2015/07/27 のログ
ご案内:「大時計塔」に東雲七生さんが現れました。
■東雲七生 > (風の気持ち良い夏の夜
すっかり馴染の場所となった時計塔の屋上で七生は寝転んで空を見上げていた。
朝から授業、補習、そして色んな考え事で頭を使い過ぎて、今は何も考えたくない。
──そんな時は空を見るのが一番だ。
まだ数の少ない淡い瞬きへと手を伸ばす。)
「……んー、遠いな。」
■東雲七生 > (伸ばした腕を引っ込める
その腕を額に載せ、目を瞑った)
「──はぁー……」
(昨日の早朝から色んな事があり過ぎて未だに頭の整理が出来ていない。
というよりか、頭を整理する余裕が与えて貰えない。
学生生活ってこんな怒涛としか表現できないものだったか?
そんな疑問すら浮かんでくる。)
■東雲七生 > 「そもそも俺って頭使うの得意じゃねえんだよなあ……」
(発する声は弱弱しい
自分の事ながら情けないが、本当に頭は悪い方だ。
活字を見ると眠くなる。赤点・遅刻・居眠り常習犯。
いわゆる劣等生の典型みたいだと、自分でも思う。)
「うー……ん
それが何でこんな風に頭ごちゃごちゃさせてなきゃならねえんだ……?」
(疑問すぎるほどに疑問だった)
■東雲七生 > (ポケットから携帯端末を取り出して起動させる。
そういえば昼から触ってなかったな、とメールのチェックをして──)
「……特に無し、か。
今日の予定もなし、と……いや元々あんまり予定とか立てないけどさ。」
(既読メールを一つ一つ確認していくうちに、次第に頬が赤くなる
見ているメールは昨日会ったばかりの友人のもの
昨日、自分への好意を真っ直ぐに伝えてきた、友人)
「……うぅ、あぁぁぁ~」
(思い出して恥ずかしくなる
自分が告白したわけではないのに、何故か自分が恥ずかしくなる)
■東雲七生 > (きっとこの恥ずかしさは、真っ直ぐに投げられた気持ちに正面から応えられなかった、その罪悪感だ
もう少し上手い返し方があったんじゃないのか、と自問する)
「いや、でも、そんな──」
(まさしく青天の霹靂とはあの事を言うのだろう
本当に、本当に突然のことだと思えたのだ。あの時は。
しかし、こうして知ってから思い返してみれば、思い当たるフシも無くはない。
そうなると尚更、気の利いた返事が出来なかった事が恨めしい。)
■東雲七生 > 「とりあえず──」
(考えるのは止めよう。どうも悪循環に陥ってる気がする。
端末の画面を切って小さく息を吐く。
目を閉じると色々とフラッシュバックするので、
結局何も考えず、遥か遠い星空を眺めることに専念する)
ご案内:「大時計塔」に塚鎖倉ましろさんが現れました。
■塚鎖倉ましろ > 「……本当に勝手に入ってよかったのかなぁ?」
『気にしすぎなんだよ、オメーはよ。どうせ誰にも迷惑掛かんねーだろうが』
かつ、かつと靴を鳴らしながら時計塔を登ってくる者がいる。
足音は確かにひとり分。それにも関わらず聞こえてくる話し声。
声のする方に目を向ければ、灰色の髪を夜風に揺らす少年の姿が目に映るだろう。
少年は七生の姿を認めると、たいそう驚いたように目を丸くして。
『ほれ、先客もいることだし、やっぱり何も問題なかったじゃねえか。
そこのお前、こんな所で寝っころがったりして何やってんだァ?』
少年のいる方から届く問いかけてくる声。しかし少年の口は不安げに一文字に閉じられたまま。
そして声質も、少年のものにしては随分野太く、荒々しい。
この違和感を、七生はどう感じるだろうか?
