2015/06/04 のログ
害来腫 > ち、この間の連中の情報は、いまんとこ無しか…
【男の名前はブラッタ、元ロストサインの一員にして、現公安委員会のメンバー】
【異能名は通り名でもある<<害来腫>>、蟲や小型の生物を操る異能である。】

諜報のついでにあいつらの弱みでも握れればと思ったが、まあそう上手くはいかねえか
【男は、その異能により学園内を常時監視し、同時に盗聴も行っている。】
【だが、今回はそれに加えてこの間の襲撃者達の事も調査しようと、普段よりも寄り広範囲に対して蟲を広げ】
【情報収集を行っていた】

害来腫 > しっかし今日は特にどうでもいい情報しか入ってこねえな…ん?
【カフェテラスに飛ばした蟲が、珍しい3人を視界に捉える】
ありゃこの前の…へえ、室長代理と知り合いだったのかあいつ、女の方は仲間か?
【常世財団へ向け放った蟲は、面識のない以下にもチンピラ然とした男を見つける、どうやら何か探ってるようだが】
ふ~ん、立場的にチクっとくべきなんだろうが…面白いし泳がしとくか…うまくいけばいいネタも入りそうだ
【時計塔へは…蟲が何故か近寄らない、そこにいる何かに怯えているようだ】
あっちにいるのは誰だ…支配した蟲が近寄りたがらねえって、余程だぞ…
【人が豊かになれば成程、餌を求めて害虫が寄ってくる。そして、それはそのまま全て】
【男の目となり、耳となる。今や男はこの学園都市で自身の目の届かぬところなど殆どないと、豪語する。】
【事実その言葉に違わぬ高い情報収集力で、男はロストサインへ、公安へ着く相手を変えつつ貢献してきた】

ご案内:「委員会街 とある高層建築物」に『室長補佐代理』さんが現れました。
『室長補佐代理』 > 「よく働いてるじゃないか」
突如、その声が掛かった。
真後ろから。唐突に、何の前触れもなく、声がかけられた。
滲むような笑みを伴った……囁くような声が。
「覗きをさせたらお前の右に出る奴はいないな……御同僚」

害来腫 > くそ、どうせならあの公安の女連中の弱みでも握れねえもんかね
中身はともかく体はいいモン持ってるしよぉ…
【下種な笑みを浮かべ、しばし邪な妄想にふける】
【それが故に、背後の気配には声をかけられるまで気づかなかった】

いひぃ!!?な、なな、何であんたがここに?
じゃなくて、あーその、お、お褒めに預かり光栄です…
【掴み所のない自身の上司に、しどろもどろの様子で挨拶を返す】

『室長補佐代理』 > 「なんでって、同じ仕事仲間なんだ。同じ職場にいるのは当然だろう? ほら、差し入れだ」
そういって、クソ苦い缶コーヒーを差し出す。
男の好物なのだ。それが『害来種』の好物であるかどうかは不明だが。
「どうだ。何かめぼしい情報はあったか? よく『見て』たんだろう?」
そう、上背のあるその男は、ざんばら髪を揺らしながら、覗き込むようにが『害来種』の目を見る。
男は、誰かと話すとき、何故か決して自分から目を逸らさない。

害来腫 > い、いただきます…
【普段の様子が噓のように、畏まった様子でコーヒーを受け取る】
【飲んだ瞬間うっ、と明らかに顔を歪めたが、それも気合で流し込む】
え~っと、そうですねえ、あの室長代理が話してた奴、あいつですよ
俺がこの間言った、突然ぶん殴ってきた違反学生
あの野郎…まあいいさ、名前もわかったし、いずれたっぷりお礼を…

ってああ、すいません、話が逸れやしたね…
そうっすね、後は…常世財団に、妙なチンピラが一人、乗り込んでましたぜ
名前はわかりませんが何か調べてやした
他には…
【すらすらと、自身の調査結果を室長代理へ報告する】
【男は、この得体の知れない目の前の上司が苦手だった】
【それはその掴み所の無い人柄だけでない】
【男の異能を持ってしても、目の前の男の正体、異能に迫る情報は、今のところ一切皆無なのだ】
【そのような人物など、男がかつて所属したロストサイン、そのグランドマスターぐらいのものだった】

