2015/07/10 のログ
ご案内:「生活委員会棟・入学検査室」にアルフェッカさんが現れました。
■アルフェッカ > 常世学園、委員会街。
その内、生活委員会の施設が入っている建物。
異邦人が学園に入学する際に必要となる、検査を行う為の部屋もここに存在する。
そして今日、この部屋を使用し、入学の為の検査が行われる予定が入っていた。
■アルフェッカ > 生活委員会棟・窓口。
一人の少女が、「入学案内」と書かれたプレートの下げられた窓口に立っている。
パーカーにワンピース、ジーンズにローファー。
ハンチング帽は、さすがに室内の為、脱いでいる。
「あの、すみません。本日、入学検査を受ける予定の者ですが…。」
窓口担当にそう告げ、封のされた封筒を差し出す。
■アルフェッカ > 窓口担当の委員が封筒を受け取り、PCを操作して何事か確認する。
『――確認しました。アルフェッカさんですね。こちらの封筒を持って入学検査室へどうぞ。入学検査室の場所は――』
窓口担当委員から封筒を受け取り、丁寧な案内を受ける。
一礼すると、アルフェッカは教えられた通りの順路を辿って、生活委員会棟の中を進んでいく。
■アルフェッカ > 「入学検査室…入学検査室……あった。」
歩くことしばし。
目的の名前の書かれたプレートを掲げた部屋が見つかる。
どうやら、今日は自分以外に検査を受ける者はいないようだ。
部屋の前、待合所のようになっている、いくつかのソファが置かれたスペースには、誰も座っていなかった。
■アルフェッカ > 部屋へ続く扉の隣、受付のようになっているスペースに座っている委員に、下の窓口で言われた通り、名前を告げ、渡された封筒を提出する。
受付に座っている委員が封筒を受け取ると、名前を呼ばれるまで待つように告げた。
その言葉に従い、アルフェッカはソファに座り、待つ。
ご案内:「生活委員会棟・入学検査室」にクラスカさんが現れました。
■クラスカ > 遅刻だ!
(右肩に「生活委員」の腕章をつけた男子生徒が慌てた様子で駆け出してくる)
(一瞬アルフェッカとすれ違い横並びの形になると、頭が少し低く、背が彼女よりも低いことが伺える)
(ちらり、と傍らの人物へ目をやると、軽く頭を下げて)
(そのまま入学検査室の扉を開けると、中へと姿を消し、扉は閉じられる)
■アルフェッカ > 「………?」
慌ただしく駆けてきた、学生と思しき少年を、アルフェッカはきょとんとした目で見送る。
すれ違う時、軽く頭を下げられたので、反射的にこちらも礼を返した。
肩に、「生活委員」と書かれた腕章が付けられていたのが目に留まる。
(検査室に入って行ったけど…もしかして、担当の委員さんかな?)
■クラスカ > (入学検査室の内側から「遅刻か」「気が緩んでるぞ一年」「後でコーヒー買ってこい」などとの温かい声と共に)
(一際大きな、肉を張る様な鈍い音が一度聞こえた後で)
(窓口の委員がアルフェッカへ、準備が整ったので室内へ入るよう促してくる)
■アルフェッカ > 「――あ、はーい!」
名前を呼ばれ、室内に入るよう伝えられる。
扉の前で小さく息を吸い込み…。
(…よし。行こう!)
「失礼しまーす。」
がちゃり、とノブを回し、検査室へと入室する。
■クラスカ > (室内は待合室をいくつ合わせても足りるか、というほどに広大で)
(その広大な部屋の中に存在するのは、計器類の備え付けられた大型の機械、白衣とマスクを装着した幾人もの人物、検査に使用されるらしき器具)
(他には、長机の前に座った気難しそうな何の役職だか分からないような面子と)
(先程アルフェッカの前を通った、「生活委員」の腕章を備える年若い男子生徒)
アルフェッカさんですね。私今回、入学にあたっての検査を担当することになりました、クラスカといいます。
どぞ、よろしく。
(封筒の中の書類を眺めながら、どうぞそっちに、と機械器具の前のパイプ椅子に座るよう薦める)
■アルフェッカ > 「あ、はい。よろしくお願いします。」
先程すれ違った学生は、やはり自分の検査を担当する委員だったようだ。
クラスカと名乗ったその学生に小さく頭を下げると、薦められるままにパイプ椅子へと腰かける。
(…思ってたより、物々しいな…。もっと簡単な感じかと思ったけど…。)
大型の機械やマスクを付けた何人もの白衣の人物、机の前に座る面々に、少し不安になる。
