2015/06/20 のログ
■犬飼 命 > 「……んぁに!?」
このぬいぐるみ一つであれだけ苦労したのだ。
あの経験は二度と支度はない。
とは言えいまさら苦労して取りましたなどと言えるものか。
奥歯を噛みしめる、大口をたたいた自分を呪う。
「またとは、無茶言ってくれるじゃねぇか。
そう……タダで取りに行くわけにはいかねぇだろぉ?
今回は魔術書との取引だったから取ったわけだしよ!」
だからわざわざ頼むんじゃねぇと願う。
■レイチェル > 「くっ……せっかくUFOキャッチャー上手い奴見つけたと思ったのに……」
肩を落とすレイチェル。
が、ややあって命を見上げ。
「じゃあ、その分見返りはやるからさ。どれくらい金かけたか言ってくれれば、その分のお返しはオレからするからさ~!」
そう口にした。
かなり、真剣な表情だ。
■犬飼 命 > 「お返しって言ってもな……っ!」
(おいおい、やめろよやめてくれ。
そんな目で俺を見るんじゃないっ!
どうしてどいつもこいつもこういう目で見上げてくるんだよ!)
手で顔を覆う。
この顔、この目、どうしても諦めないって顔だ。
よく知っている。
「……あぁっ!
わかったよ、取ってこりゃいいんだろ!
それでてめぇは礼を差し出す! それでいいんだろ?」
根負けしてしまった。
■レイチェル > 「おう、出来る限りの礼はするぜ! ネコマニャンの為ならな!」
変わらず、真剣な表情だ。
「じゃ、そろそろ帰るとするぜ。ありがとな、犬飼命! お前が約束をちゃんと守る男ってのはよーくわかったぜ! またよろしくなっ!」
そう言って、ネコマニャンのぬいぐるみを抱えながらレイチェルは廊下を歩き出す。
■犬飼 命 > 「おう、お疲れさんだ。 まぁ、任せておけ……ハハ」
レイチェルの後ろ姿が見えなくなると頭を抱えてうずくまる。
「くそっ!
なんて馬鹿な約束をしちまったんだ俺はっ!」
UFOキャッチャーの悪夢がまた始まるのかと思うと身悶えるのであった。
ご案内:「風紀委員会本部」から犬飼 命さんが去りました。
■レイチェル > 「任せたぞ、命~」
フルネームでなくそう名前で呼ぶレイチェル。
彼女なりの信頼の証である。
命の心中など知る由もなく。
るんるん気分で、レイチェルは廊下を歩いて去っていくのであった。
ご案内:「風紀委員会本部」からレイチェルさんが去りました。
ご案内:「委員会街」に緋群ハバキさんが現れました。
■緋群ハバキ > 【緋群ハバキは公安委員会所属の事務担当者である。事務と言っても一年なので実際の書類作成より他のデスクワーク組から申し付けられる雑用が主な仕事であった】
【今日もまた得意の健脚を活かしてオフィスから委員会街に在るコンビニ『イアソン』へと1分48秒で到着、風に棚引く赤マフラーが地面に落ちる前に開いた自動ドアに滑り込む】
いよーしこれとこれとこれとこれ、あ、あっちの先輩はこの銘柄っと。
【疾風の如く棚の間を駆け巡り、小脇に抱えた買い物カゴへと正確に商品を放り込む様は大阪特区に住まうオバチャン達に迫るものがあった】
【瞬く間に山積みになる買い物カゴがレジに置かれたのは入店から1分28秒の早業である】
■緋群ハバキ > あ、すいません支払いは『TOUCHY』でお願いします。
【会計は当然スピードを重視し、常世島全域で使用出来る非接触式ICプリペイドカード『TOUCHY』を使用。橘の簪が突き刺さったアゲハの幼虫というエキセントリックなデザインのマスコットキャラが描かれたカードを取り出し、レジのカードリーダーに提示する】
【気の抜ける電子音と共に支払い完了の文字が画面に表示されるや否や、持参していた買い物バッグへと商品を次々投げ込む】
【店員の袋詰にかかる時間は己の努力では如何ともし難い。であるなら、その行為そのものを己が受け持てば良い。これこそが別次元の高速お買い物を実現するためにハバキが到達した結論であった】
【店員のバイト学生もそろそろ慣れたもので、そんな忙しないハバキの様子をぼんやりと見守っている】
ありがとうござっしたー!!
