2015/09/11 のログ
■雪城 氷架 > 「………」
じぃ、と零の様子を見る
この兄妹の絆は強い
きっと自分が家族に思う想いと同等かそれ以上のものがある
だからこそ、違和感がずっと拭えなかった
「風紀委員として活動してればさ、当然大なり小なり、戦うんだろうな。
それで芙蓉はそのグエンってのと戦って負けて、怪我したって聞いた。
……でも私は芙蓉がそれぐらいで心に傷をおうようなやわなヤツじゃないと思うんだけどな」
そこで一度口をつぐむ
目の前の零の様子も、やはり違和感を覚えるのだ
しばらくして、再び口を開く
「風紀のしごとの上じゃ、怪我なんて普通覚悟の上のはずだよ。
もちろん痛い目にあうのは嫌だろうけど…それなら零ならそもそも芙蓉が風紀委員を続けるのを絶対やめさせるだろ?
……なぁ、零。お前何か隠してないか?芙蓉のこと、言えない何かがあるんじゃないのか?」
■霜月 零 > 「……」
少し瞑目して考える。
話していいものか……だが、氷架は知っているべきだし、その上でのケアが必要なのかもしれない。
しかし、非常にデリケートなことで……と逡巡する。
しばし考えた後……隠していたことを、口にすることにした。
「……あいつはな。
芙蓉は、最初虞淵に負けた時……犯された。凌辱されたんだ、まだ、経験なんてなかったってのに……!」
ぎり、と歯噛みする。怒りと屈辱のあまり殺気が漏れる。
女性が最も大事とする純潔を奪われ、心の傷も癒えていない。
あまりに残酷な事実を、抑えきれぬ感情と共に口にした。
■雪城 氷架 > 零の口から出た言葉に全身が総毛立つような感覚を覚える
そうだ、疑いを持ち始めた時から、何か相当のことがあったのだろうとは思っていた
だからこそ、冷静でいれる
「……落第街で活動することもある風紀委員だ。
死ななかっただけマシだったんだろうなと思うよ…客観的にはさ」
そう、あくまで客観的には
ぎゅ、とその小さな手を握りしめ、震えているのが見てとれるだろう
「ようやく理解できた。
生きてるだけで辛くなるような傷がつけられたっていうなら、
零が絶対に許せないって思うのも当然だもんな」
■霜月 零 > 「生きてるだけマシ、ってのは事実だと俺も思うさ。
そして……それを押し退けるほどの怒りと殺意が、湧くのもわかってくれるだろ」
目は憎悪に見開かれ、手は震えている。
本当に……この学園での出会いがなければ、そのまま悪鬼羅刹へと堕ちていただろう。
今能動的に復讐を考えないでいられるのは、妹の懇願と、恋人の存在のおかげである。
もっと身軽な状態だったなら……それこそ、応報羅刹と化し襲い掛かっていただろうし、そもそもあの時、相討ち覚悟で切りかかっていただろう。
絶対に許せない。その言葉だけでは表現しきれない憎悪が、霜月零の中で渦巻いてた。
■雪城 氷架 > 大切な家族のこと
同じく家族の中で生きている自分にはわかる
…自分たちに心配させまいと笑顔でいた芙蓉の顔が脳裏に浮かぶ
今はその笑顔が痛ましく感じてしまうが
「…死を以って償わせようと思ってるのか?」
しばしの沈黙の後に、小さな声でそう切り出した
■霜月 零 > 「……その思いは、ある」
小さな声で、ぽつりと口にする。
「死ですらヌルい、とすら思う。芙蓉の受けた痛みは、本当に一生付き合わなきゃならねぇもんだ。なのにあいつがのうのうと生きてるなんて、おかしいだろ……!」
そのつもりで斬りかかった。
己の術の全てを使って、報いを受けさせるつもりで。
……結局実力不足で、それは成らなかったわけだが。
■雪城 氷架 > 「零って一般学生だよな。
実習区以外で戦闘技能に属する異能を使うのは禁止、
第一、誰かを斬り殺したりしたら殺人罪だってわかってるのか?」
胸の前で腕を組み、壁に背を預けて零の顔をまっすぐにジッと見る
■霜月 零 > 「ぐ……」
うう、と困った表情に。当然わかっている。そもそも、憎しみに身を任せて剣を抜くというだけで下の下だ。論外ともいえる。
様々な意味で、復習と言うのは許されない行為なのだ。
「わかっちゃいる、が……」
目を逸らす。真っ直ぐにこちらを見る目を、見ていられない。
■雪城 氷架 > 「…そのグエンってのを斬って捨てたとして、零はもうその後、まっすぐ私の目を見れないんじゃないのか?」
