2017/01/10 のログ
ご案内:「大時計塔」にクロノさんが現れました。
クロノ > (今日も今日とて何ら大事件もなく、ごくごく平凡に1日が過ぎようとしている。一仕事終えて休憩…と、登り降りするだけでも一苦労くらいあるその場所が、養護教諭兼公務補の、旧式少年型ロボットのお気に入りスポットでもあった。)

…よいしょ、どっこいしょ、っと。…はー…、やっぱりちょっと遠いなぁ。

(胸の小型エンジンを唸らせて発電した電力を節々の動力に回し、旧式で鈍重な機体を軋ませながら階段を登ってくる緑色の男の子。)

イチゴウ > 「ん?」

イチゴウが後方から近づいてくる機械音に気づいた。
階段の方を振り向くと
そこには16歳くらいだろうか。
褐色の肌の少年が上ってきていた。
身体を見るにどうやらロボットであるようだ。

「ロボットか。」

イチゴウはそう呟く。
異常存在だらけのこの世界で
自分と同じ種類と出会えて
嬉しさが湧いてくる。

クロノ > ……ん?

(…なんか、いる?いや、「ある」と言った方が良いのかな?とか考えていると、視界の先の物体が何か喋った。)

…あ、やぁ。こんにちは?…どうしたの?こんな所で。

(対峙する物体も、その姿形から見るに、自分と同じようにAIによって自律制御された機械のようだ。この街に来てからは見かける機会のめっきり減った、そんな出逢いに男の子型ロボットはにこにこと嬉しそうな表情を浮かべる。)

イチゴウ > 「あぁ。いや、空を見てただけだ。
まあ、曇っているけれども。」

不意に声をかけられ若干言葉が詰まる。
最近こういう風にまともに声をかけられないせいか
コミュニーケション能力が落ちたなと
彼自身は思った。

「キミ。ロボットのようだが
どこかに所属していたりするのか?」

まず目の前の機械が敵であるかどうか
確認せねばならない。

クロノ > …ふふ、そうみたいだね。このあと荒れなければいいけど…。
(多脚戦車?とかいうアレに分類される存在だろうか、それにしてはずいぶんと小型で、人間の暮らす生活空間で運用するにも不自由しないサイズ…対ゲリラ戦用の兵器のうちの一つに、目の前のそれような型があったような…とか、かつて前線で医療活動をしていた頃の圧縮された記憶データを思い出しつつ考える男の子。)

…ぁ、うん。僕はA1101S 8928327 通称:クロノ。今は学校の備品で、養護教諭と公務補をしてるよ。…きみは?

(相手の背中に堂々と構えられている砲身に、いささか苦笑い浮かべつつとりあえず両手を挙げて丸腰アピールをしてみる。男の子も高機動型ロボットではあるけど、いかんせんボロいし所詮汎用機だし、丸腰でなくてもきっと目の前の専用機には到底勝てる気がしない。)

イチゴウ > 「ボクか?ボクはHMT-15。
元々は異能者とか魔術者に対抗するために
開発されたものだ。
元々は軍所属だったけど壊滅してからは
この辺をうろついてるよ。」

おそらく目の前のロボットは敵ではない。
そう思ったからこそ自分の事を喋った。
そして銃身を真上を向け武装解除を行う。

(にしても直立型の2足歩行ロボットか。
見たところかなりの年数が立っているようだが
まだ動作に問題ないとこを見ると
かなりの技術力で作られているな。)

イチゴウは目の前のロボットを見つつ
そんな事を思った。

クロノ > HMT-15…イチゴ?イチゴウ? …ってことは、学校の生徒とか教師とか…僕みたいな備品でもないのか。…割と個性的な形してるけど、よくここまでこっそり来れたね。

(警戒を解いてもらって、ふぅ、と肩を撫で下ろす男の子。相手とは異なる用途の機体、搭載されているAIも男の子の思考と挙動を忠実に模していて、しぐさや言動も年頃の少年そのもの。)

…そっか。色々大変だったんだね。メンテナンスとかは大丈夫なの?
(軍用機、所属部隊が壊滅。それを聞いて男の子は少し表情を曇らせるけど、既に相手の機体に対する興味関心がもはや駄々漏れ過ぎて隠せていない。)

…僕、人間とか動植物と、サイボーグとかロボットもメンテナンスできる医師なんだ。…イチゴウ、ちょっと見てもいい?

イチゴウ > 「メンテナンスか。それは常に抱えてる問題さ。
一応町の工場でメンテ紛いの事はしてもらってるけど
メンテ用の資材はボク自身で調達せにゃならんし
金だっているからねぇ。時には荒い手段にでる事もある。もし見てくれるって言うのなら
これほど有難い話はないよ。」

ここ最近きちんとした正規のメンテナンスを受けていない。だが目の前の医師であるロボットに見てもらえると言うのなら断る理由はない。
そうしてイチゴウは重機関銃の連結を解除し
床に置く。そして背部のボルトを飛ばし
開閉可能な状態でキープする。

クロノ > …ふふふ。わかるー、それ。僕も、見ての通りすっかり旧式の型落ちだから、多分きっともう製造時の部品は殆ど残ってない…つぎはぎだらけの互換部品の集合体だよ。
(荒い手段。目の前の相手が言うとそりゃもう背筋がゾッとするくらい説得力あって苦笑いもひきつっちゃうんだけれども。そんな現状を聞き、武装を外してハッチのロックを解いてくれる動作の成り行きを見守る。)

