2015/06/12 のログ
ご案内:「大時計塔」にソラとルナさんが現れました。
ソラとルナ > 大時計塔の上に少年が二人。
いつもならへらへらしている金髪の少年と、
いつもならぼんやりしている銀髪の少年。

今日は少し様子が違うようだ。

ソラとルナ > 銀髪の少年は時計塔の上から島を見渡し、苛立つように爪を噛んでいる。
金髪の少年は不安げな表情を浮かべ、なだめるように銀髪の少年の頭をなでる。

いつもなら冷静なはずの銀髪の少年。
いつもなら落ち着きない金髪の少年。

今日は、立場が逆転しているかのように。

ソラとルナ > いつまでも不機嫌そうな銀髪の少年の様子を見て、金髪の少年がでこピンをかます。
銀髪の少年は一瞬びくっとした後、うなだれた。

金髪の少年は、そっとその頭をなでる。
やさしく、暖かく。

ソラとルナ > しばらくして、銀髪の少年は姿を消した。金髪の少年は一人で月を見上げている
ご案内:「大時計塔」からソラとルナさんが去りました。
ご案内:「大時計塔」にクラスカさんが現れました。
クラスカ > (重い時計塔の鉄の扉が、一人の男子学生によって開かれる)

(今は休日の真昼。これが正常な時計塔なのだが、休日こそ元の姿を取り戻すのは、少々悲哀を感じる)
(平日の時計塔はそれはもう酷いものだ)

(講義に出たくないと怠惰に興ずる生徒がいる)
(賽を使った違法賭博を行う生徒がいる)
(放課後には逢引を行う生徒までいる、と聞く)

立ち入り禁止だったら仕方ないよね。
禁止されたら入りたくなるのが、人間心理でしょ。

クラスカ > (くどいが、時計塔は平時、生徒の立ち入りが禁止とされている)
(他の高層建築物と同じに、落下する危険がある、生徒が設備に悪戯する可能性が高い、密閉空間で不健全な行為が行われる、等)
(許されざる理由を挙げれば、片手両手ではとても足らない)
(しかし常世学園の生徒たちはそんな子供じみた警告はどこ吹く風で、平気でルールを破り、自らの愉しみに興じているのだった)

(もはや風紀委員会や公安委員会だけで取り締まれるような問題ではない)

(ここにも一人禁忌を侵す、あろうことか生活委員会に所属する生徒が一人)

僕は仕方ないよ、こんな閉鎖空間じゃないと落ち付いて一人になれないし。
これは必要なことなんだ。うん。
(入ってすぐ目に着いた壁に、ここでいいや、と背を凭れさせる)

クラスカ > (教室も、委員会等も、カフェも、男子寮も、あらゆる場所が人の波で溢れている)
(雑多な人ごみは嫌いではなく、実は普段の生活の中ではむしろ好ましい)
(人との折衝自体は望むところ。生活委員会の仕事を始めてから、特に理由がなくても巡回に出て、外の様子を目に入れることもある)

(ただこの時間だけは、違う)
(どうしても、世界から自分を切り離し、孤独を伽にする必要があった)

―始めようかな。
(普段携帯している鞄に、ごそごそ手を突っ込み、中を改める)

クラスカ > ……重い。重いんだけど!

(か細い、蚊の鳴くような声で呟いた後、いきなり声を荒げた)
(怒りに任せ、右手だけを差し入れていた鞄に、左の手も合わせる)
(両の手に力を入れて引き抜いたのは、巨大な辞書)

(とは異なる、茶色の皮の表紙の古書だ)
(記されてから大分年代が経っているようで、表紙に印された刺繍はほつれ、閉じ糸も千切れているものが多い)

クラスカ > (隣に古書を置くと、再び鞄に仕事しろよと役目を求める)
(今度の探し物は容易であったのか、すんなりと姿を現してくれた)

(ただの、本当にどこにでも、学園の購買でも購入できる既製の大学ノートと)
(またも何の変哲もない、黒のプラスチックの万年筆)

(大学ノートの表紙には【Nampus】というロゴが印刷されており、正真正銘タネも仕掛けもない書写用の学用品だと伺える)