交差した視線から目を逸らした、零を責めるような言葉を投げかける
零の気持ちがわからないわけではない
けれど、妹が大事な余りに先のことが頭から抜け落ちているような、
そんな危うさを今の零から感じるのも事実だ
「…一度人間を殺したら、もうそれまでと同じじゃいられないんだ。
それはもう、多分…私が好きになった霜月零じゃなくなってるよ」
■霜月 零 > 「う……」
俯く。
悪い癖なのだろう……どうにも、自分が大事に思っているものが傷つけられると、視野が狭まってしまう。
復讐なんてものは、得るものよりも、失うものの方が多いというのに。
「それは困る、な……」
例えば、雪城氷架に愛された霜月零ではなくなってしまう事。
それは、零にとっては耐えがたい喪失だ。
■雪城 氷架 > 「って言ってもどうせそのグエンってのとまた会ったら復讐心メラメラで斬りかかっちゃうんだろ。
ていうかホントは公安とか風紀じゃないと抜身の刀持ち歩いちゃいけないんだぞ」
と、そこで刀に言及して気づく
「…なんか、刀減った?」
前は小太刀とかも持っていたような気がしたが
■霜月 零 > ぐさ、ぐさ、と言葉が刺さる。痛い所を全力で突かれてしまった。
刀が減った、と言うのもまた、痛い所である。
「俺にとっては、体の一部みたいなもんでな……まあ、それも今は小太刀一本だけなんだが」
今、零の腰には小太刀一本しかない。普段は太刀一本、小太刀二本の三本持ちである。
「虞淵とやった時、太刀と小太刀、一本ずつダメになっちまってな……使えるのがこいつしかねぇんだ」
ちょっと落ち込んだ風に。
実際、武器をダメにされるなど未熟の極み。この点において、復讐関係なく、零は純粋に落ち込んでいた。
■雪城 氷架 > 「ちゃんと届けとか出して持ち歩いてるならいいけどさ…。
私が初めてカフェテラスで見かけた時ですら何だコイツと思ったぞ」
なかなか、公安や風紀の服装以外で帯刀してるやつはいない
「ダメになったって……何だよ、そんなに体のカタいやつなのか?」
氷架はグエンのことなど何もしらない
悪い異能者なんだろうぐらいにしか思っていないのだった
「ていうか刀がダメになったんじゃ、どのみち何もできないじゃん」
■霜月 零 > 「一応届けは出してるからな……?」
初対面の印象を言われ少し落ち込む。そうか、そんな風に思われていたのか……。
「あいつは体が硬い、とかいう次元じゃねぇ。俺の知る限り、身体能力だけで言えば間違いなく最強……下手な鬼なら、身体能力だけで圧倒しかねないレベルだ。
それに加え、心意六合……中国拳法まで使いやがる」
苦虫を噛み潰した表情で口にするが、最後の言葉には露骨にしょんぼりする。
「まあ、確かに刀がないんじゃ戦力駄々下がりなんだけどな……お前、俺が刀なしじゃ何もできないやつみたいに思ってないか……?」
だとしたら、ちょっと悲しい。
■雪城 氷架 > 「零が自分で戦ってそこまで感じるヤツ相手にまだ一人で挑もうとか思ってたら救いようがない馬鹿なんだけど・
公安か風紀か、どっちかに入って征伐するんじゃダメなのかよ、そっちのが安全だし。大手も触れるぞ。
……公安はまぁ、私は信用してないけど」
過去の、西園寺偲の事件もあり、公安に良い印象は欠片もない
「や、だって刀持って勝てなかった相手に刀なしで勝てるわけないじゃん」
■霜月 零 > 「だけど、これはあくまで私情だからな……」
そう、あくまで私情。なので、風紀公安を巻き込むのは、何か違う気がするのだ。
まあ、単純に零個人が、風紀や公安のような組織に所属するのに、居心地の悪さを感じてしまうのもあるが。
「そうなんだけどな、そうなんだけどな……」
こういうところは率直な女性である。刀なしでは勝てない、と言うのは何一つ間違っていないのだが……ちょっとしょんぼりしてしまうのは情けないだろうか。
■雪城 氷架 > 「わかったもういいよ。
零は仇討ちでグエンを殺して殺人者になるか、
逆に返り討ちにされて死ぬかだよ、よくわかった」
腕を組んだままにそう言い切ってしまう
頑固なのはきっとお互い様なのだが
…そういえば、付き合うきっかけも頑固なやりとりだった気がするな、と想い出す
「零の友達に刀使うヤツとかいないのか?
