2015/06/22 のログ
ご案内:「大時計塔」に渡辺慧さんが現れました。
■渡辺慧 > ……ふー。
一匹の猫が、屋上に陣取り。
ため息をつくように、鳴く。
今日は、疲れた。
■渡辺慧 > しかし……。
いや。まぁ。
あの少女も、別に自分を陥れようとしてやったわけではないことぐらい、分かっている。
だから、人にもどったら。
それとはわからずにお礼を言ってもいいだろう。
■渡辺慧 > ――…少なくとも。
お腹と。
あの時吐いた、孤独感は薄れたのだ。
たまには、猫のようにではなく。
猫になるのもいいだろう。
そう思えたのは、あの少女のおかげかもしれない。
景色を見下ろす。
後、1日。
明日になれば、元に戻る。
ご案内:「大時計塔」にソラさんが現れました。
ご案内:「大時計塔」に三千歳 泪さんが現れました。
■三千歳 泪 > アルタイルのいる場所に足音がせまる。きょろきょろとその姿を探して、まったく同時に目があった。
「あ、生きてた! よかったー。悪い子にいじめられなかったかな」
■ソラ > ひょっこりと少女が顔を出す。
猫を見つけると楽しそうに近づいていく。
音を立てないように、後ろから。
■渡辺慧 > 猫になって、自分自身の本質が見えた、とでも……あー、言うべきかなぁ。
悪くはない。……きっと、悪くない。
……あ。お礼言うの、二人いたわ。
……そして、その声に振り向いた。
「……にゃ」
(おかげさまで)
笑って。
「……ニャンア!?」
(ってダレダ!?)
もう一人いた。
■三千歳 泪 > 第三の男。ではなく第三の女子生徒と鉢合わせる。たぶん知らない子だ。アルタイルも同時に気付いた。
「うーん両手に花だね!! 君もなかなかすみにおけないなー」
「はじめまして。私は三千歳泪(みちとせ・るい)。そしてこの子はアルタイル! 世にも珍しいオスの三毛猫なんだよ」
それはそれとしてねこ缶の入った袋を揺らして見せる。
「これが何だかわかるかねアルタイルくん!」
■ソラ > 楽しそうに猫を抱えるとくるくると回る。
大時計塔の上。とても高い場所で。
足を踏み外せば落ちそうな位置で。
本人はいたって笑顔である。
■渡辺慧 > 「にゃ゛、にゃ゛あ、ア、アアア!」
(わか、わか……わかっ、ああああちょっとこわいおろしてああああああああ!)
悲鳴に近い。
微妙に確かにお腹がすいていたのもあり、嬉しそうに返事をしようとしたら。
なんか、凄い浮遊感。
今どきの絶叫マシンでもこうはならないだろう。
やばい、やばいぞ、やばい。
「ニャ……アアアアア!」
(おろ、おろし、アアアアアアアア!)
■ソラ > なんかすごい怯えてる。
鈍い少女にもさすがにその悲鳴は伝わったようで。
とりあえず、三千歳さんの持っている猫缶を見ると、
へらっと笑ってその近くに猫を下ろした。
■三千歳 泪 > 「あはは、アルタイルってばオーバーだよ。すっごく喜んでるね! この子はちょっとおおげさなとこがあってね」
「いいリアクションしてくれるでしょ? もっと可愛がってあげるといいよ」
にこにこ。すごく楽しいです。
自分の部屋から持ってきたお皿にフレッシュな食感が売りの某高級ねこ缶を逆さに開ける。
もうひとつのお椀には水筒につめたお水をあけて、手招きした。
■渡辺慧 > ハー……ハー……。
息を切らして、地面に垂れた。
「……ニャ」
(……だれよきみ)
伝わらないのは承知で、一応鳴く。
ふにゃぁ、となりながら、モンちゃんの方へ向くと。
「……にゃ」
(ちゃうわ。……買ってきてくれたの?)
と。鳴きながら寄った。
■ソラ > 猫缶に寄っていったアルタイルさんを楽しそうになでなでする。
その姿は無邪気な少女そのもの。
そして幼女の無邪気さや純粋さは、
時に残酷なまでに正直だ。
もふもふの尻尾に目を奪われ、思わずそれをぎゅっと掴む。
■三千歳 泪 > 「差し入れだよ! 約束しなかった? 折り返し地点はもう過ぎたはずだから。まずは無事でいてくれたお祝いってことで」
「どうぞおあがり。写真は撮らせてもらうけど気にしないで!」
サッとタブレットのカメラを向ける。まずは一枚。そして唐突な受難のすがたをもう一枚。
なかなかねこが板についてきたじゃないかアルタイルくん!
