2016/06/16 のログ
四季夢子 > 顔を精一杯顰めてこれ以上は無いって程に渋面を象ったのに、
次には息をのんで、世界に姿が希釈されるように溶けて離れてまた現すことになってしまう。
顔色は、多分夕陽のようになっているかも。だって暖かいわ。

「わ、わかっている事を解ってたまるかっ!?
まったく、危うく思考停止に陥りかかるじゃないの……あと"先輩"とかつけなくていいってば。
……それと……なに、貴方その……そういう趣味なの?」

気障かと思えば雲みたいやら猫みたいやら。何やら捉え所の無い相手に狼狽こそすれ
逃げる事も無く言葉を投げるのは興味があるからに他ならない。

口ぶりからして、そう剣呑な異能を持っている訳でもなさそうだーなんて
勝手に判断している所為もあるけれど。

霧依 > 一瞬風景に溶けて消えて、その後表れる彼女の頬を、もう一度ぽんと触れて。

「可愛い、美しいものを愛でるのに性別は関係が無いだけさ。
 まあ、そういう趣味って言われても否定はしないかな。
 でも大丈夫、ちゃあんと節度は弁えているつもりだし、怖がることはないと思うよ。」

狼狽える姿をじっと見つめたままに、ひゅるりと風が少し強く吹く。

「じゃあ、夢子さんでいいのかな。
 ………見たところ、僕と同じ形なのかな。
 ほかの世界の人というわけでも無さそうだね。」

会話を始めてから二度消えて、二度現れた。
瞬間移動というわけでも無さそうだし、と当たりをつけて。

四季夢子 > 「あ……ええ、と、御免なさい。私ったら初対面の人につい……。
そうよねえ、無差別とかそんな風に思うだなんてどうかして……ん?」

あれ?なんか今褒められた?と泳ぐ視線がキリエさんに向いた所で頬にひんやりとした感覚を覚える。
それは少し浅黒い彼女の手で、色からすれば暖かそうなのになって、どうでもいい思考が浮かんで風に流れていった。

「別にいいわ?……って何よ同じ形って。私は正真正銘この世界の住人よ。
100%混じりっ気無しの人間。……ま、この島に居るんだし?ご多聞に洩れず異能力者だけどね。
私の場合は息を止めている間は透明になる……って奴。精々誰かを驚かしたり幽霊の真似が出来るくらいかな。
あとは~……監視カメラがある所でも映らないから悠々と入れる?やったことないけどね。」

風に流されかかる髪とスカートを抑えながらも、己を抑える事はせず詳らかにするのは多少の罪悪感もあってのことかも。

霧依 > 「無差別じゃあないさ。 君だから言ってる。」

そんな言葉をさらりと投げながら、そのまま手が伸びて髪を撫でる。
良い子良い子と撫でるようにしながら。

「………ああいや、ここの人はいろいろな人がいるからね。
 外にも増えてはいるけれど、それとは比にならぬほどにたくさん。
 だから、好奇心は擽られるのだけれどもね。

 なるほど、だからさっきは透明になったわけか。
 意識しなくても透明になってしまうのなら、確かに少し困ってしまうかもしれない。
 ……服も透明にできるんだね?

 誰かを驚かすのは、僕も得意かもしれない。
 驚かせてもいいかい。」

相手の言葉を理解しながら、自分のことも明らかにする意思を見せる。
ただし、宣戦布告つきだ。

四季夢子 > 「……い、言っておくけど褒めてもなんにも出ないから。」

幼子をあやすように、意図とて知れる手付きで頭を撫でられたら、
そりゃあ幼子じゃあない私は不満に思うのだからその手を緩やかに払いもする。

「そうねー色んな人がいるのよねー……獣人っていうの?けものの人もいるし、
目玉に手が一杯生えて動いてるぎょっとするようなのもいるし…全身が鱗で覆われてるようなのもいるし…
好奇心は解るけど、ちょっと怖いは怖いし、私は安全な所で観ているくらいが丁度いいわ。」

手摺に肘をつくようにしてため息を吐くと、その色々を内包する町並みが良く観得た。
視界をずらせば、昼にして尚明るいのが判る歓楽街が目立って視得て、その周囲の異邦人街や落第街もまた然り。
後者は兎も角とし、前者はその内赴いてみようと思ってはいたりするのだけど。

「ん?そうね、意識をしようとしまいと透明になっちゃう。服も…というか私に触れているものは透明になる感じね。
私より大きかったり、重かったりする物はダメだけど例えばサッカーボールとかなら一緒に透明になるし……

って何よ急に……痛いのとか怖いのはやめてよ?……いや本当に、そういうのはやめてよ?」

一歩、後ずさる。だって相手の言葉が剣を呑ませるように感じたんだもの。
私は驚かすのは好きだけど驚かされるのはあんまり好きじゃなくって、だから身を竦ませるようにして相手を見遣った。

