2015/06/16 のログ
ご案内:「委員会街」に霜月 芙蓉さんが現れました。
■霜月 芙蓉 > 「ぁ……ぁ……」
光のない目、破かれてボロボロの服、複数の殴打の後。
何をされたかは一目瞭然な姿で、よろよろと歩いている。
「うう……ぐすっ……」
足取りはおぼつかず、普段持っている弓もなく……ただ、風紀委員の腕章を握りしめて、歩いている。
ご案内:「委員会街」に矛海 遼さんが現れました。
■霜月 芙蓉 > 目的地は、風紀委員詰所。
安全な場所、と考えた時、そこしか思いつかなかったのだ。
「ぐすっ……ぅぁ……」
涙を零しながら、力なく、よろよろと歩いている。
■矛海 遼 > 普段、この場を通る機会は全くないのだが、青年はある目的のためにその近くを通りかかっていた。
其れとは別に、何か胸騒ぎも感じていた様だが
「……………む?」
暗い闇の中、人影を不審に思い、目を凝らし――――
「――――ッ!」
少女へ駆け出して行く
■霜月 芙蓉 > 誇りが砕かれた。
尊厳が砕かれた。
最早、それだけでは済まない。
女性として、何よりも大事にしていた……純潔を、奪われた。
最早、霜月芙蓉の心に光はない。
ただ、安全なところへ。ただ、一息つける場所へ。
それだけを思って、うつろな目で歩き続けている。
■矛海 遼 > 「―――――おい!芙蓉!」
声を掛ける、普段の彼からは想像できないくらいの声を挙げて
■霜月 芙蓉 > 「ぁ……」
虚ろな目で自分に向かってくる人影を見る。
「せん、せ……」
よろよろ、とそちらに向かって歩き出し……
「あっ……」
力尽きて、その場に倒れこんだ。
■矛海 遼 > 「…………」
軽く舌打ちをして、倒れた少女を抱きかかえる。
共に、体の状態を、痣やボロボロになった服を見て自身のロングコートを被せて風紀委員の詰所へ駆け出していく
「………嬉しくない予感だけがあたる物だな……!」
■霜月 芙蓉 > 「……さい」
呟く。犯されながら、ずっと思い続けていた言葉を絞り出す。
「ごめんな……さい……」
「わたし……なにも、できな……かっ、た……」
■矛海 遼 > 抱きかかえながら自身の携帯をつなげる。
連絡先は風紀委員と病院だ。
「………零君の連絡先を知っておくべきだったな……!」
自身の交流の少なさが恨めしく思う。
「…………今は、大丈夫だ。私が居る」
優しく抱き留める力が強くなる。
今、痛みを感じない男【アイスマン】は、心に再び痛みを感じていた。
■霜月 芙蓉 > 「うう……ぐすっ……」
力なく抱きしめる。その手は震え、目からは涙が零れている。
……残っていたスカートのポケットに、芙蓉の携帯がある。それを確認すれば、零にも連絡できるだろう。
■矛海 遼 > そのまま駆け抜け、思いっきり部屋の扉を開け放ち、ソファに寝かせると芙蓉のスカートから携帯が零れ落ちる。
「…………手段は選べんか……!」
芙蓉の携帯電話から連絡先を引きだし、自身の携帯から発信する。
「………………」
涙を拭きながら自身の耳に携帯を当てて、優しく頭を撫でている。
何処か、その時の表情は怒りが混ざった物だった。
ご案内:「委員会街」から霜月 芙蓉さんが去りました。
ご案内:「委員会街」に霜月 零さんが現れました。
■霜月 零 > ……電話だ。
こんな時間に誰だ?と思い電話に出る。
「……はい、もしもし?」
■矛海 遼 > 「霜月 零だなッ!私だ、矛海だ!至急委員会街の風紀委員の部屋へ来て欲しい!」
以前会った男からは想定できないような、激しい口調で声を出す。
「事情は後で細かく説明する!君の妹に関係することだ!」
■霜月 零 > 「あ…何、芙蓉にだと!?」
まさか、負傷でもしたのか。
そんな「甘い」想像をしながら、全力疾走で風紀委員の詰所に駆け出していく。
「クソ、あのバカ何しやがった……!」
その目は、心配に揺れていた。
■霜月 零 > ……そして、数分後。