『室長補佐代理』 > 「ほう、あの島に乗り込んだ命知らずがいるのか……特徴から聞くに、ルナティック・トロウル……川添だな」
静かに頷いて、話を順々に聞いていく。
その間も、一度も目は逸らさない。
『害来種』の目を、伽藍洞の瞳孔が見つめ続ける。
一度も逸らさず……瞬きすらせず。
そして、話し終えた時にようやく目を閉じ……否、猫の目のように細め、口端を吊り上げてニヤニヤと笑った。
「ご苦労。あの探偵に『礼』をしたいなら、好きにするといい。彼も遊び相手がいたほうが暇をしないだろうからな……ああ、そうそう、仕事を一つ頼みたいんだが。聞いてくれるか? 同僚の頼みとしてな」

害来腫 > 【まるで深淵を覗いてるかのような、吸い込まれるような錯覚すら覚えるその瞳に気圧され、逸らしたくても視線を逸らす事ができない】
【異能の体になってから失った筈の汗という機能がまだあったなら、きっと自分は滝のような冷や汗をかいていただろうと】
【一瞬現実逃避めいたどうでもいいことを創造する】
【だが、その男から許可すると一言が出れば…その顔は目の前の人物にも劣らぬ凶悪な笑みを浮かべる】

いいんですかい…?俺がお礼参りをするってことは…つまり『そういう事』ですぜ…
【舌なめずりをする男、だが次の言葉に怪訝な顔をする】
はあ、室長代理が俺に依頼ってのも珍しいっすね…一体なんすか?

『室長補佐代理』 > 「いいんだよ。遊び相手がいたほうが誰だって嬉しいだろう? あれで彼は結構さびしがりなんだ。たっぷり遊んでやってくれ……最近、連れもいるみたいだしな」
そう、『害来種』の凶笑いにあわせて、薄笑いを浮かべる。
「違法薬物の動きの流れ。適当に追っておいてくれ。最悪、公安委員会の中で『しっぽ切り』をする必要がでてくる。そうなった時に……執行部に目をつけられると面倒だからな。言い訳くらいは準備しておきたい。お前だって裁判なしで豚箱に叩き込まれるのはごめんだろう?」

害来腫 > ひひ、そりゃあ…たっぷり楽しめそうっすねえ…!
【顔は更に醜く歪む、頭の中では邪魔をした連中を如何に惨い目に合わせるかでフル回転をしているだろう】

はあ…違法薬物ってあの異能を暴走させるとかいうアレっすか?
【例の噂…異能を暴走させるという麻薬の話は、男自身は既に耳にしていた】
【ただ、そちらの依頼は受けていなかった事、特に興味の無かった事から】
【これまで本気で調べた事はなかった…が、それも今日まで】
お任せ下せえ、この俺…<<害来腫>>にかかれば
どんな秘密も、丸裸でさあ…
はは、あいつ等がそれぐらいで済ましてくれりゃあいいですけど、ね!
【屋上から飛び降りる、重力に引かれ地面に向かう体は、一瞬にして羽虫の群れへ変化し】
【夜空へ飛散する】
そんじゃあいっちょ行ってきますわ!お先に失礼しやすぜ!
【その一言を告げると、男の気配は完全に霧散した】

ご案内:「委員会街 とある高層建築物」に槙壌 結雅さんが現れました。
『室長補佐代理』 > 霧散し、消えていく『害来種』を見送り、静かに笑う。
人格面には大きく問題を抱えている男だが、それと実力は別だ。
だからこそ、男は『害来種』を信頼しており、その成果を疑っていない。
あらゆる意味で。
「そのツケを志葉君に支払わせるのは若干心苦しいが……まぁ、彼ならなんとかするだろう。出来なければ……それまでの男というだけのことだ」

槙壌 結雅 > (神出鬼没。神のように現れて、鬼の如く没する。それが、彼女の在り方で。こんな、高層建築物の屋上に現れる等…多分、誰も予想しなかっただろう。)
あら、御機嫌よう、でございますわ。
公安委員会の皆々様方。御気分は、宜しくって?
…あら、入れ違い、だったかしらね。
改めて、御機嫌よう、中間管理職の御主人様。
(口元に手を当てながら、くすくすと笑いつつ。何食わぬ顔で話し合う二人へと声を掛ける。が、その矢先、害来腫の姿が消え行くなら、横目で見遣って。そうして、「真っ黒」を思わせる彼に、改めて向き直りながら、にっこりと慇懃無礼な笑みを浮かべて、御挨拶を遣った。)