■渡辺慧 > 「ふぃぎゅっ…………」
(そうだっ……………)
無防備な、尻尾。
そこに与えられた、至極の、痛み。
「ふなぎゃああああああああああああああああああああッ!?」
そら叫びもしやすて。
■ソラ > 叫び声(鳴き声?)にびっくりして手を離す。
そのまま、きょとんとして三千歳さんと
アルタイルさんを交互に見ている。
猫が尻尾を掴まれるのが苦手だとは知らなかったらしい。
ごめんね、とでも言うように
掴んだ部分をなでなでし始めた。
■渡辺慧 > ふー……っ!
痛みに涙目になりながら、少しばかり、怒ろうとして……。
やめた。
「……にゃん」
(……いいよ、きにしないで)
……無邪気な、子供。
苦痛を与えたいわけじゃない、なら、別にいい。
モンちゃんに鳴く。
「み」
(……うん。ありがとう)
■三千歳 泪 > 「わ、すごいすごい!! いい画がとれた! ほらー見て見て絶叫してる瞬間のドアップだよ!…グッジョブ!!」
ミス・ジェーン・ドゥにサムズアップする。
アルタイルには気の毒だけどこの一枚は殿堂入りだね。
「食べないの? もしかしておなかいっぱい? じゃあ仕方ない。持って帰るしかないかな」
「その辺にかわいい子いないの? 白猫のミーちゃんとかさ! イチオシの女子がいたら君からのおごりだって伝えておくけど」
■渡辺慧 > 「にゃんあ」
(食べるっちゅうねん)
あいにく。猫を恋愛対象にするほど、そまりきっちゃぁねぇ。
とでも言う様にため息。
「みゃ」
(いただきます)
そう言って、食べ始める。
やっぱり。
お腹がすいていたのだ。
がっつくように。
■ソラ > 絶叫の瞬間を捉えた写真を見て、また笑顔。
尻尾の掴んでしまった部分をなでなでしながら
楽しそうにその写真を眺めている。
猫缶を食べる様子を眺めながら、
金平糖を取り出して横で一緒に食べ始めた。
■三千歳 泪 > 「食べたね?」
カッと目を光らせてアルタイルのおなかを持ち上げる。
「じゃあモフらせてもらうよ! これが君と私の等価交換。世の中はつまりギブアンドテイク!!」
「ただほど恐ろしいモノはないんだよアルタイル。わーもっふもふだね!!」
おなかの白い毛に顔を突っ込んでぐりぐりする。引っかかれる心配がないって最高だよね。
「はー……たまんないなー…あ、それでね。この子は君にあげようと思います!」
「一日か二日くらい君のおうちに住ませてあげてくれないかな! 今なら残りのねこ缶を全部つけちゃおう」
「どうかな?」
ミス・ジェーン・ドゥの前にしゃがんでアルタイルを突き出してみる。受け取ってくれるかなー。
■ソラ > きょとん、とした後ぱっと笑顔になって
アルタイルさんを受け取る。
そして再び抱えてくるくる回る。
高い高い時計塔の上で。
もし、何もなければ少女はそのままアルタイルさんを連れていくだろう。
ちなみに、野宿である。
■渡辺慧 > 「にゃんあ!?」
(ちょ、ちょっとまて!)
いや、もふらせるのは別にいい。
それは、別にいい。
くすぐったいけど別にいいさ。
だけども……。
「にゃにゃにゃにゃあー!?」
(明日元に戻るんだぞ!?)
「にゃん!」
(無理! おやすみ!)
