2015/06/09 のログ
■烏丸 九郎 > なら、センセーもわかってるのかもしれねぇな。
こっから見える景色の良さってやつがよ。
そうか…月の歌か……よし…。
(月を見ていた視線を響に向けて、真っ直ぐ見つめる。
カラーコンタクトを入れた赤い瞳で。
そして、すぅっと大きく息を吸い…)
明~日もまた~♪
(息を吐きだすと同時に歌声が響く。
力強さと、透き通った響きを兼ね備えた歌声。
異能に頼らない、少年自身の歌声を、丸い月の下に響かせる)
■烏丸 九郎 > ~~~♪
(辛いことがあっても、満月のようにいつかは輝ける。
そんな意味の歌詞を歌う少年の表情は、喜びに満ちていた。
その歌は、時計塔に響き渡り、心地の良いリズムとともに奏でられる。)
■立花 響 > 烏丸の歌が始まると楽な姿勢で、静かに聞いている。
響の顔は月光が差し込み、薄っすら見える程度だが、笑顔を浮かべているというのは分かる。
男の子らしい力強さ、だけども透き通るような歌声。所謂バランスが良い歌声。
私も素でこんな歌声があったならトップ、とまでは行かないが普通の歌手をやっていたかな、と思い返している。
「あ……」
歌詞の意味が耳を通りすぎて頭に直接来るような錯覚に陥り、思わず声が漏れる
自意識過剰だろうか、なんとなく今の私に欲しかった言葉をかけてもらっているような、そんな気がしている
■烏丸 九郎 > ~~~♪
(歌は終わりへと近づいてゆく。
その曲は、まるで響を励ますように響き、奏でられる。
今、響のために歌われている曲なのだ。
最後のフレーズを歌い終え、最後はギターを掻き鳴らし、曲を終える。
響の表情、その笑顔が嬉しかったのか、少年も満面の笑みを浮かべている。)
■立花 響 > 曲が終わるとひたすらに拍手を送る。
今この口から感想を言うよりはこの動作の方が目の前に人に気持ちが届くだろう、という判断である。
暫くすると響は拍手をやめ、口を開く
「凄かった。烏丸さん…この歌って、即興で作ったんです?」
薄っすら涙を浮かべそうになった響は目を擦ってその涙を隠そうとしながら烏丸に問いかける
■烏丸 九郎 > へっへ、ありがとよ。
こんなに拍手をいただくのもわりぃな。
(響から拍手を送られると、照れくさそうに頬を掻いて笑っている。)
ん、さすがにわかっちまうか。
まだまだ、作詞はうまく行かねぇもんだな。
でも、気に入ってくれたなら嬉しいぜ?
(響の質問に答えながら、ギターを横に立てかける
涙には気づかず、笑顔を浮かべたままで。
自分の音楽を、あの立花響が認めてくれたことが嬉しかった。)
ご案内:「大時計塔」に和泉 兼次さんが現れました。
■立花 響 > 「即興とはいえ私の心にこう、ズンッと言った感じに響きました。
とても…とても良い歌でした。
歌の名前をつけるならどういった名前になるのでしょうか」
どこか感慨深く、頷きながら烏丸の歌を褒める
心に響く歌。響けばなんでも良い、という訳でもないが今の響にはそれで良いと思っている
もしもこれをメンバー揃えてやったと思うと…沢山の観客が喜ぶだろう、と響は心の中で想像している
■和泉 兼次 > 眠れない夜、ジョギングついでに噂の時計塔までやってきた。
生徒の間では入るのは簡単、という話だったが…。
……登っている途中で歌が聞こえてきた。
すわ幽霊か、なんて考えも浮かぶ。
「……誰かいるのかい?」
こつ、こつ、と階段を登る音と共に声をかけてみた。
■立花 響 > 「ひぅ…」
思わず悲鳴あげそうになるがどうにか悲鳴を噛み殺す
聞き覚えのない声が響の耳に入ると顔色が一気に青ざめていく
先生?不審者?テロリスト?もしかして…幽霊?という考えを巡らせている内に響は時計塔の隅っこの方に寄って行く
どうにか隠れる場所を、このままだと烏丸と一緒に見つかってしまうのではないか、
響はジッと烏丸の方を見ている
■烏丸 九郎 > 歌の名前…そうだな。
どんなんがいいかねぇ。
響さんのために歌った月の歌だから…月の響きとか、そのへんか?
いや、作詞もタイトル付けも歌とは違うセンスがいるからな。
やっぱなれないカンジがするぜ。
(ケラケラと笑いながら、即興の歌に名前をつけてみる。
心に響いたと言われたことが嬉しくて、笑顔のまま
もう一人の来訪者の方に顔を向ける。)
おお、和泉サンか。こんなところでなにしてんだ?
(その顔は既知のものであった。
怯えた様子の響とは逆に気楽に声をかける。)
■和泉 兼次 > 様子の見えてない二人にはお構いなしに登ってくる。
姿を現すと、おや、という顔をした。
「あれ、九郎君か。」
女の子と二人っきりで深夜の時計塔で。
ふむ。と少し考える。
「……いや、邪魔した気がするな。」
これは引き返すべきだったか。
このままでは誤解を抱いたまま帰ってしまうかもしれない。
■烏丸 九郎 > 邪魔なんかじゃねぇさ。
ただ、歌を聴いてもらってただけだしな。
(へっへっへ、といつもどおりの笑顔で。)
響さんも、怖がらなくていいぜ?