■東雲七生 > 「……お?」
(不意に聞こえてきた足音と話声。
その声と足音の主は階段の方から聞こえ、七生は身を起こしてそちらへと振り向く。
視線の先には少年が一人。そして聞こえるのは少年のものとは思えない声。
怪訝そうな顔を一瞬だけして、すぐに合点がいった様に手を打った)
「そうか、これはあれか……
──こいつ、脳内に直接……ッ!?
って感じの異能とかそんなんだな?えっと確か……
コンビニのからあげ商品が食べたい時に発動するとかいう──」
(当たってるんだか外れてるんだか、そんな予想を口にする。
──ファ○チキ食べたい──
)
■塚鎖倉ましろ > 『ちげーよハゲ』
バッサリ。初対面(対面してすらいない)でいきなりハゲ呼ばわりである。
―――ファミチキは俺も食べたい
「あ、あはは……リチア、御挨拶」
それらのやりとりを聞いて困ったように笑う少年は、声の主にそう呼びかけ。
おう、と応じる野太い声と同時に、ぞる、という不快な音を伴って少年の背から生えるようにそれは現れた。
筋骨隆々な赤黒い肉体に鋭い牙と爪、山羊のそれのように大きく湾曲した角、蝙蝠か竜を思わせる大きな翼。
胴部分までを露出させ、そこから下部は少年の体の中に隠れるように繋がって。
しかし確認できるパーツだけでも、それの種族を特定するのはたやすいだろう。
『俺の名はリチア。見ての通り悪魔だ。そんでこいつが、』
「塚鎖倉(つかさぐら)ましろ、です。よろしく、ええっと……」
一人のヒトと一体の悪魔が、一つの影となってそこにいた。
■東雲七生 > 「はっ、ハゲっ!?
確かにさっきまでハゲるんじゃないかって悩んでたけどッ!」
(まだフサフサである。鮮やかな赤色の髪が夜風に揺れる。
そうして現れた異形の姿に、初めこそ驚いたもののここ数か月で培った適応力であっさり順応した。
騒ぎ立てる様な事もせず、にかっ、と笑みを浮かべる)
「リチアとましろ、か!
俺はナナミ、東雲七生っ!よろしくなー!」
(しっかし見るからに悪魔らしい悪魔が出て来たもんだな、とリチアを見上げ呟く。)
■塚鎖倉ましろ > 『クカカカカッ!悩み事か?このリチア様が聞いてやろうかァ?んン?』
けたたましく笑い声をあげた後、謎の尊大な態度でそれを聞き出そうとする悪魔。
呆れたようなましろの表情から察するに、この悪魔のそういう態度は今に始まったことではないらしい。
「ナナミさん、ですか。よ、よろしくお願いしますね…」
おずおずとお辞儀をするましろ。後に背負う悪魔とは正反対に、この少年は随分とおっかなびっくりというか、どこか臆病な印象を与えるだろうか。
「あ、あんまり驚かないんですね……リチア見たら、もっと怖がると思ってました」
『悪魔ってのは怖がらせてナンボだからな。ちょっと拍子抜けだぜ』
関心こそすれど恐怖からは程遠い様子の七生を見て、ましろは意外そうな声を出す。
■東雲七生 > 「えー? 悪魔が悩み相談?
それだったらまだダチにメールした方が良さそうだな。」
(にしし、と笑顔でそれを受け流す。
先の挨拶を返した時といい、やはりリチアの姿に対して怯える様な様子はない。
そして今度はましろへと笑顔のまま顔を向ける。)
「そりゃあまあ、ちょっとはびっくりしたけど。
この学校……つーかこの島か、色んな奴が居るしさ。
何つーか……もう悪魔くらいじゃビビってらんねーのさ!」
(怖がってやれなくてごめんな、とさほど申し訳なさそうに見えない笑みを二人へと向けている。)
■塚鎖倉ましろ > 『クククッ、言えてらァな。悪魔の甘言に惑わされないこった。』
軽く受け流されて、何故か上機嫌そうに悪魔は笑う。
否定しないところからするに、まともなアドバイスをするつもりはなかったようだ。
『悪魔ごときじゃあ揺るぎもしねえ、ってか!