…………まぁ。しかし。
それは大変とばかりに、その手を逃れて。
屋上の物陰に急いで走って。
そこで、眠り始めた、その猫を。どうするかは。
その少女次第だろうが。
ご案内:「大時計塔」から渡辺慧さんが去りました。
■ソラ > ちょっと迷った末に、屋上の物陰まで猫を追いかける。
アルタイルさんが眠っているのに気づくと、
ひざの上に乗せて起こさないようになで始める。
それから、どうしようとでもいうように
三千歳さんに視線を向けた。
■三千歳 泪 > 「おっやるねー! 君もなかなかのビーストテイマーと見た!」
あっという間に姿を消して、すぐに謎の女子Xに回収された姿をみて少し吹き出してしまう。
「あははは。アルタイルくんはこの建物が気に入っちゃったみたいだね」
「えっと、残りはここにおいておくから適当に食べといて!!…ってもう寝ちゃってる。そんなに大変だったんだ」
「とにかく寝かしといてあげるといいと思うよ。彼はいまお疲れなのだ! 渡すもの渡したから私はこれで。おやすみ!」
二人に手を振って時計塔を下りていった。
ご案内:「大時計塔」から三千歳 泪さんが去りました。
■ソラ > 時計塔を下りていく三千歳さんに手を振り、
アルタイルさんの毛並みを堪能する。
しばらくすると、勝手に猫缶をひとつ開けて
自分で食べた。
おなかが満たされると、アルタイルさんを
抱えたまま眠ってしまったようだ。
ご案内:「大時計塔」からソラさんが去りました。
ご案内:「大時計塔」にエイフワズさんが現れました。
■エイフワズ > (大時計塔から朝日を浴びて目を細める。時計塔にはおびただしい数のカラスが群れをなしており、かわるがわるに挨拶をしている。群れが去ると特異な三本足のカラスだけが残された。よく目を凝らさなければ三本足であることなど見抜けまい)
「日がのぼる―――おはよう太陽 さよなら銀の乙女」
(ケッケッケとカラスの声でわらう。夕闇を切り裂いて陽光が差し込む。眠らぬ島に朝がやってきた)
■エイフワズ > (時計塔の安全柵を止まり木に。風に目を細めて太陽を直視する。風はさわやかだった。渡り鳥が空を通過する。カラスは一人静かに待っていた。あるいは、誰も待っていないのかもしれない。人のようなしぐさをしていてもカラスはカラスなのだろうから)
■エイフワズ > (風が吹く。上昇気流に乗って黒い体躯がふわりと持ち上がった。輪を描いて宙を飛び回る。風と共に去りゆく。カラスは一際高く鳴き場をあとにした)
ご案内:「大時計塔」からエイフワズさんが去りました。
ご案内:「大時計塔」に渡辺慧さんが現れました。
■渡辺慧 > 猫。
体毛の白色が目立つその猫。
まるで定位置のように、屋上から見下ろすように、そこに立っていた。
迫る刻限。
猫でいられる時間。
それはもう、あとわずかの時間だった。
■渡辺慧 > まぁ……それは。
濃い3日だったと。
気のせいか基本的に自分が巻き起こした珍事な気がしないでもないが、まぁ、それはそれで。
女子寮に連れ込まれたときは割と死を覚悟した、と述懐するように。
猫の声で鳴いた。
■渡辺慧 > ふ、と。
後ろを振り向く。
そこには、あの。
猫科のおじさんがいたような気がした。
(ありがとうございました)
色々と。
頭をゆらりと揺らす。
にゃぁ、と。
ここ3日で慣れた鳴き声で鳴く。
振り返ってみれば、悪くはなかった。
■渡辺慧 > 人に戻った後の方が、心配かもしれないな。
苦笑するような思考がよぎるが。
あいにくそこまで細かい表情を作れる表情筋ではなかった。
中間とか。
講義を3日さぼったとか。
行方不明とかになってないよな、とか。
そして……。
「にゃ」
(あ)
■渡辺慧 > 「にゃ゛」
(あ゛)
そういえば、初日にも言っていた。
『それに、今はお金もってなさそうだし。服とかどこに消えちゃったんだろうね?』
そ、そうだよ。
待って、もしかして、え、まって。
いや。
考えないようにはしていた。
していたから、すっかり思考の外だった。
いや、あの。
元に戻るよな?
ご案内:「大時計塔」に谷蜂 檻葉さんが現れました。
■谷蜂 檻葉 > 慧が戻った後の自分の容姿――主に服の所在について重大な危険性に気づいた時
カツン カツンと 硬い音が慧の背後、階段から聞こえてくる。
一応の禁止を無視してくるのは猫だけでなくて、
「……よし、誰もいない……ね?」
何度か見知った少女が、ノート一冊を抱えてやってきていた。
■渡辺慧 > わたわたと慌て始める。
いや。まって。
ここで戻って全裸とか言われても、いや。え。
え、まって。
どうやってかえんの?
いや、そうじゃなくて。
まって。
気づけば。
そろそろ。
3日間の、時間が。あとわずかに迫っていた。
■渡辺慧 > だだだだだだいじょうぶだよな!?
流石にな!?
服とか元に戻してくれるよな!?
良心的だよな猫科のおじさん!?
そして、猫の耳は、その足音を敏感に聞き取った。
「にゃァ゛!?」
(このタイミングで人ォ…………って檻葉ァ!?)