「おい、芙蓉がどうかしたのか!?」
息を切らせて、詰所に駆け込んだ。
■矛海 遼 > 「……………」
何処か沈んだように、視線を寝かせた芙蓉に向ける。
「私が来た時には委員会街でこのような状態だった………何が起きたのかは見た方が早いだろう……」
被せられたロングコートを外せば、何が起きたかは一目瞭然だろう。
「……………既に病院などに連絡は入れた。君は傍に居てあげてくれ。」
■霜月 零 > 「な……」
目が見開かれる。そこには……犯されたとはっきりわかる、無残な妹の姿があった。
「うそ、だろ……おい、新手のジョークなら今なら許すぞ?そうなんだろ?」
ふらふら、と近寄るが……気を失って力なく倒れているその体には複数の打撲跡があり、股間付近には血の跡もある。
……間違いない。
「…………誰だ」
この世全てを呪うかのように、矛海に問い掛ける。
■矛海 遼 > 「………風紀委員を二重の意味で食い物にする者。
そして彼女が逃げずに戦闘を挑んだというのならば、一人。心当たりがある。」
下を向く顔は相変わらず無表情だが、拳を強く握り、そこから血が垂れている……どころか、手首の血管が切れ、そこから血を噴き出している
「………虞淵という男だ。」
しばらくするとサイレンの音が近づいてくる。どうやら救急隊が駆け付けて来たらしい。
■霜月 零 > 「……虞淵、だな」
拳を握りしめる。
目は見開かれ、そこには光がない……ただただ、深い闇が揺蕩っている。
「…………殺す」
そして、ぽつりと。
だが、地の底から響くような、そんな声で。
純然たる、殺意を漏らした。
■矛海 遼 > 慌ただしい足音が響き渡り、救急隊員が扉を開けて駆けこんでくる
「……ご苦労、彼女の治療を頼む……」
隊員のリーダーに声を掛け、書類にサインをする。
そのまま芙蓉は担架に乗せられ、運ばれていくだろうか。
「……零。今はその子の隣に居てやれ。」
■霜月 零 > 「……ああ」
ふらふらと、運ばれていく芙蓉についていく。
「芙蓉……俺が、仇は討ってやるからな」
そっと頭をなでて、そして自分の額を抑える。
「……ああ、コイツか。コイツが虞淵か」
――異能「根源接続」。
この世の根源に接続し、情報を得る事の出来る異能が、怒りに呼応して僅かに覚醒したのだ。
「顔は覚えた……殺す、殺す……!」
その力は……ただ、復讐のためだけに振るわれるだろう。
■矛海 遼 > 「…………復讐は自身と決着を付けるためにある。」
運ばれていく芙蓉と零につづいて行きながら言葉を溢す。
「だが、ただ殺そうとは思うな。
もっと痛め、辱め、苦しめ、それから殺せ。」
復讐者を止めることはできない。自身がかつてそうだったように。
■霜月 零 > 「当然だ……!」
ただでは済まさない。
その尊厳を踏み躙り、妹に手を出した事を後悔させながら……その上で殺さねば、仇を討ったことにならないのだから。
「今後、講義は全部サボらせてもらう。ンな事してる暇はねぇ」
その場を離れる直前、それだけを告げた。
――彼の全ては、復讐のために。
■矛海 遼 > 「あぁ、話は付けておこう。…………だが、彼女を一人にはするな。絶対にだ。」
背を向けた少年に言葉を返す。静かに、怒声の混ざった、その声で。
■霜月 零 > 静かに頷き、妹の手を取りながらその場を去って行った。
……その背中は、無念と、怒りに満ちていた。
ご案内:「委員会街」から霜月 零さんが去りました。
■矛海 遼 > 「…………………」
一度、足を止めると壁に一撃叩きこもうとし、寸前で止める。
「…………痛みがわかるだけでは意味が無い。
そこから救ってやらねば。」
再び歩き出し、そのまま救急車に乗り、病院へと向かう。
一人の少女を守れなかった怒りと一人の男の道を邪の物にすることを止められなかった、自身への怒りが。拳には握られていた。
ご案内:「委員会街」から矛海 遼さんが去りました。