(――いや、異世界から来たモノ相手なら、当たり前…かもね。特に、未知のウィルスを持ち込んだら大変だし。)
試験期間の間、ウィルス検診に備えて体内・体外とも入念なクリーニングを重ねている。
これで大丈夫である…とは思いたいが、総ては結果が出てからだ。
■クラスカ > すいませんが、僕もこういうお固い仕事は不慣れなもので。
進行変わってもらってもいいです? 僕が書記しますよ。コーヒーだって買ってきます。
(と隣に並ぶ硬い表情の男たちに意見を求めるも、返事はなく)
(肩を落とし、不満気に本筋の話を続ける)
(その様子は、重苦しい室内の雰囲気からやや浮いて)
普段は軽い質問プラスですぐ終わるんですけど、アルフェッカさんは事情が事情なだけに、どーぞご理解下さい。
ほら、異邦人ですからね。環境の違いとかで空気が合わずに病気になってたりしたら、大変ですし。
(緊張をほぐすためか身振り手振り大きく説明をしているうちに)
(痺れを切らしたのか、長机でクラスカの隣に座る男が白衣の男たちを促す)
(白衣たちは血液採取のための注射器を取り出し、アルフェッカにちらつかせる)
(これから何が起こるのかは―)
あっまだ話は途中!……とまあ聞いてた通り、まず血液検査からです。
(慌ててクラスカが付け加える)
■アルフェッカ > 固い表情の面々、妙に重い雰囲気の中、クラスカの口調と様子は浮いているようにも見える。
が、それでも随分と空気は軽くなった気がする。
「あ…はい。分かりました。」
環境の違いは、確かに大変な事もあるだろう。
病気になったりもあるかもしれない。
…アルフェッカには、病気はとてつもなく縁の遠い代物であり、むしろ自分がウィルスを運んできてしまう方が心配であったが。
「――――!」
などと話をしていると、何がしかの指示を受けた白衣の男達が注射器を取り出し、こちらにちらつかせてくる。
(随分と、また…! もっと、病院の採血検査みたいなモノだと思ったんだけどなぁ…。)
クラスカが付け加えたように、血液検査が始まるようだ。
「――あの。この血液検査、一応最初に聞いたお話だと、輸血用に問題がないかどうかの確認、なんですよね?
それと、予め断っておきますけど――私、採血されても、血は出ませんから。念の為。」
何の予備知識もなしに採血されて、慌てられては事だ。
表面上は平静に、内心ではやや慌てて、最初に用意しておいた言葉を告げる。
■クラスカ > ええ、その点は大丈夫です。
怪我等の際、緊急時に輸血がつつがなく行えるかどうか、特異な血液型でないか確認です。
(安心させるように声色を整えると、隣に座る人物たちを一瞥して)
盾前はね。
後は、アルフェッカさんの体質に、この人たちが興味深々らしいので。
(さらりと重要そうな発言を流すと、男たちの表情が目に見えて硬化する)
(怒り。敵意。憎悪。負の感情が入り混じった視線で、クラスカを睨みつける)
(うち一人などは「価値を知らない若造が」と吐き捨てて)
別に構わないでしょうに。フェアじゃないですよ、こういうの。騙すみたいでさァ。
(気にせず鼻を鳴らすと、努めて明るい声を出して)
アルフェッカさん、このオッサンたちは悪い人間だから気を許さないでね!
僕は信用してもらっていいですよ!
(白衣たちは我関せず、仕事を実行するのみ)
(アルフェッカの白肌に注射器の鋼針が打ち込まれる)
(静脈の確認も飛ばし、アルコール綿での消毒もせず)
(通常の過程は必要ないとすら言いたげな、極めて事務的で強引な処置)
■アルフェッカ > 「……っ!」
注射器の針が、乱暴に打ち込まれる。
吸い出されるのは血液ではなく、仄かに発光する液体。
アルフェッカの身体を巡るフォトンリキッドである。
「随分とまた、乱暴な事で…。」
渋い顔のまま、だが敢えて抵抗はせず、されるままにする。
(――茜さんにも言われた事だけど、本当に、いるんだなぁ…「そういう人間」って。)
クラスカの言葉に、警戒心を喚起する。
同時に、クラスカの「信用してもいい」という言葉に逡巡するが…。
(信じても、いいかな。明らかに、あの人達に不利な情報を流してくれてるし。)
…此処の人間全員がグルでなければ、であるが。
そこまで疑い始めると、誰を信じていいかが分からなくなる。
(安直って言われても、いいさ。)
この場において、アルフェッカはクラスカの言葉を信じる事にした。
■クラスカ > (異邦の力?未知の技術?常世財団に対しての優位性?)
