2017/03/20 のログ
ご案内:「図書館」に獅南蒼二さんが現れました。
■獅南蒼二 > 図書館の隅,特に何の変哲もない長机。
何冊もの魔導書が並べられ,そしてその全てに沢山の付箋が貼られている。
魔導書はその多くが魔導具に関するものであり,非常に初歩的なものから高度なものまで多岐にわたっていた。
「………あまり参考にはならんな…。」
白衣の男はいったいいつからそこに居たのだろうか。
半日前か,いや,もう丸一日程度そこに居るような気もする。
いずれにせよ,期待したほどの収穫が無かったのか,彼は小さく呟いて溜息を吐いた。
魔具は無論,術式構成もその効力に大きく影響するが,刺繍や金属細工などの媒体そのものの出来が効力を左右する。
それは,時としてロジカルな構成力よりもアナログな創造力を要求される分野であった。
……故に,獅南とは相性が悪い。
ご案内:「図書館」に和元月香さんが現れました。
■和元月香 > 先日、セシルに魔術を教えてからそのまま帰ってしまったので結局出来なかった調べ物。
手の筋肉痛を治るのを待つため一日置いて、月香は図書館を訪れた。
流石に筋肉痛の痛みを引かせるために手を折るなど馬鹿な事はしていない。しかけたけど。
「失礼しまーす…」
静かに、しかし明るい声で図書館の扉を開く。
■獅南蒼二 > 長机にずらりと並んだ魔導書と,ただ一人座る白衣の男。
無精髭の男はどう見ても魔術師には見えないが,魔術学教師である。
貴女はこの男の顔を知っているかもしれないし,それどころか,授業を履修しているかもしれない。
「……………。」
獅南は眉間に皺を寄せ,静かに考え込んでいた。
緻密な術式構成をもってすれば,現存する多くの魔導具のレプリカを作ることができるだろう。
だが,それはあくまでもレプリカに過ぎない。
コンピュータを駆使してモナリザの完全なコピーを作ろうと,それは現時点においてコピーでしかないのだ。
■和元月香 > 「……………んわッ!?」
最初に見えたずらりと並んだ魔術書やら何やらの数々。
反射的に驚きの声(奇声に近い)を上げて目を見開く。
中には見た事があるものもあるが…実に多種多様なランクが取り揃えてある。
「……………んー?」
(えーっ、と、確かあの先生は…)
…誰だっけ?と怪訝な顔をして首をかしげる。
白衣を着た教師は少ない上、こう言っちゃ悪いが…ちょっと地味だ。
ロリババァやらロボットやらがいるこの学園の教師では逆に珍しいが。
転入してきたばかりという事もあり、とうとう思い出す事ができなかった月香は若干気まずさにとらわれながらもそれを振りきり、
「…えーっと、何してるんですか先生…?」
…とおそるおそる問い掛けて近付いてみようか。
■獅南蒼二 > 「…ん?」
貴女が声をかけるまで,獅南は一切反応を示さなかった。
きっと,それだけ集中していたということなのだろう。
「見ての通り,勉強だ。
魔導具について一通り調べてみたんだが…。」
理解はできても真似が出来ん。と,肩をすくめて笑う。
獅南が貴女に見せた魔導書のページには,もはや何がどうなっているのかさっぱり分からないような刺繍が施されたドレス。
確かにこれを真似するのは,並みの人間には不可能だろう。
…そこでやっと貴女の顔を見て,
「……見ない顔だな?」
そうとだけつぶやきました。
■和元月香 > 顔を上げたその教師の顔を見て、月香は顔を少しだけしかめた。
(なんか顔色悪くない…?いつからここにいたん…)
ちょっと迷ったが、問わない事にして、
「魔道具、ですか…」
見せてきた魔導書を思わず興味深げに覗きこむ。
「うげぇ…」
だが今度は露骨に顔をしかめてしまう。
…殆ど分からなかった。確かに作った事は無くは無いが甘く言っても生憎中の中レベルどまりだった。しかも異世界のだし。
「あぁどうも。和元月香です、一応転入してきたばっかなんで当然かと」
最近治癒魔術の授業を取り始めたばかりで、
殆どとりあえず異世界文化の講義ばかり出ていた転入生の月香に見覚えが無いのは当然だと言えるだろう。
へらっとした軽い笑みを浮かべた月香は、その後は意外かもしれないが丁寧に頭を下げて挨拶した。