クラスカ > (紙は、人間が最初に用いた記録媒体である)
(21世紀後半になっても未だ紙と筆記用具に頼って記録をつけることは)
(人間が自らの生んだ偉大なる発明を、後世まで誇りたいがためなのかもしれない)

夕方には終わりそうだな。これで休日潰れるのは憂鬱だけど、まあいいか。
(万年筆のキャップを外し、握って軽く二度ほど振ってみる。目を細めインクの滲みを確認すると)
(間違いなく良好。来る前にインクを補充したおかげで、丸一日は十分持つ)

(右手で大学ノートを開くと、冊子が閉じないよう肘を曲げて強引にストッパーを掛ける)
(対する左手は古書へ。ページを一枚捲ると、徐に口から呪文のような言葉を紡ぎ出す)

クラスカ > (それは音程の外れた歌にも、単なる単語の羅列にも、悪魔との契約にも聞こえる)
(孤独と静寂が保たれていた空間にはあまりにも不似合いで、歪で、邪だった)

いんらっぶうぃざめいでん ざふらわおぶうぃんたっ
ろぶらうちるどれん いんぐろぶおぶざいんらん

はうめにたいむずはーつ ごーんずざぐらいんだー
うぇーえばゆるっくぜざあず ぺいんふりまいだ

しーんぎんあらぶそん わーどおぶあすとれんじゃー
ざはうんりんみら ねばーとうーふぇいすはー

てーんぽおぶざいーぶ てーんぽおぶざうぃー
のーわんのーはうばっひーふぃー
れいつないついにゅえんど てんぷてーしょおぶざきー

りーびざぶらっくしー


live with me

クラスカ > (最後の言葉を告げると同時に、身体に変化が起こった)
(万年筆を握った腕が跳ね、ペンを勢いよく動かし始める)
(反対に、左の腕はただ古書を捲るのみに終始する)
(好意的に考えれば、古書の中身をノートに写しているだけの動作)
(しかしそれに至る経緯も、手段も、異様が過ぎた)

(両の瞳は茫洋に焦点が定まっておらず、ちぐはぐに好き勝手挙動を続ける自分の身体を、遠い別の世界の出来事のように眺めている)


(空っぽの瞳が、次の複写の舞台となる、真っ白なキャンパスを捉える)


(大学ノートの全てのページが黒に塗りつぶされ終わるまで、今日のその儀式は、続けられた)

ご案内:「大時計塔」からクラスカさんが去りました。
ご案内:「大時計塔」にソラとルナさんが現れました。
ソラとルナ > 正午 時計塔の上。
曇り空の下、二人の子供が座っている。

何を話すでもなく、1人は下に広がる島を見つめ、
もう1人は雲に覆い隠された朧げな太陽を見つめる。

ソラとルナ > 眼下に広がる常世島。
昼時の今、たくさんの学生が忙しく動き回っているのが見える。
食事をしに行く人の姿が目立つだろうか。
銀髪の少女は無感情な目で それを見ていた。

ソラとルナ > 対して、流れる雲には大きな変化はない。
一定の厚さの雲が空に広がり、太陽をおおい隠す。
ぼんやりと、その位置はわかるもののその光は弱々しく感じられた。
もうすぐ、雨が降るかもしれない。
金髪の少年は曇り空を楽しそうに眺めた。

ソラとルナ > 湿り気を含んだ生温い風が吹く。
朝から曇っていたせいか、今日は少し蒸し暑い。
少年は服をパタパタさせて風を取り込む。
少女は微動だにしないが、それでも首筋には僅かに汗が滲んでいた。