【袋詰が終わってから店員が挨拶をするよりも早く自ら礼をし、開いた自動ドアから店外へ。買い物所要時間、実に2分02秒】
■緋群ハバキ > ……ふぅ。
3分50秒。残り1分と10秒か……
【店外に出て一息。今月のハバキの目標はパシリ所要時間を移動時間含めて5分以内に収める事にあった】
【往路1分48秒。復路を同じペースで移動したとしても38秒オーバーは確実】
【ならばどうするか】
【緋群ハバキは膝を曲げ、半ばしゃがんだ姿勢で暫く目を伏せる。大きく息を吸って、吐くと同時にかっと目を見開き】
行け……ッ!!
【跳躍。否、それは最早射出とでも言うべき光景であった】
【ただ己の脚力のみで空中へと辿り着いたハバキはくるりと身を回し、手近な建物の壁へと足を向ける。コンクリートの壁面に地下足袋が接地するや否や、その両足が走りだした】
【壁面を走りつつちらと目標とする公安委員会オフィス事務棟を臨めば、丁度三階の窓が開いていた。残り42秒。距離30m】
■緋群ハバキ > 【地上からの視線など目に入らない。ただ己の任務を果たすべく、ハバキはひた走る】
【通りを挟んで反対側に開いたドアへ視線を据えて、奔る】
【そして十分に距離と速度が乗ったと判断した時――】
――ッ!!
【大きく一歩を踏み出し、飛ぶ。錐揉み回転で赤マフラーが螺旋を描き、銃弾の如く開いた窓へその身を放り込ませんとする。残り15秒】
【だがその時……!】
何……ッ!?
【ハバキの視界に入ったのは、目標の窓の前に立ち窓拭き用洗剤と雑巾を両手に携えた掃除のオバちゃん――!】
ご案内:「委員会街」に槙壌 結雅さんが現れました。
■緋群ハバキ > 【今正に窓から飛び込まんとする少年の事など目にはいらないと言わんばかりに、オバちゃんは開いていた窓の取っ手に手を掛ける】
あああ……!
【手入れのよく行き届いた窓のレールは滑らかにガラス戸を閉鎖させ――】
ああああ……っ!!
【そして、7.62x51mm NATO弾のフルオート射撃にも耐える防弾ガラスに自身の顔が写り込んだのをハバキが確認した刹那――】
【硬いものが肉を殴打する音が、委員会街に響いた】
■槙壌 結雅 > (時間は、何時の事だろうか。所は公安委員会の事務棟。メイドさんの格好でしれっと、まるで最初からそこにいたかのように現れる。)
…あら。…ら?
(神出鬼没。それが己の在り方で、己を顕わす言葉だ。何処に、何時現れたっておかしくない。そんな存在。…なのだが。)
…こ、これは…!
迅《はや》い!一挙一動に無駄がない動作…!
―――えっ。
(何か、銃弾めいたものが動いて、ミンチをぶん殴る様な若干グロテスクな音が聞こえた気がした。何があったのかは分からないが、こんなので大丈夫なのだろうか公安委員会。)
■緋群ハバキ > 【――結雅が窓から下を確認すれば、曰く名状しがたい姿勢で地面に倒れこむ赤マフラーの男子学生が見える事だろう】
【打撃痕で鼻の頭を真っ赤にし、白目を剥きつつもその少年は買い物袋を守ろうとでも言うかのように抱きかかえていた――】
【――緋群ハバキ、再起不能】
……って死んでねーよ!! はぁっ誤算だった……時間は……!
