2015/07/06 のログ
ご案内:「大時計塔」に谷蜂 檻葉さんが現れました。
■谷蜂 檻葉 > 1日で聞く最後の1時間を迎える。
ここの所、数日おきに誰もいない―――誰かが居た形跡だけはあるが―――時計塔に登っては落ちていた。
遥か眼前に広がる常世島の景色、学園地区の全てを上から見下ろすのは
思っていた以上に気持ちのよい眺めだった。
■谷蜂 檻葉 > 「今日も、よろしくね。」
囁きかける相手は風の妖精。
其処に在りて其処に無き、寄る辺なき放浪の力達。
時計塔の少しだけ壊れかけの柵に足をかけて風を受ける。
風を感じ。
風になる。
■谷蜂 檻葉 > 『包んで、止めて、』
ゆらり、と体重をかけるままに世界が垂直に自分と向き合う。
一度目は自らが鳥になったように思えた。
二度目で風になったように思えた。
三度目から、何者でも無くなった。
無心で落下し、クスクスと"彼ら"と笑う。
逆巻く風に捕まえられて中程でふわりと静止する。
■谷蜂 檻葉 > 『打ち上げて』
グン。と重力を感じる程の上昇。
まるでビデオの巻き戻しのようにグングンと時計塔―――その頂点を超えて天に昇る。
爽快という言葉すら生ぬるく感じるほどの神経を刺激するソレに、知らず笑みをこぼす。
声もなく笑ったまま、時計塔の頂上に降り立った。
■谷蜂 檻葉 > 【高さに比べて不自然なほどの無風の頂点から、静かに学園街を見下ろしている――】
■谷蜂 檻葉 > 【頂上から降り、時計塔の階段を降りていく―――】
■谷蜂 檻葉 > ―――やがて、長い長い階段を降りきって改めて見上げる。
島を一望できる時計塔。
遠近法が狂いそうな程、目が眩む程のその高さは理解しやすい『不可能』を示していた。
「人はこの高さから落ちて無事では済まない」
「人はこの高さを一飛に登り切ることは出来ない」
人とは”異”なるから出来たのか。
人ならざる”魔”であるから出来たのか。
彼女の疑問に答えるものはこの場には居なかった。
■谷蜂 檻葉 > 【時計塔を背に、学園街へと戻っていった……】
ご案内:「大時計塔」から谷蜂 檻葉さんが去りました。