いるならソイツに聞いてみればいいじゃん、刀匠のツテとかあるかもしれないし」
……もういい、と言いつつもそんな助言をしてしまう辺りは、そういうことなのだろう
零の気持ちがわからないわけではないのだ
自分だって、芙蓉の真実を知って正直許せない気持ちで一杯だ
でもここでそれを吐き出したところで、零の黒い感情を後押しするだけである
■霜月 零 > 「…………」
押し黙ってしまう。まるで見放されたかのような、そんな錯覚に陥る。
そういうわけではないのだろう。わざわざ助言までしてくれているし、あえて突き放すようなことを言っているのかもしれない。
だが、それでも……その言葉の響きは、胸に突き刺さるものがあった。
「刀は、買い替えか修理か、迷ってる」
それだけ、ぽつ、と口にする。
■雪城 氷架 > 「…私は刀のことはさっぱりだからな…。
ていうか、零の実家にあくらもありそうなもんだけどな、刀」
壁に預けていた背中を離し、組んでいた腕を解く
「それと」
かつかつ、と相変わらず目を合わせないであろう零の正面に歩いて行き、見上げる
近い
「芙蓉のコト聞いて私もソイツのこと一発殴らないと気が済まなくなったから、半殺しで済ませろよな」
■霜月 零 > 「数打を適当に使えばいい、ってもんじゃねぇからな……色々しっかり見定める必要があるんだよ」
刀と言うのは、適当に選んでそれで、と言うわけにはいかない。
自分の体格や術理に合ったものを選び、それをまた自分自身に慣らしていく必要がある。だからこそ、慎重になるのだ。
そんなことを考えていると、かつかつと近寄ってきて、見上げてきた。
あまりの近さに思わず顔を直視してしまい……その後に出てきた言葉でぎょっとした。
「お、お前何言ってんだ、え、え……?」
てっきり、復讐なんてやめろと言われるかな、と思っていたのだが。
思わず目をじっと見つめて間抜けに問いかけてしまう。
■雪城 氷架 > 「要するに殺さなきゃいいんだ。半殺しで我慢しろ。
傷害罪とか決闘罪とか仇討ち禁止とかまぁ色々あるだろうけど、
それぐらいなら私も共犯になってやるって言ってるんだよ」
まっすぐに見上げてくるその目は本気である
「第一、友達がそんな目にあってて私だって頭に来てないわけじゃないんだ。
丁度いいだろ、零一人じゃどのみち余る相手なんだろうし、
公安にも風紀にも頼りたくないって言うならもうそれしかないな」
■霜月 零 > 「え、あ、えっと……」
唐突な言葉に少し混乱するが……要約すると、結局彼女はこう言ってくれているのだ。
『やるんなら一蓮托生、何もかも一緒に背負ってやる』と。
「い、いい、のか、そんなこと言って……そりゃ、嬉しいっちゃ嬉しいけど、軽い事じゃないんだぞ……?」
半殺しと言うのも簡単じゃない、と言うのもあるが、相手はあの虞淵である。
それこそ、向き合った瞬間、身体能力で劣る氷架が襲われ、犯される可能性だってあるのだ。
危険すぎる。そう思って止めようとする。
■雪城 氷架 > 「いいわけないだろ。
零が言っても聞かないのわかってるから妥協案だよ」
わかれよ、とその胸をドン、と小突く
「私は零に殺人なんてしてほしくないし、でも零の気持ちもわかる。
完膚なきまでに打ちのめして、ソイツに土下座でもさせれば気も晴れるだろ。
私だって芙蓉の友達なんだ、許せない思いはあるよ。
だから付き合うって言ってるんだ、わかるか?」
■霜月 零 > 「……氷架ってさ、俺より男らしくないか?」
苦笑交じりにそんな言葉を口にする。褒め言葉になってないが、褒め言葉である。
「……ありがとう。何つーか、あれだ……お前に惚れて正解だった」
はにかんで、こっぱずかしい事を口にする。
心強い。
そんな気持ちが胸に溢れてしまう。
情けない事だが、どうやらこの女性がいるだけで、随分と霜月零は気分が高揚するようだ。
この気風の良さは、うだうだと悩みがちな自分の心を、一発で真っ直ぐにしてくれる気すらする。
……それは、霜月零が結構情けない系男子であるという事でもあるのだが。
■雪城 氷架 > 「む…男らしくて悪かったな」
先程よりも強めにドスンと胸を小突いてやる
怪我は治ってるらしいから問題あるまい
「ふーん、さぁどうかな?
