2015/09/22 のログ
ご案内:「大時計塔」に東雲七生さんが現れました。
東雲七生 > ──昼下がりの大時計塔

「よっ、ほっ、と。」

その屋上へと至る階段を、3段飛ばしで駆け上がるのは昼前に退院したばかりの東雲七生だった。
ファミレスでの大立ち回りから丸2日。輸血後の検査結果も良好と診断されてようやく晴れて自由の身である。

「いやー、入院生活って、ホンット退屈だったぁー!」

手も、足も、思っていた以上によく動く。
退院した足でそのまま異邦人街の居候先に帰ろうかとも思ったが、少し気になる事があって時計塔へとやって来たのだった。

東雲七生 > 「ここからなら……と、見えた見えた。」

目の上に手を翳し、日よけにしながら眺めるのは学生通り。
一昨日の戦闘場所となったファミレスである。
あの店がその後どうなったのか、入院していた七生には一切情報が無かったので自分の目で確認しようと思ったのだ。

「んぁ、もう営業再開してる。
 早いなー、こっちは丸々2日掛かったってのにさ。」

等と少しばかり口を尖らせたものの、すぐに安堵の笑みを浮かべて。
懸念していた事も解決したけれど、今日はもうちょいのんびりして行こうかと大きく背伸びをした。

ご案内:「大時計塔」から東雲七生さんが去りました。
ご案内:「大時計塔」に東雲七生さんが現れました。
東雲七生 > ──足を滑らせて危うく転落するところだった。

「っとぁ、あっぶねあっぶね。
 また病院に逆戻りしたら、今度は流石に怒られるよなあ。」

たたらを踏んで何とか転落を免れるも。
その脳裏には入院中最初に見舞いに来てくれた少女の顔が思い浮かんで。
そういえば、退院したことを報告してなかったな。
とクリーニングされてファミレスに入店した時より綺麗になった上着から携帯端末を取り出した。

東雲七生 > 慣れた手つきで端末を操作し、メールを送る。
退院した旨と、日が暮れる頃には帰る旨を簡潔に。
これだけしておけば余計な心配を掛ける事もないだろう。

「深雪のことだから、帰るのが遅いと病院に文句言いに行きそうだし……」

今日退院すること自体は通達済みだったが、正確な時間は伝えていなかった。
まあ、今日中に帰れば怒られる心配も無いだろう。

東雲七生 > 「さて、何しようかな。」

よっこいせ、と掛け声とともにその場に腰を下ろす。
少し高い所である所為か、吹き抜けていく風が幾分か冷たく感じられる。
それが階段を上って来たばかりの身体にとても心地良い。

「ん~、何もしなくて良いかぁ。」

病院で散々何もしない事はしてきたけれど。
やっぱり屋内と屋外とじゃ気持ちが全然違うのだ。

ご案内:「大時計塔」にコンスウェイラさんが現れました。
コンスウェイラ > 少年が風を感じていると、その背後からもそよ風が流れる。
それと共に何かが地面に着く音が"一回だけ"響いた。

「ギャッ、なんか居る!?」

背後も背後、一歩程度の距離にその女は居た。
歩いてやってきた気配はなかった。本当にいきなり現れたかのようにそこに居た。

東雲七生 > 秋空を眺めながらふと、病院での担当医とのやりとりを思い出す。

小柄な、未発育とも呼べそうな七生の体格に不釣り合いなほどの量の輸血。
それを終始不思議そうにしていた医師の言葉が頭から離れない。
         ・・・
「……本来必要な量プラス成人男性1人分か。」

それだけの血液が、今、七生の身体の中に有る、らしい。
しかし別段以前と比べ体が重くなったようには感じない事をはじめとして、何も変わったところを感じない。

だとしたら、余分と思われる血液はどこに──

「ふへ!?」

突然の声に思考はそこで中断、反射的に背後を振り返る。
すると必然、座った状態の為に、背後に現れた女を見上げる形となって。

コンスウェイラ > 現れて早々驚いた仕草と言葉を投げかけたが、気を持ち直したようで座っていた少年の顔を見た。

「……あ、あなたはこの前の…そうジャリンコボーイ。
 なんでこんなトコいんのよ?立ち入り禁止の文字が見えなかったのかしらん?」

さり気無く自分の事は棚上げしつつ問うた。

東雲七生 > 「ジャリンコボーイじゃなくて東雲っていう名前がちゃんとあるんだけど。」

むす、と前回あった時去り際に言った筈で居たのだが。
やっぱり聞こえてなかったか、と内心肩を竦める。

「一応知ってるけど、立ち入り禁止。
 てかこの距離で話してる時点でもうお互い様じゃん。」

何言ってんのさ、と少しだけ顔を顰めて再び前を向いた。
包帯の巻かれた首を押さえる。まだちょっと……というかだいぶ痛い。