霧依 > 「そうかい?
 人は退屈を嫌うんだ。 同じ表情でずっといられるよりも、いろいろな表情を見たくなる。
 褒めることでそれを見る事ができたのだから、ちゃあんと、出てる。」

払われればそのまま手を引いて、そんなことを口にしながら。

「確かに。
 でも僕は、安全なところで見ているだけでは、ちょっと物足りないから、こんな場所に登ってる。

 僕はちょっと変わっているとはよく言われるのだけれどもね。」


「………ああ、なるほど。 僕も一緒に透明になったりするのかな。
 それとも、僕だけは残って、夢子さんだけ消えてしまうのか。

 大丈夫、ちょっとだけ肩に触れるだけだから。
 目を開いていてもいいし、逃げてもいい。」

そっと手を伸ばして指でちょん、とつつけば、素肌の肩をするりとなでられる感触。
そのまま、す、っと手を引いて。

四季夢子 > 「……んー、生物の場合は一緒に透明になるわ。その生物に付随する物も一緒にね。
ただ生物を介してまた別の生物……というのは透明にならないみたい。」

退屈を厭うのは尤もであるのだから、キリエさんの言葉もまた添うものだ。
そもそもが時計塔に登り合わせた同士なのだから推して知るべしなのだけど、
例えるなら勇気の総量とも言うのか、私の精一杯は相手の余裕、みたいな感じなのかも。

よし、一応の納得はした。
だから肩に触れるだけと言う言葉は信じて逃げずにむしろ押し付けにいってやろうっと。

「ぅうわっ……。」

でもそれはそれ、これはこれ。
奇怪な感触に変な声は出るし、風が吹いてるのもあって足元だって蹌踉としてしまった。

「えーっと……すり抜けた……のよね。へえー……便利……便利なのかな……あ、スリとか出来るわね。」

それを誤魔化そうとして手をぽんと打ち合わせて明朗快活を示す。

霧依 > 「好みの相手の肌を直接触れられる能力さ。
 それに、スリをしようとしたって、財布もすり抜けてしまうと思うよ。
 僕の能力は、本当にただ直接肌に触れるくらいにしか使い道は無いからね。」

相手が驚いて変な声をあげるのを見れば、ふふ、と小さく笑って。
でも流石に、最初の段階で撫で回したりはしない。
そりゃそうだ、だって淑女だからね。

「なるほど、ね。
 ということは、キスをした時に貴女だけが消えてしまうということは無いわけか。
 そいつは良かった。 それだけがずっと気になっていたから。」

からり、と笑いながら微笑みかける。
その言葉がさも当然であるかのような響きを残しながらも、迫り来るような気配も全く無い。

四季夢子 > 「つまり……生物を直接触れる能力?ふぅん……私が言うのもなんだけど、奇妙な部類ね。
ほら、もっと派手な感じの、炎とか氷とかぶわーって出す人もいるから。」

微笑むキリエさんに対し私の顔は訝しげな、或いは困惑するような感じ。
否定的かと言われたらそれこそそれを否定するような、何処か仲間を視るようなものでもあったかも。

「そうそう消える事は無い訳──って何言ってるのよ何を!あと気にしてるのよ!?」

訂正、100人が見たら110人くらいが「不審人物を見る顔」と評するくらいの視線を向けてやった。
序にスカートが翻るのもお構い無しに地団駄もふんでやろうと思ったからそうしてやって、
それから大きく大きく息を吐く。

「はー……貴方ってつくづく変な人ね。でもまあ……面白いからいっか。
おおかたこの島に来て日が浅いって事はさ、まだ友達とかも居ないんでしょ?
だから私がなってあげるわ。そうすればほら、立ち入り禁止の場所に来た甲斐もひとしおってもんじゃない?」

不審だけれど悪い人ではなさそうで
不審であるから好奇心だって猫が忙殺されるよう。
だからまあ、私は負けじと微笑みかけて、芝居がかったように首を傾いでみせるのだ。

霧依 > 「そんな能力を持っても、ちょっと大変なだけだよ。
 僕にはこの力が確かに一番僕らしいとは思っているけれど。
 コントロールできないと、ほら、怖いじゃないか。
 地球の真ん中まで落ちてしまうのはさ。」

苦笑しながら、肩を竦める。 怖いと思っている素振りは無いけれどもそんなことを言って。

「何って、そりゃまあ、言葉通りのことだけれど?
 後は、消えていても触れていられるなら、ずっと手を握っていたら丁度いいね、とも思うけど。」

 友達とは……有り難い話だね。 僕でいいのかい?
 貴女を口説いて、なおかつ驚かせて。
 貴女も物好きだね。 僕はそういう子は好ましく思うよ。」

言いながらそっと手を伸ばして握ろうとする。
さも自然な仕草で、握手を求めて。

そのまま引っ張り寄せることはセットだよね、うん。

四季夢子 > 「悪い人とか怖い人は嫌だけど貴方、怪しいけどそうじゃないと思うしさ。
それに……来たばかりの所で独りぼっちって厭なものでしょう?」

物好きと言われたら、実家が書画骨董の「物」を扱うお店である事くらいは教えてしまおうかしら。
古本なんかも好きよ、と負けじと茶化すようにもするのも少し慣れたのもあったかも。