こんな貧相なない女より胸のでっかい狐女のと腕組んで歩いたほうが良いんじゃない?」
小悪魔のような笑みを浮かべて見上げている氷架である
■霜月 零 > 「はは、褒めてんだよ」
ドスン、と小突かれるとやっぱり痛いのだが、なんだか親愛の証と言った感じで、どこか心地よい。
決してMと言うわけではない。精神的なものである。
「お前、もしや見てたのか……?馬鹿、あれはだな、やたらいい笑顔でしがみついてくるから振り払えなかっただけだっつの。
腕組んでくれるなら、氷架がいいさ」
少しむすっとした表情で口にする。
誤解されてしまうのは仕方ないかもしれないが、あの時自分は盛大に困った顔をしていたはずだ。察してくれてもいいではないか。
■雪城 氷架 > 「ふーん、へー。
じゃあ零はおっきいおっぱいより小さいおっぱいのほうがいいんだな?」
んー?というような顔で口の端しに笑みを浮かべて見上げてくる
なんだろう、少し気を良くしているのだろうか
■霜月 零 > 「んー、なんていうんだろうな?」
少し考え込む。大きいのも、まあ男子として魅力を感じないわけではない。
が、そもそも胸のサイズなんていうのはそこまで重要な要素ではなく、強いて言うならば……
「大きい小さいじゃなくて、氷架のがいいな」
惚れた相手のそれであれば、サイズとかどうでもいいのだ。
要はその個人、その相手に愛情を抱いているか、である。
■雪城 氷架 > 「ふーん……」
じー、と見上げる
その僅かな笑みが、じきににやにやとした笑みに変わる
「じゃあ信用してやろう」
そしてにっこりとした笑み
笑顔の三段変化である
■霜月 零 > 「おう、信用してくれ」
にか、と笑う。
なんだかいつもの調子に戻ったようだ……もしかして、腕を組んでいた所をみて、思うところがあったのだろうか。
そうだとすれば……
「……いかん、ちと嬉しいなこりゃ」
嫉妬だとか、自分の体形を気にするとか。
する必要のない事ではあるが、それをしてくれるのは本心からすいてくれているという事であろう。
それが純粋に嬉しかった。
■雪城 氷架 > 「嬉しいって、何がだよ」
首を傾げる
信用されたことだろうか
そんなことは、嘘をついていない限りは普通に喜ぶようなことではないと思うのだが
よくわからないといった表情になる氷架
■霜月 零 > 「いや、なんつーかだな……嫉妬したのか、体系気にしたのかわかんねぇけど、そういうの気にするってことはほら、やっぱ好いてくれてるんだなって思ってさ」
少し目を逸らして頬を掻きながら口にする。
なんだろう、ちょっと恥ずかしいぞこれ。
■雪城 氷架 > 「……」
はっとしたような顔になる氷架
「べっ、別に嫉妬なんかしてないし!」
途端に頬を赤くして語気を強めた、そして
「第一、零に浮気なんかする甲斐性はないだろうしな」
それはちょっとだけ負け惜しみのような変な感じの言葉でした
■霜月 零 > 「はは、そりゃ浮気なんてしねーさ」
笑いながら、頭をくしゃくしゃと撫でてやる。そういえば、撫でるのも結構久しぶりかもしれない。
「俺が惚れてんのは氷架一人だ、そりゃかわんねーよ」
そんな恥ずかしい事を、平然と口にした。
■雪城 氷架 > 「む…」
頭を撫でられて嫌な気がしない
思えばこれも、付き合い始めて
遡ればそれより前から、不思議と続く行為だ
なぜか落ち着く
これで撫でつける相手が来島の兄貴だったりしたら子供扱いするなと怒るところなのだが
「…それじゃ、無碍にするなよな。
復讐にかられて人間斬り殺すなんて零らしくない。
男なら一発おもいっきりぶん殴ってそれでチャラ、ってなもんだろ。
芙蓉のことは、周りの皆で支えてやればいいんだ。その時に零の手が血塗れじゃ芙蓉をこうやって撫でてもやれないぞ」
■霜月 零 > 「……そう、だな」
虞淵を殺す。
それが成ったとして、それでその後どうするのか。
その後で、霜月零は霜月芙蓉の兄を、雪城氷架の恋人を張っていられるのか。
その時よりもその後の方が当然長いのだ、そっちの方を大事にすべきだろう。
「ま、土下座させるくらいにしといてやるか」
小さく笑って、吹っ切ったように口にした。
■雪城 氷架 > 「そうだよ、それでいいんだ。
そのグエンってのに家や友達がいるか知らないけど、仇討ちは憎しみの連鎖になるしな。
