
いくつもの大きな換気扇はずるずるとキャスターで引っ張ってきている。
禁書庫の周囲をぐるりと確認して、魔力のほころびがあるところをチェック。
思ったよりも重傷だ。 綻んでいるところにはぺたぺたと御札を貼り付け、
その上からペンキを塗りつけて壁と馴染ませていく。
換気扇を設置して、感想と換気の準備。 これで1セットだ。)
……後何個あんのかね、これ…。 魔術でいっぺんにできねえかな。
ダメだろうな。
(これをほころびの分だけ繰り返さないといけない。ぶっちゃけ面倒だが、
魔力を使って、万が一中の禁書が反応して何か起こったら、その方が危ない。
渋々と言った様子で、同じように魔力のほころびを修繕していく。
楽な仕事ではないのだ。 お片付けもあるし。)
ご案内:「禁書庫」に咲月 美弥さんが現れました。
■咲月 美弥 > 「……ここ苦手なのよねぇ」
近くの廊下の角からそっと顔を覗かせる。
禁書庫の辺りというのは色々と苦手な場所の一つだったりする。
けれど苦手と避けて通れるとはまた別の話で……
むしろ苦手だからこそその場所のほころびはより影響を受けるようになる前に誰かに何とかしてもらわないといけない。
とはいえ彼女は公に誰かに何かを頼める立場でもないのでこっそりこの場を見に来て、誰かにそれを伝える気だったのだけれど……
「あら?誰かいる?」
しばし逡巡する。安易に近づくのはためらわれるけれど……
けれど迷っていても仕方がない。小さく唇をかむとそっと近づいてみる。
■経堂 弦一 > まあこんなもんだろ…。 封印はオッケーだな。 魔力の漏れも…ない。
(とりあえず外壁を修復してからため息を一つ。 これでなんとかなったようだ。
少なくても正月そうそうから禁書の暴走が発生することはあるまい。
ペンキと扇風機を台車にがちゃがちゃと載せるところで、なんとなく人の気配を感じ取った。)
ああ、生徒さんかい。 悪いね、もう片付け終わったから、とりあえずは大丈夫だと思うよ。
すこし塗料の匂いがするから、必要なら扇風機を置いておくけどどうだい。
(メンテナンスで利用者…おそらく生徒に迷惑をかけたくないし、
とりあえず簡単に状況を説明するためにのんびりとした調子で声をかけた。)
■咲月 美弥 > 「片付け?
…あ、良かった。修復された、のね」
我が身を抱きしめるようにしながら小さく嘆息する。
この近くに吸い寄せられるたびに急激に魔に寄ってしまうのはこれで少しは抑えられそう。
「貴方は……えっと、用務員のおじさま……だったかしら
ほらあの、用務員室に住んでいる」
その顔と声でぼんやりと人となりを思い出し、首を傾けながら訪ねてみたり。
■経堂 弦一 > やっぱりね、禁書庫となると封印が徐々に綻んで来るんだ。
そろそろ年末だろう。 休みの間に騒ぎにならないように、メンテナンスをしてたんだよ。
いや、しかし結構ボロボロだったね。 禁書庫使ってたひとは大分アテられてたんじゃないかな。
(相手の言葉にうーんとうなりながら禁書庫の扉を見やる。 荘厳な作りのそれは威容を放ってはいるものの、
魔力的ななにかが漏れているということはない。 自分の修繕のおかげである。誇らしげ。)
ああ、おじさまってのはいいね…おじさん嬉しくなるね。 経堂というんだ。よろしくね。
よく知ってるね。 あそこは狭いけどいいところだよ。 もし何かあったら来てくれてもいい。
先生に相談出来ないこととか、学校で壊れてるところを見つけたとかさ。
まあ前者のは…場合によるな、うん。
(自分を覚えてくれているなんて、結構な驚きだ。 目を丸くしながらも
楽しげな調子で相手に言葉を返し、にっこりと笑った。)
■咲月 美弥 > 「ええ、何度もあてられてしまって…
誰かにお願いしようと思っていた矢先だったから本当にありがとう」
きっと人知れずこうしてしている作業は普段誰にも気が付かれることはないだろう。
それも含めていつもありがとうと頭を下げる。
「経堂さん……ね。
何度か見かけていたし、過ごしやすい人だったから。
ふふ、なら見つけたら相談しに行きますね」
柔らかく笑みを浮かべる。
彼女の性質上、若い男性よりもある程度枯れた相手のほうがより素に近い状態でいられる。
それに美しく年を重ねたヒトというのは本当に趣があると常々思う。
穏やかで、柔和で……そんな人の雰囲気がとても好きだから。
■経堂 弦一 > いやいや、どういたしまして。 やるべきことをやっただけ…というと格好つけかな。
なんにしろ、感謝してもらえるとこちらも嬉しいよ。
(相手の言葉に照れくさそうにしながら、相手と同じように頭を下げる。
なんとも、自分より年下に見える相手に頭を下げられるとむず痒いものだ。)
そんなに褒めてくれても何もでないよー。 照れくさいなー、これ!