この人は……よく知らねーけど悪い人じゃねーよ。
(と、安心できるのかできないのかよくわからない説明を響にする。)
■立花 響 > 「…え、あれ?烏丸さんの知っている人です?」
どこか親しげに声をかけあう烏丸と兼次を見て兼次に対する警戒を薄めていく。
「そ、そもそも邪魔ってなんですか。
何も邪魔なんてしてませんよ。
というか驚かすのやめてください!」
怪しい人物ではない事が分かると先ほどの怯えている様子から一転どこか強気な発言を兼次にぶつける
■和泉 兼次 > 「あぁ、君が歌ってたのか。」
…邪魔ではない。かつ、噛み付かれた。
逢引でもしてるものかと。という答えはぐっと飲み込む。
「驚かしたのなら謝るよ。」
ごめんね、と柔和に微笑む。
月明かりの下だが、見えるだろうか。
「九郎君とは男子寮で会った、くらいの仲だよ。
和泉 兼次。2年生だ。」
君は……といいかけて、ん?と響の顔を見て首を傾げた。
どこかで見たような…という呟きが聞こえるかもしれない。
■烏丸 九郎 > へっへ、もう少し早く来れば
和泉さんにも聴かせてあげれたんだがよ。
今日のライブはここでおしまいだ。
まだ本調子じゃないんでな。
(昨日、炎の巨人との戦いで能力を使ってしまった。
長時間の歌唱はできないと判断する。和泉には悪いが。)
へっへ、和泉サンなりに気遣ってくれたんだろうよ。
脅かされたからってそんなに怒んなよ。
(響の様子を見てけっけっけと笑い)
■立花 響 > 「あ…いえ、そのこちらもごめんなさい。私もちょっとどうかしていたみたいで…」
柔和な微笑みを見ると振り上げた拳の下ろす先が見当たらず、少し気まずそうにした後に立ち上がり口を開く
「えっと、立花響。立つ、に咲く方の花に音が響くの響です。
1年ですので先輩ですね?よろしくお願いします」
礼儀正しく兼次に対して礼をした後にどこかで見たような、という呟きが聞こえて首を傾げている
■和泉 兼次 > 「そうか。それは残念だな…。
しかしこんな所で歌うとはなかなか豪気だね。」
やるじゃないか、と面白そうに笑っている。
「立花……響。」
礼をされているのにも関わらず、珍しく応えない。
名前をかみ締めるように、少し考えている。
「……ひょっとして、歌手の?」
多少うろ覚えだが、記憶にある。
同じ部活の友人達が騒いでついでに曲も聴かされた覚えが。
■立花 響 > 「…え、烏丸さん本調子じゃなかったんですか?それは、なんというか。ご、ごめんなさい…無理に歌わせたみたいで」
歌手にとって本調子ではないのに歌う、というのは調子を崩す前兆であること。
響はそれを分かっているからか烏丸に対して申し訳無さそうな表情と謝罪の言葉を向ける
「で、でもこんな時間にここに来られたら誰だって驚きますよ。私にとっては見知らなかった人なんですから!」
烏丸の笑い方を見て先ほどの自分の言い訳をする。
先ほどの謝罪とこれと態度が別である。あれはあれ、これはこれである
■烏丸 九郎 > ここで歌うのは気持ちいいからな。
こんないい景色の中なんだしよ、歌わなきゃ損だぜ。
(外の景色に目を向けて、風を受ければ気持ちよさげに目を細める。)
いや、いいさ。
俺の歌が聴きたいって言われちゃよ。
嬉しくなっちまって、歌うしかねぇって思っちまったからな。
それに、今日は調子を確かめるためにここに来たわけでもあるしな。
(申し訳無さそうに謝る響きにひらひらと手を振り
あーあーっと声を出してみせる。潰れている様子はないようだ。)
■立花 響 > 「えと、はい。その歌手の立花響の認識で良いと思います」
その通りなのだが先輩相手だからかどこか自信無さげに、俯き気味に答える。
「あ、でも歌手はやめて…今はここの学生で、和泉先輩は1年上で先輩ですからそんな気にしない方がいいですよ」
響にとって歌手として接されるよりも1学生として接される方が気楽だしお互い話やすいと思っている
しかしその言葉はどこか自分にも投げかけているようなそんな一言。
「ま、まぁ覇者を目指す男ですから、このぐらいで潰れて貰っても困りますし、ね?」
烏丸の潰れていない声を聞いて安心したのか、照れ隠しなのかどこか上から目線な話し方をする
■和泉 兼次 > 「そうか。…確かに、いい景色だね。」
端によりかかって景色を眺める。
…確かにそうかもしれない。
常世は眠らない街らしく、その光も実に綺麗なものだ。
「…あれ、そうなのかい。」
それは、友人達は残念がっているかもしれない。
「…まぁ、それならそれで。学生の、立花さんだね。」
あらためてよろしく、と微笑む。
言葉の様子は、特に気にした風でもない。
「飴食べるかい?」
スポーツウェアのポケットから、のど飴を出してきた。
それを九郎に向ける。手を出せば、一粒落すだろう。
■烏丸 九郎 > そうだぜ、俺は音界の覇者になる男だしな。
この程度で潰れてたら、氷架にも響さんにも笑われっちまう。
(響の言葉を受ければ、熱いまなざしで熱っぽく語る。
音界の覇者となる夢があるかぎり、潰れることはないように思われる。)
お、わりいな、もらっとくぜ。
(和泉から飴を渡され、それを口に含む。
カラコロと音を鳴らしながら飴を転がし味わっている模様。)
■立花 響 > 「あはは…そろそろ本土の方でもニュース流れてるでしょうね。別にすぐ新しい流行りの歌手が現れるでしょうけど」
兼次に言葉を返した後にちらり、と烏丸の方を見る。
もしかしたら烏丸が本土の方で売れ売れの歌手になったら、と思うとそれはそれで面白いかもしれない
「そう、氷架さん?でしたっけ。私はまだお会いした事がないのですけど、大丈夫なのですか?