(そんな大人たちの利権が絡み合う下衆な差し合いは勝手にやればいい)
(口止め料の紙幣だってクソ食らえ、ケツを吹く紙にでもしてやる)
(今クラスカが考える、目下の問題は)
(入学に心を躍らせているはずのアルフェッカが、余計な情報を得て気分を害していないか、の一点だった)
(光を帯びた粘液が吸い上げられると、その場にいた全員が息を飲む)
(白衣も、スーツの大人たちも、クラスカですらも)
(アルフェッカの存在を如実に示す、人間外であることの証左)
(慌てて白衣が我に帰り)
(採取された体液の注射器を、ちょうどシリンダー状になっている機械の窪みに注入すると)
(白衣たちは巨体のレバーを上げたり、接続されたキーボードを叩いて「検査」を始める)
(液晶画面には規則性を欠く意味不明な記号と文字列が点滅を始め、何が面白いのか白衣は次々と記録に取る)
ということでアルフェッカさん。
面接の結果は僕が報告書として上げるので、大丈夫です。
ただどうしても、申し訳程度の記録が必要になるのと、この欲に塗れたおじ様たちの面子も立てて上げたいので。
(馬鹿にしたように、唇を釣り上げ、傍らの人間を哂う)
差支えない範囲での、異能と魔術を見せて下さい。
■アルフェッカ > 「――――。」
「検査」を始める白衣達に、一瞬、冷たい目を向ける。
何が面白いのかは分からないし、分かりたくもない。
アレを精製するつもりなら、相応の技術が必要になるが、この常世学園なら、もしかしたら、とも思ってしまう。
(…ま、精製出来なかったらお気の毒さまだけどね。アレ、私の身体から出てくと基本的にどんどん変質して使い物にならなくなるし。)
元は、エナジーエレメントを蓄えるフォトンリキッドが大量に撒き散らされ、爆薬に使われたりするのを防ぐ為の処置だ。
体内にある内は品質の完全保持と浄化がされるが、体内に出ると変質し、そのうちに自然環境に悪影響の出ない、無害な物質へと変化し、還元される。
敢えて教えるつもりは無い。
異能と魔術を見せて欲しいというクラスカの言葉に、アルフェッカは応える。
「差支えない範囲、で、良いんですね?」
■クラスカ > (機械の振動が終息し、モニターの液晶画面に『Complete』が表示される)
(白衣のうち一人が抱える記録用紙の最後の欄には、『異常反応なし』の文字が書き加えられた)
ええ。そうですね、例えば「呼吸をする程度のもの」でいかがでしょうか。
危険性とか異常性に関する指標ですから、軽いデモンストレーションだと思えば。
(これは善意ある警告だ)
(常世学園には数多の悪意が潜む)
(異界からの技術を求める人間に留まらず、もっと凶暴で純粋な殺意や、狂気も)
(そんな坩堝の中で悪戯に力を誇示することは、上等な餌をぶら下げて回るに等しい)
(アルフェッカを守れる範囲にも限度はある)
(いくら報告書を改竄し都合のいい内容を記したとしても、嗅覚の鋭い狼はやがて辿りついてしまうだろう)
(可能な限り穏便に済ませて欲しい、と祈り)
■アルフェッカ > 「……。」
クラスカに言われた事を、かみ砕いてみる。
(…目立つ真似をして、目を付けられない様に、って事かな?)
小さく一呼吸。
手をそっと前に出すと、プログラムを呼び出す。
『疑似魔術式・オン』
『属性設定:火』
『状態:待機』
『出力:小』
『――――起動』
手を出してからやく5秒程の時間を経て、掌から十数センチ程の高さに、野球のボール程のサイズの炎の玉が出現する。
「こんな感じで、どうでしょうか。一応、これが魔術になります。」
■クラスカ > (魔術により起こされた、ライターより多少マシ程度の発火を見れば、明らかにスーツの面々は落胆した様子)
(これ以上は得る実がないと踏んだか、席を立ち出て行く人間まで現れる始末)
(更に白衣たちも、数枚の検査結果の資料をクラスカに渡すと)
(アルフェッカが入室した扉とは別の、検査室の奥側の扉へと、検査機械を運び始める)
(検査役の白衣の仕事は完全に幕引きのようだ)
ふむふむ。安定した見事な魔術です。では異能の方も、お持ちでしたらどうぞ。
(促せばクラスカはペンを走らせ、手元の報告書にさらさら何事か書き記す)
(『魔術道具を使わない魔術の起動及び行使に成功』)
(『制御もできており、学園に対する脅威度は著しく低いものと……』)
■アルフェッカ > スーツの面々と白衣達が撤収めいた片付け作業を開始する。
敢えて一番簡単、かつ低出力の疑似魔術を使った甲斐が出たようだ。
「あ、はい。異能ですね。」
…流石にこれを隠す事は出来ない。いざと言う時、これを隠したままだと問題が出る。
スーツの男達が残っていないかに気を払いつつ、「機能」の起動準備に入る。
■クラスカ > (「全く無駄骨だ。早く体液を回収して……」)
(「買収工作は完了したのではなかったか?我々の息のかかった……」)
(「それが、直前になっていきなり人員に変更が……」)
(思い思いの愚痴を零して、くたびれた大人たちは扉から姿を消し)
(白衣たちが巨大な鉄の扉を開き機械を室外へと持ち出せば、広い検査室に二人だけで残される)
忙しい人たち。僕達だけになっちゃいましたね。
(あはは、と軽い笑みを浮かべても、釘は差す)
あ、でも油断はしないで。僕が悪者だったらこれは好機だ、って考えますからね。
あと隅にある監視カメラ。あれ不幸なことに、機材のトラブルで機能してないので。
(一角を指で示すと、確かにやや世代遅れのビデオカメラが設置されている)
どうぞ、匙加減はお任せします。