ああ、まあ頼まれればね。 俺は先生じゃあないけど、人の話をきくことくらいできるし。
(穏やかな笑顔の彼女にでれでれな感じで答える。
どこか安心した様子の相手を見て、ぺこぺこと頭を下げるばかりだ。)
それにしても、きみは禁書庫を使いに来たのかい。
老婆心かもしれんけど、使うなら…あんまり無理のない、影響のないようにしてくれな。
(学園を、そして島を護るという指名を持つ自分としてはすこし不安でもあるのだ。
一応、と前置きした上で、彼女にアドバイスして。)
■咲月 美弥 > 「ふふ…」
小さく笑みがこぼれる。
照れくさそうにしている様子からしても慣れていないのは伝わってくるけれど
たまにはこういうこともあってもいいと思う。
それになんだか安心感があって、相談してみようかなと思える雰囲気だったから。
「使いに来たというより、図書館好きなの」
この体がね。と付け足さずにいるものの
その性質上どうしてもそれに触れてしまうということは確か。
「ええ、気を付けますね。
変に影響の残るようなことはできるだけしたくないですもの」
当てられすぎて魔に傾きすぎてしまえば当分帰ってこられなくなりかねない。
■経堂 弦一 > ははあ、なるほど…図書館が、ね。 しかしそれだと、禁書庫があると少し不安だろうに。
(多かれ少なかれ、人に対する影響が大きいものが揃っているのが禁書庫だ。
楽しげにしている彼女の言葉に頷いて、ぽん、と扇風機を軽く叩く。)
まあそうして君自身が気をつけてるなら問題ないし、
その上で俺からどうこうってのは野暮でしか無い。
でもさあ、いるんだよね、何も知らずに禁書のちからにアテられちゃうやつがさー。
そうなると風紀やら先生やらが大忙しになって…おっと、口が過ぎたかな。
(自分の口の前で指をクロスし、Xを作って笑う。 今のような穏やかな反応の彼女なら、
そうそう禁書に触れて悪い影響は受けまい。 二人で楽しげに過ごしていたところで、
ふと我に返って腕時計を見て唸った。)
あー、すまないな。 もう少し話をしたかったんだけど、時間だ。
何か相談事があったら、用務員室にでも来てくれれば答えるよ。
プライベートなことでも結構……なんていうと、変に取られるかな。
それじゃあ、悪いけどお先に失礼させてもらうよ。ごゆっくりご利用ください、ってね。
(お疲れ様。 彼女に告げて一礼すると、台車を押して禁書庫を後にするのでした。)
■咲月 美弥 > 「そうそう、だからずっと気になっていたの」
小さくうなずきを返し、安堵のため息をはいてみせる。
それはどちらに対する肯定か…いずれにせよ妙に実感のこもった一言で。
「ええ、ありがとう。良い夜を」
台車を押す姿を見送り小さく手を振る。
そうして見送った後…その姿も闇へと溶けていった。
ご案内:「禁書庫」から経堂 弦一さんが去りました。
ご案内:「禁書庫」から咲月 美弥さんが去りました。