何か炎の巨人かなんとか、そんな事に巻き込まれたみたいな事書いてありましたけども」
記憶の奥底から広報誌の号外の見出しを思い出す。
まだ会った事がないとはいえ、軽音部のメンバーとして氷架のことを気にしているようだ
■和泉 兼次 > 喉は大事にしなよ、と微笑む。
まぁ、今更ではあるだろうが。
「それにしても奇遇というか。」
歌、特に歌唱に縁のありそうな生徒が3人か。と考える。
自分の事は知られて無いだろうが。それでも声に出してしまった。
「…ひょうか…雪城さんの事かな?」
こないだ会ったっきりだが。二人とも知り合いだったのか。
世間は狭い。
「最近は常世も物騒だっていう話だしね…。」
よく告知が学校のHPなどでも出されている。
■烏丸 九郎 > ああ、あいつなら大丈夫だったぜ。
ピンピンしてた。
まぁ、後遺症がないならいいんだけどよ。
(自身も当事者だったため氷架が無事だったことはわかる。
だが、何をされたかはわからない。病院の検査も長引いてたし。)
奇遇か。たしかにそうかもな。
こんな夜に、こんなところに集まるなんてよ。
なんにもねぇっていうのに、物好きが多いぜ。
(ケラケラと笑いながら二人を見る。
和泉の言った奇遇とはまた意味は違うようだが。)
■立花 響 > 「物騒なのかはわかりませんけども、深夜にピアノ弾いていたらえくそしすと?が聖歌の演奏をしてくれーみたいな事言われましたけどね」
そもそも深夜にピアノを弾くな、と言えばそこまでなのだが、
あの時感じた恐怖はまさに幽霊を見たものだから身体が覚えているので仕方がない
「ほっ、なら良かったです。元気な内にお会い出来そうですね…
でも、皆さん炎の巨人?が暴れていたという割にはあまり変わらない日常を過ごしてますよね…こう、神経が太いというかなんというか」
胸を撫で下ろして本心から安心したかのようなため息をつき、広報誌を見る前の学生通りの風景を思い出す。
特に警備が厳しかったりはしなかったし、警備が厳しくなっているならそもそもここの警備も厳しくなっているだろう
■和泉 兼次 > 「毎日が普通じゃない、といえば俺達はそうだしね…。
気をつけるにこしたことはないけれど。」
そう言ってちょっと苦笑いをした。
いつそういう事件に巻き込まれるのか、わかったものではない。
幽霊話にはははは、と少し声をあげて笑った。
「何にも無いって事はないんじゃないかな。」
縁もあっただろうし、現に景色を気に入っていたではないか、と笑う。
「空も近いし。確かにいい場所だよ。
眺めていても飽きないんじゃないかな。
ほら、夜空の向こうには、もう明日が待っている…なんてね。」
リズムに乗せて言ったのは、有名なポップスの1フレーズだ。
軽く、月の昇る空を指差している。
■烏丸 九郎 > 深夜にエクソシストって…軽くホラーだぜ。
深夜のピアノも七不思議っぽいけどな。
響さんはやっぱり悪い生徒だな。
(楽しげに笑う。
深夜に音楽室にいくなんて、自分はやったこと無いし。)
まぁ、こういう島だしな。日常の何処かで、誰かが戦っててもおかしくねえ。
俺はそういう危険から、仲間たちを守らなきゃなんねぇ。
リーダーってのも辛いぜ。
(そう言いながらも不敵に笑う姿は、それを苦とも思っていないようで)
はっは…ちがいねぇな。
ここはいい場所だ。みんなそれをわかっててきたんだな…。
■立花 響 > 「殆どの方が異能所持者ですからね。
私の異能は至って平和的ですし、やろうと思えば普通の人間でも出来ますからまだ私は一般人ですよーっと」
どこか不貞腐れるようにそっぽを向く
明日は我が身、とも言うが、親しい人がそういう事件に巻き込まれたらどうするべきなんだろう
今の響だと何も出来る事は無さそうではある
「楽譜探してたついでにピアノがあったので弾いてただけですよ。
まぁ、目当てのものは見つからなかったんですけどね…」
気まずそうに頭をぽりぽりかいている。
「そういえば皆さんは何か戦う異能とか魔術とか持っているのでしょうか」
烏丸から聞こえた戦う、という単語は響のこの質問にこじつけた。
やはり悪意はなく、ただ単純な興味である
■和泉 兼次 > 「やぁ、男らしいね。」
ぱんぱん、と緩い拍手を送る。
わかってて、という事は自分にはなかったが…。
「…いや、予感はあったのかもしれないな。」
ぽつりと呟いた。
「俺の異能もそんなに面白いものじゃないなぁ。」
一般人、と言っても差し支えないかもしれない。
そう言ってすぐ、兼次を中心に周囲がほんのりと明るくなった。
薄く、ぼんやりと周囲が光っている、そんな雰囲気。
■烏丸 九郎 > 平和的な異能のほうがいいぜ?
変なのに狙われなくて済むしよ。
(響に対してのフォローだろうか?
それとも、氷架の事件を受けた上でのことだろうか?