■谷蜂 檻葉 > 「あ、ミケだ。」
彼女にとって猫は猫で人ではなくて。
「ここ、入っちゃダメなんだよー。えと、なにか持ってなかったかな……」
人でない猫は愛玩動物で、猫は好きで。
「そいえば、三毛猫って女の子が殆どなんだっけ。 君はどっちかなー?」
呑気に、人でもある猫に近づいていく。
■渡辺慧 > 「ニャ、ニャ。ニャア」
(ま、まって。こないで、タンマ、まって)
いやいやをするように、後退。
だが……そこは景色が見下ろせる場所。
そう。あれだ。
サスペンスにありがちな、犯人が、追い詰められていく。
あの場面と酷似していた。
■谷蜂 檻葉 > 「あ、ちょっと危ないよ。流石にこっから落ちたらネコチャンでも駄目なんじゃない?」
唯一の出口は檻葉の背後。そして追い詰められた先は断崖絶壁。
人質は……この前に起きる"何か"といったところか。
「ほらー、ここで止まるからー、こっちおいでー……ほらー……」
しゃがんで(彼女のスカートは短かった)ほらほら、とにこやかな笑みで見つめる。
そして鼻孔をくすぐる焼き魚のような香りがするのは檻葉流猫交流術。
「……んー、駄目かな?じゃ、写真だけ……」
そういって、スマホを構えて猫を中央に収める。
■渡辺慧 > ――余談ではあるが。
つい昨日の話だ。
雄か、雌か。
性別を、そう。ある女子――まぁ、響なのだが――『確認』されて、彼の尊厳がいろいろ打ち砕かれたのは。まぁ、余談でいいだろう。
「に! にゃ、みゃぁ!」
(違うの! 写真なら後でいくらでもとらせてあげるから! 今は! 今だけは、やばいの! あれなの!)
流石に猫であれど。
というより、人間の精神を持った彼が彼女を突破するのは、不可能に近かった。
――そして、時間は進のみだった。
ふと。眩い光。
何処から発せられてるのか、わからないが、思わず目を閉じてしまうほどの光。
■谷蜂 檻葉 > 「う、わっ―――――!?」
同様に、突然の発光に尻餅をついて、顔をかばうように目を覆う。
■渡辺慧 > その光は、一瞬だけだった。
そして。
その猫――いや。
その。猫の“ような”少年も。
思わず目を閉じていた。
「まぶッ…………」
そして。
己の、出した声に気付き。
慌てて眼を開いて、自らの姿を見た。
まず、見えたのは………………白い布。
いつもの、パーカー、だった。
「いっ………………生き残ったよ、俺……」
それは、心からの声だった。
■谷蜂 檻葉 > 「いたた……一体何なのよ……」
チカチカする目をこすりながら改めて立ち上がり、スカートを払う。
そして先程の猫がどうなったかを目前を確認して―――
「―――慧君? え、な、あれ、猫ちゃんは?え、何ドッキリ!?」
ワタワタと周囲を見渡し始めた。
■渡辺慧 > 自分の全身をまさぐり「ある……ある。……戻ってる、よし、よし……」と、全身を安堵で包ませる。
「よか、ったぁ……」
戻れたことが、ではない。
尊厳を、失わないで、済んだことが、本当に、いやまじで、本当によかったのだ……。
「……っと」
そして、その檻葉の声に反応する余裕が出来たのか。
「あ……アハ」
とびっきりの、苦笑いを浮かべた。
――余裕があれば気づくだろうが。
彼の足もとには、猫の毛が、数本、落ちていた。
■谷蜂 檻葉 > 「え、えぇー……」
目を疑う、が紛れも無く先ほどの猫は居らず知り合いが居る。
そうなると猫と慧が瞬間的に転移して入れ替わったのかもしくは―――
「慧君って……」
真剣に、ゴクリと唾を飲み込んで慧を見据えながら重く言葉を放つ。
「……化け猫だったの……?」
確かに猫のような男だと思ってはいたけどまさかそんな……。
■渡辺慧 > 「猫がメインかよ!?」
なんでそっち!?
