2018/01/15 のログ
ご案内:「大時計塔」にラウラ・ニューリッキ・ユーティライネンさんが現れました。
ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 夜の大時計塔、その管理用階段最上部、のさらに上部。
この島で構造的に人間が立ち入ることのできる最も高い場所のさらに上。
塔の最上部となると、人が居座って何かをするにはあまりにも狭い場所。
そこで大きな銃身を目下に向け、伏せている人間の姿があった。

「……あと一時間」

この場所に居座って何時間立つだろうか。感覚的にはまだ2時間ほどだが、
空の明るさを見るに3時間はおなじ姿勢のままだ。
風を遮ってくれるものが何もないこの場所では、
少し風が吹いただけで地上のそれとは比べ物にならないほど寒く感じる。
凍傷を防ぐために手袋は身に着けているが、それでも外の冷気は手袋を抜けて伝わってくる>

ご案内:「大時計塔」にリーゼロッテさんが現れました。
リーゼロッテ > 「…………?」

時計塔の下、ふと上を見上げる少女。
瞳を細めてじー、と見やり。

「……………」

じー、とラウラがいるであろう位置を見つめたまま立ち尽くし。

ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「……あと30分」

先ほどあと一時間とつぶやいてから、さらに時間が過ぎた頃。
脇に置いていた時計を確認すると残りは20数分となっていた。我ながら大した感覚てある。
そして再び視線をスコープの向こう側に向ける。

別に人や物を狙撃するわけではない。
その証拠に弾倉に弾は入っていても、薬室に弾は装填されていない。
ひたすら長時間、厳しい環境の中に身を置いて、同じ姿勢で同じ距離の物体に狙いをつけている。
無論、その視線が向けられているのは1000m以上先だ。
塔の真下から視線を向けられていることなど、知る由もなかった>

リーゼロッテ > 「……ふむ」

顎に手をやり、思考して。
ポジション的に想定される仕事を考える。
何を狙っているのかもわからないし、そもそも正当性があるかどうかもわからない。
と言うか邪魔していいかもわからない。
悶々と思考が巡った黄金の少女が選んだ答え。それは。

「話しかけてから決めよう」

明らかに邪魔になるようなことをほざいて時計塔の方に足を向けた。

ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「……揺れるな」

一際風が強く吹いた。すると感覚的に塔が左右に揺れたような気分になる。
無論、そんなことは無いのだが、感覚として揺れたような気になって、
銃身を目標に合わせようとすると、意に反して狙いがずれる。

『集中力が切れてきたな……』

心の内でそんなことを呟く。
こんな環境で何時間も同じ姿勢を取り続ければ
集中力なんてあっという間に切れてしまいそうなものだが、
それでは困るのだ。スナイパー並みとは言わずとも、手中力が欲しい。

そんな無駄なことを考えていると、
ついには下から登ってくる人の足音すら聞き逃してしまいそうで>

リーゼロッテ > 「……うむ」

時計塔を気づけば登りきっていて。
構えたままの少女を翡翠の瞳に捉えればうなずき。

「そなたはこのように寒い最中、何をしておるのだ?」

声が届く程度の距離を維持したまま、腰に手を当て。
ずびしぃっ、と指を突きつけながら声をかけてから。

「さっむッッッッッッッ!!!!!」

寒がりな少女には過酷にすぎる環境だった。

ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「ッ!?」

下から人が来ていると気づいたのは、本当に相手が階段を上りきってしまう直前だった。
上手く隠れていれば場所としては見つからなかったかもしれないが、
最初から気づかれて上って来た上に、音を立ててしまった。
何をしているのか聞かれると、いよいよ返事に困る。

「……えっと、訓練です」

変に嘘を吐くより、正直に話してしまった方が面倒にならないだろう。
そう判断するまでに、だいぶ時間がかかった。

「えっと、これ、どうぞ」

寒そうに声を上げる彼女に差し出したのは、今まで自分の身体の上にかけていた毛布。
毛布といっても屋外で使うために加工されたものだ。それを差し出して>

リーゼロッテ > 「……訓練……?」

そっかー、訓練かー……と頷いてから。
うむ、ともう一度頷き、なるほど。この寒空の中狙撃の訓練。

「ご苦労なことだな!! オレなればさっさと凍死してしまっておる」

儚い命の燃える少女。腕組みをしてどん、と胸をはり。
寒そうにがたがたと震えていて。

「まあまて。それを渡してしまってはそなたが寒かろう。
 オレは気合と根性と努力となんやかやあってどうにかなる」