面白えじゃねえの、一体どんな悪鬼羅刹が潜んでやがんだァ?この島にはよ!』
ひとりテンションをあげまくる悪魔。格上がいると知り血を滾らせる様は、野蛮な好戦的気性を隠す気が微塵もなく。
「………」
それに対してましろの方はといえばとんでもない所に来てしまったと言葉もない様子で。
「え、ええっと……ここって割とその、危ない所だったりするんですか?」
この学園のことを何も知らない彼は、そう問いかけるしかないのだった
■東雲七生 > 「あはは、気を付けるよ。」
(やっぱりというか何と言うか。
もう少しヒネた性格なのかと思えばこの悪魔、根は結構単純なのかもしれないと密かに思う。)
「まあまあ、そう怯えんなよっ
危ない所に近づかなきゃ、普通の……って言うには授業が色々あり過ぎるけどさ。」
(もうちょっと肩の力抜けよ、とましろへと微笑みかける。
見たところ編入して間もないのだろう、何だか春先の自分を思い出して自然と笑みが零れる七生だった。)
■塚鎖倉ましろ > 『まァ、悪魔に驚きすらしねぇ程色んな奴がいるんじゃ今更か?釈迦に説法もいい所だろうな』
七生の想像の通り、この悪魔の基本は粗暴なだけの直情型。
そしてヒトという別種の存在にこうして積極的に関わろうとする程度には物好きともいえようか。
「授業……実際ついていくのでいっぱいいっぱいなんですよね
ここにくるまで外の様子を全然知らなかった……というか、世間と隔絶されてたので……」
魔術の事や能力の事。それに異世界の事。今や世界で知れ渡っている事象でさえ、少年にとっては全てが真新しく。
それゆえ、授業で説明されることに現実感が感じられないと彼は言う。
『あの《真っ白い部屋》が俺らの全てだったからなァ』
しみじみと追憶を語る悪魔。
その言葉にましろは俯き、元から猫背気味な肩をさらに落とすと、
「今も似たようなものさ」と小さくつぶやいた。
■東雲七生 > 「流石に釈迦や仏は見なかったけど。
俺が知ってる限りだと創造神や破壊神も居るみてえよ。」
(この悪魔からすぐにでも脅威足り得る気配は窺えない。
だったらする事は一つ“いつも通り”に他の知り合いと同じ様に接するだけである。
もちろん、それはましろに対しても同様だ。)
「まー、最初のうちはな……ってそんな気楽な話じゃないのか。
なるほど、世間と隔絶ねえ……けどまあ、その割にはまだマシに見えっけど。
まあでも折角こうして出てきて色々知れるんだから、
腰が引けてちゃ損するだけだって! なっ?」
(どこか及び腰なましろに近づいて、その肩を軽く叩こうとする。
自分もこの島に、この学園に来て最初のうちは驚いたし戸惑ったものだ。
しかし日が経つにつれて戸惑いはいつの間にか好奇心にすり替わっていた。
目の前の少年も、そうあって欲しいと願いを笑みに込める。)
「『真っ白い部屋』?」
(隔離されてる間に居た場所のことだろうか。
リチアとましろを交互に見て、ふーむ、と何やら目論む。)
■塚鎖倉ましろ > 『創造神に破壊神、ねェ……流石にカミサマレベルまでいるとは思わなかったぜ。
どうなってんだこの島。というかまさか生徒じゃねえよなそいつら』
天使がいたら面倒だ、などと考えていたらまさかその上がいたとは。
「そ、そういうものでしょうか……」
七生からのスキンシップは不安に怯えてばかりのましろを安心させようという意図からか。唐突なそれに少し驚いた様子を見せながら。
それでも、七生の優しさは十分に伝わってきたらしく。はにかんだような笑みを浮かべ、伝わるかどうかわからないほど小さく感謝の言葉を述べるのだった。
『この島の研究区域さ。おめェもこの島の人間なら知ってるだろう?
