2017/01/29 のログ
ご案内:「大時計塔」に黒龍さんが現れました。
黒龍 > 深夜の大時計塔。その屋上…というより先端ともいえる屋根の上。見晴らしは良いが足場が極度に不安定なそこに、器用に立ちながら煙草を蒸かす黒スーツの男。
ゆっくりと紫煙を吐き出しながら、隻腕の左袖を夜風に緩くなびかせて学園と町並みを見下ろしている。

「……つくづく、俺にゃ感動ってモンが足りねぇようだな……まァ、今更だがよ」

この光景を見ても、最初こそ物珍しさが若干あるにはあったが、今では何も感じなくなってしまった。
元々、そっち方面は淡白だしこの島にそれなりに順応してしまったのもある。
しかし、この前知り合った見た目不良娘からの紹介で買ったこの煙草は悪くない。
アメスピだったか…この黒いパッケージも相俟って、何だかんだでお気に入りだ。

黒龍 > 「……つぅか、ほんと義手どうすっかな…もう自分で作ったほうが速ぇ気がするが」

立っているだけでも驚異的なバランス感覚だが、今度はその場でヤンキー座りに移行する黒スーツの男。
見た目がそっち方面の人なのもあり、やたらとその座り方が様になっているのはご愛嬌。

さて、義手を自作するにしても材料が要る。流石に無から有をきっちり作り出すのは厳しい。

(…スラム辺りで適当に廃材とか見繕うか?でも、強度もそれなりに欲しい所だわな)

煙草を蒸かしながら、時計塔の天辺でヤンキー座りで思索に耽るチンピラ…ある意味目立つ光景だ。

黒龍 > 「……まぁ、妥協点は程々にってか。急造品で粗悪品っつぅオチは勘弁願いたいしな…」

短くなった煙草の吸殻を空中へと放り投げる。局所的に火の魔術を発生させピンポイントで吸殻だけを灰も残さず焼き尽してから一息。
ヤンキ―座りから再び立ち上がる。軽く首や肩をコキコキと鳴らす。
最近は元の龍の姿よりもこの人の姿…擬態に慣れきってしまっているが。
矢張り本来の姿でない以上、少しずつだがズレというか体へのストレスが蓄積されている気がする。

黒龍 > 「…さて、ボチボチ帰るとすっか…」

そのまま、無造作にヒョイッと空中に躍り出て自由落下。そして、何事も無く着地。
単に魔術で細工をしただけだ。この程度の事は魔術に明るい者なら結構出来る者も多いだろう。

そのまま、欠伸をかみ殺しながら独り時計塔を後にする黒スーツであった。

ご案内:「大時計塔」から黒龍さんが去りました。