真意はしれないが、響を励ます意図であったことは伺える。)
音楽室か、俺も行ったんだけど見つからなかった…
すまねぇ…。
(思い出したかのようにあやまる。)
戦う力…一応あるけど、今はお披露目はできねぇ。
それとほかは修行中のみなんでな、時期に身につくと思いてぇけどな。
(裸足の足をひらひらとゆらして。)
■烏丸 九郎 > 男らしいっていうか、メンバーで男が俺しかいねぇなら…
俺が守るしかねーじゃねぇか。男はつらいぜ。
(ケッケッケと冗談めかして笑いながらギターを背負い直す)
■立花 響 > 「…おぉ、物理的に明るいですね。いや異能を物理っていうのはおかしいでしょうけども
でも一般人には出来ない光り方ですね。」
お前は一般人に出来る光り方の何を知っているのか
兼次の周囲がほんのり明るくなっている様子を見て目潰しぐらいは出来そうですね?と付け加えてうーん、と唸っている
烏丸の言葉を聞くと
「へぇ、修行中なんですか。それはなんとも漫画みたいな感じですね?
修行して身につけた力で仲間を守る!なんて、カッコいいですよ。きっと」
メンバーがピンチになった時に駆けつける烏丸を思い浮かべてくすくす笑っている
■和泉 兼次 > 「何か探しモノかい?」
聞いている限りでは楽譜のようだが。はて。
「…なるほど。そりゃあ大変だ。
俺も、少し空手かじってるくらいだしね。」
主に男子生徒からの嫉妬とかも込みで。
異能を使った戦闘となるとからっきしなのがなんともいえない。
「まぁ、あんまり光量上げてここにいるのがバレてもつまらないし。
ちなみに逆に暗くするのも一応できるけど、それだけだね。」
それなりに明るくはできるらしい。
まぁ、今の所月明かりで充分だろう。そう思って異能を使うのはすぐにやめる。
■烏丸 九郎 > それが和泉さんの異能か確かに戦闘向きではなさそうだけど、な。
明かりに困らないってのは便利だよな。
(和泉の異能に感心したように、ほうと声を出す。)
空手ね、まぁ、俺も似たようなもんだ。俺流っていう流派なんだけどよ。
すげぇぜ?
(少し親近感を覚えたのか嬉しそうに語る。
謎の流派、俺流を学んでいると。裸足であるのは修行の一環らしい。)
■立花 響 > 「私の楽譜をどこかに忘れたので探して貰ってたんですけど、見つからず終いだったのでもういいんですけどね。それに…」
大事そうに抱えているファイルを開いてにやり、と微笑む。
それはどこか悪戯を計画しているような子供な笑み。
そのファイルの中身は何故か微かに青く光っている
「まぁ、戦闘向きじゃないってだけでもその人のイメージがガラッと変わりますよね。
喜んで戦闘する、みたいな人じゃないとかそんな感じに」
響の勝手なイメージ論を呟きながらも視線はずっとファイルの方を見ている
■和泉 兼次 > 「兼次でいいよ、九郎君。…まぁ、そんな感じ。
あと、暗がりに隠れる、くらいはできるけどね。」
苗字+敬称のギタリストににこやかに笑いかける。
あんまり敬語とか得意そうではないし。
「俺流……。」
いや、まぁまず名前が凄いな、と割と感心した。
何か変わったファイルかアイテムなのだろうか。
と、光っているファイルを不思議そうに眺める。
「…常世では、異能の方向性でイメージを固められる、っていうのはありそうだね。」
いい意味でも、悪い意味でも、そういう事はありそうだ。
そう思うと、あくまで人間の生活する領域なんだな、と思う。
■立花 響 > 「俺流……要するにそれって我流って事じゃないんです?ほら、流派とかそれから離れた感じの…」
俺流というピンと来ない名前に首を傾げている。
俺流というからにはきっと自信満々で強い人が作ったのだろう。
後浜辺でタイヤを引いている走ってそう。と響は考えている
「そもそも異能の発生って本人の意志が大元だったりするそうですしね。
その人が求める何かをー、って感じに…
あれ、そう考えると和泉先輩って明かりが欲しかった…?…ぷふっ」
ファイルを閉じ、明かりを欲しがる兼次を想像すると思わず噴き出しそうになるが堪える
■烏丸 九郎 > 光るファイルて珍しいもん持ってるんだな。
またできるだけ探してみるからよ、楽譜…。
見つかるといいな。
(諦めるとはいっていたものの…できれば見つけてやりたいと思っていた。
こういう、探しものを見つけれれる異能とか無いんだろうか?)
