2015/07/25 のログ
ご案内:「図書委員会【第十架空書架(C/DX)】」にヘルベチカさんが現れました。
■ヘルベチカ > にちゃっ、にちゃっ、と。粘度のある液体が立てる音。
靴裏が廊下を擦る度、響く。
その音の主に続くように、小型の清掃ロボットが続いて。
刻まれた赤い靴跡を、消し去っていく。
消しては刻まれ、刻んでは消されて。
何度も何度も書き直す、小説の文頭の如く。
そしてその作業は、止まる。
靴の踵にぶつかりそうになった清掃ロボットが、ピタリと動きを止めた。
■ヘルベチカ > ある扉の前。中から音は聞こえてこない。
自らの呼吸音と、壁の中から聞こえてくる空調配管の唸り。
それを遮るように、ノブに手をかけ、扉を開けた。
「おい、入るぞ」
開けながらの言葉。許諾をとろうという訳ではない。
ただ、こうせねば、扉を開けても部屋の主がこちらへ気づかないのだ。
■ヘルベチカ > 足を踏み入れれば、薄暗い室内。
両サイドの壁には一面、本が並んでいる。
ハードカバー、新書、辞典、ファイリングされた報告書、文庫。
そして一角には、CDやフラッシュメモリの類も並んでいて。
不意に、棚の端、一冊増えた。
■ヘルベチカ > 『あぁ、お帰り第五書架。早かったねぇ』
高い声。喜色を交えた其れの主は、部屋の奥、高級そうな執務机の上、
あぐらをかいて座っていた。
長く伸ばされた黒髪、濡れたように光を照り返す。
白磁の肌、顔に浮かんだ表情は薄い笑み。
■ヘルベチカ > 『で、首尾はどうだったんだい?』
ことん、と傾げられた首。そのまま転がり落ちそうな動き。
問われた側、第五と呼ばれた少年は、がりがりと頭を掻いて。
「首尾もクソも在るか。ちゃんと回収してきたっつーの」
左手に下げたビニル袋、中に入ったもので角ばったそれを、
相手に向かって放り投げた。
ゆるやかな放物線、というには直線に近い軌道で投げられた荷。
相手へとぶつかりそうになったところで、突然静止した。
■ヘルベチカ > 『悪かったねぇ。ボクたちは金遣いが荒いからさ。他のお手伝いもしないとね』
何がおかしいのか、からからと笑う。
対照的に少年は、がりがりがりがり、と頭を掻きむしって。
「んなこたぁどうでもいいんだよ。約束は守れよ」
苛立ちを隠そうともしない、歪んだ表情で吐き捨てた。
それを聞けば、喜色を深めた白貌の主は机の上、ついた掌、
爪先で木肌を、かつんかつん、と叩いて。
『わかってる、わかってるよ。1冊で10秒だから、今回は』
宙に静止したまま浮いていた荷、ビニル袋が溶けるように消えた。
顕になった中身、4冊の書籍。
『40秒だ。好きなときに願えばいい。君は元に戻れるよ』
■ヘルベチカ > 報酬を告げると同時、ゆるりとあげられた右手。
細く小さな人差し指と中指とが、少年の頭を指さして。
『それじゃあまたね、こんにちは、猫乃神ヘルベチカ』
「クソが。さっさと死ね」
表現するも悍ましい肉の音が、室内に響いた。
ご案内:「図書委員会【第十架空書架(C/DX)】」からヘルベチカさんが去りました。
ご案内:「風紀委員会委員会本部窓口」に白崎玲刃さんが現れました。
ご案内:「風紀委員会委員会本部窓口」から白崎玲刃さんが去りました。
ご案内:「風紀委員会本部窓口」に白崎玲刃さんが現れました。
■白崎玲刃 > 【風紀委員会の本部、その入口ロビーから、窓口へと歩いてくる人影があった
玲刃である。
彼は、以前、核融合缶の件の時と同様に、再びこうして、風紀委員会の窓口へと問い合わせに来ていたのであった。
今回の要件、それは、先日の戦闘にて無くした特殊な剣が、この風紀委員会に押収されてないかという要件であった。
今回においては、公安委員会か風紀委員会に問い合わせるという方針であったわけであるが
玲刃は、公安委員会には多少、以前の騒動などの影響で苦手意識を持っており、
更に、風紀委員会には数人の知り合いが居たため、
まず先に、問い合わせるのは風紀委員会にとした様であった。】
問い合わせたい事があるのだが…
【そうして、窓口へと着いた彼は
順番待ちの列に並び、そうして、彼の番が来ると窓口に対して要件を言う為に口を開く】
■白崎玲刃 > 先日、そうだな…たしか、7月20日の深夜だ。
その時の落第街路地裏であった騒ぎの現場で押収された物の中に、こう特殊な感じの剣は無いだろうか?
【玲刃の問い合わせの内容に、受付にいた人物は、明らかに不審な者を見る様な訝しむような表情をする。
それもそのはずである、常世学園において、落第街とは一般的には無いとされている場所であり
そこでの事を、更にそこで起きた事件の現場で置いていた物
それも、その騒ぎにおいて使われたと見受けられる武器についての事について問い合わせて来たのである
玲刃は受付から見れば、どう考えても明らからに怪しい人物でであったのだ。】
■白崎玲刃 > 【窓口に居た人物が、目の前にいる怪しい人物からの、
これまた明らかに怪しい問い合わせの内容にどうするべきかと困り
どう対応するべきかと上に確認しに行くのであった】
ふむ……
【またこのパターンかと、玲刃は少し溜息を吐きながら、対応の確認に行った窓口の人物を見やる
自分の問い合わせは、そんなにいつも応えに困る様なものばかりなのかと少しの落ち込みをしながら黙って待っている様であった。
どう考えても、玲刃の問い合わせは対応に困るものである。
それに、あの騒ぎは、落第街だとしても、死者が50人程という
落第街だとしても、明らかにに死者の多い騒ぎであり、
場合によっては、玲刃をその騒ぎにおいての重要参考人として取り調べなくてはならないのではないか
という考えの元に、窓口の人物は上に確認しに行くのであった。
が、そんな窓口の考えにも全く気付かない様子で、窓口の人物が戻ってくるのを、黙って律儀に待っている様であった。】
■白崎玲刃 > 【そうして、数刻後、窓口の人物が戻って来て
玲刃にある事を言う、
その件について詳しく話があるので着いて来て欲しいと、
場合によってはこちらで一本保管している剣がそれかもしれないから返せる可能性もあると
勿論、玲刃を重要参考人として取り調べする為の方便であった。】
ふむ?その事で詳しく話があるから着いて来て欲しいと?
ああ、良いだろう。そのまま着いて行けばいいのか?
【しかし、玲刃はその窓口の人物の意図など知らず、
自身が紛失した、特殊な剣のどれかを取り戻せる希望を抱き、
疑うことなく、そのまま素直に、窓口に人物について行き
取り調べ室へと連れられて行ってしまうのであった。】
ご案内:「風紀委員会本部窓口」から白崎玲刃さんが去りました。