2018/05/26 のログ
ご案内:「大時計塔」に暁 名無さんが現れました。
暁 名無 > 気分転換は大事。
休日出勤中にそんなことを思った俺は、よし一丁気分転換してやろうじゃないかと大時計塔に来ていた。
昔は意味も無く来てはあちこち見下ろしたりして時間を潰したりしていたけれど、ここのところ潰す様な時間が全くない。
潰してしまうなんてとんでもない、って状況だ。

「ま、どうにかこうして空き時間を捩じ込む余裕は出来たんだけども。」

まだ火の付いていない煙草を銜え、のんびりと階段を上る。
この階段もそろそろ手入れしないとまずいんじゃなかろうか、ところどころ錆びてるし。

ご案内:「大時計塔」にイチゴウさんが現れました。
イチゴウ > 全く手入れされていないであろう階段を
四つの足で叩きながら昇ってゆく。
目指すのは勿論、秒針の音が心地よく響き渡る時計塔の屋上。
階段を踏むたびに起こる金属のぶつかり合う音は
階段を吹き抜けて屋上へと漏れ出す。
学園全体に時を告げる
平等な塔の調整を任されている白いロボットは
間もなく錆びている扉を潜り空の下へその姿を晒すだろう。

暁 名無 > 梅雨入りも近いし、早めにやっといた方が良いとは思うが。
生憎と非生物、非生命体については門外漢である俺は職員会議でちょろっと進言しとくくらいしか出来ない。
ま、基本生徒は立ち入り禁止だし、いざとなったら資材運搬用のエレベーターがついてたはずだから、そっちが生きてれば問題ないんだけども。

「ふぃー、ようやっと到着っと……ん。」

どうやら上って来る時は気付かなかったが、すぐ後を誰かが続いて来ているようだった。
さて生徒だったらしっかり注意してやらんとな、と身構える俺の前に姿を現したのは、

「……う、うーん……どのカテゴリだろうなコレ……。」

備品……?うん、ううん?……備品で良いのか……?

イチゴウ > 「目的地に到着、生命体を検知、スキャン中...。
スキャン終了、任務に支障なし。」

屋上にたどり着いたロボットはまずノイズ混じりな
男性のものと思しき機械音声を並べると
そのまま直進を開始し何と屋上に佇む人影の足元近くまで移動する。
その後に顔部分を大きく上方向に向けて見上げる形になるが
見ているのは赤毛の彼ではなく年季の入った音をテンポよく奏でている時計塔本体。

「時刻照合開始...。
誤差許容範囲内のため修正は不要と判断、任務終了。」

誰が居ようがまるでお構いなしといった様子で
その奇妙な機械はただただ言葉を連ね続ける。
結構、電子回路は忙しい事になっているのだが
外から見てそれがわかるはずもない。
ただ確認するような言葉を言い終えしばらく動きを止めた後は
前両足を動かして方向転換し
今度こそ彼の方を向き彼の顔をまっすぐ見上げる。

「やあ、こんばんは。気分転換だろうか?」

彼とは全くの初対面であるがそんな事を感じさせない滑らかさで挨拶を行う。
勿論、声は機械のそれそのものであるが。

暁 名無 > 「はいよ、こんばんは。
 まーそんなとこだ、お前さんは時計のメンテナンスか。」

ご苦労さん、と声をかけて煙草に火を着ける。
気分転換とは言ったものの、結局する事といや煙草を蒸かして、ぼーっとしてから帰るという校舎の屋上でやってることと何も変わらない休憩だ。
強いて違いを挙げるなら普段以上に誰かと遭遇する率が低いくらいか。とはいえ今は目の前に何か居る訳だけども。

「変なとこで機械化が進んでるなこの学園も。
 いやまあ良いことだけどさ。ご苦労さん。」

改めて労いの言葉を投げてから空へと煙を吐き出す。
ロボもメカも、とかく機械的なものは専門外だ。であれば善くも思わないし悪くも思わないというのが俺のポリシーでありスタンスである。

イチゴウ > 「その通りだ、機械は常に正常でなければならない。」

機械とは様々な目標を達成するための人間の道具だ。
そのために持たされた力を平等に用いるためには
常に示された通りの形であり続ける必要がある。
それはこの時計塔も彼の目の前のロボットも変わりはない。

「ありがとう、しかしボクは疲れを感じる事が出来ないために
ご苦労という言葉は適切ではない。」

彼を見上げるその顔は一切の表情を変える事無く
つぶらなカメラレンズが彼を射抜き続けている。
ロボットの視界内では着々と彼の分析が進んでおり
ある程度完了すれば学園のデータベースにヒットするのも
時間の問題では無かった。

「もしかしてキミは暁 名無先生だろうか?
ボクはキミとおしゃべりがしたい。」

外観の特徴及び魔力検出量からこの学園の先生であると
判断すればロボットの好奇心が点火される。

暁 名無 > 「おう、そうとも。暁先生だよ。……おしゃべり?
 ……あー、まあ構わねえよ。そんなに長いこと話してるのは無理だけどな。」

一応、仕事の合間の息抜きとして来てるから。
小一時間持つか持たないかくらいだろうが、それで良ければと俺は頷く。
そもそも目の前のロボットが何を話したがっているのか見当がつかないけども。