ソラとルナ > 雨でも降れば、多少涼しくもなるだろうか、と少女は考えて雲を見上げた。

少年はすでに雲を眺めることに飽きたようだ。
入れ替わるように町を見下ろす。

学園の昼休みが半分ほど過ぎた頃だろうか。
人通りも少し落ち着いて見える。

ソラとルナ > いつの間にか、少年の手の中に金平糖の瓶がある。
少年は金平糖を幾つかまとめて掴むと
自らの口に放り込み、それから少女にも差し出す。

少女は瓶を受け取ると、幾つか手のひらに乗せてひとつひとつ口の中で転がす。

雲は、先ほどよりも少しだけ厚くなって見えた。

ソラとルナ > ふと、学生たちの中に食事を摂らないものが多くいることに気づく。
彼らは一様に本を開き、時計を気にしながらそれを凝視している。

金髪の少年は首を傾げ、少女に意見を求める。
銀髪の少女は あぁ、と。その様子を見て珍しく含み笑いを漏らした。

そろそろ テストがある科目もちらほらある頃だろう。

ソラとルナ > 雲を見るのも人を見るのも飽きたらしい
少年が立ち上がり、ぐっと伸びをする。

そのまま少女の手を取ると、ふっと姿を消した。
辺りには僅かな光の粒子が漂っている。

ご案内:「大時計塔」からソラとルナさんが去りました。
ご案内:「大時計塔」にルーシェ・サリさんが現れました。
ご案内:「大時計塔」にアリストロメリアさんが現れました。
ルーシェ・サリ > (「やなこった」と授業を蹴っ飛ばしてこっそり抜け出してやってきて早くも数時間。いく当ても無くほっつき歩いてたどり着いたのは立ち入り禁止の大時計塔の頂上だった。塔の頂上に備え付けられた避雷針に半身を預けるような格好で島を一望する。故郷ではありえなかった光量を誇る町並みが広がっている。)どうすりゃ帰れるんだろうなあー……なにが授業だよ、知るかっての(呟くと、懐を探る)
アリストロメリア > (厳粛な雰囲気の佇む大時計塔へと足を運ぶ)
静寂に包まれ、風の心地よく見晴らしのよい景色は密かなお気に入りの場所である)

(ヒールを響かせながら階段を上がれば、そこには先客の姿が
彼女の会話から察するに、サボリだろうか?)

御機嫌よう、庶民
貴方は授業を受けたくないのでしたら、何故学園に入学致しましたの?
(素朴な疑問を投げかけて)

ルーシェ・サリ > なにって、妙なおっさんに入学したら生活の面倒みるよとか言われたら飛びつくしかないじゃん、貴族サマ。

(言われ眼下を見やればドレス姿。そっけなく返事を返すと、足場から飛び降りて、相手のすぐ傍まで寄って行こう。腕を組んで首をまわす。)

ようはメシだよね。んで、どうしたの。青い鳥でも追いかけにきたの?

(ぶっきらぼうに言い放つ)

アリストロメリア > ……まぁ。そんな事情がございましたの
苦労していらっしゃったのですのね
(そっけない返事に嫌な顔をする事もなければ、柔和に話しかけて
近くに寄られれば、にっこりと微笑む)

まさか、そんな……このような場所に蒼い鳥を探しに来るほど暇でも無くてよ?
少し息抜きしようと足を運んだまでですわ
――……私はアリストロメリアと申します、貴方の名を聞いてもよろしくて?

ルーシェ・サリ > (ふんっと鼻を鳴らしてそっぽを向く。笑顔を向けられ慣れていなかった故の反射的な態度であった。腕を組んだまま解除はしなかったが)

アリストロメリア……?
ルーシェ。ルーシェ・サリ。息抜きというよりまんま授業ぬけて来たお暇な生徒でごぜーます。

(言葉を頭の中で反芻して記憶に刻み込みつつ、己の腕をようやく組み解いて、胸に手を当てて名を名乗る。見れば見るほど見事なドレスであり、安物のパーカーとは比べられない価値がありそうに見えた。内心さぼりを報告されるのではとばつの悪そうな表情を浮かべて)

アリストロメリア > (そっぽを向かれても、害した様子は無く 尊大な態度ではあるものの、穏やかに彼女のそんな態度を見ながら微笑む)

ええ。長いでしょうし愛称はアリスとかロメリアとか、ロメリィ……等色々ありますのでお好きな呼び方でどうぞ
ルーシェ様……いえ、ルーシェ嬢でございますわね?
(ボーイッシュでぶっきらぼうかつ挑発的……そこから『随分と背の低い男性』かと思ったが
男性にしては顔立ちは整い過ぎていて美しい――……容姿から、エルフの血が混じる様に感じた故
人目を惹きつける、神に造形されたかのような美しさに男女の区別が付きにくかったのだろう)