元気良くツッコんだ。
尚。あまり否定の言葉にはなっていない。
「いや、ほら。うん。人生は長いし、たまに猫になるぐらい、1度や2度、あるよね?」
■谷蜂 檻葉 > 「だ、だって猫っぽいじゃん!ソッチの方がありそうだし!」
相手が言うのであればそうなのだろうけれど、
檻葉には彼は人4:6猫の存在に見えていた。 見えている。
「人生長いっていってもまだ20いかないでしょ……ないわよ……」
何を馬鹿なことをという目で睨む。
目の前で起きたことを前提にしても慧が言うと、どうにも説得力が霧散していくように思えた。
とはいえ、睨むのも少しのことで脱力したように肩をすくめて見つめなおす。
「――で? 一体何があってにゃんこライフを送ってたのよ。」
■渡辺慧 > 「今まで会った俺の姿は基本的に人だったと思うけども!?」
「顔より中身が大事とかそういう話? なの?」
恐らく違うけど。
「しょうがないじゃん…………あっちゃったんだから……」
そう。あってしまったのだ。
まぁ。あれは。交通事故のようなものだったのかもしれないが。
やるせないようにつぶやいた。
何があって、というと。
少々長くなるかもしれない。
そも、事の始まりから言うと、ここで猫の鳴きまねをしていたことから話さなければならない。
それは、割と。つらい。
「簡潔に言うと。猫のように生きたい、って話してたら、本当に猫にされた」
少なくとも。事実だけのべると、こういう話だ。
今の自分は、ひどく遠い目をしている自信がある。
■谷蜂 檻葉 > 「外面よりハートなのは確かだけど。 ……なんていうのかしら、猫っぽいのよ慧くんって。色々。」
そして色々は色々だし。と、理屈ではない何かで檻葉はそう推してきた。猫推しである。街であまりみない猫とのアニマルセラピーに飢えているわけではない。
そして慧の話を―――話というには短くざっくばらんな感想のような話だったが―――を聞くと、興味が有るのかないのかわからないようなトーンで
「……ふぅん? まぁ、そうね。確かにそれは……『あっちゃった』って感じね。」
遭うか 有るの違いはさておき。
「人が人以外の何かに、ね……大丈夫なの?副作用とか、なにかこれから無いの?」
■渡辺慧 > 「色々、色々ねぇ……」
どうだろうか。自分にその自覚はない。だからこそ、憧れていたのだろうか。……でも、そうだな。少し、それは嬉しいのかもしれない。
今までのような笑みとは違う、柔和な笑み。
「パワフルな子でね」
楽しそうに言う。
たまには、翻弄されるのもいいのかなぁ、なんて思う程度には、楽しい子だ、あの子は。
「どうだろ。もしかしたら、何かに憑かれたかもね」
猫科のおじさん、とか。
今度聞いてみるか、なんて嘯きながら。
戻れたから、余計に思うのかもしれないが。
それでも楽しげに。
「でも……まぁ。猫になってみるのも、悪くなかったよ、うん」
■谷蜂 檻葉 > 「今日はまた、特段と猫っぽいかなって思うけど。」
きままにその時その時で表情を変えるソレが、一番猫っぽさを感じるのだから。
「……それ、女の子?」
直感だが、そんな気がした。
それが檻葉に何の関係があるかはさておき慧の言葉になんとなくそう感じて。少し突っ込んだ。
副作用について聞かされるとぎょっとした顔で
「え"っ、やっぱり化け猫になるの……?」
そこから離れようとは思うけど。
ともあれ、総じて「楽しかった」と表情からして楽しげに言われると
「ちなみに、人間と猫。どっちのほうがよかった?」
生まれついた星は、どちらのほうが縁起が良かったのだろう?
■渡辺慧 > 「そりゃ、さっきまで猫だったからね」
招き猫のように、手を顔の前にやって。
「……ぷ」
噴出。
自分でやって。どこか、そのおかしさに笑ってしまった。
「ん? あぁ、そうそう女の子。えっと……」
名前なんだっけか。とぼんやりと呟く。モンちゃん、なんてよんでいて。本名の方はすっかり忘れているんだからしようがない。
「あぁ、あれ。なんか直し屋やってるって言ってたかなー」
なんで? と、少し気になりツッコみつつ。
「少なくとも、また猫にはなれるみたいだけどね」
その反応に苦笑しながら。
「人間」
あっさりと、そう言った。
■谷蜂 檻葉 > 「うん、やっぱり慧くんは猫だね。」
釣られるように笑いながら、改めて評価を下す。
「直し屋ねぇ……いや、そうかなー って思って聞いただけだから。別に意味なんて無いかな。 ……うん、ない。」
自分でも何故聞いたのか解らないといったように首を傾げる。
「わ、やっぱり化け猫じゃん。」
猫っぽい人から人みたいな猫にランクアップできるね。と、面白そうなものを見る目で見つめる。
そして、ついでにした質問への回答には
「―――そう。」
なにか含むところの有りそうな顔で頷いた。
■渡辺慧 > 「だって、人間じゃないと。猫語が分かる人とじゃないと、喋れないからね」
檻葉とかと。
なんて。冗談めかす。その顔に浮かぶ顔は、猫っぽい笑い。
本音かどうかは……さて。
誰が判断できるだろうか。
「そっか」
よくわからないが。まぁ、そういならそれでいいだろう。
「満月を見たら変身、とかそうい類じゃない? どっちかっていうとさ」
ワーウルフ、いや、ワーニャンコ……?