2016/09/22 のログ
ご案内:「大時計塔」に谷蜂檻葉さんが現れました。
谷蜂檻葉 > 深夜。

島に集まるのは異能者というだけでなく、只人の範疇から外れたモノ達もいる中で島は闇に包まれている。
それは数少ない『平均化』のルールであり、ルーチンとして回す学校授業の構成によるものだ。

勿論、夜間だからと言って学校がやっていないことはない。

凡その区分けをもって、島は何処かは必ず煌々と光を届けている。

谷蜂檻葉 > 「この時間は、あそことあそこ……。 あの辺りも消灯してるんだ。」

それを、興味深げに。
というには何処か機械的に、キラキラと闇に目立つ羽を広げて街を見下ろす人影が一つ。

谷蜂檻葉 > 小さなメモ帳に、多機能ボールペンがカリカリと走る。

それはメモ帳の始め、予定表として使える一週間表にびっしりと何かが書き込まれていた。
◎、○、☓。 1、2、3 と暗号にも見えるそれはそこから7ページに渡って―――カレンダーページをフルに使って書き込まれており、今もまたカリカリとページに変わった記述が加わっていく。

谷蜂檻葉 > 「あふ……。 この時間まで起きてるなら、お昼寝でもしとかなきゃ駄目かな。 結構……ねむ…。」

くしくしと手の甲で目元に浮かんだ涙を擦り、やがてペンをメモ帳に挟む。


「ま、これで全部埋まったし。 後は決行をいつにするか、ってぐらいかなー……ま、気長にやってればいいか。」

普段の朗らかさに何処か不気味な暗さを含んだ笑みを浮かべて、檻葉は笑う。

ご案内:「大時計塔」にライラさんが現れました。
ライラ > 時計塔に飛来する蝙蝠の群れ。
それらが集まり、人の姿に変化していく。
黒いイブニングドレスに身を包んだ、銀髪の吸血鬼。

時計塔に降り立った、人影は先客の姿を目に止める。

「珍しいのぅ、この時間に人がおるのは」

谷蜂檻葉 > 「……ん、こんばんは?
 ”人”はそうかもしれないけど、この島じゃあどんなのが何時いてもおかしくないでしょ。

 まぁ、此処に人がいるのがどうかって言ったら確かに。 お邪魔なら退散するわよ。もう眠くって」

何処か尊大な空気を纏う黒衣の女性の登場に、気ままな風のような口調で首だけを向けて返す。

「今日は風が強くもなく弱くもなく……良い天気ね、まさしく。」

それから、また外を―――島に視界を戻す。

ライラ > 「別に邪魔じゃとは言うておらぬ。ただ、珍しいと言うたんじゃ。
 ……妖精憑きは、なおさらのぅ」

扇を広げて顔の下半分を覆う。
そよそよと風を送りながら、視線を檻葉に向ける。

「うむ、良い月夜じゃな。ここは空が近くてなお良い」

谷蜂檻葉 > 振り返らず、ぼんやりと言葉を返す。

「まぁ、半端者ってあんまり居ないわね。
 大体、解決するか終結して……それでもまた歩き始めたような人達のが多いし。」

道標としての学び舎であり、収容施設としての学園である。
社会的にドロップアウトし易い半端者の居場所と言えば、学園地区よりは落第街《むこう》よりだ。

「随分と風流なのね。 空に寄るなら、『頂点』があるわよ。
 飛ぶ羽があるなら、是非オススメするわ。 ……ふわぁぁ…、ん。眠気も覚めるし。」

また、ゴシゴシと目元をこする。
随分と眠たげだ。 軽口でもなく、確かに眠いのだろう。

ライラ > 「燻ってはおるようじゃがな。
 ……歩く術を知っておる“人”は強いものじゃ」

檻葉の首筋についつい視線を向ける。
美味しそうだな、と色々な意味で考えながら言葉はつむぐ。

「風流は良いぞ。時間が潰せる。常夜に生きるものには退屈が最大の敵じゃからな。
 ふむ『頂点』とな、それはどこじゃ?
 しかし眠そうじゃな、寝床まで無事に帰れるのかえ?」

谷蜂檻葉 > ふいに、視線を首元に感じて半目でまた振り返る。

「この島で、異能も来歴も無いような人って少数派ですけど。

 人間讃歌も良いけれど、私はどちらかと言えば個人主義。
 数年過ごすだけでも感じるもの、目の前に居る『相手』との違いなんてそう大した意味も無い。……ってね。」

島外はともかく、わざわざ『島』にまで来る人間というのはそう居ない。

そんな脛に傷を持つような相手同士であろうと、
パフェを食べれば共にその甘味に舌鼓を打ち、テスト期間前には机を囲んで一緒に頭を抱えるのだ。

「? 『頂点』は頂点よ、てっぺん。"この上" 。
 時計塔の先端から360°足をつけて見る島の全景はどんな天気でも素敵よ。
 ちゃんと足をつけて見るかが、やっぱり大事ね。」


そして、そこまで話すとまた大きくあくびを一つ。

「ん、家までは大丈夫よ。”寝てても”いけるわ。
 っていうか、ほんともう寝そうだし……また今度。 お休みなさい。」

ぐい、と伸びをすると――――静かに空に踏み出した。

自殺じみた垂直落下は数瞬も待たず『滑空』に変わり、やがてグライダーの如く女子寮に向けて飛び去っていった。

ご案内:「大時計塔」から谷蜂檻葉さんが去りました。
ライラ > 「人で無いなら、なおのことじゃよ。
 “人”はとても眩しいものじゃ、我らはそれ故に焦がれて疎むのじゃ。
 おぬしのいう通り、個としての違いは小さいやもしれぬがな」

檻葉を眩しそうに目を細めた。

「……そこか」

なるほど、考えもしなかったとうなずいて。

「うむ、また月の綺麗な夜にな」

扇をパタパタと振り見送った。

ライラ > 「さて、少しばかりはしたないが」

ふわりと、地を蹴って跳ぶ。
そのまま時計塔の先端に立ち、周囲を見る。

「なるほど、また違うものじゃな。
 遮るものがないのは、よい」

悦に浸ったようで。
その夜は満足して帰った。

ご案内:「大時計塔」からライラさんが去りました。