2017/01/08 のログ
ご案内:「大時計塔」に伊都波 悠薇さんが現れました。
■伊都波 悠薇 > がこんっと、扉を開ける。すれば。
――風の切る、音がする
疾走感。髪が、舞う――……
手で押さえようとしてやめる。
意味がないと、そう、思ったから。
(――だれ、なんだろう。何が、できるんだろう)
いつかの”狂信”とはまた違う。
あれは、自分自身だと、理解している。
自分以外の何物でもないと、分かっている。
だが、この前の自分は――いったい誰なのか。
いったい、なんなのか。
――心配、かけてばっかりだ
姉が、また帰りが遅くなった。
何をしてるとは言わないし、自分には隠している――
けど。けど、分かってしまうのが姉妹というもので。
「はぁ……」
溜息は風に、消えていく
■伊都波 悠薇 >
おぼろげに、ここに来たのを覚えている。
そう、ちょうど去年。
去年の、姉の前から消えようとしたあの時からすぐ。
思い出せば、あのころあたりからだろう。
誰ということを、こだわり始めたのは。
「こんな時、誰かに相談とか――できたらいいんだろうけど」
残念だが、それはかなわない。
叶うのは、連絡帳に残っている数人だけ。
孤独になろうとして、嫌われようとしたのに。
嫌ってくれなかった人たち。
でも、その人たちによりかかるのもなんだか気が引けた。
「……――」
空を見る。
曇天――
何とも、どんよりした灰色。
でもなぜだろう。
それも美しく見えるのは
ご案内:「大時計塔」にルギウスさんが現れました。
■ルギウス > 「やぁやぁ、そこの悩める子羊さん。
当たったり外れたりする占いなんてどうですか?」
いつからいたのか。
胡散臭さMAXの闇司祭がそこにいた。
今日はサングラスをかけていない。
切れ長で真紅の瞳が悠薇の全てを覗き込むように見つめている。
■伊都波 悠薇 >
びくっと、聞こえた声に肩をふるわせる。
聞き覚えがあったから、取り乱さず。
どっどっと激しく鼓動する胸を手で押さえつつ
「――それ、普通の占いじゃないです?」
こんばんは、先生と告げて。声が聞こえた場所に視線を移した
■ルギウス > その場所に机と椅子と紫色の長いテーブルクロス。
上にはそれっぽい水晶玉が乗っている。
どこからどう見ても占いスペース。
「ええ、普通の占いですねえ。
生憎と曇天ですので星見はできませんが」
そんな事をのたまいながら対面の椅子を進める。
椅子には電気毛布とか完備されている。
「後は、悩み相談なんてのも受け付けていますよ。
どんな馬鹿げた悩みや非現実的な相談でもオールオッケーです」
顔にはいつもの張り付いたような笑み。
ただしいつもサングラスで隠れている瞳は笑っているようには見えないかもしれない。
■伊都波 悠薇 >
「あんまり、そういうの信じてないんですけどね」
苦笑しつつ、対面の椅子に素直に座る。
気の利く、よい先生だと思う。
「悩み相談ですか」
といわれても――そうだ
「――私の悩みは何か――占ってくれませんか?」
そんな風に提案してみる
■ルギウス > 「よく、試すつもりでそういう事を言う方がいらっしゃいまして。
そもそも占いは、占いたい事に関してのガイドラインを導くものなんですがねぇ」
苦笑しながらも、水晶玉に手をかざしそちらを覗き込む。
水晶玉には様々な情景が映っては消えていく。
「……姉、天秤、そして『誰か』。
ひいてはそれらを踏まえた自己の確立と、現実的な可能性の模索。
ああ、あとは今月のお小遣いの使い道ですかね。
ついでに今晩のオカズはから揚げだそうです」
■伊都波 悠薇 > 「そういうものなんですか?
あくまで占いは占い。確約された未来ではなく、可能性という話、みたいな?」
言えば、その通りに占ってくれた。
当たっている、当たっていないは関係なしに。
やっぱり、良い先生なんだと思う。
「それが、悩みなんでしょうか?」
唐揚げ。早めに帰らないと自分の分はなさそうだなとか思いつつ
■ルギウス > 「確約された未来は予知や予言と言うんですよ。
平行世界論なんかも関わってくる場合もありますが―――まぁ、それはそれ。
そうですねぇ、起こりやすい未来を知る くらいの感覚でいいと思いますよ。
アカシックレコードを覗いていたり、書き換えたりしているわけではありませんし」
ウィンクを一つ。
とても様になっている。
「大きな考え事であり、おそらくはこれから貴女が直面する問題でしょうねぇ。
望む望まないに関わらず」