【コメツキムシの如くノーモーションで起き上がり何事か喚く少年。我に返ったかのように時計を確認すれば……】
【丁度、復路に費やした経過時間が3分を数える所であった。がっくりと膝をつく少年】
■槙壌 結雅 > (ぎょっと、窓外の男子生徒に若干大袈裟なリアクション。…あれはたしか、パシリで有名な…。)
………あの。取り敢えず、起き上がったなら、…どうすれないいのかしら?
えーっと…回復魔法、いりますー?
大丈夫ですのー?
(窓から、下へと向けて手でメガホンを作りながら大きな声で叫んでみる。)
(この距離でも回復魔法は届くのだが、取り敢えず、死んではいない様なので一安心と言ったところで。)
(しかし、膝をついていると見るなら、相応のダメージは受けているのだろう。というか、さっき白目向いてたし、あの人殆ど瀕死だったのでは、なんてさえ思ってしまう。)
■緋群ハバキ > \あっ、槙壌センパーイ。全然大丈夫ッスー/
【メイド服の公安所属の委員は当然有名であった。片手を上げて手を振り無事をアピール】
【すぐさま委員会棟入り口に消え】
いやー……見てました?
お恥ずかしい!
【いつの間にやら、結雅の隣に佇む買い物バッグを抱えた少年】
■槙壌 結雅 > …あのですね。無事ならいいのですけれど心配させないで下さいまし。
(半分怒った表情で、刹那に現れた隣の彼をジロっと見遣った。それにしても早い。)
宜しいでしょうかしら、パシリの御主人様。…えぇ、見て居りましたよ。
出来れば見たくありませんでしたけれど。
あ、ところで…何を買っていらしたので?
(ふんす、とでも聞こえてきそうな起こりっぷりを見せつけた後、買い物カバンらしきものに目を遣って、指を差した。)
■緋群ハバキ > し、心配してもらえてるぅーーー!!!!!
【何故か感動に打ち震える少年。この男アホであった】
いやご主人様呼ばわりは……いや、ご褒美なのか……!? センパイにご主人様……お、オォォ……
あっはい。すいません。もうちょっとで5分切りそうだったんでつい……
【半ばトリップしていた所から我に返り、頭を下げる】
【照れくさそうに頭を掻き、差された買い物鞄に視線を移すと】
ああ、事務の先輩方におつかい頼まれたんスよ。昼飯とアイスとお菓子と飲み物とあとベヒーモスエナジー(※門の開放以降異界技術を用いて開発されたエナジードリンク)が1ダースと……
【ひょいひょいと大量の買い物を卓上に並べ】
■槙壌 結雅 > …あのですね。人が倒れて心配しないほどに私もゲスではありませんの。
ちょっと、聞いていらっしゃいますの?
(ちまっと腕組みしながら、そんな大声を横目に。)
ああいえ、その―――こほん、私は生まれつき流離のメイドです故、特に意図ない場合は殿方は御主人と呼ばせて頂くのですけれど…。
…ああ、それとも、…普通に素の方が良いのかしらね、"緋群君"?
(これには流石に困った顔である。呼び方を変えて、短い緑の髪をふぁさりと一薙ぎ。先輩と後輩の関係に逆戻り。冷静になりなさいと言わんばかり。)
…ふむ、成程。取り敢えず、そのお飲み物、気になりますけれど。
そんな飲み物より御紅茶は如何で御座いましょうか?
(ベヒーモスエナジーとやらを横目に、あくまでも彼女は彼女の推す飲み物を推すのである。)
お菓子でも食べながら、御茶にしませんこと?書類を処理するのも腐ってきたところですし、あなたもつかいっぱしりに行って疲れたでしょうし、ね?
(何だかんだで、気紛れだが、割と優し気なのかもしれない。語尾でぱちりと片目を閉じて見せるのは、先輩なりの気遣いの現れか。それとも…)