失礼をいたしましたわ……非礼をお許し下さいませ
(そっと、頭を下げて無礼を詫びる。きっと、彼女の内心を知らない故に ばつの悪そうな表情を
『男性に勘違いされた悲しみ』として、勘違いしたのであろう)

アリストロメリア > もし、ルーシェ嬢がお嫌では無ければ……少しばかりお話のお相手をして下さると嬉しいのですけれど
勿論、無理に とは言いません。お嫌でしたらせめて、この場に居る事をお許し下さいませ(と、微笑む)

ルーシェ・サリ > アリスね。りょーかい。

(まさか男性と一瞬誤認されているとは露知らず頭をさげられると、表情に「?」の文字が浮かぶ。会話の中でさらりとミスター扱いされたのに気がついたのは少々時間を置いてのこと。パーカーのフードを取り去り、己の頬に触れてみせる)

おれのことを男の子みたいに扱う人はよくいるし、かまわないよ。そのほうが楽だしね。むしろ勘違いしてくれると楽しいときだってあるじゃん

(頭を下げる必要はないと手を振って見せると、腕を組みなおすようなことはせず腰の辺りに沿わせた)

いいよ。丁度暇してたし。あそこ行こう

(安全対策として設けられた柵にもたれかかるようにすると手招きをして相手を誘おう。あいにくベンチのようなうってつけな設備はなかった。椅子はないかなと視線をきょろきょろさせてあきらめる)

アリストロメリア > (女性の多くはきっと、男性と勘違いされれば多少なりとも嫌な思いをさせてしまう事も多いだろう
申し訳ない気持ちになるが、彼女がパーカーを取り、頬に触れさせて貰うと
ベルベットの様に艶やかな質感の肌は、女性としてもとても美しい)

……そう?
(さらりとした彼女は、何処か風の様な爽やかさと、中性的な魅力があった
返答と、そんな彼女が楽しくて くす、と笑う)
勘違いしてくれると楽しい気持ちは、少し分かりますわ
密かにかけた悪戯に、相手がかかった気持ちになる様な感じですわね

ええ
(行きましょうか――……と言えば、椅子は無いのはさておき
『もたれかかる』という事を人生の中でしてこなかったので、誘われて近くによるものの立ちつくしたまま
もたれかかる彼女の体制に、不思議そうに首を傾げる)
その……腰が痛くなってしまいません?

ルーシェ・サリ > (頬に触れられるとくすぐったげに目を細めるも、特に嫌がるそぶりはしなかった。群青の闇を集めて人に仕立てたような雰囲気を宿す相手の笑みに、若干口の端を吊り上げることで応える。笑みを使い慣れぬ者特有の筋肉の使い方。)

そうさ。こっちが女の子とわかったときの仰天顔とか最高に面白いよ。

(常習犯であることを匂わせて、もたれかかる。手すりの前で佇む彼女を逆に見遣る。もたれたらいいのに、と思いつつ)

腰が? ならこうしてみるとか。あ、でもアリスはやるとスカート邪魔になるしやめたほうがいいんじゃないかな

(身軽な動きで手すりの上に腰掛けてみせる。座っているのは椅子とは似ても似つかぬパイプ。背後には夕闇の世界が広がっている。バランスを崩せば落下は不可避な位置。椅子がないもの、しかたがないと肩をすくめる)

アリストロメリア > (彼女の仕草が野生の猫の様で、可愛らしい……慣れない笑いとぶっきらぼうな性格から笑う事があまり無かった事を悟る
親しみを込めて、彼女に微笑み返す)

成程……反応の大きい方の仰天顔は見てみたいですわ
(彼女のもたれる様子を見つめる……というよりは観察して)

(颯爽とした身のこなしは、エルフの血を思わせる。たった、手摺の上に腰かけるだけの動作であるが
とても洗練されていて、美しい
『もたれかかる』ということに対して、休む姿勢を取り楽だという事を理解できていなかったが
彼女がパイプの上に座れば、真似しようと 恐る恐る、慣れない動作で上に腰かける
少し危ないが、上に広がる夕闇の 沈んで行く日の光が夜に溶けていく様子は
空のキャンバスの上で広がる美しい水彩画の様な魅力があった)

