2017/11/06 のログ
ご案内:「大時計塔」に神代 理央さんが現れました。
神代 理央 > 「……ああ。次の任務は先程メールで送信した通り。班の編成も記載してあるから、各員への伝達はそちらに任せる。その他の細かい事は明日打ち合わせをしよう」

穏やかな、しかし冷たい風が頬を撫でる大時計塔の屋上。
その一角で、通信機に向かって淡々と言葉を発する金髪の少年が一人。

「私は後衛向きだからね。情けない限りだが、最前線で戦う君達の力には期待しているよ。……本当だとも。私は平和主義者だからね。喧嘩は苦手なのさ。……ああ、それじゃあ、細かい事はまた今度。それじゃあ、お休み」

通話を終え、小さく息を吐き出す。
手の中で温くなってしまった缶コーヒーで、乾いた唇と喉を潤した。

「……存外面倒なものだな。とはいえ、これお仕事の内か」

通信端末を一瞥して懐に仕舞い込んだ後、手摺に身体を預けて眼下の風景をぼんやりと見下ろした。

ご案内:「大時計塔」にクロノさんが現れました。
クロノ > (今日も1日日中の仕事を無事終えて、夜のお仕事の合間にちょっと息抜きな男の子。ジーガシャ、ジーガシャ、と相変わらず個性的な駆動音を伴って、長い階段をのんびり登る。)

… ──── よっ、っと。

(重い鉄扉をギィ…と鳴かせつつゆっくり開けて出てきた男の子は、眼前に広がる景色を前に…ふぅうぁ、と両腕を上げて全力であくびをした。ロボなのに。)

…? ぁ、やぁ。お疲れさま。
(あくびの後に気付いたらしい先客の姿に、ばつが悪そうに苦笑いしながらゆらゆらと手を振ってみる。)

神代 理央 > 鉄扉が開く金属音に眼下に向けていた顔を向けて視線を移す。
別段人気がないという場所では無いので、他の誰かが訪れる可能性を考えていない訳では無かったが、こんな時間に誰かと出くわすなど碌な事にならない、と思っていたのだが――

「……ああ、お疲れ様…?」

現れた金属の身体を持つ少年――少年と呼称して良いのか悩みどころだが――を見て、何とも意外そうな表情と共に曖昧な返事を返す。
彼のことを知らない訳では無い。学園の運営に携わる教諭や技師のデータは一通り頭に入れているのだから。
ただ、こんな場所でこんな時間に会うのが意外だ、と言わんばかりの表情で―

「…こんな夜更けに散歩ですか?それとも、代わり映えしない風景でも眺めに?」

どういう口調で話しかけるべきか僅かに逡巡するが、取り敢えず学園の生徒らしい口調で訪ねてみる。

クロノ > … ん。両方、かな。仕事の合間にちょっと休憩…なんてね。
(暗闇の中では一層目立つ、男の子のおでこのインジケータランプの明滅と、無機的に発光する瞳孔、そして首元に並ぶいくつかのボタン類。体のどこかが動く度に聞こえる機械音。)

…僕、好きなんだ。こういう… 景色のいい場所。
(これからの季節はちょっと寒いけどね、と笑いつつ、胸のエンジンをヴゥン…、と吹かしながら深呼吸する仕草。首の後ろ、背中の箱からちょこんと突き出た排気筒から、熱気を帯びた排ガスが吹き出す。)

…理央は?
(相手のパーソナルデータは、学校のサーバと通信して瞬時に取得済み。容姿と声音から判断して、すぐに名前を呼ぶ。その服装からして、相手もまた自分と同じように、お務め中の息抜きかな?と首をかしげて尋ねてみる。)

神代 理央 > 「成る程。休憩は大事だ。大いに推奨すべきだろう。だが、休憩代わりに時計塔の電力をつまみ食いなどしない様にな?」

結局、生徒らしい口調は数秒と持たなかった。
彼の接しやすい態度。ロボット相手に嘘偽りを言っても仕方ないという経験則。
そして何より―此処は、学園内では無い。

「同感だが、深呼吸代わりに排気ガスを吐き出すのは如何なものかと思うぞ。私は構わないが、ロマンチックな風景が台無しだと思うが」

そんな冗談めいた言葉を返しつつ、彼の問いかけに手摺から身体を離してゆっくりと振り返れば―

「息抜きというよりも、一仕事終えて帰宅前にぼんやりしていたというのが正しいかな。まあ、凡そはクロノの言う通りだよ」

流石に呼び捨てにするのはどうかとも思ったが、取り繕う様必要性も感じられず、堂々と彼の名前を呼び捨てにした。
その上で、彼の問いかけには小さく肩を竦めて答えてみせるだろう。

クロノ > …、ぅ、
(屋内では外部電源、あるいはバッテリー駆動、屋外ではエンジンで動く男の子は、相手の言葉に気まずそうに胸のエンジンをそっと手で覆いつつ、しかし先程までの屋内動作で減少したバッテリー残量を補うためにエンジンは少し高回転中。)

…そっか。理央は、よく此処に来るの?
(先程の一言目からすぐにうって変わって、先生扱いからロボット扱いに自分への待遇が変わる。けれども、見た目の年齢は近い訳だし、保健室の先生とはいえ自分は書類上は学校の備品だし、このような扱いにも慣れているのか特に気を悪くする様子もなく。相手の隣に並んで同じ視点から同じ景色を眺めてみる。)