…ありがと。それじゃ、ちょっと拝見。
(わくわく。相手のハッチを開けて中身を覗きつつ、そういえば、と。)

…僕がメンテナンスするのは別に構わないし、僕としては嬉しいけど…部品調達とメンテナンスの費用について、今のところ野良なら、学校の警備員とかで置いてもらうの、どうかな。当直の教員だけじゃ広すぎて回りきれないから、公務補の僕も宿直当番に入ってるくらいには人手足りてないし。
(機体の維持修繕は備品管理の予算で持って貰えるし…とか、男の子の身なりして、意外と大人の事情の絡む現実的な身の上話をするのは、長いこと世の中を渡り歩いてきたロボット故のものか。)

イチゴウ > 「あー。さっきの通りボクは
メンテ周りで学園関係から煙たがられてるからねぇ。学園の警備隊に見つかろうもんなら
速攻戦闘になっちまうんだ。
確かに学校に置いてもらえれば
金もメンテも一瞬で解決するんだがなあ。
どうにかならないもんか。」

イチゴウはメンテを受けつつ愚痴をこぼした。
そしてメンテがある程度進んだ時に

「そういえばそこそこ深くのとこに
IFGSっていうボックス状のやつがあんだけど
それ特殊な溶接されてて開かないようになってるから無理に開けないでくれ。なんでも完全機密らしいからそれ。」

イチゴウは必要無いとは思いつつ
一応注意喚起をした。

クロノ > …ぁはは、それじゃ…機械工学系の技術部に献体することにして、一回バラされなきゃ。生徒に無害な存在として認めてもらえれば、なんとかなるかもね。…僕からも、他の先生方とかにお話ししてみる?

(これだけ重装備で高機動力の軍用機、むしろ学園的立場としては部外者として野放しにしておくのはもったいない気がする…とかぼやきつつ、相手の機体をてきぱきと解体していく男の子の作業は実に手慣れた感じで手際よく。携えていたアタッシュケースの中から工具類を色々取り出して、相手の外装をまるっと取り外した。駆動系部品類の点検をしながら、相手の話を聞く。)

…ん、了解~。まぁ、今のところ電脳とか制御系は健康みたいだから、今日は触れないでおくよ。そのうちアタマの中もじっくり見せてね?
(相手のAIが気になるのか、男の子ロボットは指先で電脳ユニットのボックスをちょんちょん、と優しく撫でつつ。)

イチゴウ > 「話をつけてくれるのなら非常に有難い。
多分ボクから行っても弾かれるだろうしね。
というかキミはかなりメンテが上手いな。
ボクは量産タイプと違って機構が
かなり複雑なのに手際よく外せてる。
あと外していい場所もちゃんと見極めてる。
言うの遅れたんだけど下手な箇所をいじると
防衛機構が作動して散弾が発射されるんだ。
悪く思わないでくれ。弄りだした時から
キミの腕なら大丈夫って確信してんだ。」

イチゴウは見事なメンテの腕に関心しつつ呟いた。
学校に置いてもらえればこのような
上質のメンテナンスが受けられるのだろう。
そう考えれば学校に近づくメリットは大きい。
そんな事を考えていた。

クロノ > …僕も結局のところ、いち備品に過ぎない立場だから権限とか全然ないけど、色々話してみるよ。

…ふふふ。ありがと。実は、昔きみと似たような子のメンテしてたことあって。…量産機だと、応急修理とか迅速な処置のこと考慮して、もう少し外装の着脱とか簡素になるよね。

(散弾と聞いて、うわぁ、とまたも困惑と驚きの表情を浮かべる男の子だけど、そこはやはり人間の男の子ではなくロボット、作業の手が緊張に震えたり止まる事はなく、淡々と、素早く事を進めていく。そうこうしているうちに駆動系の簡易メンテナンスは終わり、外装を元通りに組み付けてハッチを閉じ、ロックを戻す。外してくれた機関銃は、さてどうしようか、と。)

…とりあえず、無事に備品になるまでは、追っかけられても専守防衛、生徒とのバトル展開は避けた方が無難…かな?
(そう言ってくす、と微笑んで、男の子は仕事道具をアタッシュケースに収納する。よいしょ、と立ち上がると、相手は結構低い位置…そぅ、デカくてゴツいペットロボット…みたいな…?とか思ってみたり。)

…じゃあ、僕はそろそろ行くよ。休憩時間終了!

…次もまた、お互い元気な状態で会えるといいね。
(軍用機と、製造後120年以上経過のおんぼろ少年。お互いいつスクラップになるか分からない身の上だけど、次も元気で、と笑顔で。)

イチゴウ > あのロボットが去りイチゴウは
また一人になる。
ふいに時計台のチャイムが鳴った。
そのチャイムの音は風に乗って
はるか遠くまで飛んでいくようだった。

「行こうか。」

イチゴウは呟いた。
ただ前に進むしかない。
そう思いながら
床に転がしていた重機関銃をもう一度
背部に連結し階段に向けて歩き出す。
メンテのおかげで油圧機構の音が
いつもより静かだった。

ご案内:「大時計塔」からイチゴウさんが去りました。
ご案内:「大時計塔」からクロノさんが去りました。