2018/01/26 のログ
ご案内:「大時計塔」に鈴ヶ森 綾さんが現れました。
■鈴ヶ森 綾 > その日の講義が全て終わり、帰宅する前にと寄った時計塔。
そこから見える景色は先日の雪の影響で、何時もとは随分と異なる様相だった。
日当たりの良い場所ではすっかり溶けた雪も、そうでない所にはかなりの量が残されている。
白い斑のかかったような街並みから、青垣山の方までぐるりと見回し、水平線にに沈みつつある夕日に目を細めた。
■鈴ヶ森 綾 > 雪の白と夕焼けの紅、それに元の街並みの色が混ざりあった混沌とした色合いは、
なんとなく今の自分の乱れた胸中を表しているように見えて、少し不快だった。
外縁部の柵に寄りかかり、なるべく上だけを見るように顔をあげる。
島内でも一際高いこの場所から見ても空は遥かに高く、遮るものなく広がる様は一時鬱屈とした気分を紛らわせてくれる。
戯れに空中に手を伸ばし、何かを掴むような動作を行う。無論、指に触れるものがあるわけもなく、虚しく空を切るだけだ。
空気をかき混ぜただけに終わった手をじっと見つめ、少女は短い言葉を漏らした。
「遠いわね…。」
ご案内:「大時計塔」に岡崎燐太郎さんが現れました。
■岡崎燐太郎 > 夕刻、小窓から夕日の明かりが差し込む階段を上る。
一定の間隔で足音を反響させ、やがて適当な階で足を止める。案の定人の気配はほとんどなかった。
まあ先日降った雪に覆われた街並みを観賞でもしようと来ただけだが。
「へぇ、結構しっかり管理されてんだなぁ」
これだけ高い塔のこと、てっきり上の方は雪で埋もれているかと思っていた。
しかし来てみると人が踏み入れる部分のほとんどは清掃が行われている。
公共の施設として管理が行き届いている証だろうか。
「真っ白……」
少し離れた場所で少女とは対照的に目の前に広がる白く覆われた景色を見下ろし、
誰に言うでもなくぽつりとつぶやいた。