ご案内:「委員会街 とある高層建築物」から害来腫さんが去りました。
『室長補佐代理』 > 「盗み聞きとは相変わらずいい趣味をしていらっしゃる」
振り向き、こちらもまた薄笑いで返礼をする。
彼女がこうして突然現れるのはいつもの事であり、公安委員ならだいたいの人間はそれほど驚かない。
特に第二特別教室に所属する人間はそうだ。
神のする事にいちいち驚いていては、それこそ神出鬼没の気まぐれに振り回され続けることになる。
それでは流石に仕事にならない。
「改めまして御機嫌よう。天上神殿。ここに来たということは、部長あたりから何か言伝でも?」

槙壌 結雅 > あらあら、お褒めに与りまして幸いでございますわ、御主人様♪ああ、それと、御紅茶でございます、お召し上がりくださいませ。
(悪びれない。それどころか皮肉に答える様にさぞ愉快そうにまた、くすくすと笑う。そして、彼が恐らく、おいてあるであろう珈琲をしれっと退ければ、にっこりと紅茶を差し出した。砂糖をふんだんにいれた、甘い飲み物。珈琲を好んでいるであろう彼は、どんな顔をするだろうか?…ゲスは、どこまで行ってもゲスである。)

えぇ、御機嫌よう。室長補佐代理様…ああ、もう。毎回毎回思うのですけれど、長いですわね、いい加減にして下さいまし。
(口調はこうだが、不愉快と言った様は、全く見せない。つまり、単なる冗談。)

くすくす…いえいえ、違いますの。単にアナタと御話、したくなったのですわ。最近、如何ですの?お調子の程は。…とってもいいみたいですけれど?
(因みに、お話したいというのは、本心である。先程の会話、盗み聞きは一応していて、笑っている彼も見えた。ただ、内容は実際、あんまり聞こえなかった。ので、取り敢えず、聞いてみる。)

『室長補佐代理』 > 「本当に天上神殿はブレませんね。御話ししたいと言ってくれるのは身に余る光栄ですが、神性を帯びた御身を楽しませる自信はありませんな」
全くいつものように珈琲を退けられ、全くいつものように紅茶を出され、全くいつものように紅茶をスルーする。
ここまでテンプレートである。
しかし、男は男で不愉快そうな顔をすることはない。
いつもの事である以上、それはもう、ただのいつもの事であり、それ以上でもそれ以下でもないのだ。
「体調のほうでいえば可もなく不可もなく。懐の事情でいっても同上。仕事に関しても同上といったところですかね。いずれにせよ、天上神殿からみれば、たかが人間の小さな一喜一憂に過ぎませんよ」

ご案内:「委員会街 とある高層建築物」に害来腫さんが現れました。
ご案内:「委員会街 とある高層建築物」から害来腫さんが去りました。
槙壌 結雅 > あらあら、気にしないで宜しくってよ。こうして冗談を連ねるだけで私楽しいですもの。…お召し上がりくださいませ?
(ニタリと、テンプレートの動作にも愉快そうな底の浅い笑み。スルーされた上でしつこい紅茶への御誘いもまた、テンプレート。)
然様ですの。良いではありませんか、とても…。可もなく不可もなし。その有難さは、失ってから始めて気付くものですもの。まぁまぁ、そう自分を卑下しないでくださいませ、人も神も、皆平等でございますわ。それに…こう見えても私、結構アナタの事、好きですのよ?
(こうやって、テンプレートの動作をする同士。戯れ合い…悪く無い時間を共にしたわけだから。相変わらず、皮肉な態度は…御愛嬌、と言ったところだった。)

『室長補佐代理』 > 「それは良かった。俺みたいなワンパターンな人間で楽しんで頂けるのならこれ以上ない喜びですよ」
基本は天丼、という単語が脳裏を過る。
無論、紅茶には触りもしない。
ここでそれに触れたらテンプレートが崩れるからである。
「俺も好きですよ。相思相愛ですね」
これもまた、いつものやりとりである。
「しかし、俺なんかより、副委員長あたりと話をしたほうが面白いんじゃないですか? きっといいリアクションしてくれますよ」

槙壌 結雅 > んんー、そういえば、そうですわね。アナタ、ワンパターン過ぎて少々飽きるやもしれませんわ。たまには思考を変えてみようかしら。お召し上がりくださいませ?
(ふと、頭を捻る。が、またしつこい御誘い。)
あらあら、本当ですわね♪嬉しいですわ、それじゃあこのまま突き刺しあってみましょうよ。
(己の武器、断罪の剣を抜きながら、「付き合ってみましょう」ではなく、偉く物騒な言葉。因みに本気でないのは…彼も分かっているはずで。)
んふふ…あの…私、そっちの気、ありませんので。
(流石の天上神も苦笑いで一蹴だった。レズビアンではない。)