こいつはそこで《作られた》人工異能者、ってワケだ』
「ちょっ、り、リチア!?」
語る悪魔は、窘めるように珍しく声を荒げる宿主を見降ろして鼻を鳴らすと続けるのだった。
『いいんだよノロマ。俺らを外に出したってこたァ、口外しても問題ない状況になったってことだろうが』
■東雲七生 > 「そのまさかだよ。
まあ破壊神の方は何だかんだで気の良い奴だからさ!」
(青い髪の女子だよ、見かけたら仲良くしてやって!
にこにこと、自分の事の様に笑いながらそう告げる)
「そういうもんだって!
俺だってまだまだ知らないことだらけだしな!」
(にーっ、と満面の笑みでましろの頭を撫で回そうとする。
自分より背丈の低い男子はそうそう会わないので何だか凄く優越感に浸れて若干オーバーな行動を取ってしまうのである)
「この島の研究区……で、『作られた』?
……ははぁん、なるほど。 人工異能者、か……。」
(きょとんとしていた顔が次第に真剣な表情へと変わっていく。
研究区には諸事情から知り合いも少なくない。
それに学校でも時折噂程度だが耳に入ることもある。
常世島の『闇』と称される部分。
人工的な異能の発現も、その内の一つに含まれていると七生は“知っている”)
■塚鎖倉ましろ > 『マジかよ……てか女子かよ……
ま、まあその辺とのコミュニケーションはましろに任せるわ』
悪魔の中での「神」のイメージがだんだん崩れていく。
しまいには普通に仲良くしてしまいそうな自分が怖い。そう思い一人密かに慄いているのだった。
「七生さんも、そうなんですか…?わ、わぷっ」
頭を撫でられ、小動物のように身を縮ませる。
慣れないことをされるとすぐに硬直してしまうのがましろという少年だ。
『異能を持たない人間に異能を付与する。
そんな絵空事みてえなテーマへのアプローチとして、連中は《悪魔を召喚し、母胎内で胎児に融合させる》つう手法を選んだってワケよ』
人道的か否かであれば、間違いなく後者であろう。
失敗すれば間違いなく母子の生命は損なわれ、成功しても研究のために命を弄んだという事実に変わりはない。
それでも研究者たちはそれを行った。何が彼らを突き動かしたのかは、悪魔には分からない。
■東雲七生 > 「おう、俺もそうだぜ。
まだまだ知らないことだらけだし、勉強はワケわかんねーし!
だからさ、もうちょっと気楽にな!」
(乱れた髪を直してやってから、そっと手を離す
ましろを微笑ましく思っているが、知り合いの多数から七生自身も同じように見られていることは本人は知らない)
「なるほど……それは……
ホント研究者ってのは……何でもやるな。」
(険しい表情で虚空を見つめる。
何かしら思うところがあるのだろうか。眇められた目はどこを見ているのだろう。)
■塚鎖倉ましろ > 「あ、あはは……気楽に、ですね。分かりました」
勉強を訳わからない、と豪語する潔さ。自分に足りないのはそういった部分なのかもな、と思いながら。
それでもスキンシップの効果は覿面で、先ほどまでとは打って変わってぎこちないながら明るい笑顔をのぞかせていた。
『ともかく、研究は成功。母親からは悪魔と異能を宿した子が産み落とされた。薬漬けにする副作用を残して、だけどな。
そしてその子供が11歳の誕生日を迎えた日に、急に学園への転入を命じられた、って話だ』
両腕を大きく掲げ、仰々しい舞台役者のように話を締めくくる紅蓮の悪魔。
饒舌なる悪魔が言葉を紡ぐ間、ましろは無言を貫き通していて。
そんなましろだからこそ、七生の異変に気付いたのかもしれない。
「ナナミ…さん?どうかしたんですか?」
悪魔が研究区の話をしだしてから、どこか考え込むようなしぐさをするような七生を心配するような声色でその名を呼ぶのだった。