2015/06/16 のログ
夜香 > 「あら。」
手が離れると、少し不思議そうな表情を浮かべ、
ふふん?と半眼の視線を男に向けた。…舐めるような視線だ。

「喜ぶかと思ったけれど。
でも、そういう事ね。本当に物騒な連中なんて珍しくもない。」
私も、と区切り、
「あなたも。」
と肩から覗く袋を細い指で示す。

指差した瞬間、ぴりりり、と初期設定のような着信音がポケットから響いた。

マイケル・クーガー > 「……オゥ」

流石に見透かされていたか
そんな参った様な表情で指された得物に自分でも目を向ける。

「おや」

と、相対する彼も着信音に気付き

「御用事、かな。」

夜香 > 「物騒な女だもの。」
その心までを見透かしたような笑みを浮かべた。

ポケットからスマホを取り出し、出る。
「はい。……あぁ、そう? わかったわ。」
短く、必要最低限の会話だけを行い、すぐに切った。

「えぇ、残念だけど今宵はデートというわけにはいかないみたい。」
コツ、とヒールの音を響かせて男の横をすり抜ける。

マイケル・クーガー > 「……やっぱり、『そうはいない』方だよ、アンタ。」

電話する女を背に
背中越しに、そう語りかける。

「そいつは本当に残念だ。
Someday、またいつか……温度はお茶でもしながらゆっくり話そうじゃない
So Badにホットなオネーさん。」

と、振り返り手を振る。

夜香 > 「縁があればまた、ね。」
去り際、受けた言葉に対して微かに振り向き―――。

赤い三日月のような口元でクスッと笑った。

ご案内:「大時計塔」から夜香さんが去りました。
マイケル・クーガー > 独り、塔に残された若者は
眼下に臨む街並みを見る目も、どこか虚ろに
鼻孔を擽る煙の残り香の中、先までの会話の余韻に浸っていた。


「……なーんか、夢でも見てたような気分だぜ、へへ。」

そういうと、手すりから身を乗り出し、輝く夜景の中に飛び出して
どこへともなく、消えていった。

ご案内:「大時計塔」からマイケル・クーガーさんが去りました。