それじゃ、兼次サンって呼ばせてもらうぜ。
流派の名前が俺流、らしいぜ?我流を突き詰めて流派にした感じ…なのかもな。
俺も、俺流門下生ってことになってるしよ。
(裸足の足を高くあげて)
っと、名残惜しいけどよ、俺はそろそろいくぜ。
飯食ってねぇしな。腹減っちまった。
(二人に済まなそうにそういうと、ひらひらと手をふり、ぺたぺたと歩いてゆく)
■和泉 兼次 > 「うーん。そんな覚えはないんだけどな。」
できれば普通でいたかった、とは思う。口には出さないが。
「…もし、そうなら別に何かあるのかもしれないなぁ。
少なくとも灯りが欲しい、なんて追い込まれた覚えはないし。」
うーん、と少し考える。
俺流の由来を聞いて、なるほど、と呟く。
「…まぁ、内容だよね。」
この学園の事だからきっと凄いのだろうが。
その内見せてもらうことにしよう。
「そうか。まぁ、こんな時間だしね。」
気をつけて。と見送る。
■立花 響 > 「ふっふ、良い物ですよこれは。
楽譜は多分、見つからない気がしますけどね。ここにも無いともなると今頃海の藻屑になっていそうな気もしますし」
立ち去ろうとする烏丸を見て響も手を振って見送る
「異能の発現なんてどうして起きたーって人もいるでしょうからね。
私の場合は音楽関連だったのでまだ良かったですけども」
自分の異能が発現した頃を思い出して懐かしいなぁ、と呟いている
■烏丸 九郎 > そうか…それならいいんだけどよ…ゴメンな、役に立たなくてよ。
(楽譜のことについては、見つけられなかったことに、申し訳無さを感じているようだった。)
響さん。楽しかったし、嬉しかったぜ。
歌聴いてくれてありがとな。
兼次サンもそのうち聴いてくれよな。
それじゃ、またな。
(二人にそう告げると、ぺたぺたと階段を降りてゆく)
ご案内:「大時計塔」から烏丸 九郎さんが去りました。
■和泉 兼次 > 「…楽譜の事、俺も少しは覚えておくよ。」
諦めている様子だが、ひょっとしたら、という事もあるかもしれない。
「あぁ、また。」
次は聞けるといい、そんな風に思いながら緩く手を揚げた。
「音楽関連か。…羨ましいな。」
そっちなら、まだ救いというか、喜びがあったかもしれない。
そんな事を考える。
「…何が悲しくて蛍光灯の真似事なんだろうねぇ。」
と、苦笑いで言った。
■立花 響 > 「えぇ、また歌聞かせてくださいね?えーと…月の響きを」
去っていく烏丸を見て今日聞いた烏丸の歌をまた聞きたいという思いをぶつけつつ見送る
「和泉先輩、蛍光灯って言いますけども、もしも暗い洞窟に入る場合光源がいるじゃないですか
その時に先輩の異能が大役立ち!これで先輩は一躍学園の人気者です!
…そもそも暗い洞窟に入るシナリオが思い浮かびませんけど」
兼次が役に立ちそうな事を思い浮かべて口にする、が最後の最後で本音を零すが特に隠すつもりはないようだ
■和泉 兼次 > 月の響き、というのかあの歌は。
と微かに聞こえていた歌に思いを馳せる。
「ははは。静かに過ごせればそれでいいよ。」
異能なんてあっても、騒ぐだけだから、と笑う。
「なかなか、フレンドリィというか、あけすけというか。
やっぱり、イメージと現実は結構違うものだね。」
昔、聞いた事のある立花響のイメージとは随分違っている。
友人が勝手に神格化したのかもしれないが。
「…俺は親しみやすいと思うけれどね。
さて、それじゃあ俺も降りるけれど。
せっかくだから暗い階段くらいは照らそうか?」
下まで送るよ、と笑顔を浮かべる。
■立花 響 > 「フレンドリィ、でしょうか?あまり自覚がないですけども…
まぁ、所謂、テレビの見過ぎというものですよ。テレビだけが私だけじゃありませんから」
なんて、と付け加えながら微笑んでいる
テレビの自分とここの自分を比べてほしくないのか、その怒りは理不尽にもテレビに向けられる。
「親しみ易いならそれは褒め言葉ですね。
えぇ…折角ですし、お願いしましょうか。出来ればもうドジは踏みたくないですしね」
慌てるとドジを踏む癖がある響からすれば明るくなる、というのは心のゆとりが生まれるのである
ただ大体慌てる原因は幽霊以外にもただ一人、空を歩く友人が思い浮かべている
■和泉 兼次 > 「そりゃそうだ。フィルターみたいなものだしね。」
普通に納得した。
テレビにいいイメージを持っていないのかもしれない。
プライベートなんて当然映さないだろうしね、と笑顔を返す。
「もう、っていう辺りは聞かない事にしておくよ。
……じゃ、行こうか。」
先立って歩き出す。
大体、兼次の後方2mくらいまでは足元が見えるくらいに照らされるだろう。
■立花 響 > 「そうですよ。テレビに映ってる人は皆仮面被ってるって言っても間違いないですよ」
一時期テレビに映ってたからこその一言。
大抵の出演者は皆キャラを作って演じているようなものだ。かつての響がそうだったように
「頭の回る先輩で助かります…と、おぉ、結構明るいですね。懐中…あ、いやなんでもないです」
つい懐中電灯先輩と言いそうになったが堪えて、ゆっくり兼次の後をついていく
ご案内:「大時計塔」から和泉 兼次さんが去りました。
ご案内:「大時計塔」から立花 響さんが去りました。
ご案内:「大時計塔」に渡辺慧さんが現れました。
■渡辺慧 > とんとん、と。軽い足音を立てて時計塔へ登る。
あいもかわらず。ただの気紛れだ。
景色が見える場所へ、ふと。胡坐で座り込む。
■渡辺慧 > んー……。
微妙なうなり声を上げる。
もやもやしたなにかが思考を遮って、どうにも。
よくない。――そういえば、と。
携帯をスリープから解除。
目を細めて、画面を眺める。
■渡辺慧 > ――あぁ、終わったんだ。
あの件だ。……自分は、なにもしていない。
いや……したといえば、した。
……が。…………あれ?
