2018/01/20 のログ
真乃 真 > 「マジで!?いやあ!そう言われると照れるなあ!!
 ミステリー小説とか読んでた成果だね!!」
…それは全く関係ないと思う。
もしその理屈が通るならミステリーファンは皆が探偵であるだろう。

「ああ!先輩だよ!!
 そうなるね!今年が最後の年さ!」

卒業をいつするのかは個人の裁量に任されるが
多くの生徒が4年生の3月に卒業する。

「ああ、僕は本土の方に戻ろうと思っている。
 やりたいことがあるからね!!」

外が見える方へ夕陽の方へと近づいていく。
いよいよ夕陽は一番大きく一番明るく一番地上に近づいている。

日下部 正親 > 「最後の、年。」

まだ自分は最初の一年だが、彼にとっては最後の一年。
スタートラインからもうすぐゴールへ辿り着く人に会えたというのは幸運……ではないが、貴重な体験とも言えるだろう

「帰る、ですね…
 ボクはまだ先の先、ですけども……ここに残ってそうだなぁ……」

自分が思い描く招来はこの常世島で機械修理関係のことが出来たら、と思っているが、
それもまだ先の話だし無事に卒業出来るとも限らない。
しかしこの4年間を無事にくぐり抜けて卒業というゴールラインへ辿り着こうとしている。
その彼も今目の前で夕日の後光を浴びて神々しく見える、正にヒーローのようなそんな後ろ姿だ。

「先輩は……帰ったら、何をするんですか?
 やはり、カッコ良い事…なんですか?」

折角だから聞くか聞かまいかと迷ったが聞いてしまった。
しかし初対面にいきなり話してくれるのか、という点もあってもしも答えてくれなくても気にするつもりはない

真乃 真 > 「まあ!4年間で形になるような事は残ってないんだけどね!!」

胸を張って言う。
…形には残っていない。

「それも良いじゃないか!
 ここでしか出来ない事はとんでもなく多い
 入ったばかりだし色々試してそれから考えれば良いと思うよ!!」

この島には多くの事がある。多くの人がいる。
多くを見ればいい、多くを学べばいい。
それから決めればいい。

「ああ、それは…」

いよいよ夕日が沈む。最後の光の方へ向き直れば自信あり気に笑って見せて

「もちろん!最高にカッコいい事さ!!」

そんな言葉を当たり前みたいに言い切った。

「正親君!学園生活を楽しみなよ!
 4年て言うのは思ってたよりも短いぜ!」

そんな言葉を言い残して来た時よりもゆっくりと階段を下って行くのだった。

日下部 正親 > この何とも言葉にし難いしゴールしきるのも難しいと思われる常世学園。
そこにもうすぐゴールする予定の人からの助言。正に先輩らしい助言というべきか。
自分とは真反対のような存在の人、前向きな人による前向きな助言。
助言を欲しがった事はないし、欲しがる人はそういないと思う。
でも助言というのは何かしらに影響してくるものだと思うし、実際自分にこの助言は影響してくると思う。

「……そうですね。先輩なら、カッコ良い事やってくれると思います。
 もしもここに先輩の名前が聞こえたら……ちょっと自慢する、かもしれません」

この人の知り合いなんだぞ、よりもこの人の後輩なんだぞ。
そんな自慢がする日が来たらいいな、と思った。

「は、い!真乃先輩、ありがとうございます!」

そんな後輩らしい返事をしつつ、ゆっくり階段を降りていく先輩を見送り
先程先輩が見ていた方を眺めてみた
もう、すぐに暗くなっていくだろうけど、カッコ良い人には休憩も必要である。
でも、それでもまた日は登るのだから自分も頑張らないといけないな、と暗くなっていく常世島を眺めながら一人呟いた

ご案内:「大時計塔」から日下部 正親さんが去りました。
ご案内:「大時計塔」から真乃 真さんが去りました。