2017/08/06 のログ
イチゴウ > 黒い靄はやがて形を作っていき
不完全ではあるが
まるで様々な生物のパーツを組み合わせた
化け物のような姿をとる。

そしてその霧の化け物はロボットもろとも
一帯を包み込む。

「・・・!時空間異常を検知。」

何とその黒い霧によって覆われたテーブルや
棚などは急激に劣化し朽ちていく。
それはこのロボットも例外ではなく
化学防護力が高いはずの
彼の白いシャーシがどんどん錆びていき
赤茶色へと変色していく。

イチゴウ > 足に始まり徐々に胴体へと広がっていく
劣化現象。もし普通の人間ならばパニックに陥る
状況であるが機械である彼は
ひどく冷静であった。

「状況を分析。」

そもそもこの現象は書物によって
現在進行形で引き起こされている。
ならば無理に霧の化け物と戦おうとするよりは
書物をさっさと処分してしまえば
この現象も終息する。
そう結論付けたロボットは
錆びたランチャーから残っている3発の
グレネード弾を全て吐き出す。

発射されたグレネード弾は黒い霧の中へと
突っ込んでいき内2発は急激な劣化によって
機能を失い不発に終わる。
しかし幸いにも残りの一発が炸裂し
持続的な高熱量で既にドロドロになっている書物へ
最後のトドメを与える。

ーー・・ーー・・・

ふとロボットが辺りを見渡せば
覆っていたはずの黒い霧は
すっかりと消失し
まるで元から存在などしていなかったようであり
また霧の影響による劣化も時間が戻ったように
元へと戻っていた。

「魔力反応消失・・・。」

魔力の反応も消失した。一切の減衰の兆候を
見せずに。そしてその場に残っていたのは
書物を綺麗に溶かし床の上で眩く輝く
テルミットの炎と状況を飲み込みきれず
固まっている一体の機械だけであった。

ご案内:「禁書庫」からイチゴウさんが去りました。
ご案内:「休憩室」に笹貫虎徹さんが現れました。
ご案内:「休憩室」に笹貫虎徹さんが現れました。
ご案内:「休憩室」に笹貫虎徹さんが現れました。
笹貫虎徹 > ――フと意識が覚醒する。まどろみと浮上する意識の感覚を味わいながら眠たげに瞳を抉じ開けて。

「………何処だっけか、ここ」

茫洋とした表情で呟く。……天井、壁、周囲の備品を順に見て思い出す。
嗚呼、ここは学園の図書館。その休憩室だ。どうやら知らず知らず爆睡こいてたらしい。

(……普段あんまり立ち寄らない場所だからピンと来なかったな)

欠伸をかみ殺しながら上半身だけをゆっくりと起こす。休憩室のソファーを占領して寝ていたらしい。
司書やほかの生徒に叩き起こされなかったのは幸いか否か。

ご案内:「休憩室」に笹貫虎徹さんが現れました。
笹貫虎徹 > 「……と、いうかそもそも何で図書館に俺は来て……ああ」

思い出した。魔術のとある講義の課題が難解すぎた為、赤点回避の為に予習復習をしに来た…筈だった。
開始して僅か30分足らずで眠気に襲われて休憩室へ…そしてそのまま爆睡。

漸く目が覚めてきたのか、しかしそれでも瞳は何処か快活さの無いボンヤリとした目付き。
上は新を起こしたついでに、ソファーの背凭れにそのまま体を預けて行く。

「……魔術はサッパリ分からん」

かといって、異能学の分野の勉強もサッパリ分からない。今まで赤点を免れたのは奇跡的だ。
最も、彼自身がその辺りの当初の目的を忘れそうになっていた訳で。いや忘れていたのだがついさっきまで。

ご案内:「休憩室」に笹貫虎徹さんが現れました。
ご案内:「休憩室」に笹貫虎徹さんが現れました。
ご案内:「」に笹貫虎徹さんが現れました。
笹貫虎徹 > そうして、しばしの間ぼんやりと佇んでいたけれど。
何時までもそうしていてもしょうがない訳で。やがて億劫そうに立ち上がれば。
そのまま、気だるそうな足取りで休憩室を一人後にするのだった。

ご案内:「」から笹貫虎徹さんが去りました。