『室長補佐代理』 > 全て冗談とは分かっている。むしろ存在そのものが冗談のような手合いだ。
だからこそ、終始扱いは変わらず、対応も変わらない。彼女もそれを望んでいる。
神とは現象のようなものとも聞く。
ともなれば、こういった一連の動作そのものは一種の儀式と呼べるのかもしれない。
ならば、宛らこれは神官の行う降霊術か。
そう思うと中々皮肉めいた笑みがこみあげてくる。
「荒事は苦手なので突き刺すのは遠慮しますが、刺したいというならどうぞご自由に。それじゃ、俺は眠いので今日はこのあたりで」
実際、男は武器を携帯していない。
相変わらず右手をポケットに突っ込んだまま左肩だけで肩を竦め、踵を返して去っていく。
「良い夜を」

槙壌 結雅 > (真っ黒な彼が、表面だけ真っ白な天上神を降霊させる儀式。でも、実際は内面が真っ黒で。それは、同じ性質のものが引き合うものではなかろうか。彼が、「降霊術」と呼ぶのであれば、己は「共鳴」と呼ぶだろう。)
えぇ、お休みなさいませ。良い夢をご覧くださいね?―――あら、いけませんわ。御忘れ物ですわよ中間管理職の御主人様っ!
(最後の最後まで、スルーされ切った紅茶を、去りゆく彼の背中へと投擲する。テンプレートであれば、彼はさっと、全くそれを意に介さず回避して、これでお別れと言うことになるだろう。)

さて、私は…ここにいる意味もありませんわね。
(彼が、後にした数十秒の後、己も、高層建造物の並ぶこの場を後にする。)

『室長補佐代理』 > ご期待に違わず一瞥すらせずに回避し、ヒラヒラと後ろ手だけを振って去っていく。
ご案内:「委員会街 とある高層建築物」から『室長補佐代理』さんが去りました。
槙壌 結雅 > つれませんわ。
(相変わらず、だった。)

ご案内:「委員会街 とある高層建築物」から槙壌 結雅さんが去りました。
ご案内:「公安委員会本部」に西園寺偲さんが現れました。
西園寺偲 > (公安委員会本部、非常連絡局に宛がわれた部屋。
古風な調度品に囲まれた豪奢な部屋で、偲は溜息をついた)

「では、調査部ではないのですね」
「はい。調査部から資料が漏れ出た形跡はありませんでした。
間違いなく、『特別教室』の連中かと……」

偲は再び溜息をつく。
特別教室。公安の深部。

西園寺偲 > 「分かりました。
ではこの件はここまでです」

偲は内部資料の調査について打ち切りを命じた。
特別教室を相手にするつもりはない。
彼らに権力は通用しない。
その恐るべき力に対抗するには、非常連絡局はあまりに無力だ。

西園寺偲 > 「しかし……」
「そうですね、特別教室も含めて全公安委員に資料管理の徹底を求めてください。
単なる脅しですが、やらないよりマシでしょう」

そう、彼らに対して出来るのは嫌がらせくらいだ。
対抗するにはまだまだ力が足りない。
せめて『暴走剤』の完成まではいかないと……

西園寺偲 > 偲はそのまま部屋を出た。
まだまだすべきことはいくらでもある

ご案内:「公安委員会本部」から西園寺偲さんが去りました。
ご案内:「委員会街」に『室長補佐代理』さんが現れました。
『室長補佐代理』 > 委員街の一角。小さなカフェテラスで、全ての公安委員に渡された『それ』をみる。
情報保持徹底の勧告書。表向きはただそれだけの連絡だが、これは事実上の箝口令である。
非常連絡局の強権を思わせるそれを見て、男はいつものように薄笑いを浮かべる。
「副委員長殿は全く……仕事熱心でおられる」

『室長補佐代理』 > 公安委員会に限らず、あらゆる組織は普通一枚岩ではない。
それはこの学園でも同じことだ。
そこに利権があり、人がいて、実際の利益があがっているのなら、離合集散は避けられない。
人の息遣いがある場所ならば、異能と魔術の跋扈する常世非ざる魔都においても、その法則が変わることはない。