ゲームじゃよくあるパターンだぞ」
少し茶化すように笑って、壁を背に時計台の踊り場へ座り込む
すっかり日も暮れて、星もよく見えるようだ
■霜月 零 > 「はは、ゲーム脳って言われちまうぞ?」
なんていいながら、隣に座る。星がきれいだ。
だが、それ以上に……
「なあ、氷架」
隣にいる恋人に、声をかける。
■雪城 氷架 > 「ん?」
月に照らされた長い銀髪は何処か神秘的な輝きを秘めている
海のように深い蒼の瞳が、隣に座る零のほうへ向いて、その視線が交わる
■霜月 零 > 「えっとだな……」
少し言葉に詰まる。
月に照らされた銀髪と、海のように深い蒼の瞳に吸い込まれそうになり、本当に吸い込まれてしまう前にどうにか言葉を紡ぐ。
「キスして、いいか?」
■雪城 氷架 > 「ははっ、なんだよそれ」
相変わらず律儀というか
こういうところが本当に変わらない
いつまでも、付き合い始めたばかりのようだ
こんなことを言い合っているうちは、倦怠期なんてものとは縁がなさそうだな
そんなことを考える
「答え、いるの?」
月に照らされた二人の影が、時計台の踊り場で重なる───
■霜月 零 > 「愚問だったな」
笑って、顔を近づける。それこそ吸い込まれるようにして……影を重ねた。
ご案内:「大時計塔」から雪城 氷架さんが去りました。
ご案内:「大時計塔」から霜月 零さんが去りました。
ご案内:「大時計塔」に牧瀬 莉那さんが現れました。
■牧瀬 莉那 > 視線をきょろきょろと泳がせて周囲をうかがいながら
忍び足でゆっくり階段を上がっていく。
ちょうど見晴らしのいい広間に出る手前、
ひょこっと顔だけ出してジーっと状態を確認する
「こちらまきせ、誰もいない」
誰とも通信なんてしてない、が、
独り言でニヤつきながら言葉にする。
夜の時計塔、あまり学生の侵入は好ましくない場所で
悪戯をしている気分のなのかちょっと雰囲気だして楽しんでるところ。
誰もいないことを確認すれば外を一望できる手すりまで走って行き
ガシっ!っとその手すりをつかんで外の景色を視界に映す。
「おぉー・・・!きれー!」
さっきまでの静けさはなんだったのかというほど声を上げて感動する。
夜この場所に入ったことなかったし初めてだったらしい。
「いやぁ~・・・、噂には聞いてたけど、こんなに凄いとはおもわなかったなぁ~。」
はふ・・・、と吐息を零して手すりに思い切りもたれてぼんやり景色を見つめる。
時刻はちょうど10時に差し掛かるところ、
ちょっぴり悪いことしてるみたいでドキドキしたりしてる自分がいた。
■牧瀬 莉那 > チク、タク、と時計の針の音と緩やかな風の抜ける音、
それ以外はほとんどなにも聞こえないこの空間、
瞳に映る景色に少しだけ酔いしれてみる。
「・・・」
珍しく無言で落ち着きのある微笑み、
目を細めてこの世界に没頭している。
こうしているとなんだか落ち着くし気持ちがいい。
「・・・やるじゃん、ココ。」
なんて一言感想零しながら、
ずっと景色をみてる。
何か考えてるわけではないのだけれど
まるで心うばわれているといった様子。
ぼんやりと視線を外に向ける時間が続いた
■牧瀬 莉那 > .0
ご案内:「大時計塔」に迦具楽さんが現れました。
ご案内:「大時計塔」から迦具楽さんが去りました。
■牧瀬 莉那 > z
ご案内:「大時計塔」にリヒットさんが現れました。
■リヒット > 「よいしょ………うんしょ………」
甲高い喘ぎ声は、甲高い風鳴り音に飲まれて、周囲に聞こえることはないでしょう。
大時計塔、午後4時。あまり人目につかない北側の壁に、青髪・スモック姿の児童がへばりついていました。
……壁をよじ登っているのでしょうか?
近いですが、正解ではありません。リヒットは空中浮遊ができますから。
とはいえ、彼の軽い身体は風に煽られやすく、生身で浮遊するととたんに風にさらわれてしまいます。
そのため、壁に身を寄せ、ときにはひび割れや梁にしがみつき、風に耐えながら上を目指しているというわけです。
あと数メートルで頂上にたどり着きそうですよ?
「ぷー……ぷー……」
……なんで、風に飛ばされるリスクを負ってまで時計塔を登ろうとしているのかって?
それはホラ、何とかと煙は高いところを目指すと……。