握手の折に引き寄せられて、抱しめられてしまうまでは、だけど。

「……………おもしろくないわよ。」

何故なら私の顔は赤いから。
相手が誰だろうと急に抱しめられたらこうもなろうってもので、私は相手を押しのけるようにした。

霧依 > 「怪しいって言われてしまった。 まあ、自業自得ではあるけれど。
 ひとりぼっちは嫌いじゃないんだ。
 ひとりでいると、貴女のような人と出会った時にとっても嬉しくなれるから。

 僕は古道具かい? 似たようなところはあるかもしれないけれどもさ。」

相手の言葉に微笑みながらそっと抱き寄せれば、ちょっと不満そうな気配を感じて。
押しのけられれば、ごめんごめん、と苦笑を浮かべて。

「面白くなかったなら、罪滅ぼしでもしないとね。
 この後、時間はあるかい。

 昼の食事でも、僕と一緒にどうかな。」

それでも、悪びれずにそっと手を差し出して、どう? と首を傾げる。

四季夢子 > 「言不盡意、でも、判ってて言ってたら世話ないんだから。」

どうもこの人は意図的に怪しくしている節がある……かも?
生来の素な気もしてきて、私はまだ少し赤いままの顔で眉根を寄せて諌めるようにした。

「あら殊勝な不審人物さんね。ええ御時間ならあるし、丁度お昼過ぎだしお呼ばれしちゃおうっかな。」

でもまあ、それはそれ、これはこれ。奢ってくれるなら是非も無しと遺恨(?)は強めの風に流して手を取って、
お芝居で役者がするような御辞儀をしてみせこれまた風に煽られよろめいて。

そんなしまらないお昼の時計塔なのでした。

ご案内:「大時計塔」から四季夢子さんが去りました。
ご案内:「大時計塔」から霧依さんが去りました。
ご案内:「大時計塔」に綾瀬音音さんが現れました。
綾瀬音音 > (早く目が覚めたので、久々にランニング。
学園地区、学生街あたりを適当に走って、ふと見えた大時計塔。

何となし足が向いて、久々に足を運ぶ)

相変わらず高いよねー
(島全体を一望できるこの場所から見る風景は、何度見ても絶景だ。
立ち入り禁止、の文字は見てみないふり、になってしまうけれど)

綾瀬音音 > (柵に身体を預けながら、ぼんやりと徐々に眠りから冷めていく島を見る。
沢山の営みがあって、そこには沢山の物語があるのだろう、と矢張りぼんやりと思う。
この島は世界の縮図の一つ。
日常と混沌と混乱がごちゃ混ぜになっているのだ)

あー、あ

(朝日に左手をかざすようにして、その薬指に嵌ったままのものを見る。
未だに外せない――外さない、のかもしれない――それ。
意味が無いのは解っている。
それは既に形のないものに対する執着なのだと、いうことも)

――――――。
あーあ、
(ため息が漏れた。
キラキラと朝日で光る指輪は綺麗だけど、そこにあるのはもう、そんなに綺麗なものではないのだ)

綾瀬音音 > (流石に最近は、彼がいなくなった事実に涙を流すことはない。
特にここ最近は新しい環境に置かれつつあり、そっちに適応しようと思うのに忙しいので、思い出すことも少なくなった。

想いは変わりつつある。

単なる思い出に出来そうな位には)

(覚えていても、忘れてしまってもいいと、以前友人は言ってくれた。
覚えていたい、わけではないと思う。
忘れよう、と決めたことでもある。
なのに――)


あーあ

(ため息が再び。
未だ外すせる気がしない、その指輪。
ちょっとした動作一つで外せるはずなのに。
手を下ろすと、その指輪を軽く撫でた)

綾瀬音音 > (自分は強くはない。
確かな意志の力でもって、割り切ることも、振り切ることも出来ない。
答えは出ているのに。
答えはもう、決まっているのに)

…………。
(流石に4度目のため息は飲み込むことにして、軽く頭を振った。
朝が来て、人々が動き出すのに合わせて、少しずつ活気が満ちてきたような島を見る。
そこには沢山の人がいて、物語があって、自分もそんなものの一つなのだ)

綾瀬音音 > (柵から身体を離すと、大きく伸びをする。
もう一走りしてから、シャワーを浴びて、制服に着替えて、スクールバッグに勉強道具を詰め込んで登校しよう。

いつものように)

もう、ちょっとだけ。
もうちょっとだけ

(それをいくつ重ねればいいのか自分でもわからないまま、大時計塔を駆け足で降り始めた)

ご案内:「大時計塔」から綾瀬音音さんが去りました。