まぁぁ……こうしてみると、一層綺麗ですのね
(パイプに邪魔されない空は、何処までも伸びて心まで浄化されるよう)

ルーシェ・サリ > 大丈夫? あんまり無茶しないといてよ。落ちたらしゃれにならないもん

(ドレス姿が手すりに腰掛ける様をはらはらと見守る。身のこなしが楽にできるような姿ではないゆえに。大丈夫そうなことを目視確認すれば柵のうえで背を伸ばす。夕闇に消えつつある地平線にはかすかな湾曲が見られた。闇に沈む町並みは光量を際立たせる、星のように)

残念だけど星があんまり見えないんだよねこの世界。夜になっても町中ぴかぴかやかましいし。

(出身は科学文明などない魔法の世界故に空が狭く感じているようだった。空を仰ぎため息を吐くと、相手の横顔を見遣る。人形のようなつくりをしていると感じる)

そうだね。故郷だとこういう高い建物は寺院くらいしかなかったらから遠くまで見渡せて気持ちいい

(己の髪の毛を指で梳き、遠くを見つめる)

ちなみにアリスは何か魔術とか使えるの。たとえば元の世界に戻せる的な都合のいいやつがあれば最高。

(だめもとで聞いてみたが、果たして)

アリストロメリア > ありがとう、気をつけますわ……落ちてしまったら助かりそうにありませんし(気遣ってくれる彼女に笑う)

(慎重に、落ちないように気を付けている様子からも大丈夫だろう
徐々に日が落ち、紫色のグラデーションがかった闇に街は沈み空には星が浮かぶ
自分には十分に視えたが、彼女には不十分らしい)

……そう。ルーシェ嬢の居た世界は、夜は闇に包まれて もっと素晴らしい星の輝きに満ち溢れておりましたのね
(きっと自然豊かに溢れていた世界である事が、その一言からわかる……どんな所から来たのだろう?
空を仰ぎ、溜息をつく姿はまるで文明社会に隠されてしまった星星の神を、勿体なく思うかのように感じられた
此方に視線を送られれば――……人形の様な美しさと、元々エルフ特有の気高さがあるからだろうか
星空の輝く闇夜の下で見つめられると、実に神秘的で魅入ってしまいそうになる
それはまるで、夜と星の神に仕える者の様にも視える)

そうでしたの……人は大自然を見ると心が癒されると言いますわ
私も見てみたいですわね。とても羨ましいですわ

(遠くを見つめる彼女と同じく、遥か遠くにある星を見つめる)
私? 魔術は使えますわ――……
(そして、彼女の問いに答えようとしたと同時に――……)
(時計の鐘は、鳴る)
(彼女の声に被さって聞こえなかったけれど)

……いけませんわ、そろそろ帰らないと……
(時計を見れば焦った様に、パイプから足を降ろして)

今日はごめんなさい。失礼致しますわ――……この答えは次に会った時に
(そう答えると、颯爽と帰って行く
夜の闇に、付けていた香水の香りを仄かに残して)

ご案内:「大時計塔」からアリストロメリアさんが去りました。
ルーシェ・サリ > (時を刻む音色が空高く鳴り響き言葉を遮ってしまった。ドレス姿を見送る。わずかな芳香も風にさらわれて消えてなくなっていった。星の明かりは街の灯りに負けて若干霧がかってみえる。阻害するものなき空を知る彼女にはどこか物足りたりないもの。見たことの無い星座を目でなぞり、ふーむと喉をならした。)

アリストロメリア……アリス。覚えた。

(手すりに脚の反動を使いよじ登ると、パイプの上に立つ。眼下に広がる風景を目前に風に髪の毛をあおられて。パーカーのフードで顔を隠してポケットに手を突っ込む)

もう手遅れかもしれないのが悲しいところ。戻らない選択肢だっておれにはあるんだから……

(手すりから飛び降りると、扉の向こう側に消える。授業は終わっただろうから)

ご案内:「大時計塔」からルーシェ・サリさんが去りました。