『室長補佐代理』 > 故に、男はそれを見て、嗤うのだ。
笑うのではなく……嗤うのだ。
「異能に目覚め、魔術を繰り、人ならざる異形と触れようと……常世の常が変わることはない。清々しい程にこの世界は、マクロでみれば古人の予想範囲から出ていかない。『全部きっと間違いなく』……未来永劫そうなのだろうな」

『室長補佐代理』 > 血が出るなら殺せる。
ならば、血で血を洗ってでも欲する利がそこにあるのならば、あらゆる存在は殺せる限り殺しあうのだろう。
血が流れぬのなら、血が流れるまで。
殺せぬのなら、殺すまで。
まぁ、いずれにせよ、情報部別室に探られて痛い腹があるわけでもない。
男は淡々と職務をこなしているだけであり、それ以上でもそれ以下でもない。
近々、風紀委員会からの強行調査があるとの噂も流れているが、それに対して抵抗する気は、少なくともこの男には無かった。

『室長補佐代理』 > 風紀委員会がそれをするというなら、どんな結果になるにせよ顔は立てなければならない。
確かに風紀と公安は立場上対立することは多くあるが、だからと言って徒に面目を潰して権威を失墜させていいわけではない。
この常世学園には法の外の存在がそれこそ星の数ほどいるのだ。
それらに対して最も有効な対処法は当然ながら直接打撃ではなく、『法の目がある』と意識をさせることである。

『室長補佐代理』 > ならば、その『目』がいつまでも『内輪揉め』で外に向いていない状況になるのはよくない。
いつまた「ロストサイン」のような組織が現れるかしれないのだ。
あの時も結局『目』が機能しなかったお陰で体制側は後手に回った。
故に、同じ轍を踏む愚は避けたい。
それだけのことであった。

『室長補佐代理』 > 「まぁ、毎度の事だ……正義の味方は正義の味方らしく、今回も『その時の正義』に期待しようかね」
そう一人ごちて、深く椅子に腰掛け、缶コーヒーを一口啜る。
いつものように、薄笑いを浮かべながら。

『室長補佐代理』 > 連絡資料を懐に仕舞い、コーヒーを飲み干す。
左中指にはめられた純銀の指輪が不気味に輝き、斜陽に沈むカフェテラスに一条の光を灯す。
委員会街のカフェテラスであり、一般生徒はあまり来ない場所ではあるが、それだってまるで来ないわけではない。
より正確にいえば……一般生徒が来れないわけではない。

ご案内:「委員会街」に設楽 透さんが現れました。
設楽 透 > 【片手に封筒を持った男が、カフェテラスの脇を通りかかった】
【周囲のただならぬ雰囲気を不思議に思ってはいたが、テラスに居る人物に気付き得心いった顔をする】

「やあ、そんなところでお茶してるなんて珍しいねえ!」

【誰に対するにも同じように、男は声を掛けた】

『室長補佐代理』 > 「得体のしれない情報屋を待つには都合がいい場所だったんでね」
そう、薄ら笑いと共に返答する。
『触れ得ざる者《ドゥ・ノット・ディスターブ》』……設楽透。
常世学園に何人かいる情報屋の1人。
「相席だったら歓迎だぜ」

設楽 透 > 「得体のしれないだなんて心外だなあ。」
「君と違って僕は普通の好青年で好先輩だぜ?」

【訊ねる前に相席を了承され、これ幸いと席に着く】

「はっは、男に待たれるというのは数える程度しか経験が無いけど」
「やっぱり気分の良いもんじゃないねえ」

『室長補佐代理』 > 「俺だって普通の正義の味方で好青年さ」
じわりと滲むような、汚泥が毀れる様な汚らしい笑みを浮かべて、そう嘯く。
「まぁ、野郎同士の相席で気味が悪いのはお互い様だ。俺も今はアンタよりもアンタが持ってるその封筒の方が気になる」
左人差し指を設楽の持つ封筒に向けながら、くつくつと小さな笑声を漏らす。
「俺向けの商品とみていいのかね? それは」

設楽 透 > 「要するに、」
「お互い様か。」

【淀んだ笑みを浮かべる相手と対照的に煌びやかに笑みを浮かべる】

「ああ、これかい?」
「何の事は無い、委員会の紹介を斡旋して貰っただけさ」
「見ても何も面白くないよ」

【それでも見るかい、と封筒をテーブルに置いた】
【中身は果たして本当に委員会の紹介状である】

「そもそも、形に残る商品の扱いはしない主義なんでね」

『室長補佐代理』 > 「それは残念だ。昔ながらの紙の取引は『色々な意味』で俺は好きなんだがね」
しかし、足が残らないようにするという意味では、その行動は評価ができる。
故に、彼は信頼できる情報屋であり、同時に警戒すべき情報屋なのである。
「風紀委員会あたりの紹介は俺にもしてほしい所だ。色々と興味があるんでね」