どこにも、その名前はなかった。
――は、ぁ……。
深くため息。
……まったく。忙しない。
■渡辺慧 > やめやめ、と。
気を取り直したかのように。
携帯をしまうと。
ペンとメモを取り出した。
そこに書くものは――。
『一人流し素麺をいかに成功させるか』
■渡辺慧 > ……書いていて、もちろん何か間違えていることは気づいている。
いや違うだろ、というツッコミがあればもちろん、うん、知ってた! と、笑顔で振り返るぐらいにはわかっている。
■渡辺慧 > 馬鹿なことでも考えないと、莫迦な考えに至りそうで。
――単純にひどくあの時本当に悔しかったのは置いておくとして。――
まず、案その1
・異能を全開で使う。
馬鹿ではないか、俺は。
■渡辺慧 > 案その1、と書いた横に保留と書く。
楽しそうではあるが。
案その2
・まず一人でやるのをやめればいいのでは?
メモを地面に叩き付けた。
――そんぐらい知ってるんだけど!?――
と、表情で物語っている。
■渡辺慧 > ……そも。
自分自身、積極的に誰かと交流を深めるタイプではないのは理解している。
――いやまぁ友達と呼べる人はいるが……――
だからと言ってこれは悲しすぎるあれではないか。
交流するのが、苦痛というわけではないのだけれど……。
自分から、他人へ、というのは、いかんとも。
――一方的な思考なら。――
■渡辺慧 > ……ふと。兄を思い出した。
――――思い出すも、何も、ないのだけれど。
はぁ。またため息ひとつ。
どうにも調子が狂う。
メモを拾い上げると。横線で、先ほどまでの莫迦な字を消す。
……また、今度。
立ち上がり。
「……あぁ。なんか、楽しいことないかなー」
取り繕ったように、猫を思わせる笑みを浮かべると。
そのまま、その場を立ち去ろうとする。
ご案内:「大時計塔」に霜月 零さんが現れました。
■霜月 零 > 「あー…」
てくてくと、時計台に顔を出してみる。
……意味は、特にない。いわゆる暇つぶしである。
■霜月 零 > 「……あ」
見つける。
実はずっと探し続けていた男を。
ずっとずっと会いたかった男を。
「…おー、少しぶりだな?」
にこやかに、声をかける。
■渡辺慧 > 「あ」
やべ。
その場から立ち去ろうとして、見えたその姿は。
あの、ラーメン屋での一幕以来、会っていなかった彼だ。
――彼が、よほど仏のような心を持っていない限り。まぁ。うん。怒るだろうな、うん。――
特に慌てず、だが騒がず、そして急いで、後ろを向くと、フードを深くかぶり目元を隠して。
「アーアー、アレー、ヒサシブリー。ショウガッコウイライカナー」
雑。
■霜月 零 > 「おーおー、連れないねえ。一緒にラーメン食った仲じゃねーか」
ンな雑な誤魔化しで誤魔化されてやるものか。
今日と言う今日は、借りを返す。
「つーわけでよぉ、わかってるよなぁ?」
指をぽきぽき鳴らしながら近寄っていく。さながらヤ○キーだ。
■渡辺慧 > ばれましたか。
あっさりフードを外し、猫のように笑う。
「まぁまちたまへ。いくら俺でもその手から繰り出されそうな拳の痛みを受けて喜ぶ趣味はないのだよ。少し話し合おう?」
そんなことを言いながら、目線で気づかれないように逃走経路を探る。
出口――彼が出てきた場所だ。近すぎる。――
足裏を少し浮かし、いつでも瞬発的に動かせるように体の力を抜いた。
■霜月 零 > 「いやいやいや、あの時の礼がしてぇだけだってば。ほら、ラーメン勧めてもらったろ?」
ゆっくりと近寄る。殺気は出しても気配は出すな。もう少し、もう少しだ……
「ほら、だからそれについて、ちょっと話がとお礼がしてぇだけなんだよ」
■渡辺慧 > 「いやいやなんの。礼には及ばないって。一緒の釜の飯をうんたらっていうだろ? つまりあれはなるべくしてなったんだよ」
身体のシグナルはいつでもゴーサインを出せる。いざとなったら、力を使ってでも……!――こいつ、本気だ――
――いやぁ、こういう楽しさは、ちょっとなぁ。――
シシシッ。
「あ、なに。じゃあまた一緒にラーメン屋行く? それ終わった後ならいくらでも話を聞くよ?」
――たいへんまずかったでしょう――
という言葉はもちろん言わない。
■霜月 零 > 「いやぁ、次は別の店がいいなあ。あそこはまあ、もう十分かなぁ」
クソマズかったしな、とは声に出さず、ちょっとずつ、ちょっとずつ間合いを詰める。
後2歩、1歩……必殺距離(キリングレンジ)!
「だからまあ……腹一杯食ってくれや!」
放つは、空手道における中段突き。
摺り足で最短最速最大効率を生み出した突きが、慧の腹部を狙う……!
■渡辺慧 > “加速……………ッ!”
あっさり使いやがった。
体感時間が遅くなり、自らの目前に迫るその拳を――猫を思わせるジャンプで躱し、零の真後ろへ飛ぶ……!
■霜月 零 > 「何っ……!?」
躱された事に驚愕する。馬鹿な、この距離で外すなんて……!
そこで思い出す、そういえばこいつは「風になる」とか言ってたが……
「比喩表現かよ、クソっ!」
まさか、純粋な加速能力だったとは!
迂闊さに歯噛みしながら、後ろに向かって上段足刀蹴りを放つ!
■渡辺慧 > 「ワッホーーーーイ!」
そう言ったじゃーん! 逆さになりながら、と楽しそうに言うと、上体から、下半身にかけて。ひねりをくわえつつ、体をそらす。
「ふはは、見える、見えるぞー!」
■霜月 零 > 「こ、こんにゃろぉ……!」
渾身の突きを躱された事もあり、取り敢えず一発は殴らないと気が済まない状態に陥っている。
「この、おとなしくもらっとけっての!」
上段刻み突きから、中段逆突きのフェイントを入れ左上段回し蹴りと連続で仕掛ける……!
