2017/08/05 のログ
ご案内:「禁書庫」にイチゴウさんが現れました。
■イチゴウ > 禁書庫、それは様々な危険性を持つ書物を
保管している場所であり立ち入る事の出来る
生徒は限られる。
その中、左右にそびえる本棚の間を
一体のロボットが進んでいた。
背中には12冊前後の本が積み上げ縛られている。
「目的地に到着。」
図書館というには不自然なほど何もない
広いスペースに到達すれば背中の書物を全て床に置く。
「ラベルナンバーを確認。異常なし。」
ロボットが運んでいた書物というのは
禁書庫にしまっておくのも危険な書物。
中身を読むことはおろか触れるだけで
アウトな代物も存在する。
このロボットに任されたのはこれらの書物の処分。
またこれらの影響で一種の怪異が発生しており
通常の生徒がこの禁書庫に迷い込む確率が高くなっているだろう。
■イチゴウ > 「準備完了。」
ロボットが前右足で確認するように地面を叩く。
地面に張られているのは高等魔術で組まれた
耐熱結界で図書館側から用意されたもの。
結界の動作確認を終えると
ロボットは床に置いた書物から距離をとる。
それと同時に彼の背部でまばゆい光が発生し
回転弾倉を備えたグレネードランチャーが
出現する。
「装填完了。周囲に障害なし。」
低音の機械音声でそう告げると
背部のランチャーから空気が抜けるような
小気味良い音と共にグレネード弾が飛び出す。
それは回転しながら書物へと飛んでいき
真上に到達すればそこで炸裂し
テルミット反応によって数千度で燃える
金属粉を書物へと降らして溶かすように燃やす。
しかしこれほど危険な書物を
適切な解呪や儀礼的手段を行わずに
処分しようとする事がどれほど危ないことか
その方面に知識がある者ならばすぐにわかるだろう。
少なくともこのロボットはわかっていない。
■イチゴウ > 「紙の割には燃えるのが遅い。」
ロボットは異変を感じ取っていた。
普通の本ならば一瞬で溶けてしまうほどの
熱量。その温度は5000℃近くまで到達し
高クラスの耐熱結界が悲鳴をあげている程。
しかしこれらの書物は不自然な燃焼スピードだった。
まるで抗っているかのように。
「魔力の急激な上昇を検知、怪異発生水準へ到達。
良くない状況だ。」
突如として眩しく燃え盛る書物から発せられる
不気味な悲鳴、そしてそこを中心として
黒い靄のような覆い始めていく。
「グレネード再装填。」
ロボットはもう一発グレネード弾を放つ。
それは先ほどと同じく飛んでいき
異変を発し始めている書物達へ
追い打ちをかける。