設楽 透 > 「特に最近は、怖い猟犬が手綱を噛み切らんとしてるって聞いたんでね」

【用心に越した事は無いさ、と男は微笑みを浮かべたままコーヒーを注文した】

「風紀委員なら僕は2年前に門前払いされたっけなあ」
「僕で無理なんだ、君じゃあ輪をかけて無理だろうよ。」

【テーブルに肘を乗せ、頬杖をついて相席する男の顔を見遣る】
【挑発半分、本心半分と言った様子だ】

『室長補佐代理』 > 「俺としてはいつだって誰とでも仲良くしておきたいんだがね。悲しい話じゃないか。本来はお互いただの学生なんだぜ。せめて放課後くらいは談笑と買い食いに興じたいもんだ」
カフェテラスにも関わらず、厚顔にも持ち込んだ缶コーヒーを啜る。
当然、注文を取りに来た店員からは嫌な顔をされるが、公安委員の腕章を傍らに微笑めばそれ以上にはならない。
「まぁいい。商品がないのなら、俺から一つ商品を提供したいんだが……取り扱ってくれるかね?」

設楽 透 > 「はっはっは、それはある意味じゃ風紀委員に入るよりも険しい道だねえ」
「まあ、その願望には大いに同意するさ。」

【缶コーヒーを啜るのを咎めるでも無く、】
【ぼんやりと男の顔を眺めてコーヒーを待とうとしていたが、】

「うん?……構わないけど、」
「僕の手に渡った時点で、君の思う様な流れ方になるかの保証は出来ないぜ?」

『室長補佐代理』 > 「情報は金と同じだ。人の手に渡った時点で、流通に関して都合の良い期待はしないさ」
そう事も無げに言い放って、左肩だけで肩を竦める。
「俺が提供する商品は……今日、まさに俺とアンタが密会したという情報だ。もし欲しがる奴がいたら気兼ねなく安値でバラまいてくれていい。アンタの都合が悪いなら、単純に公安委員が胡散臭い情報屋と密会した……という情報だけでも構わない。偏向報道でもなんでも御自由にだ。俺の動きを探る奴にはそのあたりは気前よく売り払ってくれ。取り扱ってくれるかね?」

設楽 透 > 「君の口から『密会』だなんて言葉を聞くと背筋が寒くなるね」

【事も無げに軽口を叩いてから、運ばれてきたコーヒーを受け取って一口】

「───ふむ、分かった。そこまで言うのであれば大切に使わせて貰おう」
「尤も、こんなモノ欲しがる物好きが居るのかは」
「いささか怪し過ぎるけれどね」

【ニヤリ、口角を釣り上げる笑みを浮かべる】
【この男がここまで言うからにはきっと、それだけの『利用価値』があるのだろう】
【そう判断して了承の意を伝える】

『室長補佐代理』 > 了承の意を見て取れば、まるで鏡あわせのように口角をこちらも釣り上げ、立ち上がる。
「商談成立だな。今後の仕事振りに期待させてもらうぜ――『触れ得ざる者《ドゥ・ノット・ディスターブ》』」
そして、伝票を掻っ攫って隣をすり抜ける。
「少ないが、前金だ。気兼ねなく受け取っておいてくれ、それでは――良い仕事を」
そういって、会計をさっさと済ませると、そのまま街の通りへと消えていった。

ご案内:「委員会街」から『室長補佐代理』さんが去りました。
設楽 透 > 「ふふ、『都合の良い期待』は止して貰いたいね」

【会計を済ませ立ち去る男の背を横目に、コーヒーカップを傾ける】
【既に頭は今得たモノの扱いを始めていた】

(情報屋と密会する公安か──)
(男同士じゃ味気無い、女同士は出来過ぎだ)

【その顔は普段の好青年の皮を忘れ、悪戯を企む子供の様である】

(───男女の密会、ばら撒くのならそのシチュかなあ)

設楽 透 > 「さて、あんまり長居しても仕方ない。」
「ゆっくり帰りながら吟味しようかねえ」

【空になったカップをソーサーに置いて封筒を手に取り、】
【次第に夜闇が満ち始めた委員会街の片隅を後にした】

ご案内:「委員会街」から設楽 透さんが去りました。