■渡辺慧 > 逆立さのまま、両手で地面に手を付けると。
(……ん、この辺かな)
“加速した思考の中では、フェイントの動きが。『単純に見えている』”
だから、本命は、蹴り。
(シシシ、ごめんね)
上体を反応させて。
引っかかった、振りをしつつ。
甘んじてその蹴りを。
そのまま受けた。
ある種、楽しんだ事のお礼と、ま……以前の謝罪代わりだ。
「……………ウグェッ」
腿辺りに、当たったその蹴りはマジ痛かった。
マジ痛かった。
そのままパターンと、逆さのまま倒れ伏した。
■霜月 零 > 「ふぅぅー……」
呼吸を吐いて、残心を取る。
「……ま、借りは返したぜ」
……正直なところ、違和感が凄かった。直感も「これはわざとだ」と叫んでいるし、多分避けれたところを素直に受けてくれたのだろう。
それはそれで屈辱的だが……ンなプライドを押し付けるのは、また違う。
甘んじて蹴り飛ばさせてもらおう。
「おら、立てるか?」
と言うわけで、助け起こすために手を差し伸べる。
■渡辺慧 > 「ひだい」
これめっちゃいたい。
「なきそう」
と、言いながら。
手を差し伸べられると、その手を取った。
目は割とうるんでいた。
■霜月 零 > 「あー?騙した分だろ、それくらいは受け取っとけっての」
言いながら、手を引いて助け起こす。
……ちょっとマジで蹴りすぎたかもしれない。
■渡辺慧 > 「う゛う゛う゛」
助け起こされながら腿をさする。
「だましたってーけどさー。あのタイミングで、マズイともいえねーでしょー」
食ってる最中にさー。
とぼやきながら。
――ま、もちろん。道連れにしてやろう、としてやったのは間違いないんだけど。
少し痛みで顔をゆがめながらも。
やっぱり彼はいつものように笑っていた。
■霜月 零 > 「黙ってるだけならともかく、お前明らかに「これは旨いぞー」って演技して騙しただろーが。
しかもその後ソッコー逃げやがって。その時点でアウトだっつーの」
などと言っているが、顔は笑っている。
これにて清算、と言う事だろう。
■渡辺慧 > シシシ。
特徴的な笑い声を残し乍ら。
その空気に自らを委ねた。
「……に、しってもさー」
くっそまずかったよなーあれー。
笑い乍ら、思い出す。
あんなラーメンは、少なくとも今まで食べたことがない。
芸術的ですらあった。
■霜月 零 > 「俺はまあ、他人の作ったもんは大体クオリティ低くても我慢するんだけどなー……」
ありゃ無理だ。ラーメンっつー料理を、あそこまでどうやったらマズく出来るのか不思議でもある。
「……芸術的だったな」
■渡辺慧 > なぜあれで店がつぶれないのか。
常世学園7不思議の一つのような気がする。
他の6つは知らないけど。
「あや。なに。そういうのしっかり習った感じ?」
躾、と直接本人に言うのもなにかちがう気がした、ため。
少しだけ言葉を変えた。
■霜月 零 > 「あー?」
そーいや言ってなかったか、と。
「俺、料理得意だぞ?」
割と意外であろう事実を告げた。
■渡辺慧 > 「…………フム」
しげしげと、彼の全身を眺める。
「……へぇ……ふぅん……ほぉん……」
意外とは口にはしないまでも。
動作で自らの心情を表す。
そういうのに幸せを感じるんだ。
■霜月 零 > 「……いや、そこまで態度に出すならいっそ口に出せよ」
その幸せを一刀両断する。
「つーかそんなに意外か?言っとくが、そこらの店程度よりは旨いモン作れる自信があるぞ?」
■渡辺慧 > 「意外だ」
別にそこまで拘りはない。
「いや、なんつーか……どっちかっていうとアウトドア系っぽいじゃん?」
剣持ってるし。
――そうじゃない。――
「ほ。自信ありげ。今度御馳走してくれ」
俺も代わりになんか作るし。
と、気楽に。
それこそ意外な言葉を吐き出す。
■霜月 零 > 「アウトドアだと、自分で作る必要もあるだろ?」
サバイバル的に。まあ、それは関係ないんだが。
「まあ、母親がこれまた料理上手くてな。舌が肥えちまって、他人から出されるならともかく、テメェでやる分には妥協したくなくなったんだわ」
外で食う飯は、割と気分コミコミだな、と繋ぎ。
「……え、お前作れんの?」
別にいいぞ、と言う返事を出し忘れるほどの驚きに満ちた声を出した。
■渡辺慧 > 「カレーぐらいしかおもいつかねぇ。まぁ、あれは雰囲気があるからおいしいのだけれ……ど」
と。言って、その次の言葉に、なるほど、と続けた。
「ふぅん……そっか。そりゃ、羨ましい……いや、むしろ大変、なのか?」
ま、俺も似たようなものか。
ポリポリと頭をかき。
「……兄貴がね。……うまかったんだ、料理」
――だから、真似した――
……とは、言わなかった。
■霜月 零 > 「あー……身内が上手いと、やっぱそうなってくるよな」
わかるわかる、と頷く。
■渡辺慧 > 「そ。ま、それに今一人暮らしってのもあるけどね」
適当だけど。流石に栄養失調で倒れるのは洒落にならん、なんて。
適当に言葉を放った。
■霜月 零 > 「はっは、なぁるほどなぁ」
そりゃ大事だ、と笑う。
「つーか、兄貴いたんだな?」
■渡辺慧 > 「ん。いた。俺とは違って、すっげー優秀なのが」
まるで正義の味方みたいなの。
なんて、軽く笑うが。少しだけ笑みの質が違った。
……軽く、話題を流すように。
「そっちは? 兄弟とかいねーの」
■霜月 零 > 「……ああ、こっちは妹だな」
……きっと、触れられたくないんだろう。
そう思い、さっと流す。
「しかしまあ、お転婆でなあ。扱いに困るんだわ、これが」
■渡辺慧 > おや。
いつものような笑みを浮かべだすと。
「お約束だと、ここは……妹さんを紹介してくださいお兄さん」
とでも言っといた方がいいかな?
冗談めかす。
■霜月 零 > 「やめとけやめとけ」
気だるげな…より一層気だるげな表情になり
「十中八九ノーチャンだぞ、アイツの場合」
溜息を吐くようにそういった。
■渡辺慧 > 「シッシ」
もちろん、その気もなかったかのように笑う。
「随分困らされてるみたいだね」
お兄ちゃん、なんて。
からかう様に。
■霜月 零 > 「やめろ、その呼び方はトラウマを想起する」
額に手を当て、うめくように。
「お前、親愛表現と称して弓ぶっ放してくる妹に苦労しないと思うか?」
■渡辺慧 > 「……………お、転婆…………?」
はて。お転婆。
『お転婆(おてんば)とは、男勝りの活発な女の子をさす。』
ふむ。
合ってる。――合ってない――
「……よっ! モテモテッ!」
分かっててやってる。
■霜月 零 > 「やめろ、やめてくれ。マジでやめてくれ」
懇願するようにうめく。
「朝起きてだな?廊下を歩いてるとだな?いきなり「お兄ちゃーん!おっはよー!」って叫びながらだな?弓ぶっ放してくるんだ」
曰く「お兄ちゃんは才能がないなんて言うけど、そんなことはきっとないよ!きっと眠ってる才能があるんだから、私の弓でお兄ちゃんの眠れる才能を引き出してあげる!さあお兄ちゃんの才能よ目覚めの時だよ!私の弓でウェーイクアーップ!」だそうだ。意味が分からん。
「…………」
本当に本当に、遠いところを見ていた。
■渡辺慧 > 「…………………」
弓で眠れる才能を引き出す。…………あぁ、臨死体験の後に強くなって帰ってくるパターンか。
大分混乱している。
「……あぁ、おはようとwake upをかけてるのか」
違う。
■霜月 零 > 「違うと信じたい」
あんな妹でも、そんな破滅的なセンスの持ち主だとは思いたくない。
「……………………あいつは俺の理解を、越えている」
絞り出すようなその声は、これ以上なく実感がこもっていた。
■渡辺慧 > 「シッシ。でも、楽しそうな奴では、あるな」
見てる分なら、とは言わない。
誰が被害になるかとも言わない。
「……ま。……今度、コーヒーでも奢るわ」
流石の自分でも、慰めに値する案件のようだった。
■霜月 零 > 「……すまん、ごちそうになる」
普段飄々としたところのある零にとっても、本当に精神的にダメージになる要素だったようだ。
「学校では人気はあるらしいんだが……俺にはわからん」
■渡辺慧 > 「さぁ。見てないから、俺には何とも言えんさ」
……近いからこそ、か。
呟きながら、ふと――。
頭を振る。
「……さ、って。……そろそろいい時間か」
携帯を見ながら、ふと呟く。
■霜月 零 > 「ん?ああ、もうこんな時間か」
ケータイを確認してつぶやく。結構いい時間になっていた。
■渡辺慧 > 「ん」
……ふと、メモを取り出し、何かをかき。
それを破って零に放る。
「ケータイ」
奢ってほしくなったらよびな。
そう言うと、背を向けて。
ワザとらしいほどへたくそな鼻歌を鳴らしながら、歩き出す。
■霜月 零 > 「おう、分かった」
適当なタイミングで電話するわ、と声をかけ、見送る。
「俺は、もーちょいのんびりしたら戻るとするよ」
■渡辺慧 > 「あいよ。妹さんにここまで襲撃されんようにな」
片手をひらひらさせて。
「じゃーな、零」
笑った。
ご案内:「大時計塔」から渡辺慧さんが去りました。
■霜月 零 > 「おうよ、またな、慧」
笑って手を振り、見送った。
■霜月 零 > 「さー、て」
言ったとおり、もう少しだけのんびりしよう。しかし……
「(あいつは元気にしてるかね)」
常世学園に行く、と告げた時、妹は泣いて引き留めてきた。
そりゃあもう、ヤバいくらいの号泣で。
別に今生の別れじゃないし、休みにはたまに戻るから、と宥めすかしてこっちに来たわけだが……
「(元気にやってるといいが)」
あんなはた迷惑を極めたような妹でも、大事な妹なのである。
■霜月 零 > 「まあ……多分、元気でやってるだろ」
とは言え、基本ポジティブで明るい子だ。
彼女は彼女なりに、折り合いをつけて頑張っているだろう。
「ま、弓は勘弁だが」
だからと言って、帰った時の挨拶が弓ぶっぱ、は勘弁してほしい。ありうるのが困る。
「(……今日は、電話でもしてやるか)」
思い出したついでに、寝る前にでも電話して声を聞かせてやろう。
そんなことを考えながら、その場を後にした。
ご案内:「大時計塔」から霜月 零さんが去りました。